妹転生?!ファンとしてお兄様を幸せにします! 番外編   作:tom200

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アニメ11話ネタです。
展開は相変わらず早いですが可愛いポイントがいくらもあってちょっと小ネタを二本。
…タイトルは諦めました。



可愛いは危険な罠?!

 

「このところ、泉美にご執心のようだね」

 

夕食後、水波ちゃんに入れてもらったコーヒーをお兄様と二人、ソファで飲みながらの寛ぎの時間。

カップを置いたタイミングで肩を抱き寄せられて体が強張ったのは、水波ちゃんがまだいる状況下でこのような触れ合いは珍しかったからだ。

水波ちゃんから鋭い視線か冷たい視線か、はたまた注意が来るかと思ったのだが、彼女はどういうわけか何をするわけでもなく目を伏せ、壁を背に控えているような格好で佇んでいた。

何時にない状況に一体何が起きているのかわからず、とりあえずお兄様の言葉の真意を考える。

泉美ちゃんにご執心、と言われたが――

 

(うーん、特に何か変わったことあった?生徒会副会長として居残りしてもらうようにお願いしたことは覚えているのだけど)

 

風紀委員長と生徒会長が二人して学校を開けるなんてなかなかの事態だ。その間休みでもなく普通に学校があるのだから、トラブルがあれば残る彼らだけで対応してもらわねばならない。

とはいえ、これまでの歴史を遡ってみても現一高生徒は大した問題を起こしていない。

ウィードとブルームという格差が無くなったことで学校の雰囲気はがらりと変わり、生徒同士のいざこざが減ったことが一番の要因だろう。

今までは一科生二科生の壁が思春期の彼らにどれほど悪影響を与えていたことか、うっぷん晴らしのようにしょっちゅう何かしらの事件が起きていた。

…何で学校はこれを放置できていたのかね?働きアリ理論⁇腐る人間を見せしめにああはなりたくないと発破を掛けさせる――なんて、そんな非道なことを教育の場で行われていたと思いたくはない。

と、思考が逸れすぎた。

えっと、泉美ちゃんだっけ。

 

(泉美ちゃんといえば、アレよね)

 

最近気づいたのだけれど、あの子の頭のリボンは彼女が体を跳ねらせるたびにぴょこん、と動く。

それがとっても可愛らしくてつい、背後から声を掛けたり、驚かせてみたりとスキンシップを取っていた。

…もしや、ハラスメントを疑われている…?

 

「彼女は副会長ですし、京都へ向かうのであれば色々と引継ぎがございましたので」

 

内心冷や汗をかきながら弁明を試みる。

お兄様のこの腕はもしや逃さない、との意味なのだろうか。

水波ちゃんがここにとどまっているのも私を裁くためだったり…?

 

「…何か?」

 

自首をするにも理由が曖昧では間違いがあるかもしれない。例えば、別のことをポロリしちゃったりとかね。だからここは慎重に。

窺い見れば…うっ、お兄様の視線が鋭くなった。

 

「それにしては距離が近すぎやしないかい?」

「距離、ですか?」

「以前はもう少し警戒していたように見えたが、ここ数日は随分と熱心に深雪の方から近寄って行っているように見えてね」

 

…わぁ。よく見られてますね。

 

「確かに生徒会の引継ぎは必要だろう。けれど、それにしてはスキンシップが増えたんじゃないか」

 

……ここは断罪の場でしたか?雰囲気的にはかつ丼が出てきそうな流れ。田舎の母ちゃんが泣いてます?

肩の触れる手がぽんぽん、と自供を促すように叩かれる。

 

「その…」

「わかっているよ。深雪は可愛い子が好きだからね」

 

う…、好みが把握されてる。というより動機が特定されてる。つまりもう罪は確定している…?

 

「泉美ちゃんのリボンが、まるでピンと立つ耳のようでして、とても可愛らしいのです」

 

逃げ場はない。こう言う時は早めにペロッと話した方が罪は軽くなるはず。

俯きながら自供するのだけれど、我ながら酷い理由だ。

驚く姿が可愛くて下級生にセクハラなんて。

…まさかこれで七草と四葉の全面戦争になったりしないだろうね…?もういくつ寝るとお正月が来ちゃうんだけど。確か七草弘一は泉美ちゃんを特に可愛がっていたはず――まさか、お兄様と水波ちゃんはそれを危惧して⁇

 

「――深雪」

「っはい!」

 

普段聞くことのない低い声で呼ばれて体が硬直する。

冷える体にお兄様の体温は熱いくらいに感じた。

 

「お前はどれだけ危険なことをしているかわかっていないようだね」

 

――うそ。本当に七草と全面戦争に――?

どうしよう。まさかそんなことになるなんて思いもよらなかった。

お兄様が顔を上げて水波ちゃんに視線を向ける。

それを受け、水波ちゃんがすいっと私たちの下へ。

もしやすでに四葉から連絡が…?

