【完結】インターネットミームしか喋れないTS強化人間   作:むにゃ枕

4 / 24
UC0080〜
04 ヒテンミツルギスタイル


「ハマーン様、彼女はあなたの御友人には相応しくありません。どうかお考え直しを……」

「レクト大尉。私が、自分の友人を誰かに指図されて選ぶような人間に見える?」

「いえ、ですが……」

 

 後のネオ・ジオンを率いるハマーン・カーン。ロリハマーンとか、はにゃーん様とか言われていた時期の彼女は知らなかった。このあと対面するリリアンの頭がおかしいことを。

 

「あの、なんで私、アクシズにいるんですか??」

「アクシズに逃げ込んだからだ。ミレイ伍長、ジャーヴィスのクルーには戦犯指定がされている。手配書も出されているし懸賞金が掛けられている。どうもリリアンの存在が嗅ぎつけられたらしい。交戦した連邦の生き残りか、元ジオン兵が情報源だろう」

「そんなッ!? 私、このまま軍に残るんですか???」

「そうなるな」

「うちの部隊、サイド2への核攻撃にも関与してるし、それで戦犯指定されたのかも……もう娑婆に戻れないですね…………あはは」

 

 素敵な恋人、休み、楽な仕事などとミレイがブツブツ呟いている。

 彼女はともかく、ラグロフ艦長をはじめとしたジャーヴィスのクルーを、結果的に巻き込んでしまったことをレクトは悔やんでいた。

 

 

 同時刻、ハマーン・カーンはシャア・アズナブルを伴って、強化人間リリアンと対面していた。

 リリアンは、猫のように虚空を見ていた。肩の長さで切られたブラウンヘアが空調の風に煽られ揺れる。痩身のように見えるが、強化された肉体は常人を上回る。

 

「ハマーン・カーンよ。よろしく」

「シャア・アズナブルだ。ハマーンはアクシズ総督、マハラジャ・カーンの娘に当たる。少々お転婆だが、仲良くしてやってほしい」

「チンポにゃ!」

「は?」

「ハマーン、私の耳がおかしくなったのか?」

「チンポにゃ!!!!」

 

 リリアンの表情筋はほどんど動いていなかった。強化人間と2人のニュータイプ。その顔合わせにより、感応が起こる。

 

 ハマーンとシャアの脳内に流れ込んできたのは、弾幕まみれのホモビデオの映像だったりTwitterのタイムラインだったり、ニコニコ動画だったりした。しかし、宇宙世紀に生きる二人には何がなんだか理解できない。むしろ、理解したらヤバいと感じた脳が情報をシャットアウトした。

 

「今のは何??」

「わからん。だが、私はアレを理解したくない」

「そうね」

「はぇ~すっごい」

 

 ハマーンとシャアには言い表せない微妙な感覚が残った。

 

「ララァは私の母になってくれたかもしれない女性だ」

 

 ララァのことを突然口に出したリリアン。シャアは不快感を表情に示す。

 

「俗物が!」

 

 ハマーンに向けて言い放ち、リリアンは何かに納得したように首を縦に小さく振った。

 

「この子、おかしいんじゃない?? レクト大尉が私に会わせたがらなかった理由がわかったわ」

「そうだな。精神が不安定なんだろう」

「えー、参加者は誰一人来ませんでした」

「ちょっと、黙っててくれない?」

「んにゃぴ……」

 

 ハマーンはしげしげとリリアンを眺める。精神に問題がある以外は普通の少女だ。ハマーン・カーンは頭のおかしい強化人間を友人にしたいと思わなかったので、さっさと部屋をあとにした。

 

「大佐はロリコンなのさ! 情けないやつ!」

「私が何かやったのか? さっきから何を言っている?」

「SEX! 穴という穴に精液を流し込んでやる!」

「話にならないな。強化人間とは哀れなものだ」

 

 シャアの股間を狙ったローキックは、正確にその威力を発揮した。股間を押さえ、悶絶するシャア・アズナブル。

 

「また、詰まらぬものを斬ってしまった」

 

 リリアンは、なんとなくシャアの股間を潰したくなっただけだった。

 リリアンからしたら、突然部屋に押し込められて偉い人が来る、大人しくしていろと言われたのだ。来たのは、ハマーンとシャアだ。狂人扱いされ、会話を拒絶されたリリアンはちょっとイラッとしていた。

 

「リリアン……ハマーン様が飛び出して来たから、様子を見に来たらお前は……」

「うるさいんじゃ!」

 

 レクトはエリートなので、リリアンの中の理論をトレースし、感情を理解することが出来た。類まれなる能力だ。彼もニュータイプなのかもしれない。

 

「自身が拒絶され、傷付いたとかだろう。それはわかった。お前が何かやらかす度に、俺が呼び出されるんだからな。勘弁してくれ。ずっとお前と一緒にいるなんてできないんだからな……」

 

 シャアはレクトが手配した看護師によって、医務室へと運ばれていった。そして、リリアンは懲罰房へと自ら入っていった。何やら思うところが有ったらしい。

 レクトはリリアンが成長したのだと思い、彼女の頭を撫で、罰が終わったら甘やかそうと決意した。

 

 リリアンは、自分が男だった時のことを思い出し、悪いことをしたなと感じたので、殊勝な態度を取っただけである。

 もしかしたら人間的に成長したと言えるのかもしれない。

 

 後日、懲罰を終えたリリアンに、レクトがパフェを食べさせているのをシャアが目撃したとかなんとか……しかし、それは余談である。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。