妹転生?!ファンとしてお兄様を幸せにします! 番外編 作:tom200
最後の小話になんちゃってちゃんねる風のお話があります。適当に読んでいただければ。
『アイドルのクリスマス』
アイドルにとってクリスマスはファンのために愛を振りまくイベントである。
プライベートな時間を過ごすどころか、休む暇もない。
朝から晩までなんて言葉では生温い。23日から日付が変わる頃からノンストップでフル稼働。
イブとは夕方からではないのか、なんてお祭り好きの日本では関係ない。48時間寝ずの仕事が待っている。
マサキとタツヤも当然トップアイドルとしてネット配信から音楽特番の出演、オールナイトラジオ、その合間を縫ってスペシャルドラマの番宣でチャンネルジャック。
どこかしらのメディアにずっと出ずっぱり。
しかもほぼ生放送番組ばかりということで、クリスマスの日程がこれほど仕事で埋まっている人間も少ないだろうというほどプライベートタイムのないスケジュールだった。
タツヤは無表情の下で憂鬱だった。
何故、愛する人と過ごせる日に、顔を合わせるどころか言葉も交わせずにいるのだろう、と。
こんな日に最愛の妹を一人寂しく過ごさせているなんて、自分は兄として失格なのではないだろうか、と。
(深雪に会いたい)
もうすでに10時間は会話をしていない。
ほんの僅かの休憩時間に少しだけ電話で話しただけである。
周囲で誰かに見られる可能性のある場所でテレビ電話などできるはずもなく、しかしメールでは我慢ができなかったので声を聴いたのが10時間前。
そろそろ妹不足でタツヤの機嫌は底辺まで来ていた。
スタジオへのわずかな移動時間。
ロケバスではなくマネージャーの運転。マサキは別の仕事で先ほど別れたばかり。
(…吉祥寺がいるが、仕方ないか)
深雪の声が聞こえないようにはできても、己の声は聞こえてしまうし、ミラーでこちらの顔も見られてしまうだろうが、そんなことは些末なこと。
躊躇うのは、二人だけの空間ではない事実、それだけだ。
呼び出しコールは二回。
「はい」
――たった二文字だけでも、己のテンションが振り切れたのがわかる。
愛する者の声が聞けるというだけで活力を与えられる。
アイドルの仕事とはそれを与えるものだという。
(つまり深雪は俺のアイドル)
…タツヤの優秀な脳は、疲労感と妹不足でIQが著しく低下していた。
――
おお。お兄様からのお電話だ。
クリスマス当日。私はテレビとパソコンの前から動く暇も無かった。
24日からメディア出演し続けている我が生涯の推しの録画と編集、そして何より観賞に忙しかったからだ。
(お兄様のことだから、クリスマスという家族と過ごす日に私を一人にさせて悪いとか思っているのだろうけど、そんなことないよ!私ずっとお兄様眺めてるからずっと一緒!)
画面越しで煌めく推しが映るだけでご飯が美味い。
深雪は寂しがるどころかフィーバーし、大変満足していた。
机にはペンライトと手作り団扇も揃っている。
全力のファン活は楽しい。ネットではファンたちと熱く語っているので寂しいと思う暇もない。
誰よりも充実したクリスマスを満喫していると自負していた。
「はい」
お兄様からの電話であっても喜び勇んで出てはいけない。
外にいるお兄様の周囲に誰がいるか、本当に本人からかわからないのだから、自分の第一声を聞くまではそれ以外しゃべっちゃいけないよ、と念を押されているのだ。
ちなみに、もしもしもだめ。4文字は他人に聞かせるには長すぎるのだそう。お兄様ジャッジが厳しい。
「ああ…深雪だ…」
おっと。名前を呼ばれたということは周囲に警戒対象はいないということだね。いたとしても吉祥寺君か、マサキ君だけとなる。が、声の柔らかさから多分隣には誰もいなさそう。
吉祥寺君と移動中かな。
「お疲れ様ですお兄様。先ほどの情報番組での番宣、とても素敵でした。特に、クリスマスを共に過ごそうと言ってくださったところが!まるでお兄様に直に誘われた心地になりました」
「俺はそのつもりだよ。…叶えることはできないが、お前と共に過ごしたいという気持ちを込めたんだ」
「…まあ、お兄様ったら。そのお気持ちだけでも嬉しゅうございます」
流石お兄様、そしてファンの考察。
ネットでの反応でも、アレは妹様に言ってるよね。あの笑みは妹様に向けられてだもんね!と呟かれていた。
うん、正解でした。
皆おこぼれありがたやー、って言うけれど、改めて思う。お兄様ファン、それでいいのか?
