妹転生?!ファンとしてお兄様を幸せにします! 番外編   作:tom200

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恋人後の謎時空です。


11月の記念日 11/11

 

11月11日

 

言わずと知れた〇ッキー&〇リッツの日である。

その記念日は母が存命の時から我が家に浸透していたのだが――

 

「あ、の…」

「何だい?」

「普通にポッ〇ーを召し上がったらいかがでしょう?」

「イベント事は楽しんでこそ、だろう?」

 

ベッドの上、壁に追い詰められた形で〇ッキーを突き付けられている現状に異議を申したが、却下された。

しかも、自業自得の理由で。

 

(そうでした。事あるごとにお兄様にイベントとは全力で楽しむべし、と教えてきたのは私でしたね…)

 

そしてお兄様はその教えの通りに全力で乗っかろうとしているだけに過ぎない。

 

「恋人の日に、恋人らしくこのゲームができるようになるなんて、あの頃は全く思わなかったよ」

 

…だろうね。だって、兄妹が恋人になるなんて思いもよらないハプニングだから。奇跡じゃないの。アクシデントだから!

しかし、言わせてほしい。

恋人だからってお兄様がこんなことをしてくるなんて思わなかった。

いや、恋人らしいと言えばらしいよ?だってこのゲームはほら、そういうためにあるものだからね。

だけど、あのお兄様が、という思いは強いわけで。

 

「ほら、咥えて」

 

壁に背を付け、もう逃げられない状態で口の前に差し出されたチョコレートのかかった棒状のクッキー。

ゴクリと喉が鳴るのはけしてそのお菓子が美味しそうだからなんかじゃない。

正面から襲い来るお兄様の醸す色気に気圧されているのだ。

 

「さあ」

 

…うう、逃げられないぃ。

ぱくり、とそれを咥えるとお兄様の目がさらに弓なりになり、ぶわり、とさらに色気が増す。

できる事ならこのままパキッと割ってしまいたい。だが、そうしたところで二本目、三本目のお菓子の棒が現れるだけだ。

 

「美味そうだ」

 

ペロッと下を舐める仕草にグッと胸が苦しくなり、ゾクゾク背中が震える。

絶対私がその仕草に弱いことをわかっていてやっている。悔しいと思うのにまんまとのせられてしまう。

お兄様の支えの無いお菓子を支えるのは私の唇のみで、その先は小刻みに揺れていた。

チョコももう溶け始め唇についている感触があった。

 

「じゃあ、始めよう」

 

端を咥えてゲームスタート。ぽり、ぽりと砕いて進むたびに心臓は早まっていく。

 

(というよりお兄様早い早い!じゃ〇りこ食べるペース!)

 

近づく顔に思わず食べるのが止まってしまうが後頭部も壁に付き逃げられない。

迫るお兄様、壁ドンされて横にも逃れられないこの状況。

 

(…詰んだ…)

 

このドキドキは逃れられないことへの恐怖、そして――期待が無いわけでもないわけで。

 

唇が当たるより直前、先にクッキーを引っこ抜かれ舌先でチロリと唇を舐められてから、改めて重ねられた。

始めは啄むように。

そして、ゴクリとお兄様の喉仏が上下してからさらに深く踏み込まれる。

いつの間にか後頭部は壁から手に変わり、腰にも腕が回って二人の間もなくなり密着していた。

 

(一つ、言わせてほしい)

(こんなのっ、私の知ってるポッ〇ーゲームじゃない!)

 

ベッドに押し倒され、ぺろぺろと執拗に唇を舐められる。

 

「も、チョコの味はしませんでしょ、」

「チョコの味はしなくとも甘いんだ」

「…んっ、それ、でゲームは結局どちらの勝ちなのです?」

「勝ち?ああ、完全に失念していたな。…引き抜いて食べた俺の負け、か?」

 

邪魔だと思って食べてしまったんだった、と告白する。

〇ッキー一本分の我慢ができなかったんだそう。

それを可愛いと思ってしまう私はもうどうしようもないほどお兄様に溺れているのだろう。

 

「なら負けた達也様には罰ゲーム、ですね」

 

そんなルールは無かった。

今回は唐突にゲームが始まったからね。

だが、先ほどまで翻弄され、良いようにされていた私から頬に手を添え、罰ゲームと告げられればお兄様は虚を突かれたように目を見開いた後、とろりと蕩けた顔になり――

 

「どんな罰ゲームが与えられるのかな?」

 

この状況――ベッドで押し倒されていて、両サイドも塞がれいる女の与える罰ゲームなど、どうあってもお兄様にとって良いことしかないわけで。

 

「今度はルールを変更して私は咥えるだけ。一本食べきるまで我慢しないとその先は禁止です」

「……」

「途中で折れたらまた一から。力加減を間違えてはいけませんよ」

「…深雪からの妨害はあるのか?」

「ええ。我慢してもらうことが罰なのですから精いっぱい誘惑させてもらいます」

「………残りは何本あったかな?」

「すでに何本か食べていましたから。――なくなり切る前にクリアできると良いですね?」

「もし、クリアできなければ?」

「全てお預けです」

「……なんて凶悪なミッションなんだ…」

「私も達也様を誘惑なんて初めてですので、精いっぱい頑張りますね」

 

 

 

一体どんな誘惑をしたかは内緒だが、お兄様は残り一本をとても葛藤しながら食べきりゲームを無事クリアした。

 

 

 

「一生分の甘味を食べた気分だ」

 

艶々としながらも気だるげなお兄様を横目に、私はしばらく甘いモノは見たくないかも、と指の一本も動かせない体で思うのだった。

 

 

 

 





恋人になるとね、お兄様のターン。
妹はとんでもないことを教えてしまいました。おかげで調子に乗りまくりのお兄様。カップルのイベントは多いですからね。便乗して色々楽しむ予定。
ちなみに宝石の日でもあったので贈りたかったのだけど、妹に先手を打たれて高いプレゼントは二人の記念日以外は受け付けないと釘を刺されている。
ってことでポキプリの日で恋人の日。他にもたくさんありすぎて逆に詰め込めなかった。
妹の誘惑する姿見たさにギリギリで折っちゃう。そしてそのままメインディッシュを頂けないことに葛藤しながらまた一本咥える妹に次こそ、と思うんだけどね、の繰り返し。
最後は何とか誘惑に打ち勝った。でもその反動で獣スイッチが入った。仕方ないね。人は我慢を強いられると爆発するから。
待て、の後に上品になんて食べられない。てっぺんからつま先まで美味しくいただきました。

お粗末様でした。

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