【朗報】私の呪具が五条家の家宝に! 【悲報】私が五条家の家宝に!   作:かりん2022

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元鞘の証

「説明!」

「めんどくさぁ」

「ああ!?」

「傑くんの一番は悟くんやで、ほら、2人で話し合ってや」

 

 自分がなにを言っても無駄だと経験から知っている直哉は傑シリーズのアクセサリーを押し付ける。五条悟は夏油傑に丸投げ、これが鉄則である。

 

「話し合えって……」

「刀を抜いて、そっと呪力を流して語りかけるんや。自分の傑、応えてやって」

「……傑?」

「傑くん、ほんまに悟くん説得してや。お願いや」

 

 すると、やれやれとばかりに傑が具現した。

 

「これは……傑!?」

[やあ、悟。君は本当に手が掛かるねぇ。何度も言うけど、私は刀で、持ち主に従うだけなんだよ。何度でも言うけど、これは浮気じゃないし、一番大事なのは君だよ?]

 

 よしよしと悟を撫でる傑。

 

「一番大事なのが俺なら、なんで俺を捨ててったんだよ」

 

 思わずそんな言葉がこぼれ落ちてしまう。

 

[捨ててないが? 悟は私のだし。ていうかね。元はと言えば、君やオリジナルの私が直哉に使われてやってくれって頼むし、直哉も頑張って修行したから、仕方なーく私を持つのを許してるんだよ]

 

 そこのあたり間違えないで欲しい傑シリーズである。

 この傑シリーズは、悟の相棒であるという自覚を強く持って生まれている。

 ならなんで他のやつを持ち主にするのか。それは傑シリーズにしかわからない。

 

「なんで」

[宿儺の指をなんとかする研究をしてるからだよ。後、私が術師とペアを組んで仕事すると、必要経費がすごーく低く済むんだ。君は何もかも吹っ飛ばしちゃうからね]

 

 ふふん、と胸を張る傑。それにゆるりと悟は抱きしめた。

 

「そうだよ、俺1人なんて全然ダメなんだよ。お前がいてくれないと」

[そうだね。君には私がいてあげないとね]

 

 そうして、優しく悟を撫でる傑。

 

「お前、結局なんなわけ? 気配が傑まんまなんだけど」

[呪力と共に魂を写す刀を作る。それが王城悦子の真骨頂なのさ。私のシリーズは数多く作られて、君の認可を得て配布されてる]

「俺の認可?」

[だって、君、私が人に使われるの嫌いだし怒るもの。便利なんだけどね、私]

「俺の刀とかも量産されてるわけ?」

[君のは、基本、私のオリジナルにしか従わないからねぇ。よくよくオリジナル達が言い含めて、一回使わせるのがせいぜいかな。直哉も持ってるけど。悟オリジナルにさえ使われるの嫌がるんだよ、悟シリーズ。悦子と硝子も持ってるけど、一回でも使ったら私のオリジナルのメンテが必要になる。後、直哉は実験のために限り、所持を許されてるくらいかな]

「なにそれ。そんなの傑がいなきゃ絶対ダメじゃん。もう傑いないのに。僕が殺しちゃったのに」

 

 

 

 

「へ?」

 

 見えない何かと抱き合う五条に、直哉は間抜けな声をあげた。

 直哉のアクセサリーの一つがブルブルと震える。悟シリーズである。

 それはブレスレットを破壊し、直哉を吹き飛ばした。

 

「さ、悟くん、落ち着いてやっ こっちの傑くんの話やろ! 悟くんの傑くんは呪具庫におるやん!」

「は? なんで呪具庫にいるんだよ」

「だって傑くん、呪力搾り取って呪具に変換する方が役立つやん。呪霊取り込むの、精神的にも強い負担かかるし、健康な魂で長生きしてくれた方がよっぽど呪具量産できるし。戦いは数やろ」

「は? 傑を呪具の生産装置にするってか」

「同意! 同意を得とるし!! 悟くんとも時間とっとるし! 健康な魂でおるようカウンセリングも受けてるし!! 悟くんシリーズもいつも一緒におるし!! 簡単な任務ならたまに外出許可もあるで!!」

 

 ちょっと嘘である。

 夏油は外に出てみんなの力になりたいという願いを持った方が良い刀が育つ為、あえてそう思うようにストレスを加えている。

 後、特級以上の傑シリーズは天元様を操れる為、持ち主は五条と総監部の許可が必要なのだが、流石にそこまでぺろっとするほど直哉は馬鹿ではなかった。

 

 どちらにしろ、どんどん墓穴を掘る直哉。

 

「傑はそれで良いわけ?」

[呪詛師になって討伐されるよりは?]

「……」

[ああ、そうなんだね。悦子がそう仕向けられるかもしれないって言ってたし。私の事、優しく殺してくれた?]

「僕の出来うる限り。……で、そう仕向けられるかもしれないって?」

[私は呪詛師に実験体として狙われていたらしくてね。レア術式を持つと大変なんだよ]

「直哉! 傑が狙われてたってどう言うこと?」

「そのへんのことは知らん。なんや興味なかったし。しゃ、しゃあないやろ! 突発的に実験中に事故でっ 偶然! 準備もなく飛んだんであって、自分、こっちの問題解決しに来たわけやないもん!!!」

 

 そうこうするうちに、刀はガタガタと震えていた。

 

「げっ やばっ」

 

 直哉が逃げ、悟が身構える。

 

 赫が炸裂した。

 

 

 

 

 

 

 

「せんせー。修羅場終わった?」

「終わった?」

 

 ガクガクブルブルしながら、虎杖と悦子は問いかける。

 直哉は瓦礫に埋もれて半死半生で硝子(刀)に拝み倒した。

 刀に認められる為、力を貸して貰うため、こうして直哉の性格は矯正されていったのだ。

 仕方ねーなーとばかりに、硝子の刀が大鎌となり、それを持つ直哉の傷が癒えていく。

 

 無限をガンガンに削ってくる赫からギリギリ身を守り切った悟は、ため息を吐いて刀を拾……えない。無限で拒絶されている。

 

「君の傑の元に返せるよう、協力するからさ。そう拗ねるなよ。……それだけわがままを言えるお前が羨ましい。僕はもう言えないからね」

「「えっ」」

 

 様子を伺う伊地知と七海が思わず声を出して睨まれる。

 

 それから、悟はそっと悟シリーズを持ち上げた。

 

「直哉」

「ケホッ なんや?」

「一本でいいから、傑シリーズ貸してよ」

 

 傑会議開催である。

 

 何はともあれ、直哉の呪具の事は丸っとバレたので、改めて呪具を見せて欲しがる悦子と学生達だった。




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