村上鋼と影浦雅人は鬼を狩る   作:白澄星火

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第31話:懐古強襲

第1節:不屈(村上視点)

 

(・・・!視界が・・・)

 

刀身が赫くなったことよりも。

今は、酸欠で失神しかけていることの方が重大だ。

 

(敵の・・・前だぞ・・・このままだと・・・やられ)

 

──────ミシリ

 

猗窩座の脚が、めり込んだ。

 

(食らった・・・横腹に・・・モロに・・・!)

 

内臓が、飛び出るかと思ってしまうほどの苦痛。

そして次の瞬間には、壁に叩きつけられていた。

 

「ご・・・ぼっ・・・」

 

血が、塊になって口からあふれ出る。

 

そして猗窩座はというと、自身に刺さった刀を抜こうともせず、身体を強張らせながら、竈門の方へ歩いていく。

 

(猗窩座の動きが鈍くなってる・・・まだ、勝機はある・・・!)

 

それを見て、オレは再び立ち上がる。

 

「待て・・・!戦いは・・・終わって、いない・・・竈門は絶対に・・・殺させない・・・!」

 

途切れ途切れで、恰好が付くはずもない。

そんなオレの言葉に、猗窩座は立ち止まり、こちらを振り向いた。

 

 

第2節:懐古強襲(猗窩座視点)

 

不屈の精神。

どんな苦境に立たされても決して折れない。

 

『俺たちは侍じゃない。刀を持たない。しかし心に太刀を持っている。使うのは己の拳のみ』

 

目障り・・・だ・・・

 

『狛治さんもうやめて』

 

放せ。手を放せ。

誰だお前は。

 

『もうやめにしましょう。向こうにいきましょう』

 

駄目だ。

俺は奴らを殺さなければならない。

 

『どうしてですか?』

 

俺は強くならなければいけない。

邪魔をする奴は殺す。

 

『どうしてですか?どうして強くなりたいのですか?』

 

それは、強くなければ持って帰って来られないからだ。

 

──────親父に、薬を。

 

◆中略◆

 

よくも思い出させたな。あんな過去を。

人間め。

柔く、脆い、弱者。

 

すぐ死ぬ。

壊れる。

消えてなくなる。

 

 

第3節:ヤケクソ(炭治視点視点)

 

(気絶してた!!戦闘中に・・・!!)

 

早々視界に飛び込んできたのは、未だ両足で立っている猗窩座の姿。

 

(頭が!!頭が再生しかけている!!ぐあああ頚を斬ったのに!!)

 

さらに猗窩座は、今まさに両腕に力を籠め、技を出そうとしていた。

 

それを止めるべく、俺は全身に走る激痛を全て無視して立ち上がる。

 

「やめろ──────っ!!」

 

(何度でも頚を斬る!!勝つんだ、村上さんと二人で、猗窩座に!!)

 

両手で刀を握り、ヒノカミ神楽を繰り出そうとした、その瞬間。

 

──────スポン

 

(刀がすっぽ抜けた!!握力が・・・手に力が入らなくなってた!!かああ!!)

 

こうなったらヤケクソだ。

俺は拳を強く握り、猗窩座の顔を殴った。

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