【完結】インターネットミームしか喋れないTS強化人間   作:むにゃ枕

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 地球連邦軍軌道艦隊の旗艦にて、バスク・オムは契約通りことが進んでいることを確認した。

 

「シーマめ、派手にやったな」

「大佐、デラーズ・フリートが自壊しております」

「残党同士殺し合うが良い。我々は成果だけを享受する。ソーラ・システムⅡの用意を急がせろ」

  

 連邦艦隊は、デラーズ・フリートを包囲するためゆっくりと艦隊を進めていく。

 ソーラ・システムⅡの射界に入らないためと、ジオン残党の混戦に巻き込まれないためその歩みは牛歩だった。

 

「なんだこの艦は?」

「アルビオンです。コーウェン中将の指揮下の艦です」

「邪魔な位置にいるな。撤退勧告しろ、退かないならソーラ・システムⅡで焼いてやれ」

「勧告しました。応じません」

「よし、ソーラ・システムⅡ発射!」

 

 ソーラ・システムⅡはコロニーの破片を藻屑へと変えた。デラーズ・フリートのコロニー落としが成功する目は完全に消滅したのだった。

 

「敵巨大MA、味方艦隊に向かって突撃してきます。アルビオンの巨大MSが応戦しているようです」

「放置しろ」

「味方IFFが出ている白いムサイはどうします? コンタクトを図って来ますが?」

「敵だ。排除しろ」

「了解しました」

 

 連邦艦隊の砲撃が始まった。はじめに逃げたのは白いムサイ級だった。そして、ザンジバル級が続いた。それからは蜘蛛の子を散らすようにデラーズ・フリートは撤退していった。

 

 地球連邦軍にとって、この結末は勝利だった。だが、苦い教訓を与える事件となった。

 グリーン・ワイアット大将はコンペイトウ核融合炉暴走事件の責任を取り左遷された。

 ジョン・コーウェン中将は核融合炉暴走事件の責任とジオン残党への利益供与を疑われワイアット大将と同様に左遷された。

 アルビオン艦長エイパー・シナプス大佐は、ガンダム強奪の責任と核攻撃、デンドロビウムの使用など全ての責任を取り、不名誉除隊になった。

 

 この事件はティターンズが誕生する切っ掛けとなったのだった。コロニー落とし未遂は連邦軍の一部にスペースノイドへの憎悪を与えるのには十分すぎる行為であった。

 

 

 アクシズ艦隊との合流地点にて、リリー・マルレーンは砲を向けられていた。当たり前である。デラーズ・フリートを裏切り、星の屑作戦を妨害したのだから。

 

「ハスラー少将、我々は観戦武官です。アクシズはデラーズ・フリートと表立って協力してはならない。それを厳守しただけですが」

「裏切り者のシーマ・ガラハウと協力し、デラーズ中将を撃った。そのことだけでも貴様らは死ぬべきだ」

「なるほど。理解しました。では、交渉は決裂ということですね。やってくれリリアン」

 

 赤いMSがアクシズの艦艇を蹂躙した。砲とミサイルハッチを的確に潰され、攻撃行動がとれなくなる。

 

「貴様ァァ!!」

「リリー・マルレーン! 撤退だ! 逃げるぞ!」

 

 ガーベラ・テトラを収容し、リリー・マルレーンは逃げ去った。アクシズから拒絶されたのだ、戻れる場所はもう無かった。

 

「あの、なんでこんなことになってるんですか!? ハスラー少将めちゃくちゃ怒ってましたよ!」

「ミレイ曹長、落ち着け」

「落ち着いていられませんよこんなの。私たちB級戦犯な上、アクシズからも拒絶されたんですよ。どうしようもないじゃないですか」

「セヤナー」

「その通りではある。だが、レクト・レイドという人間が再度のコロニー落としを許せなかった。無差別攻撃で子供の命も奪うんだぞ。それは許せない。それだけだ」

「そうだとも。レクト大尉の言う通りだ。ワシもあんな蛮行は許せなかったぞ」

「艦長まで……そりゃあ、コロニー落としはいけないことですけど……味方の偉いハゲの大将殺しちゃったのは不味いんじゃないですか???」

「ちくわ大明神」

「なんだリリアン。何か意見が有るのか?」

「ん、銀行を襲う」

 

 表情は余り動いていないが、若干キメ顔だったことがレクトにはわかった。

 

「末路は、シーマ艦隊と同じだ。どうしようもなくなるぞ」

「あっ、シーマさんに助けを求めましょう。あの人たちどこ行ったんですか?」

「木星艦隊に行った。あそこは政府が介入できないからな」

「じゃあ、私たちも木星艦隊に入りましょうよ。そうしましょう」

「そんなコネクションはないぞ。ワシらには金もない」

「じゃあ、ジオン共和国に雇ってもらいましょう! 過激派に掛け合えば行けるんじゃないですか?」

「デラーズの同類とは関わりたくないな。ワシは嫌だ」

「じゃあ、どうするんですか!? 対案を出してくださいよ!」

 

 艦橋に沈黙が降りた。今後の見通しはどうにもつきそうではない。

 

「ん、銀行を襲う!」

「だが、それは最終手段だ」

「でも、それしかなくないですか?」

「うーむ。ワシはちょっとなぁ……」

 

 それから暫くしても、対案は浮かばなかった。

 

「ん!! 銀行を襲う!!!」

「そうしましょう! どうせ戦犯指定されてるんです。コネも金も無いんじゃ仕方ないです!」

「ワシも同意する。生きるため仕方がないことだ」

「……仕方がないか」

「海賊王にオレはなる!!」

 

 リリー・マルレーンは、アクシズ帰還艦隊を襲った。ハスラー少将はブチギレていたが、強化人間は強かった。リリー・マルレーンの船倉は、戦利品でいっぱいになったのだった。

 

 その後、アナハイムの艦艇を脅迫、もとい説得しコネクションを獲得したリリー・マルレーン。悪名高いネオ・シーマ艦隊がここに誕生したのだった。

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