深い奈落の底で(旧化け物にアクションに時々ほのぼの)   作:咲鋼

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2年失踪しましたが、帰ってきました。
生活サイクルが安定してきたので、これからは最低2か月おきに投稿します。
すいませんでした。


魔人になった少女

「エン…リさん?」

 

いろいろありすぎて、頭の中が混乱していた。心も驚いたり、ホッとしたり、緊張したりといろいろなものがあふれ出してくる。

エンリさんは隣に駆け寄り、ルビーのような紅い目でこちらを見て手を貸してくれた。

 

「大丈夫です。ありがとうございます、エンリさん」

 

そういいながら立ち上がると、驚いた様子でこちらを見ていた。やはりそんな表情も「かわいい」。

 

(!!??!?!)

 

エンリさんは顔を真っ赤にして狼狽していた。さっきまで普通だったから熱ではないはずだけど…

 

「えっと、大丈夫ですか?」

 

そう声をかけると二、三回頭を軽く振り、

 

(こくん)

 

とうなずいた。

 

「僕はレクナです」

 

すると、エンリさんは目を見開き、僕の手を取ってきた。そして、手に何か書いてくる。

…………正直、緊張で何を書いているかなんてほとんどわからない。

去、国語、同じ……

「!、そうです。去年国語の授業で同じだったレクナです」

そう告げると、軽くお辞儀をしてきた。それに合わせ、僕もお辞儀をする。

 

「助けてくれてありがとうございます。あのままだったら死んでました」

 

そういうと、エンリさんは両手を前に出し、感謝しなくていいよ、というように静止してきた。

今度は蜘蛛を指さした。この蜘蛛がどこから来たのか聞いているのだろう。

 

「この蜘蛛は路地から急に出てきたんですよ、そして…」

エーベルが下に落ちた。

 

………完全に忘れていた。

 

「エンリさん、地下への生き方ってわかりませんか!?」

 

急な話題転換にエンリさんは面食らっていた。

 

(ふるふる)

 

知らないようだ。とりあえずさっきエーベルが落ちた場所まで行こう。

…としたが、

ガッ

寸前でエンリさんに腕をつかまれた。振り返りエンリさんを見ると、その顔にはわずかな自信があった。

 

「何かあてがあるんですか?」

 

そう聞くと(こくり)と首肯し、僕を引っ張っていった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「この下に?」

 

(こくこく)

 

連れてこられたのは近くの路地裏だった。なんの変哲もないと思ったが、突き当りには底が見えないほどの穴があった。

「梯子とかは………ないか」

梯子に加え、近くにロープとかをかけれそうなところもない。

正直飛び降りるのは避けたい。下に針があったら無事では済まないだろうし。

「エンリさん、どう降ります?」

 

そう聞くとエンリさんは穴を指さしながら軽くジャンプした。つまり……

 

「飛び降りるんですね………」

 

エンリさんは抱えて飛ぼうか?、といってくれたが………

 

「いえ、大丈夫です」

 

そういい、僕は母さんから言いつけられているおまじないを自分にした。

 

(?)

 

「いや、独り言です」

 

話しかけられたと思ったのか、エンリさんが振り向いてきた。

 

「心の準備はできました。行きましょう」

 

そう告げ、僕たち二人は穴に飲み込まれていった。




次回、「ファッ○○ングブロッコリー」

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