村上鋼と影浦雅人は鬼を狩る   作:白澄星火

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第26話:ぶつかる

第1節:ぶつかる(炭治郎視点)

 

「流麗!!練り上げられた剣技だ素晴らしい!名を名乗れ!お前の名は何だ!!覚えておきたい!」

 

猗窩座は、戦いながらも、義勇さんに話しかけ続ける。

対する義勇さんは、気のない態度をとり続けた。

 

「鬼に名乗るような名は持ち合わせていない。俺は喋るのが嫌いだから話しかけるな」

 

「そうかお前は喋るのが嫌いなのか!俺は喋るのが好きだ!何度でも聞くぞ、お前の名を!」

 

猗窩座はそう言うと、右足を上げた。

 

「破壊殺・脚式──────流閃群光」

 

強烈な連続蹴り。

義勇さんはそれを、刀の柄で受けるが、衝撃を受け止めきれず、壁を突き破って吹き飛んでいってしまった。

 

「義勇さん!!」

 

「そうか、アイツは義勇という名前なのか」

 

一瞬にして、俺の懐まで詰めてきた猗窩座。

俺は背後に飛び退き、敵の左手をかわす。

 

だが、すぐにもう片方の腕が、迫ろうとしていた。

 

(回避・・・いや違う、ここは受けなきゃ間に合わない・・・!)

 

(ヒノカミ神楽──────)

 

「破壊殺──────」

 

(──────灼骨炎陽!)

 

「──────鬼芯八重芯」

 

お互いの技がぶつかる。

と同時に、刀身に強い衝撃が伝わり、体勢を崩しそうになる。

 

が、俺の身体を誰かが後ろから受け止めた。

 

(この匂いは・・・)

 

「待たせたな、竈門」

 

「・・・村上さん・・・!」

 

助太刀に入ってくれたのは、村上さんだった。

それを見て、心の底から安心感を覚えた。

 

そして、敵として対峙する猗窩座はというと。

 

「また会ったな、鋼・・・!その闘気・・・・あの夜よりさらに練り上げられている・・・!」

 

「久しぶりだな、猗窩座。今回は勝たせてもらう」

 

「そうか、それは楽しみだ。さあ、早速戦おう、鋼!」

 

その言葉の後。

鋼さんと猗窩座は同時に動いた。

 

最初は、真正面からのぶつかり合い。

お互い、凄まじい密度の応酬を重ねた。

 

(・・・すごい!稽古の時から思っていたけど、村上さんの動きは、隙がまったく無い・・・!)

 

だが、猗窩座はあの夜、煉獄さんと村上さんを同時に相手をし、なお余力を残していたほどに、強い。

 

(俺が助太刀に入らなきゃ、この戦いは勝てない・・・!でも、さっきまで義勇さんからも守られてばかりだった・・・やっぱり、"透き通る世界"が必須・・・どうにか、戦いの中で入るしかないのか・・・!?)

 

再び俺は、敵の元へ。

だが、入り込みすぎず、さらに2人の隙間を縫うように、太刀筋を入れていく。

 

すると、猗窩座は拳を上段に構えた。

 

「破壊殺・砕式──────万葉閃柳」

 

拳を中心にして床が放射状に砕かれる。

 

不安定になる足場。

俺は体勢をぐらりと崩してしまう。

 

そして次の瞬間。

猗窩座の、鋭い殺気を帯びた瞳が俺をまっすぐ捉えていた。

 

(先に俺に狙いを定めている・・・来るぞ・・・次の攻撃が・・・!)

 

猗窩座の脚に力が込められたのが見えた。

 

(下・・・っ!!)

 

「破壊殺・脚式──────飛遊星千輪」

 

連続した蹴り上げ。

一発一発が、強烈。

 

だが、横から村上さんが盾を強く押し付けたことで、猗窩座の攻撃のほとんどは逸れた。

 

とはいえ、1,2発はもらってしまい、血交じりの口から胃液が飛び出る。

 

(くっ・・・攻撃を受け切れても、威力が凄すぎて負傷を零にできない!!)

 

打ち上げられた体制からくるりと回転し、地面に着地。

その後、猗窩座から放たれた裏拳を屈むことで回避する。

 

そして猗窩座の背後から村上さんの刀身が迫る。

しかしそれを、猗窩座は見ずに避け、その後俺たちから一度距離を取った。

 

「炭治郎、お前の成長も見事だ。あの夜を思い出すよ。そして鋼。今のお前はそんなものじゃないだろう」

 

「ふう・・・」

 

村上さんは、ゆっくりと息を吐いた。

そして、こう続けた。

 

「ああ。やっと、暖まってきたところだ」

 

右目の下には、盾のような形をした痣が浮かんでいた。

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