村上鋼と影浦雅人は鬼を狩る   作:白澄星火

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第28話:透き通る世界

第1節:透き通る世界(炭治郎視点)

 

父さんが教えてくれた"透き通る世界"に入れた時、動きの予測と攻撃の回避の速度が格段に上がる。

相手の肺の動き、血管の流れや収縮が透けて見えて、自らの筋肉の収縮もより速く鮮明に分かった。

 

猗窩座が恐らく探知している"闘気"を閉じた状態で頸を狙えるかもしれない。

 

 

第2節:もう間違わない(村上視点)

 

竈門がほんの少しの時間、猗窩座を引き付けてくれたおかげで、オレは盾を回収することができた。

今は右手に盾、左手には日輪刀という、守りの姿勢だ。

 

なぜなら、猗窩座から攻撃が先読みされるようになってきたからだ。

 

あの夜、初めて戦った時から、何度もオレは強化睡眠記憶で復習してきたというのに。

あの夜の猗窩座なら、完璧に凌げる自信があったのに。

 

この男は優に上回ってくる。

 

何という鬼。

これが上弦の参。

 

この男は修羅だ。

戦うこと以外全て捨てた男だ。

 

「もう盾の型も弧の型も全て出し尽くしたようだな。もう十分だ鋼。終わりにしよう。よくここまで持ちこたえた!!」

 

猗窩座はそう言って、右手を振りかぶる。

それをオレは後ろに飛んで回避する。

 

だが、一定以上の距離を開けることを、猗窩座は許容しない。ピッタリと着いてくる。

一旦距離が欲しい。

オレはけん制も兼ねて、上段から垂直に日輪刀を振り下ろす。

 

しかしそれを、猗窩座は折るつもりなのだろう。

吸いつくような精度の裏拳が、刀身の側面に迫る。

 

だが、オレは衝突の直前で、刀を傾けて猗窩座の拳へ刀身をめり込ませた。

 

ボトリ、と指が床に落ちる。

 

「な・・・に・・・?」

 

目を見開く猗窩座。

オレは最後まで刀をふり抜いた後、おもむろに口を開いた。

 

「あの夜、オレは大事な戦いで刀を折った。あれは最悪だった。でも、二度と同じ間違いは犯さない。オレの強化睡眠記録ならそれが可能だ。そして──────」

 

言いかけたところで、オレは思わず、言葉を中断した。

なぜなら。

 

──────ゴトン。

 

猗窩座の上腕から先の部位が突如として、床に落下した。

 

(何が──────起きた?)

 

オレも、猗窩座も呆気にとられる。

なにせ、上弦が反応できない攻撃で、腕が落とされたのだ。

 

そして次の瞬間。

全てをそぎ落とした、あの目がオレの視界に飛び込んでくる。

 

(・・・竈門!まさか──────)

 

猗窩座の横に立ち、振り向いた竈門の表情。

それが、猗窩座の視界にも入った時。

 

猗窩座は、強烈な殺気を放った。

 

「──────術式展開」

 

ドン、と地面を踏み砕く音。

そして。

 

「終式──────青銀乱残光」

 

視界が全て、死で覆われた。

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