村上鋼と影浦雅人は鬼を狩る   作:白澄星火

26 / 38
第25話:急襲

第1節:急襲(炭治郎視点)

 

ガガガガガ!!!!!!

 

何かを勢いよく削るような、連続音。

俺と義勇さんは警戒を強め、その場で立ち止まる。

 

「何だこの揺れは!!」

 

「ぎ、義勇さん!」

 

「止まれ!!落ち着け」

 

すでに刀を抜いていた義勇さんは、片手で俺を静止した。

俺もすかさず抜刀し、あたりの気配を探る。

 

(また誰かが戦ってるのか!?また誰かが死んでしまうのか!!)

 

冷汗が噴き出す。

 

(・・・いや、違う。揺れの中心が、こちらに近づいてる?・・・この匂いは・・・)

 

近づいてくるなにか。

それが発する匂いと、気配。

 

俺は、覚えがあった。

いいや、忘れるはずがない。それは──────

 

「上だ!炭治郎下がれ!」

 

義勇さんの叫びとともに、天井が割れた。

 

ドオン!

 

裂けた畳や板切れとともに、炭治郎の目の前に振ってきたのは。

 

「久しいなァ」

 

青白い肌に、赤い髪。

金色の瞳。

 

「よく生きていたものだ。お前のような弱者が!竈門──────炭治郎!」

 

身体中に帯のような紋様が浮き上がった──────上弦の参!

 

拳を構えて突っ込んできた、その鬼の名を。

 

「猗窩座ァァアア!」

 

 

第2節:肉塊

 

ドクン、ドクン・・・と、脈動が虚空に響く。

無限城の最奥。

深い深い吹き抜けの、その途中に。

 

巨大な肉の塊は蔓延っていた。

周りの壁に肉の支柱を伸ばし、空中に浮いたその塊には、半ば身をうずめたような状態で、珠世がとらわれている。

 

そして、この肉塊の中には。

 

無惨が解毒をしながら、時が来るのを待っていた。

 

 

第3節:産屋敷邸の状況

 

産屋敷邸の縁側に座り、新しく就任した鬼殺隊の主を護衛する、宇髄天元、煉獄杏寿郎、煉獄槇寿郎の三名。

 

本来であれば、両目を失明した杏寿郎がこの場に居るのは危険だった。

しかし、愈史郎の血鬼術"紙眼"により、一時的に目が見える状態になっていた。

 

「・・・父上とご一緒する任務など、いつぶりでしょうかな?」

 

「・・・お前らしくない。集中しろ杏寿郎」

 

槇寿郎は、息子の言葉をはぐらかすように言った。

対する杏寿郎は、深々と頭を下げる。

 

「失礼しました。父上が再び剣を握るお姿が、懐かしくて、つい」

 

杏寿郎の頬が少しだけ緩む。

それを横で見ていた宇髄は、おもむろに口を開く。

 

「輝利哉様はご立派なことだ。父を亡くされた心痛も癒えぬ中、鬼殺隊の指揮を執り、己の使命を果たさんとしておられる。なあ煉獄さんよ」

 

「・・・そうだな。年端もゆかぬ子どもたちが、これほど我が身を奮い立てているのだ。私も煉獄家の名に恥じぬよう、命を賭してお守りする」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。