【完結】インターネットミームしか喋れないTS強化人間   作:むにゃ枕

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16 金金金! ティターンズとして恥ずかしくないのか!

 アーガマ級ノイエ・リリー。アイリッシュ級のネームシップであるアイリッシュ。そして同型艦のラーディッシュ。この三隻はエゥーゴの新造艦であり、中心戦力であった。

 そして、それらは今、グリーン・ノアからガンダム強奪を行ったアーガマと合流した。

 

 アーガマを追跡していたティターンズ艦隊は、アレキサンドリアと二隻のサラミス改級のみである。アレキサンドリア艦隊司令バスク・オム大佐は臍を噛んだが、戦力差は歴然だった。そのためエゥーゴ艦隊を無傷で見送らざるを得なかった。

 

 バスクは30バンチ事件の責任や、数度のノイエ・リリーとの戦闘で、何隻もの艦艇とMSを失ったことから、ティターンズ総司令官から降格していた。今のバスクは単にアレキサンドリア分遣艦隊司令官でしかない。

 

 ティターンズの現在の総司令官は、バスクに比べ穏健なオットー・ペデルセン大佐が担っている。

 

 そんなオットーは現在、苦境に立たされていた。上司と現場との板挟みになっているのだ。

 

「ジャミトフ閣下、我々には選択が必要です。コロニー・レーザーと巨大戦艦ドゴス・ギア。我々にこの二つを建造できる予算は有りません」

「オットー大佐。連邦議会を動かすことは、不可能だ。議会はティターンズに対して冷淡な反応を示している。予算の増額はできない」

「では、ドゴス・ギアは諦めるということで宜しいですか?」

「それは、出来ん。ドゴス・ギアはエゥーゴを打ち負かすためには必要な艦だ」

「現場が限界です。現場へ回す予算をケチれば実戦部隊が弱ります。ドゴス・ギアを諦めねばティターンズが崩壊します」

「…………ならば、仕方がないな。バスクの失態のせいでエゥーゴが増長している。あのテロリストが連邦軍正規部隊とは呆れたものだ」

 

 胸をなでおろすオットーの元に、ガンダムが強奪されたという報告が入った。オットーは恐る恐るジャミトフにその事実を報告した。報告を聞いたジャミトフの額に青筋が走る。

 

「バスクめ、何をやっているのだ。あの無能が」

「お言葉ですが、過ぎたことはどうしようも有りません。次の手を考えるべきです」

 

 現状、ティターンズ単体では、エゥーゴの本拠地であるフォン・ブラウンを攻略することは不可能だ。ジオン残党などを取り込んだエゥーゴはティターンズと同等の兵力を有している。

 

 だからこそのコロニー・レーザーとドゴス・ギア級だった。エゥーゴに対する決定打を齎すにはティターンズの戦力は矮小すぎたのである。

 しかし、予算の制約がそれを許さない。オットーはコロニー・レーザーの建設を優先した。それを使いエゥーゴ艦隊を壊滅し、フォン・ブラウンを占拠する計画だった。

 

 コロニー・レーザーさえ完成すればティターンズにはまだ勝ち目が有るのだ。

 

 

 全体を俯瞰し、予算繰りに苦労しているオットーの内心など知らず、バスク・オムは権力への執着を捨てきれずにいた。

 バスクはエリートである。そしてプライドも高かった。バスクの転落はノイエ・リリーのせいで有る。あの装備過多のゴテゴテしてるくせに速かった青いジム。アレのせいでケチが付いた。

 

 バスクの怒りは過去へ向かう。ネオ・シーマ艦隊と赤い彗星の討伐は簡単なはずだった。だが、バーミンガム改が機雷に接触し艦隊も散り散りになった。宙域から命からがら脱出した時。そこからティターンズとしてのバスクのキャリアは崩れはじめてきていた。

 

「パプテマス・シロッコ大佐。提案と言うのはなんだ?」

「バスク大佐、貴官にはチャンスが有る。フォン・ブラウンを攻略したくはないか? オットー大佐などに権力を渡しておけるのか?」

「見え透いた挑発をするな、若造。で、策というのはなんだ?」

「コロニー落としだ。フォン・ブラウンにコロニーを落とす。手柄は貴官に譲ろう」

「良いだろう。その言に乗ってやる」

 

 バスクは信頼してはならない人物を信頼した。シロッコの甘言に乗ったのだった。勿論、シロッコにとっては渡りに船であった。

 

 バスクらは暗礁宙域から大型のコロニーデブリを調達。アレキサンドリア艦隊が先行し、曳航。それをシロッコの艦隊が援護する。アレキサンドリア級ハリオとサラミス改二隻から構成されるシロッコ艦隊はバスク艦隊と同規模だった。

 シーマ・ガラハウによる輸送中のコロニー強奪事件の教訓から、連邦宇宙軍はパトロールに重点を置いている。傍観派と言われる地球連邦正規軍にとっての主任務がパトロールだった。

 

 日頃からパトロールに重点を置いている甲斐が有ってか、第82パトロール艦隊は不審な艦隊と接触する。

 艦隊は三隻のサラミス改級から構成されていた。搭載MSはジムⅡである。標準的なパトロール艦隊のパッケージだった。

 

「こちら、地球連邦軍月面方面軍第82パトロール艦隊。貴艦らの所属を名乗れ」

「こちらは、ティターンズ。アレキサンドリアだ。エゥーゴの手先共、どけ。邪魔をするな」

「この宙域は、月面方面軍の管理宙域である。そのデブリは何だ!? そのような連絡は聞いていない。ティターンズと言えども許可なく宙域に侵入はできない」

 

 シロッコ艦隊のサラミス改が砲撃した。パトロール艦隊のサラミス改をビームが掠める。

 

「シロッコ、勝手な真似を!」

「通報しろ! 敵規模が大きすぎる。エゥーゴに擦り付けろ」

 

 サラミス改が逃走する。それに代わり、エゥーゴの艦艇が現れた。ノイエ・リリーだ。ノイエ・リリーの青いジムが、アレキサンドリアの艦橋を潰した。

 

「よし、私とサラがアレを抑えよう。その間に撤退しろ」

 

 シロッコとサラは味方の撤退を支援し、彼らも青いジムから上手く逃げた。コロニーデブリの処理が有ったのか、エゥーゴは追って来なかった。

 

「あの青ジム、いや、ガンダムもどき。面白いな。強化人間にしては芯が有る。欲しいな」

「パプテマス様、あんなのいりません。私では不服ですか?」

「いや、そんなことはない」

 

 パプテマス・シロッコは二隻のサラミス改を新たに手駒とした。そしてバスクに代わりティターンズのナンバーツーの座を手にしたのだった。

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