真剣で私に恋しなさい ~直江大和のRe Life~ (仮) 作:鳴瀬 銀
直江大和は困惑していた。
それもそのはず、自分は死んだと感じた次には赤ん坊となっていて、しかも自分が愛していた両親の子供として再度生まれているのだから。
大和 (どういうことだ?なぜ俺は赤ん坊に…しかも母さんたちがいて、その子供になんて…
まさか九鬼家が俺の家族ごとクローンとしてよみがえらせたとか?)
大和は九鬼家が保有する技術の一つである、遺伝子からくるクローン技術が進歩して今の現状がうまれたのではないかと考える。
大和 (しかし生前?の頃の記憶があるのはおかしくないか?遺伝子にそんなことまで記録されて
いるとは思えないし。そもそもなぜ俺たち家族を?紋様がなにか口添えをとか?いや紋様は
そんなことはしないだろうし武士道プランとかならともかく一般人のクローンをつくるまで
さすがに非人道的すぎるか?)
以前、武士道プランという名目のもと九鬼家はクローンとして複数の偉人を蘇らせたことを思い出す。またクローンの子供たちとは自分と同じ学園で切磋琢磨しあったことも思い出す。
大和 (懐かしいなぁ、っとそれどころじゃないか。さて、もし俺を含め両親たちもクローンだと仮定すれば少なくとも今の年号は俺が死んでから約20~30年後のはずだ。)
そう考え、カレンダーを見つけようと周りを見渡す。
大和 (お、あった、さてと。)
カレンダーを見る。そこに書いてある年号と日付は…
19XX年 〇月 △日
大和の予想は外れていた。
大和 (どういうことだ俺が生まれた年じゃないか…夢?いやでも…)
最初の考えが根本から否定され若干の混乱が起きる。
大和 (…わからんどうしてこうなった。…もしかして最後に姉さんから受けたあの技の影響か?
いやしかし…なんにせよ情報が少なすぎる。考えすぎても仕方ないか。)
一旦、自分の状況について考えることを控えることにした。
大和 (何はともあれ、今の状況を受け入れるしかない。それに…)
目の前で自分をのぞき込んでいる母親を再度見上げる。
大和 (母さん…)
奇妙な状況だが一度別れを経験した自分の愛する親との再会に感謝の思いを抱いた。
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=数年後=
直江大和は成長していた。
大和 (さて、夢なら覚めると思ったが、両親がつきっきりになる必要はないぐらいまでには成長
した。…長かった赤ん坊なのにちゃんと意識あるもんだから大分きつかった…いろいろ
と。)
大和は意識ははっきりしているのに体が思ったように動いてくれなかったここ数年を思い出し息
を吐く。
直江 (言い方はあれだけど介護されてるって感覚がかなりきつかった…
でもまあ、それはともかく始めるか!)
親が出かけている今、まだまだ子供だが成長した今、生前行っていた鍛錬を子供の体に無理がない程度に行う。
基本的な体つくりをするために柔軟から始め、体力づくりと行う。それらを一通り行い一息つく。
大和 「記憶は覚えていてくれてるな、ちゃんとできた。さてと次は。」
大和はポケットから裁縫用の糸を出す。
大和 「昔使っていたものとは強度も全然別物だけどこれで…ごめんなさい母さん。」
糸を無断で拝借したことを母に謝りながら糸を使った訓練を行う。
~30分後~
大和 「糸の性質が違うのもあるけどやっぱり昔ほどの練度で糸は扱えないか。
まあ、でもだからってやめるって選択肢はないけどね。」
彼は自分自身が置かれた状況を受け止めていた。
大和 (生まれ変わりでもなんでも、もう一度直江大和を過ごすのであれば今度は!)
あらたなる決意を胸に彼は鍛錬を続けた。
その後彼は買い物から帰ってきた母親に糸を勝手に使ったことがばれ、大目玉をくらうことになることをまだ知らない。
=さらに数年後=
直江大和は小学生になった。
そして自分の人生にとって大切なもののひとつである人たちとの出会いが起こる。
大和 「信じられないなほんと。」
と小声でつぶやく。大和は今、かけがえのない関係となる仲間と一緒に原っぱで遊んでいる。
??? 「うぇぇ~~い俺がいちば~ん!」
大和 「やっぱ早いな、翔一君は」
かけっこで一番早くゴールについた彼の名は ”風間 翔一”
今はまだ結成はしてないがのちの“風間ファミリー”のリーダーとなる男。
??? 「大和君も早いわよ~。」
そう言って大和に声をかける女の子
まだまだ短いポニーテールを揺らしながら話す彼女の名は ”岡本 一子”
今は施設で暮らしているがのちに川神家に養子にはいり”川神 一子”となる。
大和を含め三人で空き地で遊んでいる。
翔一 「よーし!も一回やろーぜ!」
一子 「いいわよ!こんどは負けないわ!」
大和 「二人とも元気すぎるだろ」
風間ファミリーの原型ともいえる三人で遊んでいると。
??? 「おーい、俺たちも名間に入れてくれー!」
??? 「僕は、かけっこはちょっと…見ているだけなら。」
男の子二人が空き地に入ってくる。
声をかけてきた男の子は ”島津 岳人” のちにベンチプレス190キロの記録を持つことになる男。
岳人についてきたもう一人の男の子は ”師岡 卓也” のちにファミリーのエンターテイメントの部分を受け持つことになる男の子。あだ名は モロ
翔一 「おう!二人ともいいぜ!」
大和 「おれはちょっと休憩するわ。」
卓也 「なら、僕もちょっと見学してから遊ぼうかな。」
大和 「ならふたりでちょっとおしゃべりでもするか」