(…いや、良いんだろうな。ファンって、オタクってそういうもの)
自分に向けられてなくても推しが笑ってくれればそれだけで満足しちゃう。幸せそうであればなおさら。それがファン。
まあ、その笑みを自分に向けられていると変換する没入型ファンもいいと思うよ。アイドルに対して夢を見るのは自由である。ただし、本人や周囲に迷惑を掛けなければだけどね。
「お兄様、少しは仮眠を取れてますか?まだ先は長いですから心配です」
「ん?体力は問題ない。ただな、深雪の顔が見たい。少しだけ顔を見せてくれないか?」
テレビ電話に切り替えたいとのお願いに私はたいして乱れてもいない髪をささっと整え、万が一のため机の下にグッズを隠してから操作した。
そして画面に映るお兄様の姿――ついさっきまでテレビに映っていたクールなタツヤのオフショットの様な格好に大いにときめいた。
「ふふ、こんなお兄様の姿を見られるなんて、ファンとしてとても許されないことをしている気分です」
これがただの一ファンだったら刺されてるレベルだ。
「俺のファンなら許すだろうさ」
でしょうね。お兄様ファンは特殊ですから。ただのアイドルファンというよりオタク気質の人が多い。つまりは同類。
お兄様は若干疲れたような表情をされている。
それもそのはず。いくら体力お化けのお兄様でも、すでに働き始めて30時間を超えている。マサキ君とは違い、お兄様は笑顔を振りまくことは少ないが、それでもアイドルとしてファンのために活動してくれているのだ。
精神的に疲労していないわけがない。
「愛も配り過ぎれば枯渇する――だから補充させてほしい」
いつだったか私がお兄様に、無自覚の疲労でおかしくなっていた時に私が言った言葉を引用して、何やら頼みごとをしたいらしい。
「私でよければいくらでも。何をご所望ですか?クリスマスソングでも歌いましょうか」
電話越しでは触れることはできない。恥ずかしいけれど、以前には歌を所望され歌ったこともある。
今回もそれだろうか、と思ったのだが。
「キスしてほしい」
「……すみません、もう一度お願いします」
「深雪のキスが欲しい」
電波障害で変な暗号にでも切り替わったのかと思ったけれど、そうじゃない。お兄様がご所望になっているのはどうやら妹のキス顔らしい。…なんてこった。
「そ、そんな…」
こんなストレートに言われたことなどない。というよりキスを強請られるなんて滅多にないのに、その上電話越しだなんて。
想像だけでも十分恥ずかしい。それが前面に顔に出ていたのか、お兄様はファンにも滅多に見せない笑みを浮かべられていた。上機嫌の、少年さを見せるような悪戯な笑み。…嗜虐的じゃないよ。もっと純粋なものです。
どっちも人前じゃ拝めない尊いお顔です。…後半のはできれば私の前でも見せないでほしい。大抵酷いことになる。
「ダメかな」
しばらく反応できないでいるとお兄様からの催促が。
お兄様は私がだめと言えないことを知っている。知っていて、無理そうかな、と悲しそうな顔をするのだ。
だけど口元は口角が上がっていて、完全に足元を見られている。
でも、カメラに向けてキスするの?本人にも緊張するけど、カメラに向けてだとまた違う緊張が。
(…だけどお兄様に時間は無いし…次の番組までメイク直しも考えるともたもたできないよね)
そもそも現在向かっているのはゲスト出演の公開ラジオブース。先ほどまでのテレビ局からさほど離れていない場所だ。
覚悟を決めよう。ファンとして、妹として、すべてはお兄様の為に!
「そ、それでは、僭越ながら、捧げさせていただきます」
恥ずかしいのでカメラの位置だけ確認して目を閉じて、顔を近寄せていく。
そして微かに画面に触れたところでリップ音をさせてすぐに元の位置に戻った。
ちゃんとカメラの横にできただろうか?
画面のお兄様の表情は…あれ?どっちだ⁇すんって顔してる。普通ならこれは怒ってる?と勘違いしそうだけれどお兄様が怒っていないことは目を見てわかる。
「お兄様?」
「…なぜ俺は今お前を抱きしめに行けないんだろうな?」
…一応、喜んではもらえたらしい。
「画面越しに頬にキスしてくれるだけでよかったんだが、まさかカメラに向けてしてくれるとは、深雪のサービスには脱帽だ」
……ん?…え⁇
「だが、困ったな。こんなに可愛い姿を見たら活力にはなるが仕事に支障が出る」
「え!?」
「先ほどから脳内でリピートされて思考能力が低下している。口にしてはいけないことを口走りそうだ」
「そ、それはお止めください!」
生放送のラジオで放送事故はいけない!というよりいったい何を口走るというのか。
怖い。
「ありがとう深雪。恥ずかしいのを我慢してキスしてくれるなんて。それだけで俺は今日を乗り切れるだろう」
「それはよろしゅうございました…」
映像電話越しにどうやってキスをしろというのかわからず、カメラに唇を寄せればそれっぽくなるかと思ったのだけど、…画面の頬に向けてすればよかったのか。
羞恥に頬が熱くなる。
それを微笑ましそうにニコニコと見つめるお兄様。
なんだろうね、勝負をしたわけでもないのにこの敗北感。
