「まばゆはなんでほむらとつるんでるのです?」
「い、いきなりなにを言い出すんですか、なぎさちゃん」
映画を観ながらチータラを食べていたなぎさちゃんがそんなことを聞いてきました。
私が、暁美さんとつるんでいる理由ですか。
「なぎさちゃん、逆ですよ逆。私が暁美さんとつるんでいるのではありません。暁美さんが私とつるんでいるんです」
「んな訳ねーのです。さっさと答えろなのです」
一蹴されました。
「んー、同じタイプの魔法少女だからですかね」
「同じタイプ? ほむらも、まばゆみたいに部屋を散らかすのですか?」
「それ、暁美さんに言ったらとても怒られるのでやめてくださいね」
主に私が怒られる気がします。
「分かったのです! ほむらもまばゆしか友達いねーのです!」
「それ言ったらマジで風穴開けられるので本当にやめてくださいね!?」
ギリギリを攻め過ぎですよ。暁美さんは事情があって友達を作る機会が無くて、初めての大切な友達のために自分の運命を投げ打って頑張っているんです。
そして私にだって友達くらいいます。
友達くらい……います……ん……。
「なに勝手に落ち込んでるのですか?」
「なぎさちゃん……思ったより毒舌ですね」
「で、本当のところはなんでなのです?」
「決まってるじゃないですか。私みたいな雑魚雑魚魔法少女は暁美さんみたいな強い魔法少女と組んでないとグリーフシードにもありつけないからですよ」
「嘘なのです」
「おや、何故そう思うんですか?」
「まばゆはほむらを利用しようとしてないのです」
「ほう、お子様にしてはしっかり見ていますね」
「子供じゃないのです。からかってないでさっさと教えろなのです。チータラ全部食べちゃうのですよ」
おや、私のおやつだったのですがいつの間にかなぎさちゃんに所有権が移ってしまっていたようです。
「えぇ、なぎさちゃんの言う通り。私は暁美さんのお手伝いをしているのです」
「お手伝い?」
「はい、暁美さんが目指す未来を手に入れられるように、そのお手伝いです」
「それって、まばゆになんのメリットがあるのですか?」
「難しい言葉を知っていますね。お勉強頑張ったんですね」
「子供じゃねーのです。話を逸らすの禁止なのです」
暁美さんを手伝うことに対する、私のメリットですか。考えたことはありませんでしたね。
なぜ暁美さんと一緒に行動し、鹿目さんを助けようとしているのか。
「んんん? なんでですかね?」
「なんでまばゆが分かんねーのですか」
「いや、考えたことも無かったもので……暁美さんを手伝うのに、私に利益が必要ですか?」
「普通は損得考えて動くものなのです。この映画の中でもそう言ってたのです」
なるほど、なぎさちゃんがこんな事を聞いてきたのはこの映画が原因でしたか。映画から得た情報をフィードバックして、色んなことを考えてみるのはとてもいい事です。もっと励んでくださいね。
「……きっと、暁美さんの想いに心を打たれたからですかね」
「まばゆは、ほむらの事が好きなのですか?」
「はえ!?」
何を言い出すんですか、マセガキですか!
私が暁美さんを好き? ないない、有り得ませんよそんな事! 私たちはあくまでビジネスパートナー。鹿目さんを魔法少女にさせない為に、暁美さんと共に同じ時間を繰り返し、暁美さんを助ける相棒枠です!
そもそも私たち、両方とも女の子なんですよ!?
「人を好きになるのに女か男かなんて関係ねーのです」
「心を読んだ!?」
「全部口に出てるのです」
「私としたことが!」
痛恨のミス! 恥ずかしい、穴があったら入りたい……。しかも年下のなぎさちゃんに恋愛について説かれるって……。
「まばゆがほむらを好きなのも、なぎさがチーズを好きなのも一緒なのです」
「……ほっ」
ほっこりしますね……やはり恋愛観ではなく、好きか嫌いかの浅い視点でしたか。
「好きならそう言えばいいのです」
「はいはい、わたしは暁美さんが好きですよーっと」
「あら、そうなの?」
ん?
んん?
「あ、暁美さん!? なぜ私の部屋に!?」
「訪ねたら店長さんが入れてくれたわ」
「咲笑さーん! なんて事を! あ、暁美さん、どこまで聞いて……」
「あなたが私のことを好きだと」
「──う、うわああぁぁゃぁあぁ」
「うるせーのです」