 

「深雪様、本日私は忠告を受けました」

「!!教えて頂戴、一体、どのような忠告を受けたのか」

 

目を背けることなどできない。そんなことをしても逃げられる立場ではないのだ。もう、私は来年次期当主になるのだから。

四葉の不利益にならないよう、対策を立てねばならない。

覚悟を決めて私も顔を上げて水波ちゃんを見つめる。

だけど少しまだ、怖くてお兄様の服をぎゅっと握りしめてしまっていた。

その手に重ねられる大きくて温かな手が、不安をほんの少し軽くしてくれた。

勇気をもらい、水波ちゃんの言葉を待つ。

そして水波ちゃんの小さな唇がゆっくりと開かれて――

 

「泉美さんから距離を開けた方がいい、と」

「それは、どなたからかしら」

「――香澄さんからです」

 

……ん?

 

「香澄ちゃん…?香澄ちゃんから忠告を受けたの?」

 

予想外の言葉に目を開閉させてしまった。

 

(え?香澄ちゃんから水波ちゃんが注意されたの?どうして⁇確かに同じクラスだから声はかけられやすいだろうけど)

 

驚きで戸惑っていると、そのあとをお兄様が引き継いだ。

 

「深雪、最近のお前の言動が泉美に小さくない影響を及ぼしているようだ」

「影響、ですか?」

 

先ほどから自分が鸚鵡返ししかできていないことをふがいなく思うのだけど、どうにも理解が追い付かないのだ。

それが伝わっているのだろう。お兄様が落ち着かせるように今度は頭を撫でる。

 

「お前は泉美から好意を寄せられていることを理解しているか?」

 

…ありましたね、そのようなことも。

こくり、と頷くも、小さくしか動かないのは心を反映しているから。

原作でも泉美ちゃんから慕われてましたし、お兄様がほのかちゃんからアタックを受けるほどの熱意は感じられない上に同性ということもあって正直そこまで警戒はしていない。

ちょっと距離近いな、と思うこともあるけれど、ファンかなってくらいの認識だ。

それを、距離を開けた方が良い、とは――…え?まさか。

 

「…最近、泉美ちゃんはリップを替えていましたね」

 

艶々の色付きリップが可愛いとこの間褒めたばかりだ。

その時の彼女は驚いてみせた後嬉しそうに頬を染めてはにかんでいた。とても可愛らしかったと記憶しているけれど。

 

「双子の姉曰く、色づき始めた、と。――深雪」

「はい」

「お前はもう少し周囲に与える影響を考えないといけないよ」

 

……知らぬ間に開いてはいけない扉が開いてしまったようだ。

 

「香澄さんからは、今ならまだ間に合うんじゃないかと」

 

…忠告ではなくて止めてほしいというお願いだった模様。

 

「京都から帰ったら以前の距離に戻ります」

 

お兄様と水波ちゃんが大きく頷く。

 

 

教訓、可愛いからと可愛がりすぎては人生を狂わすことがあります。注意しましょう。

 

 

――

 

 

京都駅に着いて、ホテルへと向かおうとしたところで呼び声が掛かり振り向くと、気を許した笑みを浮かべる魔性の美貌を持つ青年、光宣君が駆け寄ってくるところだった。

うん、どう見てもわんこです。ぶんぶんと揺れてる尻尾が見えるもの。可愛い。美しいのに可愛いとは。これは魅了されない者はいないだろう。可愛い。

思わずにっこりして出迎えてしまう。

そして何より、とても元気そう。昨日電話した時も楽しみだというのが声だけでも伝わってきていたが、この様子を見る限り本当に会うのを楽しみにしていたんだね。

…水波ちゃん、息してる?笑顔にヤラレてない?とちらっと横目で確認すると、乙女な表情をしているものの、意識は何とか保っている様子。すごいね。このキラキラに耐えられるとは!初対面から成長したね。

これも交換日記のおかげかな。

交換日記は私たちの仲を急速に深めていった。

想いを綴るということは心を見せるということだ。

それは顔を見合わせて会話することだけでは得られない情報も共有できる。

口にはできなくても文章にできることがある。水波ちゃんと光宣君は緊張して直接話すことは難しかったようだけど、日記を挟むと彼らは雄弁だった。

そして互いを知れば、多少免疫はつくものらしい。彼の美貌にため息を漏らしたくはなるけれど、目を奪われて呼吸を忘れることはなかった。

エリカちゃんたちはその衝撃で惚けている。うんうん、男女問わず、この美貌の前では思考は奪われちゃうよね。しかも、こんな親しみある笑みを見てしまえば余計に。

久しぶりの挨拶をかわすのだけど、手がうずうずしてしまう。

人目が無ければ撫でまわしたくなる可愛さだ。

ぎゅっと握る手をお兄様がじっと見つめていたことに気付かなかった。

コンペ会場を後にして四人で移動となったところで、お兄様が私の頭を撫でた。

 

「お兄様」

「よく我慢していたからね」

「?…あ」

 

何のことだろう、とお兄様を見つめ返せば苦笑して視線を光宣君に。

そこでようやくお兄様が指しているのは大型わんこを撫でまわしたい欲求に駆られていたのを我慢したことだと気付いた。

 