「帰るのは夜中になるだろうから、先に寝ているように。…いい子にして寝ているんだよ。靴下を枕元においてね」
きっと一日遅れでサンタが来るだろうから、と。
もう、サンタクロースからプレゼントがもらえる年齢ではないのですがね。何かにつけてプレゼントを贈りたいお兄様ですから。
「わかりました。本当はお出迎えをしたいところですが、我慢して眠ります」
「ん。その分朝に甘やかしてもらうさ。いつもの時間に起きなければ目覚めのキスを頼むよ」
あ…、これ絶対お兄様自分で起きないヤツ。
(……でも、このクリスマス、お兄様は頑張られてましたものね)
お兄様の願いくらい、叶えられないで何が妹か。
「精一杯務めさせていただきます」
いつもならなかなか切れない電話も今日はすぐに切れた。仕事の時間が迫っていたのだろう。
ちょっと寂しい。
一緒に過ごせない覚悟があったし、メディアで活躍する姿をずっと見られるから大丈夫だと思ったけれど、こうしてタツヤではなくお兄様としてお話ししてしまうと、寂しさを思い出してしまった。
「いい子で待っていますから」
早く帰ってきてくださいませね。
――
電話を切り、深くシートに体を預けた。
思い返すのは先ほどの刺激的過ぎる妹のキスシーンで。
(ピクシー)
吉祥寺にも聞こえないほどの囁きに、返事が返ってきた。
(先ほどの映像データは保存してファイリング済みです。暗号コードは――)
独自開発したAIが、いつの間にか人格を得て、優秀な部下になっていた。
手足のように俺の希望通りに動く。だが、時折俺の思ってもみない行動を起こすこともある。
(お電話直後の深雪様の音声を最小音で再生します)
――いい子で待っていますから――
……ぐっと来た。
できることなら今すぐ帰りたい。
帰って抱きしめてキスをしたい。
けれど、そんなことをしたら深雪を悲しませることになるとわかっているので我慢するしかない。
深雪は、俺の活躍を楽しみにしているのだから。
(その録音も保存だ。そちらはすぐにでも再生できるファイルに入れておいてくれ)
(畏まりました)
その後のラジオは好評だった。
「なんや、機嫌良いなタツヤ君。なんかあったん?」
「ええ。妹にご褒美を貰えることになったんですよ」
公開ラジオだったため、表情のゆるみが配信されていた。
クリスマスの大盤振る舞いだ!とファンがネットで騒ぎ、ご褒美についての憶測が飛びかい、妹のご褒美がクリスマスを抜いてトレンド一位を獲得した。
――
『障害だらけは得意中の得意』
来年のドラマの番宣だった。
ちょこっと出るだけでいいんだとドラマ班のスタッフからの依頼。
以前グラビアで魅せた(誤字にあらず)筋肉は実用的なモノであり、余分なものをそぎ落としたような肉体美はその筋の注目をも集める人気ぶりとなったが、この有名特番も彼の『身体』を狙っていた。
同局の特番の番宣枠を用意されたとあればドラマ側もいい宣伝になるかもしれない。
こうしてスタッフ同士が手を組んで、彼は出場者に特別枠から選ばれた。
いい結果など別に期待していなかった。彼に求められたのはそのビジュアルで水に落ち、ファン以外にも興味を持ってもらうこと。
良い筋肉がついているからとはいえ、運動神経が良いからとはいえ、この障害物走をクリアできるものではないと、歴史あるモンスター番組を一度でも見た者は知っていた。
だからこそ、アイドルに求められるのは、視聴者を飽きさせないための、画面を彩る華として一瞬でも煌めいてもらうこと。
出演できるだけ栄誉ある、長年このテレビ局を支えてきたこのビッグ番組の出場を知らせた時、彼はこの番組のことを知らなかったという。
元々テレビもニュース以外は見たことが無いとプロフィールにも書かれていた。
だが、そんなものキャラ設定だと思われていたが、どうやら本当にこの番組を知らないらしい。
彼は概要を聞き、ステージの動画を見て一言。
「それで、俺はどの辺りで落ちればいいんですか?」
尋ねられたスタッフは意味が解らなかった。
どういう意味かを尋ね返すと、彼は言う。
「早めに落ちた方が良いのならそのようにしますが」
「…それはまるでクリアできると言いたそうだね」
彼の答えは是だった。
当然でしょうと言わんばかりだ。
その上、
「ですが、これの撮影は百人全員を待ってから第二ステージに行くのですから、丸一日スケジュールが開いてないと難しいでしょう。ファーストステージのみが理想なのですよね?」
等とスタッフサイドを気遣う様子まで見せて言ってのけた。
どうやら彼は本気でこのステージなら軽くクリアできると思っているようだった。
舐められている、そう感じたと後にスタッフは語った。
彼は完全にうちの看板番組を舐めている、と。
そして同時に思った。
このイケメンに辛酸を舐めさせるべきだ、と。
この時スタッフは偶然にも先日彼女に振られたばかりだった。そして尊敬している先輩の手掛ける番組にケチをつけられていることも彼の原動力に火をつけた。
スタッフの奮闘により、ドラマの撮影スケジュールが調整され、彼の貴重な一日が確保されたのだった。
