シーザリオ「お待たせしました。」
クリスエス「ーいや…私も…今、来たところだ…」
この日、出かける予定を立てていた2人。
シーザリオ「先輩と一緒に出掛けられるの本当に嬉しいです!今日はよろしくお願いします!」
クリスエス「ああ…よろしく頼む。」
尊い組み合わせの2人を木陰から見守る二人組がいた。
ヴォーン「どうやら大丈夫そうだな。」
クロスヘア「なんで俺も付きあう必要があるんだ?」
シーザリオのトレーナであるヴォーンとクリスエスのトレーナであるクロスヘアだ。
ヴォーン「それはあの二人が心配だからやるんだよ。お前は心配じゃないのか?」
クロスヘア「別に、俺にはかかわりのないことだからな。」
ヴォーン「薄情な奴だな。こっちの世界に来る前から思っていたんだがお前はもう少しその性格を何とかした方がいいぞ。」
クロスヘア「知るか。それよりも”あっち”には何もいわなくてもいいのか。」
ヴォーン「あっち?」
クロスヘアが指さす方向には自分たちがいる所とは別の木陰に一人のウマ娘の姿があった。
スペシャルウィークが楽しそうに話す二人のウマ娘を見ていたのである。
ヴォーン「…まあ、見なかったことにしておこう。」
トレーナ二人とウマ娘一人につけられていることを知らないシーザリオとクリスエスはギリシャ料理の店に入っていった。
ヴォーン「よし、俺たちも入ろう!」
クロスヘア「だからそこまでする必要は…」
スぺ「あ、あの!」
店の前で話しているとまさかのスペシャルウィークが直接話しかけてきたのである。
ヴォーン「き、君はスペシャルウィークさんじゃないか。ど、どうしてこんなところに?」
スぺ「え!?え~っと、その…こ、このお店に行きたいなあ~って思っていて…それで…その…」
もじもじしだすスぺ。さすがに一人で入ってしまっては明らかにばれてしまうと思ったからなのか。どうにかして一緒に入りたがっている。
ヴォーン「その…俺たちと一緒に入るか?」
クロスヘア「俺はまだ入るとは…」
スぺ「いいんですか!?お願いします!」
ヴォーン「よし!そうと決まったら!すみませ~ん!」
水を得た魚のように勢いよく入っていく二人。あきれつつも遅れて入っていくクロスヘア。
店の中に入った三人はちょうど先に入った二人から気づかれない席に着いた。一方のシーザリオたちは
シーザリオ「ギリシャ料理、初めて食べるのでとても楽しみです。」
クリスエス「ここの店は…なかなかに…美味しい料理を出してくれる。」
シーザリオ「ふふっ。先輩のおすすめ、早く食べたいです。」
店員「お待たせしました。こちらご注文の品になります。」
テーブルに頼んだ食事が届く。
シーザリオ「これがムサカですか。」
いただきますと言って一口食べる。
シーザリオ「美味しい!グラタンみたいでとても食べやすいです!」
クリスエス「そうか…喜んでもらって…良かった。」
シーザリオ「どうぞ先輩も食べてください。はい、あ~ん。」
クリスエス「ーでは…いただこうー」
差し出されたムサカを食べるクリスエス。
クリスエス「おいしいな…今日は…特に。」
そんなイチャイチャしながら食事をとっている二人を見つめている三人。
ヴォーン「いや~、クリザリ尊い…」
クロスヘア「…今日のお前がおかしいことは何となく今、分かった。」
ヴォーン「ちょ、俺が変な奴みたいに言わないで欲しいなあ。俺は担当を思っての気持ちであるからして…」
ヴォーンのことは一旦無視してもう一人の連れを見るクロスヘア。スぺは二人をすごい表情で見ながら大量の料理を食べていた。
スぺ「シーザリオさんのあ~ん…羨ましい…」
クロスヘア「お前のその気持ちも何なんだよ。」
スぺ「だって~シーザリオさんとは何か運命的な何かを感じるんですよ。家族?みたいな。」
クロスヘア「不思議な感覚だな。」
ウマ娘とは不思議な縁があることを肌に感じたクロスヘア。一方少し落ち着いてきたヴォーンはスぺの頼んだ量にドン引きする。
ヴォーン「…て言うか、スペさんの食事は誰が払うんだ…」
見事にヴォーンが全額払わされて、シーザリオたちも同じタイミングで支払おうとしていた。
クリスエス「ここは私が。」
シーザリオ「いえ、私も出しますよ。」
クリスエス「いや…その必要はない…」
シーザリオ「…じゃあ、ごちそうになります。」
クリスエス「先に…待っていてくれ。」
お言葉に甘えて先に外に出るシーザリオ。三人はそれを遠くから見ている。
スぺ「さすがはクリスエスさん。見習いたいです。」
ヴォーン「それならさっき、払ってくれ…」
クロスヘア「お前が連れてきた結果だろ。あきらめろ。それにそろそろ満足しただろ、俺はもう帰るぞ。」
ヴォーン「何だよ、心配じゃないのか?」
クロスヘア「お前は担当を気にしすぎだ。俺たちはただ命令に従う兵士だ。それ以上の事なんてない。」
ヴォーン「まあ、確かに一理あるけど…そういえばスペさんは?」
クロスヘア「近くの売店に行った。」