「…気付かれていたのですね」

「だが深雪、あまりお前が外でそのようなことをしては視線が集中してしまうことはわかっているね」

 

残念だけれどそれは重々承知している。自分の容姿のことは良く知っているつもりだ。

自身が周囲に与える影響というのも、もちろん。

美少女が美少年を撫で繰り回す。…人死にが出る。少なくともオタクは尊すぎてその場で昇天するだろう。

 

「だからね」

 

残念だけどあきらめるしかない、と握る拳にそっと手を添えられて両手で包み込まれた。

 

「我慢しなればならなくなったら遠慮なく俺の手を掴むと良い。お前の手をしっかりと捕まえておいてあげるから」

「…その時はお願いします」

 

凶行に及ぶその前に、お兄様が引き留めて下さるらしい。恥ずかしいけれど、正直助かる。

それから散策は気が付けばまたダブルデートのようにペアに分かれていて、何度も手を掴まることになった。

光宣君が可愛いのがいけない。

すぐに愛でたくなってしまうキュートさ。同年代と一緒にいられるのが楽しくてしょうがないというのが全身から伝わってくる。水波ちゃんには恋だけでなく母性も宿ったよう。慈愛に満ちた視線が時折混ざっていた。

 

「深雪」

 

お兄様が手を繋ぐだけでなく指まで絡めてきた。…そんなにうずうずしてたかな。軽い拘束がしっかりと私を引き留める。

 

「ありがとうございます」

「礼を言われることはない。俺がしたくてしているんだから」

 

更に腕を巻き込むようにして距離を縮められて心臓が大きな音を立てた。

流石お兄様。カップル偽装もお手の物。私?演技なんてほぼしてない。お兄様に良いように操られておりますとも。

ただお兄様と呼ばないように気を付けているだけ。

 

「それでも助けられていますから」

「そういうことにしておこう」

 

そうぴたりとくっついて居るのを、光宣君と水波ちゃんが見つめていたらしく、諫めに行こうとする水波ちゃんを光宣君がニコニコとした笑顔で止めて、水波ちゃんが真っ赤になっていたらしいが、お兄様と寄り添っていて見ることが叶わなかった。

 

 

 

 

――

 




泉美ちゃんを可愛がる話。

泉美ちゃんのリボンがぴょこんと跳ねたのが可愛すぎたので、これは妹ちゃんなら愛でたくなるのでは?とちょっかいを掛け始めて可愛がったらうっかり恋の沼にご招待してしまった。抜け出せなくなる前に救出依頼が入って水波ちゃんがお兄様に相談。注意することに。
お兄様も泉美ちゃんの目が危なくなり始めていたことには気づいていたので警戒対象だった。お兄様、深雪ちゃんに向けられる感情には敏感だから。熱量が上がっていたことに気付いてピクシーに警戒度を上げさせようとしていた。
水波ちゃんからの報告は渡りに船。これなら妹に直接注意もできる。
あまり気を許しすぎないように、と。
それが自分以外を構うことを面白くない、という独占欲だったり嫉妬の感情からくるものだとは気づいていない。
あくまで兄としての忠告。
兄は妹の恋愛に口を出してもいいものだとは思っていないまでも、気を付けさせることは保護者としてすべきだと思っている。
水波ちゃんが肩を抱いたお兄様に厳しい視線を向けなかったのは、それが拘束だと分かっていたから。終わった後も抱いていると注意が待っている。


光宣君を可愛がりたい話。

お兄様、ただの役得。
光宣君を撫でたくて仕方が無いんだろうな、と気づいて、させてもいいかと思うくらいには光宣君が妹にとって無害であると理解しつつも、妹が撫でまわそうものなら人の流れが滞るだろうし、いらぬ注目を浴びることは確実だったので手を拘束してあげることを提案。堂々と手を繋ぐ理由をゲット。
光宣君めっちゃキラキラしていましたね。そして嬉しそうに駆け寄ってくる姿は周囲を魅了する魔性さを見せつけるようだけれど、内心を知っていると正にわんこ。また会えて、嬉しい!全身から喜びが満ち溢れてる。
どうして耳生えてないんだろうね?尻尾はあるのにね(強めの幻覚)


真由美さんと摩利さん制服じゃなくなるだけで大人っぽくなりましたね。お兄様と真由美さんの会話の時もぐっと大人っぽくて素敵でした。髪形が変わってるのもとってもグッド。大人可愛い。
というかこのシーズン衣装がとにかく色々見られてとても良い。深雪ちゃんは原作でも着道楽だから毎回新衣装なのはわかるけどお兄様も色々見られて楽しいです。皆私服素敵。
そして幹比古めっちゃ強い!とても有能!!戦闘シーンカッコいい。もっとやって!レオとエリカももっと動いているところを見せて欲しい!
11話はたくさん見どころありましたね。葉山さんが思ったより表情豊かでオジサマ好きとしてはちょっとときめきました。
十文字先輩、回想だけで確かな存在感。よき。
何かまだ見どころがあったはずなのに、一度じゃ拾いきれませんね。あ、一条君忘れてた!…この辺深雪ちゃん絡まないから書けないんですよねぇ。

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