【完結】インターネットミームしか喋れないTS強化人間   作:むにゃ枕

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 レクト大尉らアクシズ観戦武官が、シーマ艦隊への協力と引き換えに得たものは、大きく二つ有った。一つはザンジバル級リリー・マルレーン。もう一つは、情報だ。シーマ艦隊の有した海賊技術や販路などのコネクションといった情報である。

 

 このコネクションは非常に役立つものだった。アナハイム・エレクトロニクスのオサリバン専務とのラインは潰れているものの、その他幾つかの窓口は未だに残っている。

 アナハイムが、ジオン残党でありB級戦犯のシーマ艦隊と取引を行っていた事実。また、ガーベラ・テトラをレクト等が有しているという事実は、アナハイムとの交渉を行うのには十分すぎる材料だった。

 

 リリー・マルレーンがまず行ったのは、アナハイムとの交渉チャンネルの設立である。単艦で可能なことは非常に少ない。艦の運用には拠点が必要となる。

 アナハイムの艦を拿捕したという体で、要人と接触し、暗礁宙域に拠点を貰い受けた。

 

 次に行ったのが、同業者の排除だ。海賊は航宙路を妨害する存在であり、企業にとっては邪魔な存在である。アナハイム・エレクトロニクスも企業であり、海賊は邪魔な存在だった。

 ジオン残党崩れの海賊を説得し味方に編入、説得できない海賊は排除した。その結果、寄せ集めが出来上がることになっていく。

 

 リリー・マルレーン艦長のラグロフ・ショイグ大尉は、元々補給の専門家である。ムサイでサラミスを六隻沈めたエース艦長では有るが、あくまで本領は補給だった。

 ラグロフは雑多なMSを一本化するために、艦載MSをゲルググに統一。ゲルググの出所はシーマ艦隊の残したものと、アナハイムの鹵獲機からだ。

 また、アナハイムで解体予定だった二隻のチベ級を貰い受け、高速艦隊を完成させた。アナハイムに払う見返りはリリアンの操縦データと、ガーベラ・テトラのデータだった。

 

 そんなこんなで、艦隊が出来上がった。この艦隊は主に民間船に対して対価を払えば護衛を、対価を払わなければ拿捕を行い、対価の二倍を徴収した。

 民間船も黙ってはいない。連邦軍へ通報を行い、この海賊艦隊を撃滅しようと考える船も有った。しかし、連邦軍のパトロール艦隊は赤いMSにより鎧袖一触、パトロール艦隊と通報した船は全てを奪われた。

 

 パトロール艦隊を失った連邦軍は、討伐隊を組織したが殆どが徒労に終わる。運良く敵艦隊と遭遇した艦は、その全てが沈んだ。

 生存者の目撃情報と、残されたブラックボックスのデータから、二隻のチベ級とザンジバル級の存在。そして赤いMSの存在が露見した。連邦軍はザンジバル級をリリー・マルレーンと断定。赤いMSの機動からその搭乗者を赤い彗星、もしくは真紅の稲妻と推定した。

 

 ネオ・シーマ艦隊と赤い彗星を潰すべく、連邦軍はデラーズ事件で小破したバーミンガムを改装したバーミンガム改を中心にしたティターンズ艦隊を派遣した。この艦隊は規模はそれなりだが、乗員は精鋭揃いだった。

 アナハイムの管理しているサイド5の暗礁宙域。この宙域にネオ・シーマ艦隊の拠点が存在すると推定されたため、ティターンズはデブリ帯に侵入する。

 

 管理者のアナハイムからは、遺憾の意を呈されたがティターンズはそれを黙殺した。

 その後、ティターンズ艦隊の三分の一のみが、連邦軍基地に帰還した。その中にバーミンガム改の姿はなかった。ティターンズは事故に遭遇し、艦隊の多くを失ったと発表。この事故の発表によりティターンズの艦隊運用能力の欠陥が指摘されることとなる。

 バーミンガム改のような最新鋭艦を沈める事故がどのようなものであったかは不明であり、疑問が多く残る事故となった。

 

 地球圏で猛威を奮ったネオ・シーマ艦隊は、ブレックス・フォーラ准将率いる連邦軍艦隊によって、最期を迎えることとなった。

 ブレックス艦隊は、暗礁宙域外でチベ級一隻を捕捉。そのまま暗礁宙域内に侵入し、チベ級を撃沈。ネオ・シーマ艦隊の拠点を攻撃し破壊したのだった。

 

 エリート部隊を自称したティターンズですら失敗したネオ・シーマ艦隊の排除。これに成功したことで、ブレックス・フォーラ准将の名声は轟いた。また、エースとしてクワトロ・バジーナ大尉の名声も大きく上がった。

 この絶好のタイミングで、ブレックス准将はエゥーゴの拡大を宣言。ティターンズへの対抗姿勢を表明したのだった。

 

 

 フォン・ブラウンのドックにて、リリアンは外装が大きく変わった自身のMSを眺めていた。

 いかにもジオン系といった赤い外装は剥がされ、モノアイはなくなっている。連邦軍の白を基調とし青が差し色として入ったツインアイの機体は、ガーベラ・テトラからかけ離れたものだった。

 

「頭は適合するのが無くてジム系のものを流用したけど、身体はガンダム系のものなんだって。リリアンちゃん、この子、イケメンになったでしょ?」

「うむり」

「でしょ。うちのMSはガルバルディβになるから。元メイルメルのパイロット4人とレクト大尉は慣熟訓練をやってるよ。リリアンちゃんは、マニュアル読まなくても動かせるから凄いよね」

「私、失敗しないので」

「そう? わりとリリアンちゃん失敗だらけじゃない。この前も…って、なに、こら。人のズボンを下ろさない!」

 

 ミレイ曹長はリリアンに対して遠慮がなくなっていた。ちなみにミレイのパンツは綿素材で白地にピンクのボーダー柄だったりする。

 リリアンは罰として整備に付き合わされることとなった。彼女も成長してはいるのだろう。きっと、おそらく。

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