AC6夢小説マトメターノ   作:青木晃

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ラスティ義妹夢主3

「お兄ちゃん、それ意味わかってやってるならやめた方がいいよ。わかってなくてもやめてね」

 ──勘違いされて、刺されるよ。

 妹は早口でそう捲し立てると、俯いて黙ってしまった。正直なところ、意味がわからなかった。この行為が意味するところを教えて欲しくて、素直に尋ねてもナマエは顔を真っ赤にして怒るだけだった。

 ついさっき、私たちはナマエのリクエストで大型の商業施設に到着した。そこは若い女性をターゲットにした場所で、私は正直あまり居心地がいいとは思わなかったが、せっかくの貴重な休日を妹と過ごしておきたいと思っていたので、なるべく楽しめるように努力していた。色々と服を見たりしていると、期間限定の手作りアクセサリーの店を見つけた。そこで、ナマエが気に入ってずっと見ている物を買ってあげようと思い、声をかけたらこの始末だ。……正直なところ、何が悪かったのか、何もわからない。

「お兄ちゃん! なんでこういうとこでダメダメなわけ⁉︎ あー! もう!」

「ナマエ、もう少し声のボリュームを抑えて。みんな見てる」

「……お兄ちゃんが、なんにもわかってないからでしょ」

 興奮して騒ぐ妹を宥めるのは、いつものことだから慣れていた。その原因を自分のせいにされるのも、まあよくあることだ。けれど、ここまで取り乱されたのは久しぶりかもしれない。この年になってまだ癇癪が治らないのは、やはり学校生活でのストレスからなのだろうか。

 最近は仕事が忙しく、満足に構ってやれていなかった。せっかくの休日だからと甘やかしてしまっているが、やはり厳しく接するべきなのか……? 

 結婚以前に交際相手もいないくせに父親じみた考えをしてしまう。年齢の離れた妹を持ってしまったせいで、考え方が子育てのそれに近くなってしまっている。 ……ただでさえ、女性の多い売り場に自分がいるだけでそれなりに目立っているのに、ナマエが騒ぐので余計に注目を浴びてしまっている。

「…………私の何がそんなにいけなかったのかな。教えてもらえないか?」

 事態を急速に収拾させようと、必死に策を練る。ここで喫茶室などに連れて行って宥めようとすると、逆によくないということを過去の経験から心得ていた。ナマエはスンと鼻を鳴らし、小ぶりのアクセサリを指差す。

「これ……男の人が女の人にプレゼントする意味を知ってて言ってた?」

「それは……恋人同士のプレゼントという意味で合ってるかな」

「は、はぁっ⁉︎ 言わせないでよっ! そ、そもそもわたしたちって外から見たら家族っていうより……た、他人同士に見られるんだし、兄妹なのに彼氏に間違われたこともあるし、そういうのを軽率にやると勘違いされちゃうっていうか……めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど……」

 後半は早口なうえに、とても小さい声でボソボソと言うものだからよく聞き取れなかったが、真っ赤になって照れるナマエを見て、なんとも言えない、感慨深い気持ちになった。

 ……ああ、ナマエも、もうそういうことに興味を持ちだすような年齢になったのか。女の子は男の子より耳聡い生き物だし、思春期によくある症状が出始めているんだろう。つい最近までほんの小さな子供だったような気がしていたけれど、もうそんなに大きくなったんだな、と感激してしまった。

「なら、大丈夫だな。私たちは家族なんだから、そんな贈り物の意味は適応されないだろう?」

「…………」

「どうした? ……そうか、本当に必要がないなら、無理に買う必要はない──」

「いるっ! いるから! 買ってよ!」

 商品を掴んだ妹に腕を掴まれ、そのままズルズルとレジまで連れて行かされる。会計後、丁寧にラッピングされたそれを眺めながら、上機嫌になった彼女を見て、女の子を育てるのは難しいことだと改めて実感したのだった。

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