ヴォーン「まだ食べる気かよ。」
そんな話をしていると、
男A「ちょっとそこのウマ娘さん。」
シーザリオ「何でしょうか?」
男B「君、かわいいね。今、暇?よかったら俺らとお茶しない?」
チャラい男たちが話しかけていた。
シーザリオ「お誘い有り難いのですが今、人を待っていまして。」
一瞬でオンとオフを切り替え、相手に丁寧に断る姿は流石と言える。しかし言われた側は全く引く気がなく、
男A「そんなこと言わずにさぁ。その人も含めて一緒に…」
そう言いながらシーザリオの肩を掴もうとするチャラ男たち。しかしその手はギリギリで止められた。
クリスエス「私の連れに...何か用か…」
シーザリオ「クリス先輩…」
男の腕をクリスエスは離そうとはしなかった。そして威嚇するように男を見ていた。ここで大人しく引き下がっていればこの後の出来事は回避できたのだがこのチャラ男たちは何故か引き下がろうとしなかった。
男A「もしかしてこの子の連れの人?それなら君も一緒に…」
男B「おい、もういいだろ。他の子に…」
クリスエス「悪いが…彼女に...軽々しく触らないでほしい…」
バシッと言うクリスエス。人とウマ娘の違いをよく分かっているはずのこの男も逆ギレ気味になってしまい、
男A「くそ!さっきから下手に出てやっていたのに!」
そう言い放ち、クリスエスの掴んでいた手を振り払った。その時、勢いをつけすぎたせいか。その男の腕がクリスエスの頬をかすったのである。
男A「ちょっと俺らより体格がいいからって調子に…」
その瞬間、クリスエスを振り払った左腕を取り押さえられ、そして折られた。
男A「痛って!!!」
クリスエス「!…トレーナー。」
そこには男の腕を通常とは逆方向に折っているクロスヘアの姿があった。
男B「お前!何やって…」
クロスヘア「お前たちこそ何やってる。人の担当に手出すようなヤツにはこれくらいがお似合いだ。」
そう言ってさらに腕を圧迫する。
男A「痛い!!痛い!!」
ヴォーン「それぐらいにしてやれよ。」
遅れてやってきたヴォーンが止めに入ってようやくやめるクロスヘア。シーザリオの方にはスペが買ってきたスイーツを食べながら男たちを睨みつけていた。
ヴォーン「まあ、まあ。どっちも落ち着いて。」
男A「落ち着けるかよ!こっちは腕、折られたんだぞ!」
すごい勢いで詰めかける男たち。
ヴォーン「全くやりすぎなんだよ、お前は。ほら、ちょっと腕出せ。」
そう言うと男の腕をつかみ、勢いよく戻す。
男A「ッッッ!!!」
ヴォーン「ほら、直った。良かったな、手を抜いてもらっていて。」
男B「は?手を抜くって…」
ヴォーン「こいつが本気だったら腕ぐらい無くなってったことだ。お前たちは運が良かったって言うこと、分かる?」
自分たちがとんでもない相手に絡んでしまったことに気づいた男たちは一目散に逃げていった。
ヴォーン「全く、普通だったらウマ娘に手出さんだろうに。」
シーザリオ「クリス先輩!大丈夫ですか!」
クリスエス「ああ、頬を掠めただけだ。」
シーザリオ「でも少し血が…動かないで。」
そう言いながら鞄から消毒液を出してハンカチに滴し、頬に当てる。その姿はまるでお互いに気遣い合う夫婦そのものだった。
それを見守るヴォーンとスペ。二人に気づいたシーザリオは簡単な治療をクリスエスに施した後、
シーザリオ「あの、トレーナー。助けてくれてありがとうございます。でも何でここにいるんですか、スペさんも?」
スペ「それは…その…あれですよ…」
ヴォーン「たまたまここらを歩いていたらスペさんに出会って、そしたらたまたま君たちがいたんだよ。本当にたまたま。」
無理がありすぎる言い訳をしている一方、クリスエスたちは、
クリスエス「感謝する…トレーナー。」
クロスヘア「…ん。怪我は?」
クリスエス「大丈夫だ…見守ってくれていたんだろ。」
クロスヘア「あいつに付き合わされただけだ。俺たちは帰るから後は二人だけで楽しめ。」
スペ•ヴォーン「え~~」
シーザリオ「いっそのこと、皆さん一緒に出かけませんか?」
クリスエス「それは…良い考えだ…」
クロスヘア「いや、俺は…」
ヴォーン「よし!そうと決まったら行くぞ!」
スペ•シーザリオ「お~~!」
自分の担当からも目で訴えかけられ、諦めたクロスヘア。しかしそれにしてはヘルメットの内側から嬉しそうな気持ちが感じられたクリスエスだった。
ヴォーン「そう言えば何で二人はよく出かけるんだ?あんまり関わりはなさそうなのに。」
シーザリオ「それは、クリス先輩から運命的な何かを感じるんですよね。スペさんとは別の。」
ヴォーン「なるほどなぁ。」
スペ「…クリスエスさん。」
クリスエス「?」
スペ「シーザリオさんは…あげません!!!」
クロスヘア「いや、何でそうなるんだよ。」
クリザリの話を書きたかったので書きました。最後のはスペちゃんに「あげません!!!」を言って欲しかっただけです(笑)
早くアプリでもこの組み合わせがみたい!!!