【完結】インターネットミームしか喋れないTS強化人間 作:むにゃ枕
ムーバブル・フレームは次世代技術である。従来のMSがアウターフレームで機体を支えていたことに対し、ムーバブル・フレームはインナーフレームで機体を支える。
この技術は、エゥーゴのリック・ディアスに採用された技術である。クワトロらがティターンズの奪取したガンダムマークⅡには成熟したムーバブル・フレームが搭載されていた。このマークⅡの技術は、Ζ計画にブレイクスルーを齎したのだった。
鹵獲機であるマークⅡのフレームを参考に設計された機体は二機ある。ΖガンダムとΖΖガンダムだ。GP計画のデータもあり、Ζ計画は殆ど滞りなく進んだ。そのため、異常な速度でこの二機がロールアウトすることとなった。
GP04の成れの果てであるガーベラ・ツヴァイも、Zガンダムのフィードバックを受け、改良が施されることとなった。
Ζガンダムの予備パーツが移植されることで、ガーベラがようやくガンダムに戻れるのだ。更に追加装備としてバイオセンサーとサイコフレームなるシステムが取り付けられるという。
サイコフレームは、アクシズとアナハイムの共同開発の結果生み出されたものだった。グレミー・トトとそのシンパがハマーンに粛清されたことで、グレミー麾下の技術者がアナハイムに亡命。サイコフレームが出来上がったのである。
フォン・ブラウンのMSドックをリリアンは彷徨っていた。彼女は、MSのことが好きだった。巨大な機体を外から眺めることも、コクピット内の計器類を眺めることも、リリアンをなんとなく落ち着いた気分にしてくれる。
新型MSの格納エリアは、立ち入るのに生体コードが必要なほど警備が厳重である。勿論リリアンの生体コードは警備システムに登録されている。乗機がその区画にあるためである。
そんな区画に、見知らぬ男の影が有った。リリアンの眼は基本的に節穴だが、戦闘に関してだけは鋭い。背格好から男がエゥーゴのパイロットの中に該当しないとリリアンは判断した。
更に、出入りのアナハイムの技術者でも技術兵でもないとすれば、それはもう不審者でしかない。
「動くな、俺はゲイだ」
「ぐっ」
後ろから男の首を掴み、そのまま床に押さえつけ制圧するリリアン。男もさるもので、リリアンをなんとか払い除ける。
「なんだって俺が、こんな目に遭うんだ?」
「アイエエエエ!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」
アムロリアリティショックを受けるリリアン。しめやかに失禁。幸いなことに事前にトイレを済ませていたため、被害は下着を軽く湿らす程度だった。
「俺が、Ζガンダムのパイロット。アムロ・レイだ。上官に対して随分な態度じゃないか。准尉」
「すみません許してください! 何でもしますから!」
リリアンは土下座した。
「俺の方も悪かった。まだエゥーゴに軍籍を移してないからな。不審者だと思ったのも、まぁ、仕方ない」
土下寝しているリリアンの手を、アムロが取った。それによりニュータイプ同士の感応が発生する。
それは、アムロが強制的に終わらせたことで終了した。
「准尉、君はもう大人だ。いい加減、つまらない借り物の言葉だけで喋るのは辞めるべきだ。現実を見ろ。帰る場所も守りたいものも有るだろう」
リリアンは、口をパクパクと動かすことしかできなかった。
「悪かった。それが代償だったんだな。言い過ぎたよ」
アムロとしても、少女を傷付けることは本意ではなかった。だが、身勝手さの残る彼女に口が滑っただけだった。
「そんなしょげるとは思っていなかったんだ。君と保護者のレクトル大尉とは、落ち着いて話そうとは考えていた。シミュレーターでもやるか?」
トイレで下着を替えた後に行った、シミュレーターの結果は、リリアンにとって満足のいくものだった。全敗だったが、彼女の中で手応えがあったからだ。
リリアンに、敗北を刻んだ男であるアムロ・レイ。そんな彼が宇宙に上がり、エゥーゴに軍籍を移したのには幾つかの理由がある。
大きな理由が、アムロのメンタルが好調だったことだ。早期にカラバの中核メンバーとなったことで、メンタルは絶好調だったりする。
カラバはブレックス准将の政治力により、ちゃっかり連邦軍の正規組織となっていた。カラバの役割はティターンズへの妨害とエゥーゴの支援。そしてジオン残党の取り込みと殲滅である。ティターンズの足を引っ張り、ジオン残党に、仲間になるか死ぬかというシンプルな選択肢を提示するだけの簡単な仕事が、主任務だ。
地球の連邦正規軍、特に傍観派はエゥーゴ及びカラバを警戒していた。また、ティターンズにも警戒の目を向けていた。しかし、積極的に関与はしなかった。
地上戦は、ポケットの中の戦争エゥーゴ&カラバVSティターンズVSジオン残党VSダークライといった複雑な様相を呈していた。
地元のマフィアなども絡んだこの闘争に対して、傍観派地上軍の基地司令は「勝手に戦え」と言い残したという噂が有る。それほど傍観派は無気力だった。
傍観派はたかが撃墜王一人が宇宙に行っただけで戦局は変わらないと考えていた。ティターンズもアクシズも同様だった。
後にグリプス戦役と呼ばれる一連の戦闘。この戦闘におけるエゥーゴの戦果にアムロは大きく寄与することとなる。