こうしてスーパーアイドルデュオの片割れ、タツヤはSAS〇KEの舞台に降臨することになった。
タツヤはどうしてこうなった?と少しばかり首を捻ったが、これも仕事だと台本片手に都心からだいぶ離れた屋外スタジオまでやってきていた。
同じく芸能人のアーティストや芸人もちらほらいる。挨拶を交わし、情報収集をすると、どうやら彼らは本気でこのステージに挑んでいるらしいことが判明した。
資料を見る限りそんなに難しそうでもないようだったのだが。
今も肉眼でステージを見渡すが、やはりさほど障害と呼べるものは少ない。タイミングを見誤らなければ、よっぽどのことが無い限り落ちることはないだろう。
それに――と、達也は昨日の妹との会話を思い出していた。
「え、お兄様があの番組に出られるのですか!そうですか、お兄様が…」
深雪は番組を知っていたらしい。知らぬ者はいないと豪語したあのスタッフの発言は過言ではなかったのだろう。自分は知らなかったが。
「お兄様でしたら軽くステージをクリアできてしまうでしょうが…。あの番組はクリアしたり、いい所まで行ってしまうと毎年恒例となってしまいますからね。ただでさえ多忙なお兄様が忙しくなってしまいます」
「それはスケジュールがかみ合わなければ断れるだろう。吉祥寺の腕の見せ所だな」
「あら、まあ。もうすでに断る前提なのですね。番組スタッフの方もご愁傷様です」
ふふ、と笑う深雪は今日も可憐で可愛らしい。
「そうなると、序盤で落ちられた方が良いのでしょうが、お兄様のその日の予定はどうなっているのです?」
さすがは深雪。俺と同じ発想で、仕事があるのだから序盤で落ちるのが当然の流れと思っているらしい。
俺もそれを提案したのだが。
「ドラマ班サイドからはクリアできるところまで行ってほしいとのことだ。スケジュールはできるだけ融通を利かせるとまで言われた」
「…普通の芸能事務所でしたらタレント個人としてずっと出られる番組となるでしょうから推されるのでしょうけれど、お兄様にそのようなことは必要ないですからね」
多忙なお兄様に、これ以上体力を使うような仕事が回されるのはよろしくありません、と俺の身体を気遣ってくれる優しい妹を、俺は心のままに抱きしめる。
「正直あのようなお遊び競技で疲れると思わないのだが」
「普通でしたら疲労が蓄積されて、第四ステージまでたどり着けなくなるのですけれど、お兄様でしたら確かに完走できてしまいそうですね。その勇姿も見てみたい気も致しますが、お兄様としてはそのように注目されるのはお嫌でしょう?」
嫌でもあるが、うちとしてもそのような注目を浴びるのはよろしくない。
「ですが叔母様の場合、お兄様が途中で落下するようなことがありましたら――」
「揶揄われるどころでは済まないだろうな」
尋常ならざる動きをして目立つなど許されるはずもなく、かといって落ちれば面白くないことが待ち受けている。
「ならば、タイムアップが一番でしょうね。過去にも最後の坂を登り切ってボタンを押せなかった選手はおりますから」
「――深雪は俺が途中で落ちるとは思わないんだな」
「お兄様が落ちる、ですか?敵に襲撃されるでもなく、ただの障害物走で…?それこそ想像がつきません」
ぱちぱちと大きな瞳を開閉させてから、ふわりと微笑む。落ちることなどありえないと確信しているのだろう。
完走することを信じる妹の期待は裏切りたくなかった。
この笑顔が曇ることなど俺には許せない。
「時間配分を間違えなければ、できるだろうな」
「流石お兄様です!楽しみにしております。ですが、あまりご無理はされませんよう。あの番組は怪我をする方もおりますので」
「ありがとう深雪。心配はいらないよ。あの高さから落ちたとて、俺の身体が傷つくことは無いことを、お前は知っているだろう?」
「それでもです。痛みはきちんとあるのです。お兄様が痛い思いをしたら、私はお兄様の分も泣きますからね」
「その脅しは恐ろしいな。わかった。ノーダメージでクリアするから。だから何かご褒美が欲しいな」
「私が差し上げられるモノでしたら何でも。それでお兄様が怪我をしないのであれば、私は何でも差し出します」
俺の胸に凭れる深雪の頬に手を添えて顔を上げさせる。
愛らしい、無邪気に俺の勝利を信じる笑みに、俺は唇を寄せそうになるのを我慢して額をこつんと触れ合わせた。
「何でも、などと簡単に言ってはいけないよ。深雪は警戒心が無さすぎる」
「私を大事にしてくださるお兄様の何に警戒しろというのです?」
――深雪は本当に女神のように清廉な面も持っているが、反面には美しき悪魔の面も持っている。
わかっていて、俺を翻弄し、その上で俺の内なる欲を封じるのだから。
「ドラマスタッフからの強い要望でこの番宣となったからね。半日休みをもらったんだ。体のケアもかねてね。だから半日は一緒に過ごせる」
「まあ。その貴重な半日を私に下さるのですか?」
「半分正解だ。お前の傍に居られる権利を俺にくれるかい?」
「喜んで、お兄様に捧げますわ」
交渉と見せかけて半ば強引にもぎ取った休日を最も有効に使えることが決定し、俺はやる気に満ちていた。
