こっそり魔人と契約している少女エクソシスト   作:エンジルト

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今回のみ、三人称視点…というか、神様視点というか、作者視点というか…。そんな感じになってますが、次回からは基本的にはメグ視点で動いていきます。
書きたいところまでいけるかな…。


こっそり魔人と契約している少女エクソシスト

「んー…!今日も洗濯日和!」

村の近くの森に流れる小川へ歩いて向かう1人の少女がいた。

森に入ってすぐの場所だから、危険な獣も滅多に降りてこない。

髪飾りの鈴が一歩進むごとにチリリと鳴るのもあってか自然と動物がさけていくのだ。

ふんふん…と鼻歌を歌いながら、洗濯物が入ったかごを持ち、木々の間を通り抜けていく。

すると。

 

「ん?なにか、いる?」

 

川の側に見慣れない黒い何かがある。

遠くから見ると、動いているようには見えない。

恐る恐る近づいて、その輪郭がはっきりすると。

 

「きゃあぁぁぁぁ!!!」

人が、誰かが倒れてる!」

 

頭に角が折れた跡の残る男がぐったりした様子で倒れていた。

全身に葉っぱや泥が付着しており、下半身は水に浸かったままである。

どうやら川の上流から長々と流れてきたようだ。

 

「ちょっ、ちょっと、大丈夫?ねぇ!!」

「う…うぅ…」

 

身体を強くゆすりながら声をかけると、うめき声がかえってきた。

どうやら生きているようだ。

しかし…。

 

(このままだといつ死んじゃってもおかしくない!)

 

身体はズタボロな上に、長く川水に使っていたせいか、体温が奪われ震えていた。

どう考えてもこのまま放置すると死んでしまうだろう。

 

「ねぇ!君!まだ死んじゃだめだよ!!

村のみんなに診てもらうからね!」

 

自分より若干大きな彼をなんとかおんぶ(ちょっと足は引きずってたけど)して。

村へ駆け出していった。

 

 

 

─────────────

 

 

 

めーぐ、めぇーぐぅ。

「んんぅ…ガルくん、もうちょっと静かに…。」

メグぅ、早く起きてすりすりぎゅぎゅぎゅってしようよぉ…

もう朝飯まで30分しかないんだぞ…

「あと30分!?!」

「うわびっくりした!!」

 

リレネイド聖教会のエクソシスト達の寮部屋に2人の声が響いた。

 

「ちょっ、しーっ、しー!!!」

「あっ、ごめんなさい…」

「気をつけてよ、もしバレたらいっしょに居られなくなるんだから…。」

「…うん。

あ!そんなことよりメグ「そんなこと、じゃないよっ!」、飯の時間!」

「あ、やばっ!!!」

 

時計を一瞥し残りの時間を確認し、身支度を急ぐ少女。

 

「もー!!もっと早く起こしてよー!!!」

 

そうこぼしながら、手を動かす少女の名前は『メグ』。

1ヶ月前に見習いから卒業したばかりの低級3位のエクソシストである。

口ではぶーぶーと文句を言っているが、その手つきは素早く、髪の寝癖を直し、中身は空っぽの鈴の着いたリボンで2つに縛る。

朝の身だしなみを手早く整えるのには慣れた様であった。

 

「えー!!!?

ちゃんと起こしたんだぞー!!

起きなかったのはメグの方なんだぞ!!」

 

ベットの上であぐらをかいている青年は『ガル』。

人間たちの平和を脅かす、“悪魔”が人間に近い、あるいは凌駕した知性や社会性を会得し人に近い姿をとる存在、“魔人”である。

メグの文句に口をとがらせながら反論する。ぱっと見、動物の耳のように見える跳ねた赤土色の髪がゆれた。

 

「いつも言ってるじゃん!!1時間半前…、せめて1時間前には起こしてって!」

「毎回そうしてるんだぞ…それで毎回もっと寝かせてって。」

「寝起きの私の言う事は信じちゃだめとも言ってるじゃん!」

「それ言ったら今度は起きてる時の私の言う事は信じないでって返ってくるんだぞ…。」

「そういうことは言う事聞いちゃダメー!!!」

 

えぇ…結局どうすればいいんだぞ…?とこぼすガル。

すると、はっと何かに気づいたようなそぶりを見せた後、ベッドに横倒れて、

ぐぅ〜、と気の抜ける大きな音が部屋に響いた。

 

「おなかすいたぁ~…。

聖魔力かたべものが食べたいんだぞ~…。」

「あともうちょっとだから待って。

…よし、出来た!あと何分で朝ごはん開始?」

「あと、15分なんだぞ~。

ぐぅ…おなかすいた…」

「走れば間に合うね。

ほら、行くよ。」

「はーい。」

 

ガルの体が光り、煙のようなもやもやへと変化したのちに、メグの体に纏わりついて彼女の体に染みていく形で入り込んでいく。

ガルが入っていくことに比例してメグの臍部─衣服で隠れているがに黒い模様が表れていった。

部屋の中、メグ1人だけになると、二つのわっかが鎖のように重なり合った紋様からほのかに熱を感じられた。

 

《メグ、憑依完了だぞ。早くごはん食べに行くんだぞー!》

(うん。急ぐよー!!)

 

頭の中で会話をしあう二人。第三者からみれば不思議な光景だが、二人にとってはこれが日常であった。

 

 

─────この物語は、本来ならば討伐対象である魔人とこっそり契約している、1人の少女の物語である。




カタカナ用語はほとんど全部イントネーションの良さで決めているので、単語そのものに意味はない。

キャラクター解説
メグ
本名 メグ・リリーベル
年齢 18歳
好きなもの ガルくん 村のみんな スイーツ
趣味 料理

昇級したばかり(見習いを卒業したばかり)の低級3位のエクソシスト。
ガルと契約しており、臍部には契約の紋様がある。
もともとはしがない村娘だったか、ある日ガルを拾い、その後とある出来事から契約、後にエクソシストとして聖教会で働くことになった。
ガルとはもともと婚約者の関係だった。

ガル
本名 わかんない。
年齢 わからないが、メグに拾われて4年は経っている。
好きなもの メグ 食べ物 村のみんな。
趣味 お散歩。

魔人と呼ばれる、悪魔の上位種。
メグとは契約をしており、いつもはメグの身体の中にいる。
ある日川に流され記憶を失い、死にかけていたところをメグに助けられ、そこからずっと村に滞在していたが、いろいろあって今はメグと共に聖教会にいる。
メグとはもともと婚約者の関係だった。
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