絶望しかない世界で、それでも生きてる 作:タツオ・クローニン
私は自由人である。名前はまだ無い。
拾った銃を、杖代わりに10キロ程度西に向かっって歩いた。
そこに意味なんてなかった。ただ自由に、外を歩く、ただこれだけの事に感動していた。
歩き疲れた訳ではないが、日が落ちてきた為、休む所を探す。
幸い近くに林があったのでそこで身を隠すように眠った。
歩き続けて2日目、問題が生まれた。まあ最初からあった問題なんだが、それは食料だ。これがない。一応古いバッテリーがあるから1日程度は凌げるが、それ以降はどうにもならない。
狩をするしか無い。銃は一応有る。こいつで喰そうな物を狩っていく。それしか生存の道はないだろう。
兵を辞めても、まだ生きる為に、命を奪う行為に何処か罪悪感を覚えながら、獲物を探した。
うさぎみたいな、生き物に狙いを定めた。銃を構えて、魔力を込める。そこは、うさぎでいいだろって?私の前世が言っている。羽が生えたら流石に、それっぽい、何かだよ。鳥なのか、うさぎなのか、ちょっとはっきりしなかったが、まあいい。とりあえず1匹捕獲出来た。
とりあえず、焼いて食おうと、思い枯れた枝を集めた。
肉を焼く前に皮を剥いだ。皮は土に埋めた。
焚き火をして肉を焼いた。肉の匂いが鼻腔に広がった。素晴らしい、焼けた肉の匂いは、転生してから嫌になるほど嗅いできたのに、今こうして改めて嗅いでみると、それだけで幸福な気持ちになる。
焼けてきたので表面を削り、肉を齧った。少しパサついた、肉の感じが舌いっぱいに広がった。転生してから初めての飯だ。感動した。前世の方が美味い飯を食ってきただろうに、それでも今までで一番美味かった。感動して涙が出た。塩もかかってないんだぜ、ただ肉を焼いただけ、味もついてないのに、私は無性に肉を食べ続けた。そのまま夜になり、火が消えるのを待ち眠りについた。
今日からは山越えだ、迂回する事も出来るだろう。だがこの山を超えてみたい。そう思っていたんだ。戦争時は、山を背後にすることで大規模な襲撃を防いでくれていた、この山これを超えた先に何があるのかを見てみたい。銃を杖にしながら山を登った。500メートル程登ったところで今日は休みとした。食料は山に生っていた木の芽などを食べた。山登りを舐めていたわけじゃないが、時間が掛かる。10日ほどかけて頂上まで登った。2日前から食料の現地調達が不可能だったが、少し貯めていた食料と古いバッテリーで食い繋ぐことができた。
山の上からの景色は絶望感があった。地上は死体で埋まっているだろう煙の上がった、要塞がいくつもあった。
そのまま西の方角へ降って行った。
生存可能な寿命残り約2年と11ヶ月
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