「お兄様。そんなに張り切ってしまいますと、最短クリアになってしまいますよ」
「それはいけないな。ギリギリでクリアしないように調整しないと」
くすくすと、互いに笑いながらしばらく抱き合った。
ステージクリアを目前に、最後のボタンを押す直前でタイムアップ。
それがこの後の予定だ。
カメラを意識しつつ柔軟をしながら、参加者の様子を窺っていた。
スタート直後で落ちるのはバランスが取れていない、体の軸のブレている者ばかりだった。
その先も、己の体の使い方を誤ったり、不調だったりと理由は様々だが、そんな中クリアできるだろうな、と思った者たちだけが次々とゴールしていく。
そして自分の番になる。
俺に出演するよう勧めたスタッフの姿が見えた。祈っているのは俺が落ちるように、か。
何故か知らないが、あのスタッフは俺に恨みがあるらしい。
(期待に応えられずに悪いが、深雪が落ちることは望んでいないのでな)
アイドルタレントは大抵水に落ちていた。水に滴るいい男、と古来から言うように、視聴者が求めている姿だ。
濡れれば脱ぐきっかけにもなるからな。視聴者やファンを喜ばせるならそれが一番いいのだろうが。
だが、そんな姿を最愛の妹は求めていない。ならば、そんな期待に応える必要も無い。
マネージャーである吉祥寺も、この仕事を断っても構わないと思っているようで、好きにしていいと言われている。
(…悔しそうな顔というのは苦手なんだが)
まあ、精一杯演じてみせよう。
タツヤが出した記録は、彼の予定通り残り一秒で反り立つ壁を登り切り、ボタンを押す直前でタイムアップとなった。
一応悔しそうな表情をしたものの、息が切れていないこともあり、あれでは信憑性に欠けるとファンの中でも指摘されることになるのだが、この収録時はドラマの撮影時期だからと納得するファンたち。
ファンたちには「タツヤは計算高いところも素敵だから」と、このタイムでクリアできなかったことは彼の計画通りなのだと見破られていた。
スタッフの彼がその考察を見つけて血の涙を流し再戦を誓ったようだが、果たして――
「重くないかい?」
「お兄様の全身でしたら私には支えられませんが、腿に頭が乗るだけですもの。これくらい大丈夫ですよ」
お兄様のご所望は膝枕でした。
――
『一流のアイドル様』
今を時めくアイドルは当然特番の取り合いになる。どの番組からも引っ張りだこだ。
事務所も当然視聴率のいい番組に出したいと、オファーを取捨選択しているのだが、その中でも年始で一番の番組からの『招待状』に事務所上層部は喜んだ。
しかし、彼らはこの事務所のタレントでありながら、事務所の意向に必ずしも従わないという契約を結ぶという異例のタレントだった。
そのような異例の契約を結ぶことになった経緯は色々とあったからなのだが、それは別の話なのでまたの機会に詳しく語るとして。
誰もがチャンスと思った番組を、しかし彼らは断った。
彼らは、というかマネージャーが断ったのだが、理由を聞けばまあ、なんというか、彼らも納得せざるを得ないと引き下がるしかなかった。
その理由を聞けばファンは喜ぶだろうが、それ以外の人間は引く。上層部たちはこぞって引いた。
事務所としては残念だが、社会の信頼を失うかもしれない可能性の方があるならば辞退すべきだ。リスク回避大事。
その分彼らは音楽番組の収録や新ドラマの番宣もたくさん出演が決まっている。
ただでさえぎちぎちのスケジュールをさらに埋めることはできない。
――この件は無かったことになった。
その話が来たのはたまたまお兄様のスケジュールに現場の都合で三時間ほど時間が空いたということで、お昼を一緒に食べたいとお願いされて、それなら久しぶりに将輝君と吉祥寺君も久しぶりに会いたいとわがままを言って四人で食べることになり、四人が集まった時だった。
食べ盛りの男の子が三人も来ますからね。それはもうストックが全て無くなるくらい作りまくりましたとも。
よく二時間でこれだけの量をこさえたものです。テーブルに乗り切らないくらい作っちゃった。…やり過ぎたね。並べて気づいた。
余っても冷凍もできるだろうから大丈夫!
ってことで帰宅したお兄様をお出迎えに玄関、の手前の廊下に繋がる扉前で待機です。
少しでも外に見えないようにとのお兄様からの指示です。私どれだけ狙われているんだろうね。
その気持ちはわからなくもないけれどね。
今や押しも押されもせぬトップアイドルのお兄様からあれだけ溺愛されている妹、気にならないわけがない。
撮れたら一大スクープだ。
玄関が閉まり、長い廊下の先にあるこのリビングの扉が開かれる。
「ただいま、深雪」
「おかえりなさいませ、お兄様。お疲れ様です」
ぎゅっと抱きしめられて、そっと背に手を回して身を寄せる。うん、久しぶりのお兄様だ。安心するけどドキドキと血管に熱い血潮がね、とんでもないスピードで流れていく。
つまり、そろそろ放していただかないと心臓さんが急停止しちゃいそう。ってことでお兄様の背中をぽん、と叩く。
合図を送ればお兄様は離れてくれるのだけれど、最後の頬を頬ですりっとてすり合わせて離れていくって必要でしたか?
