【完結】インターネットミームしか喋れないTS強化人間   作:むにゃ枕

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20 センサーが死んだ! この人でなし!

 パプテマス・シロッコは、ティターンズを己の指揮下に収めた。だが、全てが計画通りに進んだわけではない。

 オットー・ペデルセンの部下が、反抗したのは想定内だった。しかし、抗争に巻き込まれ、コロニーレーザーが破壊されたのは予想外の事態だった。

 

 ガンダムTR6インレ。大型MAに勝るとも劣らない全長と火力を持ったこの戦略兵器によりコロニーが破壊されたのだった。人質を取ることで、パイロットに投降を促し、シロッコはこのMSをなんとか手中に収めることが出来た。その後、シロッコは約束を破り人質もろともパイロットを、処刑した。シロッコに慈悲はない。

 

 不測の事態はまだあった。ジャミトフ・ハイマンが秘密裏に連れて来ていた強化人間である。フォウ・ムラサメとロザミア・バダム。そして、彼女らの乗機である巨大MA、サイコ・ガンダム。

 彼女たちを支配下に置くことは、NTを自称するシロッコであっても苦労することだった。

 

 ガンダム・インレとサイコ・ガンダム。この二体の超巨大兵器には、不完全では有るが強化人間が乗っている。シロッコにとっては上等な手駒だった。

 

 アクシズとの交渉と、ティターンズの内紛が同時発生したこともあり、エゥーゴの出だしは遅れた。そのことが、シロッコに強化人間と二機の巨大MAを従える猶予を与えた。

 

「オペレーター、アミカ少尉です。パプテマス大佐、艦にお戻りください。あなたは最高責任者なんですよ。MSで戦闘など……」

「私は、ジャミトフとは違う。先頭に立ってこそ将だ」

「私はそうは思いませんけどね……っ! エゥーゴ艦隊が接近しています。高熱源体を複数探知。エゥーゴ、MS隊です!」

「そうか。わかった。暴れろロザミィ。フォウ。エゥーゴの全てを破壊しろ」

「わかった。シロッコおにいちゃん??? 違う? お前はなんだ??」

「頭がッ。クスリを。早くクスリを寄越せェェェ!!」

「黙れ。人形ども。お前の役目は敵を殺すことだ」

 

 シロッコの脳波が、ロザミアとフォウを戦場へ駆り立てる。サイコ・ガンダムとガンダム・インレは狂ったように、ビームを乱射し、持ち前の火力でエゥーゴのMS隊と艦艇を墜としていく。

 

「強化人間というのは、役に立たないものだな。あれでは、自滅する」

「パプテマス大佐。アクシズ艦隊が、エゥーゴの背後から攻撃を開始しました」

「いい知らせだ。サラ。行くぞ」

 

 シロッコのジ・Оとサラのパラス・アテネは強化人間らのあとを追う。

 

「パプテマス様、敵の新型です」

「ほう。見せてみろ。その力を」

 

 撃墜されたネモ隊の穴を埋めるように、二機のガンダムタイプが、前線へと上がってくる。一機が、ビームの嵐に突入した。その一機は無残にもスペースデブリへと変わる。

 

 だが、それはシロッコの錯覚だった。シロッコが1秒前までいた場所をビームが通り過ぎる。

 

「ヤツの狙いは私か!」

 

 一心不乱にシロッコに猪突するガンダム。照合された敵機体名はガーベラだった。

 

「落ちろ! 落ちたな!」

 

 パラス・アテネをジ・Oが庇う。

 

「させん!! チッ、ここまで来たか! サラ邪魔だ撤退しろ。 お前はコイツには勝てん!!」

「パプテマス様、コイツは私が落とします! 跪けぇガンダムッ!」

 

 パラス・アテネがビーム砲や小型ミサイルをバラ撒くが、ガーベラはそれらを尽く躱す。

 

「なめるなっメスブタァッ」

 

 反撃は一瞬だった。たった一撃を避け損なったことで、サラは蒸発した。

 

「よくも! よくもサラを! ガンダムゥゥ!!!」

「落ちろ、カトンボ」

「ぐォ゙」

 

 連戦と強化人間を従えていることで、シロッコのNT能力は下がっていた。だが、シロッコはしぶとかった。

 

 動かない身体で半壊したジ・Oを必死に操作する。だが、機体は微動だにしなかった。

 

「ここまでか。エゥーゴの強化人間。貴様も一緒に連れていくッ!」

 

 トドメを刺すために、ガーベラのビーム・サーベルがジ・Оのコクピットに届こうとする瞬間。ファンネルのビームが空間を埋め尽くした。

 二機の量産型キュベレイが、ガーベラを囲んでいた。一機が身を挺してシロッコを庇う。その爆発を見ながら、シロッコはアクシズに保護されることとなった。

 

 強化人間の主人であるシロッコが重症を負ったためか、サイコ・ガンダムとガンダム・インレの動きが鈍くなる。

 その隙を突き、カミーユのΖΖガンダムが、二機を行動不能に追い込んだ。

 

 これにより戦闘の潮目が動くことになる。最高司令官が行方不明になったことによって、ティターンズの動きが乱れたのだ。

 

「パプテマス大佐が行方不明だと? 何をやっているんだ!?」

 

 シロッコの乗艦であったアレキサンドリア級ハリオ。その艦橋は大騒ぎになっていた。艦長であるテッド・アヤチ少佐が、指揮を執るが敗色は濃厚だった。

 

「アクシズから入電。エゥーゴ艦隊を突破し合流するとのこと。パプテマス大佐は保護しているそうです」

「よし。アクシズ艦隊に合わせろ。残存艦を集合させる」

 

 アクシズ艦隊は、ティターンズ艦隊を上手く導いていた。途中までは。

 

「小惑星アクシズ、核パルスエンジンに点火しました。この軌道は………」

「なんだ?」

「おそらく、地球へアクシズを……」

「ふざけるな! そんなことを許してなるものか!!」

「アクシズ艦隊、撤退していきます……我々は突破に失敗しました……このままでは、敵中に孤立します」

「エゥーゴ艦隊に降伏要請を出せ。パプテマス大佐には悪いが、ジオン残党を前に連邦軍同士で殺し合う意味がない」

 

 

 パプテマス・シロッコの死体を横目に、ハマーンはアクシズの行く先を睨んだ。

 

「シャア、お前が私になびかないなら、私以外の寄る辺を失くせばいい。私を愛しているというなら、止めてみせろ」

 

 キュベレイ・ブラウトのモノアイは、まるで泣いているようだった。

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