【朗報】私の呪具が五条家の家宝に! 【悲報】私が五条家の家宝に!   作:かりん2022

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修羅場の証

刀に昔から興味があった。

喉から手が出るほど欲しかった。

でも、それが手に入るわけもなくて。

刀鍛冶への弟子入りは両親から大反対されて。

モヤモヤモヤモヤ。心に淀が溜まる。

そんな時に、私は攫われた。

 

格好いい男の人が2人話している。

なんの話かはわからない。

術式とか、呪力とか、よくわからない。

呪霊だけは、普段見えてるお化けの事だと分かったけれど……。

 

私は、そんな事より、男の人が持っている剣のアクセサリーや腰に差した刀がすごく気になった。男の人は私を解放して、一振りの刀をくれた。

念願の刀。

 

私はその刀に触れ、全てを刻み込むように力を注ぎ込んでいた。

 

「なるほど、呪具作成がこの子の術式なんだね」

「せやで」

 

 刀を回収されそうになって、ぎゅっと抱きしめる。

 

「働いて返します! この刀、私に下さい!」

「ほんま? せやったら、自分の為に呪具を作るチケットがええわ。腕が上がった頃にお願いするわ」

「えっと? 術式、ですか?」

「せや。君の術式は、刀の呪具化や。無からも作れるらしいけど、膨大な呪力を使うから大変やって話や」

「刀の呪具化……」

 

 術式を自覚する。

 そうだ、私の術式は確かに刀に類するもの。

 

「その刀、王悦ちゃんの術式に合わせたオーダーメイドで、めっちゃ高いから、チケット一枚じゃ効かんなぁ♪ もちろん、オーダーメイドやで! 頭を下げるんなら、コツを教えてあげてもええよ? 自分、同じ術式の先輩に色々話聞いとるからな♪」

「お願いします、教えてください!!」

「えっ」

 

 私は土下座して頼み込む。

 ここが人生の岐路なんだ! 私はこの道で生きていく!

 

「ま、まあええよ。顔あげてくれんか。自分、悪者みたいやん……そういうの相棒に怒られるからやめてんか」

「その様子だと、悦子は直哉の帰る手伝いはできなさそうだね。呪具製作のサポートは任せて」

「よろしくお願いします!!!」

 

 誘拐犯だと思ったら、イケメン2人ともいい人じゃん。

 

「王悦ちゃん有用やから、ちゃんと護衛つけたって、作った呪具もちゃんと管理した方がええで」

「禪院家で管理するって言わないの?」

「言うて並行世界やし、禪院家でとなると京都行きやろ。宿儺の檻は東京やろ。自分の体一つやし」

「悠仁に興味あるわけ? 宿儺の研究してるんだっけ?」

「王悦ちゃんの実験に付き合わされとるんや。迎えが来た時、大失敗した挙句なんの成果もなかったゆうたら自分の立場がないやろ。せやからそれとなく様子見て、後は宿儺の呪力を込めた刀や情報を渡せば面目は立つかなって。後、せっかくやからいくつか呪具作ってほしい」

「じゃあ、東京の方に滞在するんだね。でも、本当に迎え来るの?」

「その予定や。それに、呪具(傑シリーズ)が(悟くんにとって)めちゃくちゃ高価やからな。回収には来るやろ」

 

 そうして、私は改めてお話を聞いて、この施設に引っ越す事になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってことで、並行世界から宿儺の研究者が来てくれました! 拍手!」

 

 ワーワー! パチパチパチパチ。

 

「直哉がある程度責任持つならって事で、悠仁の風あたりは弱くなるんじゃないかな」

「自分、研究者やなくて研究者の手伝いなんやけどなぁ」

 

 もちろん、そんな単純な話ではなく、直哉が提出した情報のある程度(代表的なのが王城 悦子の術式)が裏とり出来た事、直哉が宿儺の指10本持ってる漏瑚という呪霊をどうにか出来るならば取り込んで行った方がいいのではと進言した事、宿儺の指を大人しく提出していた事、漏瑚が現れた時は五条が責任持って虎杖を避難させ、報告上げる事と直哉を呼ぶ事が条件となったのだが、その辺はざっくり割愛である。漏瑚の説明ぐらいはしてやれ。避難必須だろ。

 

 また、直哉の情報=王悦ちゃんの情報が未来情報っぽかったこと、直哉の性格がだいぶ柔らかくなっており、直哉相手に警戒していた者達の気勢が削がれた事も直哉の意見を通すのに一役買った。こうして、宿儺の器は経過観察を勝ち取ったのである。

