一割の確率でクリティカる 異世界TRPG風小説チート付き   作:たなか

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初投稿です。システム、舞台設定などを纏めた物をのちほど投稿予定です。


プロローグ

出生地ダイス 1d10×1d10=5×3

 

 

【挿絵表示】

 

 

 人間は、何も持たずに生まてくる。そう言われることがあるが、あなたにはそれが当て嵌まらない。諸島連合の北に位置する島国であるが、温暖な気候や強い日差し、そして根付いた文化の多くを共有している。大陸よりも技術発展では劣るものの、魔術はその分巧みである。そんな場所で、あなたは生れ落ちようとしていた。

 まだほとんど髪の生えていない頭を見せて、褐色の体が見え始めたころになって取上げ婆が気が付いた。その幼い手に、何かが握られていることに。生まれたばかりの赤子の濡れた手をゆっくり開き、確かめる。その手に握られていたのは……

 

チートダイス

1d10=1

 

1:羽  6:無

2:鱗  7:釘

3:牙  8:肉片

4:光  9:宝石

5:種  ???

 

 赤子の手に収まるほど、小さな羽だった。夕日が地面と交わった時のようなオレンジ色。角度を変えれば、鮮やかな緑に。また変えれば、金貨よりも眩い黄金に見える。取上げ婆が嬉々としてまだ苦しむ母親にそれを伝えると、丁寧な手つきであなたを取り上げ、空に見せつけるように掲げる。

 

「この子は、霊鳥の加護を受けておるぞ!!」

 

 騒ぎ声に思わず部屋に立ち入った男に、取上げ婆は赤子をその母親の胸に抱かせながら、貴方が握っている羽をその男と母親に見せつける。二人は驚いた顔であなたを見つめたが、男の方はじわりと涙を流しながら母親へと抱き着いた。

 こうして生まれたあなたであったが、貴方が加護を受けた子供だというのは取上げ婆が吹聴して回ったために瞬く間に知れ渡っていった。島中で貴方の事を知らぬものは居らず、海で隔たれた南の島々にも知る者が居るほどに。

 

 周囲の期待の目を受けつつ、君はすくすくと成長していった。

 

 

ステータス

筋力:1d10=5

魔力:1d10+1d3=9+3=12(出生地ボーナス)

知力:1d10=8

健康:1d10=1

器用:1d10=7

 

 成長した……のだが、どうやらあなたはベットの上の住人だったようだ。体は並みといったところなのだが、医者曰く『内側がもろい』らしい。殆ど常に風邪をひいているような状態で、時折病気が悪化して死にかける。よってあなたは、外で遊ぶことよりも家の中での遊び……とりわけ魔法の扱いを習熟させていった。子供の中であなたに並ぶものは殆どいないと言える。

 

 そんなある日だった。あなたはどうすれば体の弱さを克服出来るのかを知るため、両親に連れられて高名な占い師を訪れた。悪臭を放つ小箱や、恐らく肉食動物のものであろう手のひらほどの頭蓋骨に囲まれた家の中、老婆の占い師は枯葉のようなもので巻かれた煙草をふかしつつ、あなた達にこう語る。

 

「旅に出ることだね」

「旅だって!?冗談じゃない!!」

「黙って聞きな。この子は確かにからだが悪い。でも霊鳥の加護があるだろう。だから、余程じゃない限りは死にはしない。それにね、加護だってタダじゃないんだ。勝手に与えておいて何様だって思うかもしれないが、加護を持つ人間には何かを為すことが求められるんだよ。それにこの子は才能がある。加護を持っている者の中には加護を持っている以外になんの才能のない奴だって居るんだ。そいういう子供の最後は殆ど悲惨さ。旅に出れば加護を活かせずに無駄死に。旅に出なくても加護が呪いに変わることある。それに比べてこの子はどうだい?確かにからだの弱さは欠点だが、そこ以外は才能に満ち溢れてる。この子ならなんの心配もないだろう。さっさと旅にお出し。霊鳥の怒りを買う前にね」

 

 老婆はかなりの早口でそう言い終えると、再び煙草を吸い始めた。老婆に反発していたあなたの両親も、老婆の言葉が続く間には沈痛な面持ちに変わっていた。

 

「そうだ。まさかとは思うが、自分たちもついていくなんて考えない方が良い。彼らは英雄を求めるからね。両親同伴の英雄なんて聞かないだろう?ま、仲間を一人用立てる位ならお目こぼしを貰えるかもしれないがね」

「……」

「ねえあなた。この子が決めるのが良いんじゃないかしら」

「……そうだな。」

 

そういうと、あなたの父親は椅子に座るあなたに、目を合わせるためにしゃがみこんで、聞く。

 

「お前はどうしたい?もし、行きたくないなら……父さん達がお前を絶対に守ると誓おう。なに、霊鳥なんて怖くないさ。名前からしてそうだろう?神猿、王龍に比べればな」

 

 冗談めかした口ぶりながら、彼はあなたの目をまっすぐに見つめている。彼の目は少し赤く、目じりには涙が寄っている。それが何の感情を示しているのか、あなたはまだ知らない。だがしかし、あなたが持つ答えは一つしかなかった。

 旅に出たいと。自分の力を試したいと、まっすぐに見つめ返しながら、あなたはそう告げた。

 

「ははっ、そうか。なら、俺は応援するよ。母さんもな」

「ええ」

「だが……辛くなったら、帰って来い。父さんも霊鳥を倒せるくらい鍛えて待ってるからな」

 

 思わずあなたは笑ってしまう。霊鳥と言えば四神の一角であり、邪神の軍団をいくつも打ち倒した存在であるという事は、子供でも知っている。それでも父親はまっすぐな目のまま、それを倒すくらい強くなると、そういうのだ。馬鹿らしくなると同時に……、どれだけ自分を愛してくれているのかと、嬉しさで胸が熱くなった。

 あなたの首にかかる首飾りの赤い羽が、僅かに瞬いていた。

 




という事でプロローグでした。
チートダイスは
1~3 加護(メリットのみ)
4~6 祝福(メリット、デメリット両方)
7~9 呪い(祝福よりもデメリットが強く、その分メリットも強くなる)
という感じです。
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