一瞬息の根が止まったよ。
そのお兄様の後ろには吉祥寺君と、将輝君が。彼らが現れたことで空気が肺に戻ってきた。
良かった。お兄様に息を吹き返される前に自力で戻れたことに感謝しつつ、彼らを歓迎する。
「いらっしゃいませ吉祥寺さん。将輝君も、いつもテレビで見ているから将輝君とは久しぶりの気があまりしないけれど、お二人ともお久しぶりです」
吉祥寺君、とは内心呼んでいるけれど、付き合いは短いのでね。一応さん付けで敬語になります。二人纏めて挨拶しちゃうといくら幼馴染でも将輝君も敬語になっちゃうね。
でも向ける顔は幼馴染に向けるものだから勘弁してね。
「あ、ああ。久しぶり!」
「お久しぶりです司波さん。私までご相伴に預からせてもうなんて光栄です」
「ふふ、そんなに大したものは出せませんが、お腹いっぱい食べていただけるくらい作ったつもりですのでどうぞたくさんお召し上がりください」
「いい香りが玄関まで届いていたよ。ずいぶんたくさん作ってくれたみたいだね」
「ええ。お兄様にもいろいろ食べていただきたくてたくさん作ってしまいました」
お兄様と微笑み合って、将輝君が咳払いをするまでがワンセット。まずは手を洗ってきてくださいませ。その間にご飯をよそいますから。
と、その時吉祥寺君の電話が鳴った。
お仕事だろうから私はキッチンに引っ込んで、吉祥寺君も廊下で電話をしていた。
お兄様たちは手を洗いに行って戻ってきたら、吉祥寺君も戻ってきた。だけどその表情は微妙なもので。
「仕事のオファーが来たんだけどね」
「どうした?難しいことなのか?」
「難しいというか…うーん、一応君たちの意見を聞こうと思うのだけど多分断ることになると思う。マサキ一人なら…こちらも微妙だけど――タツヤがね」
なんとも煮え切らない言葉に、将輝君が驚いた表情を浮かべる。確かに、彼のこういった反応は見たことが無い。
というよりお兄様にできない仕事なんてある?恋愛トークバラエティは無理だと理解しているけど。
「その話、食べながらでいいか」
あ、お兄様興味も無いご様子。
さっさと私の隣の席に腰を下ろしました。次いで慌てたように将輝君が正面に。
吉祥寺君も言葉の割に普通に座りましたね。
「いただきます」
あらー。お客さんより先に食べようなんて、お兄様お行儀悪いですよ。と叱りたいのだけれど、将輝君もいただきますしちゃいましたから注意できませんね。
お兄様にダメですよ、と視線だけ送るけど、微笑み返しされました。目が合っただけで嬉しそうにされてしまうともう何も言えないよね。
好きなだけお食べ下さい。
吉祥寺君は数回目だけど慣れた様子でマイペースに食べ始めました。彼らとやっていくにはこれくらいじゃないとね。頼もしい。
美味しい美味しいと食べていただけて私も嬉しいです。食べる前からお腹いっぱい。
でも食べないと横から口に運ばれてしまいますからね。私も食べますからこちらを窺わないでくださいませ。
「それで、さっきの話なんだけど」
「ああ、仕事の話だよな。俺でも難しいってどんな仕事だ?」
仕事の幅があまり広くないお兄様に対して、将輝君はそんなにNGは無かったはずだけれど、と思うのにどういうことかと窺い見れば、彼は淡々と答える。
「年始の特番だけど、格〇けチェックは知ってる?」
あら、まあ。それは何ともビッグタイトル。知らない人はいないのではないかしら。
お兄様と一緒に見たこともありますので皆知ってました。
ほぼカニシリーズは気になって買っちゃいました。お兄様と一緒に比べて楽しんだ思い出。
どちらも別物だけど美味しかったです。
「その出演のオファーだった。普通なら飛びつくところなんだけどね」
「何が問題なんだ?」
「――ああ、そういうことか」
わからない将輝君とわかったらしいお兄様。ちなみに私もまだわかっていません。
はてなが飛んでおります。
何で?
一応二人とも名家の出なので良い物で育ってきている。
間違えたとしても庶民に近い感覚ということで親近感を得られるはずだし、そもそも彼らはトップアイドルであってもまだ若い。
間違えたところで問題ないはずなのにどうして?
