【完結】インターネットミームしか喋れないTS強化人間 作:むにゃ枕
アーガマにエゥーゴのMSパイロットが集められた。その中にはリリアンもいた。ブリーフィングを行うのはブライト・ノアだ。
「アクシズ、ティターンズの強化人間によって、エゥーゴのMS及び艦艇の半分が失われた。だが、まだ戦争は終わっていない。ハマーンはアクシズを地球へ落とすつもりだ。我々はそれを阻止する」
ディスプレイには、連邦軍地球軌道艦隊、ティターンズ艦隊、そしてエゥーゴ艦隊が示されている。地球軌道艦隊に至ってはソーラ・システムを展開し、アクシズを迎撃する準備を万全に整えていた。
だが、そうまでしても戦力比較は互角。もしくはアクシズ優位だ。理由はアクシズの強化人間だ。強化人間と、並みのパイロットのキルレシオには十倍の開きがある。
アムロやカミーユといったニュータイプも強化人間以上のスコアを発揮するが、アクシズの強化人間の数は異常だった。
確認された量産型キュベレイの機数は30機。ハマーンの親衛隊らしき白い機体が12機。そして、18機の濃紺に塗装された機体がいた。
アクシズではかつて
これほどまでに強化人間の数を揃えられたのは、見込みの有りそうな人間に片っ端から強化を行っているからだった。
パプテマス・シロッコも強化人間として有望と見なされ、隙を突かれ拉致されたが負傷していたため、強化手術に耐えきれず死亡した。
「ティターンズ、連邦軍共に我々に協力する姿勢を示している。一つの地球連邦軍として、アクシズを迎撃する」
「核ミサイルはルールで禁止スよね?」
「残念ながらそうだ。アクシズへの核攻撃の許可は降りていない。更には核の現物もない。ラサはアクシズを甘く見ているようだ」
アクシズは依然として強大な勢力だった。だが、それでもアクシズを地球へ落とすわけにはいかなかった。
「第一案はソーラ・システムでのアクシズの粉砕だ。だが、正直期待していない。第二案が本命になる。アクシズへ部隊を揚陸し爆破する。MS隊は揚陸班の護衛が任務となる。敵MSを寄せ付けるな」
「別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」
「MS隊は、護衛に尽力しろ。余計なことはするな」
リリアンは、軽くあしらわれブリーフィングは終了した。各員が、艦に戻り準備を整えることとなる。
「リリアン。無茶はするなよ。この戦いが終わったら、もう戦争屋なんてやらなくていいんだ。連邦軍籍も手に入れてるしな」
「ちょっと、レクト大尉、フラグ立てるのやめてくださいよ! 流れ弾でノイエ・リリー沈んじゃったら大変なんですけど!」
「守り通すさ。そうだろリリアン?」
「そうだよ(便乗)」
ノイエ・リリーからガーベラとガルバルディβが発艦する。ソーラ・システムをアクシズが射程範囲に入るまで防衛することが、現在のMS隊の任務だった。
「大型MS先陣を切って接近! 機体照合、キュベレイ・ブラウトです」
「アムロ、ハマーンを止めるぞ」
「痴話喧嘩はよしてくれよ」
白と金、二機のMSが、互いを補いながらファンネルの中に飛び込む。キュベレイ・ブラウトの50機からなるファンネルによるオールレンジ攻撃。
それは、二人のニュータイプをしても脅威になるものだった。
「私はもう戻れない。さあ、受け止めろシャア!」
「バカな! ハマーンにここまでの能力は!? まさかっ?」
「そうだ。冴えているじゃないか! 私を強化した。もう十年も残されていない!」
「愚かなことを……」
「愛の前にはそんなこと些事だよ!」
ファンネルが百式を捉えた。それをΖガンダムが庇う。
「シャア、惑わされるな。目の前の敵を見ろ」
「分かっている」
アムロとシャアは、被弾を避けファンネルを一機ずつ落としていく。比翼連理。ハマーンが担う可能性もあった一翼は、アムロによって担われていた。
「私だけが敵ではない。私の駒が今頃、目障りなソーラ・システムを破壊し、エゥーゴ艦隊を殲滅しているはずだ」
「どうかな? カミーユもリリアンも優秀だ」
「その名を出すなッ! あの忌々しい強化人間ッ! 縊り殺してやる。あの小娘」
自ら施した強化により、脳が更に破壊されたハマーン。それでも少女だった頃にされた、性的なトラウマは残っていた。
「鈍ったな」
「ぐっ」
アムロの冷静な射撃が、キュベレイ・ブラウトに至近弾となる。
「見ろシャア。綺麗な花火だ。私たちの結婚を祝福するようだろう?」
「ソーラ・システムがやられたか」
「ブライトの想定通りだ。連邦正規軍が聞いて呆れる」
「どこまで、冷静でいられるかな! さぁ、ダンスを踊ってくれシャア」
ハマーンとアムロの前では、シャアはパイロットとしての能力も、ニュータイプとしての感度も一段劣る存在だった。
そのせいで、2対1という状況でも優位を得ることが出来ていない。ハマーンとの戦闘は膠着状態を保ったままだった。