卓也 「そうだね、あの漫画について話したいな。」
そうして大和は卓也と二人でおしゃべりをする。
おしゃべりしていると今度は髪色が紫がかった女の子がとてとてと空き地に入ってきた。
??? 「あ、あの…」
大和 「椎名さん、こんにちは」
大和が話しかけた少女の名は”椎名 京” 最近まで家の事情からクラスメイトにいじめを受けていたが風間ファミリーに入りいじめはなくなった。その際に大和が声をかけた時に彼女は大和に恋をする少女となった。詳しくは別のお話で。
別情報だが彼女の家は弓道の流派”椎名流弓術”を扱う家で、のちに天下五弓に数えられるほどの腕となる。
京 「こ、こんにちは。」
大和 「椎名さんも一緒に遊ぼうよ。」
京はコクッと首を縦に振りこちらに来る。
大和 (正直、京の件についてはどうしようかと思った。
生前は助けることで俺に惚れて、その後の彼女の人生に大きく左右するほどのことだった
から。でも俺は…)
そう彼は無視できなかった。同じように惚れられることになろうとも彼は彼女を救うことにためらいはなかった。
翔一 「おーいモロ!大和!椎名も来たか!みんなも入れよ!」
かけっこから鬼ごっこに遊びが変わっている。人数が欲しくなったのか仲間から声がかかる。
卓也 「うん、わかったよ。それじゃ二人ともいこ!」
卓也は遊びの輪に混じりに行く。京は大和と一緒にいようとするが先に行っててと言われ鬼ごっこに参加する。
遅れて大和も遊びに参加しようと立ち上がると後ろから声をかけられる。
??? 「僕もなかまにいれて!」
大和 「ッ!?」
思わず振り返る。
大和 「き、君は…」
??? 「楽しそうだなって、だから僕も仲間に入れてほしいな」
大和 「……」
??? 「も、もしなかまにいれてくれたらこれあげるから。」
そう言って彼女は袋を大和に向ける。
大和 「これって、マシュマロ?」
??? 「うん!おいしいよ!だから僕もなかまに入れて!」
大和 (…そうだ、俺は何で忘れてしまっていたんだ。)
彼は前の子供の時の性格を黒歴史としていた。いわゆる中二病といったような子供時代をすごしており、子供時代の記憶はあまり思い出さないようにしていた。子供のころは他愛ないことだと思っていた。だから今回は普通の調子でしゃべっている。
また後に参加する者がでるまで風間ファミリーはわりと閉鎖的になる傾向があった。
??? 「だめ?」
昔の大和はこの手を振り払ってしまった。いまそのことを思い出す。
大和 「ううん、いいよ、一緒に遊ぼうか!」
??? 「ッッうんっ!」
一子 「おーい、早く来なさいよ~、あれ、大和その子は?」
大和 「ああ、一緒に遊びたいって、入れることにしたんだ。いいよな?」
一子 「もちろんよ!あたしは岡本一子!あなたは?」
大和 「そういえば」
??? 「ぼ、僕の名前はこゆき(小雪)!」
大和 「そうか、君が…」
小雪 「僕がどうかした?」
大和 「いや、なんでもないよ、いこうか!」
小雪 「うん!」
彼女の名前は”榊原 小雪”
過去の彼女は後に二人の男性と出会う前は、母親から虐待を受けていた。そして最終的に母親に反撃するという事件が発生してしまう。そんなことが起きる前に彼女は心の拠り所をさがしていたが大和はそんな彼女の手を振り払ってしまった。結果彼女の心はどこかおかしくなってしまった。
だが大和は今回伸ばされた手を振り払わず手を掴む。その結果がどうなるかは分からない。しかし確実に以前とは違う結果が待っている。
~数日後~
大和はとある人物と一緒に歩いていた。そして一緒に歩いている少女はご機嫌な調子で前に出る
??? 「ふふーん♪」
大和 「ご機嫌だね、姉さん。」
??? 「いや~舎弟というのはいいものだな!弟!」
大和のことを弟と呼ぶ彼女。
彼女の名前は”川神 百代”
百代 「私はお前が気に入ったぞ!私にどこまでもついてこい!」
そういって彼女は手を伸ばす。
大和 (姉さんは変わらないなぁほんとに。)
大和は一瞬、懐かしさを覚えしみじみとしたい気持ちがでるも、それを表には出さず、すかさず。
大和 「やだね」
そう答えた。
百代 「む、お前さからうのか?」
大和 「違うよ、ついていくにしてもずっとは嫌だ!並んで歩きたい!」
百代 「並ぶっても、武道はからきしじゃないかお前。」
大和 「ふふふ、武道だけが並ぶ術じゃないから。」
百代 「というと?」
大和 「武でトップの姉さんの隣に並ぶなら、俺はこの日本のトップを目指す!」
百代はきょとんとした顔を一瞬したのち。
百代 「ははははは!それはいい!それくらいでないと私の隣など到底並べないからな!
期待しているぞ♪」
大和 「任せておいてよ!」
そうして直江大和は二回目の契りでも川神百代に対し変わらぬ決意を向ける。
これは打算も何もなく本心からくるものである。
こうして二回目の人生を少しづつ着実に進めていく大和、一回目の人生とは違う選択、同じ選択を選ぶ彼のもとへ訪れる結果はどのようなものだろうか?
それは一回目を知っている大和、本人にも予想がつかないものである。
ところどころ突っ込みどころがあると思います。これはさすがに脳内で補完できないなって部分があればご指摘お願いします。
小雪と遊ぶと百代への決意表明の時期がなんか逆な気がしないでもないですが、百代をトリに持ってきたかったのでとりあえずここではこの時系列でおねがいします。
たくさんの方に読んでいただけて大変ありがたいです。
では また次で。