 

 直哉は直毘人に帰還命令が出たが、虎杖悠仁の経過観察と王城悦子への指導があるので辞退した所、禪院家に呪具作成チケットを融通する事になってしまったが、そこはまあ仕方ないだろう。

 

「という事で、悠仁と悦子は基礎訓練をしつつ、重めの依頼をするよー」

「おうっ」

「ハイっ」

「基礎訓練これからなんか? 気張りやー。王悦ちゃん特級やったし、悠仁くんも2級やったからポテンシャルはあるで。後は頑張り次第やな」

「「おお!」」

「君もお目付役として行くからね、直哉」

「ええよ。でも最低限の基礎訓練は終わらせた後の方がええんちゃう?」

「それはもちろん!」

 

 というわけで、王城とキャッキャしながら製作を手伝う傍、任務である。

 並行世界の人間だろうと、術師は術師。容赦なく使っていく所存である。また、直哉も生活費と素材の費用を稼ぐ為、それを受け入れていた。

 

「アクセサリー作るのたーのすぃー♪」

「自分のはこの石で作ってや♪」

「俺はこれ! これ!」

 

 3人ではしゃぎ騒いでいると、いきなり五条が現れた。

 

「漏瑚がいた」

「はぇ!? 虎杖くんは避難やな」

「「漏瑚って誰?」」

「だーいじょぶ大丈夫」

 

 3人が転移させられる。

 

「見学の未来の特級呪具作成師王城ちゃんと見学の虎杖くんです! 後直哉。来たかったんだろ」

「ほぅ。特級呪具作成師とな? 興味がある」

「ええ!? あ、せやな……。準備に時間掛かるから時間稼ぎ頼むわ」

 

 そして、封印具から刀を出し、刀を作動させて影から刀のアクセサリーを出していく。

 

「恵の呪力と気配……? あのアクセサリーがこうなるわけ?」

「本当は悟くんの前で使いたくなかったんやけど、ま、それでチャンスを潰すのもありえへんしな。傑くん!」

「!?」

 

 傑シリーズのダメージを受けたのとは別の呪具である。

 シャラリとアクセサリーを抜くと、刀として具現化する。

 刀から立ち上る夏油傑の気配と呪力に、不意打ちで衝撃を受ける五条。

 

「かわええかわええ自分の傑くん、お願いやから、力を貸してや?」

 

 チュッチュッ。

 直哉のご機嫌取りはどうでもいいが、悟がいるのでちょっといいところを見せようかと、始解を許す傑くんシリーズの刀。

 巨大な斧の姿に変じた。

 

「すげぇ!!」

「当たり前やろ、自分の傑くんやぞ。さ、狩の時間や」

「なんだその呪具は!? 欲しい!!」

 

 呪霊のその言葉に、物になるのはお前の方だと呪具が猛る。

 更に直哉は刀を影から出す。これはアクセサリーではなかった。

 

「かわええ自分の花御ちゃん。ええ子やから、力を見せてや! 漏瑚を抱きしめたり!」

「は?」【◾️?】

 

 こうして、直哉は五条と漏瑚と観戦していた花御を敵に回した。

 

 刀から出た荊が漏瑚を拘束し、斧が漏瑚を襲う。

 

「くそ!? 花御!!!」

「わかる? 今から傑くん(この刀)は、君の呪力で孕むんや。そうして、ベイビー(刀)を産むんやで♪ すごいやろ。花御ちゃんとも兄弟になれるで!」

「「は?」」【◾️?】

 

 斧が到達する瞬間、漏瑚と観戦していた花御の一撃が直哉を吹き飛ばす。

 ふきとばされた直哉の頭を五条が掴む。

 

「詳しい事聞こっか……」

 

 斧となった傑シリーズの刀はサッとアクセサリーに戻った。

 

 

 こうして、仲間割れをしている間に漏瑚は逃げてしまった。

 残念である。

 

 修羅場に突入した直哉は、その後、新型の傑と悦子の共同製作の刀を使えば問題なかったかもしれないことに気づき、涙した。

 そう、いくつかの刀を試す予定が、初手の試し打ちから飛ばされてしまったのだ。

 夏油傑と王城悦子の呪力をブレンドして与え続けた特別なシリーズの刀。それを使えば、成功率もバレない率も上がっていたのに、残念な直哉である。

 




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