「マサキなら全問正解も余裕だろう。だが、あの番組は全問正解すると彼のように毎年出る羽目になるかもしれない。大抵のプレッシャーなら耐えられるだろうが、あの番組のプレッシャーは体調に不調をきたす可能性もあるようだからな。あまりお勧めはできない」
お兄様の言葉に将輝君は動揺している。
滅多にないほど褒められてますからね。そうなるものしょうがない。
「お、おお…ま、まあテレビ見ても間違えたことはないけれど」
ご家族で一緒に見ているらしい。いいね。相変わらず仲が良さそうで。
「だが達也だってわかるだろう?」
将輝君がお前だって見分けられるだろ、というけれど……あ。まさか、そういうこと?
お兄様が私を見る。ああ、やっぱり、そういうことなのか。
「料理でわかるのは高いものか安いものかじゃない。――深雪が作ったものか、そうでないものか、だからな」
ああ~、うん。…それでこそお兄様です。
いや、多分わかると思うよ。お兄様は素材を判別できると思う。
それこそ視ちゃえば原材料が何かわかっちゃうんだから。
だけどそんなずるしなくても、味の違いは判ると思う。ただし、そこにどちらが上かなんて比べない。
こういう味、と分類はできてもまずくない限りお兄様にはどれも同列なのだ。
ということは、名店のシェフの味も、下町の中華店の店主の味もどちらも変わりがない。味の違いが判るだけでどちらもお店を持てるだけ美味しいのだから。
音楽もそう。音の違いは分かっても、だから?となる。不協和音が無い限りどれもそれなり。
私のピアノなら一節弾いただけで区別ができるのにね。お兄様曰く初めの一音ですでに響きが違うらしい。…私にはその違いが判らないけれど。
「流石にね、その説明をテレビでされちゃうのはイメージが悪すぎるんだよね。バラエティ的にも笑えないんじゃないかな」
それは明るいお正月に相応しくないですね。
よろしくないです。
「俺では期待に応えられそうにないな」
ファンは喜ぶかもしれませんけどね。番組としては扱いに困ってしまうかもしれません。
「でしょう?だから無しの方向でいいよね」
「「異議なし」」
ということで大人気番組の出演は見送られることになったのだった。
――
『推しの結婚』
このニュースが流れるたび、ファンたちは考察するだろう。
もし、自分の推しが結婚したらどうなるだろう、と。
ここに、とあるアイドルグループのファンによる掲示板がある。
その会話を一部抜粋してみよう。
:んで、○○と△△が結婚したけど、マサキとタツヤのどっちかが結婚したらどう思う?
:え、おめでとう?
:違うだろ、法を改正できたんですね!おめでとうございます!だろう。
:ああ、妹様との結婚だもんな。実の兄妹は現行の法律上できないんだったか。
:できてたらとっくに結婚してるさ。
:お兄様だったら誕生日来たらすぐにでも籍を入れているわ。
:午前零時に役所だな。間違いない。
:お兄様なら法律を捻じ曲げるか戸籍を書き換えるかくらいしそう。
:妹様との結婚のためならなんだってするよ。だってお兄様なんだから。
:何このお兄様への厚い信頼は(笑)
:(笑)をつけられるとは、お前、最近のファンだな?
:ふ、まだお兄様の表面しか知らない若造が
:しかたない。お兄様のアレを未だにキャラ設定だと信じている輩は多い。
:ど、どういうことですか!?教えてください先輩!
:そう、あれはセカンドライブでのお兄様の発言で――
:おおーい、それは別の板でやれー。ここで今議題に上がっているのはお兄様が結婚したらの話だ。
:そうだそうだー
:いや、違うよ。マサキとタツヤのどちらかに結婚報道が出たらどう思うか、だろう?どうして誰もマサキに触れない!?
:だってマサキが妹様と結婚できるわけないじゃないかwww
:マサキにお兄様を倒せるわけないだろwww
:そもそも妹様がマサキに靡くとも思えんしなwww
:みんなwww草生やしすぎwwwwww
:オマエモナーwww
:お兄様との温度差が酷い。
:んじゃあ、もしもだけど妹様以外がお相手だった場合は?
:誤報だそれは。
:ニュースソースを疑うね。
:あり得ん。
:お兄様の愛が妹様以外に向くだと?人質に取られたのか心配する。
:命と交換にって?それ絶対妹様還ってきたらその時点でタヒぬだろ犯人。
:コロコロされちゃう。そんでもって犯人不明のまま迷宮入り。
:いや、お兄様のことだ。自然死に見せかけるか事故に見せかけるかするだろう。
:…そもそも死体は見つかるのか?
:というか妹様差し置いて結婚したいやつ、いるのか?
:お兄様の幸せは妹様と共に、だからな。
:お兄様と結婚する場合妹様を受け入れない限りまず無理だろ。
:マサキが妹様を諦めて他の女と結婚~?マサキ一途だから十年はかかるな。
:というかマサキと妹様が結婚すればお兄様だって妹様と離れずに済むのだからお兄様にとってはデメリットが一番少ないのでは?
:妹が誰かのものになる時点でアウトだろ。
:・・・となると妹様一生独身に?
:お兄様とマサキ曰く絶世の美少女であらせられる妹様が一生独身?それはそれでどうなんだ?
