注意 本編の時間軸とずれ、はるか先、あるかもしれない世界のお話です。タイトルにある通り、達成見届けてから急いで書き上げた作品になります。それでもいい方は、どうかご視聴ください
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「ねのさん。あなたのことを愛しています。一等星のような貴女を。その声を、話し方を、あり方を。歌が好きで、みんなと話すのが好きなあなたを」
そういいながら、ブルースターとカーネーションの花束を渡す。一世一代の告白だった。初めて会った公園で、空に満月が光り輝く深夜。星々がきれいに見える日のことだ。
正直に言おう。この告白自体、受け入れられるとは思っていなかった。なぜか、なんて言われれば、この数年で、あまりにも彼女が高いところに上がってしまったからだ。ほかの人たちにも見えるようになり、綺麗な歌声すら変わらず、柔らかな話し方をする彼女が多くの人に好かれるまで、それほど長く時間がかかることもなかったのだ。
もとより、他者の多くから認識されないという理由から僕と話すことが多かっただけで、そのありようは、万人受けするといっていいほど完成したものなのだ。そんな彼女の近況と、僕自身の仕事が始まってしまった忙しさが重なり、最近は話すことすらめっきり減ってしまったように感じてしまう。
そんな中で行ったこの告白は、はっきり言って無謀が過ぎるだろう。そんなわかりきっていることのはずなのに、僕がこうしたのには理由があった。
というのも、とある理由でこの地を離れることになってしまったのだ。詳しいことは言えないが、それこそが今回の告白に対する後押しとなったことに間違いはないだろう。
だが、それでもあきらめきれなかったのだ。まるでシルクのような美しさの羽、蒼空を浮かばせる瞳、碧の混じった美しい髪、穏やかな話し方。そして何よりも、そのきれいな歌声が。独りよがりと言ってくれたってかまわない。それでも、この気持ちを伝えたかったのだ。もちろん、迷惑といわれることも、そのうえで嫌われたってかまわない。何もしないで終わるのだけは嫌だと思った。
沈黙が場を支配する。少し寒くなってきたこの頃、厚手のコートを着た彼女のきれいな目を見つめ、返事を待つ。薄い水色のコートは、彼女の髪と服にぴったりと合っていて、まるで芸術のようにすら見える。驚きでまんまるとなったかわいらしい瞳から、ジワリと涙がにじみだした。
「わしは・・・」