:どうなんだ、も何もお兄様が手放さない時点でまず妹様結婚できないのでは?
:お兄様以外と。
:選択肢が一択!
:マサキが除外されてるwwwま、そうだけど。
:とりあえずマサキとタツヤに結婚報道どころか噂も立たんだろう。
:立ったところで偽情報だろうしな。
:ああ、そういやちょっと前にネットで騒動になった女がいただろう?自分はマサキの彼女だってヤツ。
:あったなー。
:見た見た。
:でも一瞬で消えたな。
:お兄様がラジオでいじってたもんな。
『お前彼女がいるんだってな。妹を諦められたようでよかったな』
『諦めてなんてない!っていうか俺に彼女なんていない!!そんな暇がないことお前が一番知っているだろ?!』
『メールのやり取りだけでも付き合いはできるんじゃないのか?たしかそんな詐欺が流行っていたな』
『ふざけるな!俺は!まだ!あきらめてない!!』
…マサキ、うっかり自分から妹様から脈無しであることをばらした事件でもあったな。
:あれは悲惨な事件だった…
:酷い誤爆を見た。
:哀れ過ぎてタツヤファンの俺氏初めてファンレター送ったったwww
:同志
:俺も
:我も
:皆考えること一緒。私も送ったwww
:優しいんだか傷口に塩塗り込みに行ったんだかwww
:草生やしてる時点でお察しwww
:まあ誤爆のお陰であのニュースはでっち上げってわかったからな。
:アイドルには付き物だろうが相手が悪すぎた。
:あいつらほど隙がないアイドルも珍しい。
:まずスケジュール的に無理だよな。忙殺されるスケジュール
:敏腕マネージャー仕事取ってきちゃうから(笑)
:わずかな時間は妹様に捧げてるもんな―。
:マサキは家族に、だけどな。
:マサキもなんだかんだ自分の妹大事にしてるよなー。お兄様とは違うシスコン。
:お兄様と一緒にしないで!
:お兄様レベルはあかん
:お兄様は別格だから
:マサキはノーマルなんだ!
:おい、止めろ。お兄様がアブノーマルなんて話は!消されるぞ!!
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「なんというか、お兄様たちのファンって感じですね」
「結婚、なあ。…別に籍にこだわる必要は無いだろうに」
「はい?」
「結婚なんてしなくても、俺たちは家族だしな」
「?そうですね」
「結婚なんてしなくても十分に幸せなんだ。する必要性を感じない」
「今では結婚をしないでパートナーと暮らすという選択もありますしね。無理に籍を入れることは無いのかもしれませんね」
「繋がりが欲しければ、そうだな。――リングでも買うか」
「あら、お兄様贈りたいお相手が?」
「ああ。今、俺の腕の中に」
「…まあ、お兄様ったら」
「冗談だと思うかい?」
「そうですねぇ。本気のようですけれど、今こうして繋がっているのにリングなんて必要ですか?そんなものがあったら、リングを見るたびお兄様が恋しくなってしまいますでしょう?ですから私は今のところ欲しくはありません」
「…全く、深雪はずるいな」
「お兄様の方こそ」
『アイドルのクリスマス』
アイドルのクリスマスは大変だよね、ってことで一本。
お兄様仕事は3日間不眠不休は問題ないけど妹不足は耐えられない。
まさかピクシーがAIとして誕生するとは思わなかった。
お兄様の厳重なフォルダの管理と妹の警備が主なお仕事。
『障害だらけは得意中の得意』
お兄様の人生に障害はつきものですからね。
年末の番組を見て、これならお兄様出演できそう、と思って書いたけどお兄様ならゴールしちゃうな、としない理由を作った。
スタッフ君の逆襲はお兄様ご多忙により始まらない。
『一流のアイドル様』
年始の番組を見て、これはお兄様出演でき無さそう、と思って。
美味しいものの判別はできても、素材が分かっても妹の前ではすべて「だから?」になってしまう。
妹以外に興味が無いから判別がつかない。そんなお兄様が書きたかった。と自供しておきます。ごめんなさいお兄様。
一条くんお育ち良いから間違え無さそう。
お兄様もできそうだけどね。ネタとしてお料理判定深雪ちゃん作とそれ以外しか区別つかないことにしちゃいました。
というか興味がない。
妹にカッコいいお兄様(全問正解の姿)が見たいと言われたら猛勉強の末、達成するんでしょうけどね。
そんなことしなくても妹にはカッコいいお兄様だから。
妹の料理には百発百中の正解率であってほしい。今回の連勝記録保持者さんくらいの妙技で。今年もすごい新年の幕開けですね。素晴らしい結果でございました。
間違えるパターンも有りだと思うけどね。一条くんはどっちもいけちゃうバラドル(死語)だと嬉しい。
『推しの結婚』
目出度く推しが結婚した勢いで書いたお話。
雁字搦めに自分に縛り付けたいお兄様と、のらりくらり交わす妹ちゃんの図になってしまった…。
ファンのわかりみがすごい。
お粗末様でした。