奈落2  ifストーリー もしも彼の兄が失踪したら   作:アズカバー

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 この作品はnama様制作のフリーホラーゲーム、奈落の二次創作になります。
こんな展開見てみたいなぁ〜という主の妄想を文章にしたものなので不快な気分になる方もいると思われます。

 もしこの作品を読んで気になった方がありましたらぜひ原作をプレイして見てください。

原作は残酷な描写が多いため、注意です。

第一話は原作とあんまり変わってないです。



第一話:落下

 

 

 

 

── 半年前 ──

 

 

 

 

その日はひどい大雨で、排水溝から水が溢れスネまで水が浸るほどの大洪水だった。

 

あのドブ臭い水の匂いは今でも覚えている。

 

図書館から帰宅してやっとの思いで家につき、リビングで一息着いていると

 

「ベル」

 

と、聞き馴染んだ声が聞こえてきた。

 

小柄な体格に長い長髪。中性的な容姿からよく性別を間違えられると本人は愚痴っていた…目つきのよく似た男。

 

「……兄貴?随分濡れたな……着替えないと風邪引くz「一回しか言えないからよく聞いて……」?なんだよ改まって」

 

ロベリアから逃げて」

 

「……なんだそれ?」

「……」

「兄貴?」

(なんだ?様子が……)

「……」スタスタスタ

「あっ!おい……何なんだ一体」

 

兄貴は妙な言葉を残して部屋に戻っていってしまった。

 

 そして夜が明けると同時に兄貴は……ウィル・アルフィーは姿を消した。

 

これはそれから半年がたった頃の話だ。

 

───今でも後悔している。あの時、俺が声をかけていたら……何か変わっていたかもしれなかったのに……

 

この失踪が、【奈落】の噂が消え始めた頃起きたと言うのに

 

 

 

 

 

 

 

 ── 半年後 王都 十王学園 ──

 

 

【エーベル視点】

 

 

「最近、魔獣の出現が増えてきているため、みなさん、寄り道や人気が少ないところは避けて下校するようにしてください。また、スラム街や街の外などにも行かないように……もし、魔獣に遭遇したら王国騎士団にすぐに報告すること。まちがっても近づくことのないように……以上」

 

 「……やっと終わったか……よし、帰ろう。」

 

それにしても、このところ魔獣の被害や行方不明者が増えてきてる……原因は何だろうか?騎士たちの循環も増えているし、深刻な問題にはならないと思うが……

 

「それでさあ!」「マジで!?」「いや〜ないわぁ〜」

 

ギャハハっ!!

 

「ウルセェ……」

 

相変わらずうるさい貴族どもだ。

 

 あいつらはこのクラスのカースト最上位に君臨する……筆頭は第一貴族ホワイト家淑女のエマ。

 

 綺麗な黒髪の長髪に整った容姿……そんでもってスタイルも良しで学力も……まぁ低くはない……と思う。

 

 ただ、中身は性悪の腹黒だ……出来るだけ……嫌、何があっても関わりたくないタイプの人間だ。

 

(……マジで聞かれてなくて良かった……迂闊な発言は気をつけないとな……この学校、大半が貴族出身のせいで平民出身は肩身が狭いんだよなぁ。)

 

気づかれないよう耳を騒音の発生源へと向ける

 

(エマの取り巻きは……チャラ男2の取り巻き女2……この男どもは確か、権力を使って好き勝手女に手を出してるロクデナシという噂があったな…エマと一緒にいる時点で狙いはだいたいわかるが……怖いもの知らずか…アイツら?)

 

(他の女どもは……空気だな……おそらくエマの周りに来た男を狙ってるのか、はたまた本当に友達か……まぁどうでもいいな)

 

「……早いとこ帰るか」

 

 そそくさと早足に帰路に着く……にしても、アイツらの会話はひどいな……告白して振られた女子の陰口で盛り上がってる。

 

 やれ女の子の容姿が醜いとか、男に同情するとか、顔が深海魚見たいだとか、ウケるとか、wwwとか……

 

 つか、草生えすぎ……会話の内容のせいか頭悪そうに聞こえる。

 

 でもこの学校、国内でも1.2を争うくらいには偏差値高いし……目をつけられる前に早く帰ろう。

 

そんな時こんな話が聞こえてきた。

「ねぇ、あの噂知ってる?」

 

「噂?ああ、例の失踪した3人の?」

 

「そうそう…ほらあの町外れの廃墟の…」

 

(…"奈落"…か)

 

去年話題になった廃墟で、巨人が住み着いており近づくと食い殺されるなんて話が1年前からされている。

 

その中にはこの学校の生徒もいたらしい。

 

確か名前は、ルーカス、オリバーと……あともう一人いたはず……噂でサラッとしか聞いてなかったせいか思い出せない。

 

 だか、確かにわかるのはこの3人と共に"奈落"に向かって唯一帰ってきたのがエマ・S・ホワイトだということだ。

 

「でもさ、現にうちの学校からも行方不明になってる人もいるしさ~気になるじゃん?」

「やっぱりエマさんが何か知ってるんじゃ……」

「ねぇ……今呼んだ?」

「「!?」」

 

「…え…エマさん!な、な何でもないよ!?」

「そっそうそう!何でもないから!……じゃあまたね!!」

 

「……聞こえてるっつの

 

…脱兎のごとくとはこのことを言うのだろうな。エマを見るなり小走りで逃げてった。

 

「…何か用?」

「いや何もないっす…それじゃ」

 

やべぇ見てるのバレた…早く帰んねぇと社会的に殺される…

 

それにしても今のエマの表情…妙に引っかかるな……まぁ今の俺にはそんな暇はない…

 

それよりも、兄貴の捜索だ……今日は、西のスラムを捜索するか。

 

 

 

 

 

 

 

 玄関に近づくとき様々な会話が聞こえてきた。

 

 やたらと傲慢なやつやエマを理想の女性と崇めるやつ、……それと腹立つことにリア充がいた……くたばれ!爆発しろ!

 

 それと、アマリアさんと先生が話してるの見かけたな。学年一位で容姿端麗、まさに完璧美少女とは彼女のことだろう。

 

 同じ中学校出身の文武両道の超人だが、貴族にしては話の通じる人だ。平民の俺相手にも分け隔てなく接してくれる尊敬できる人だ。

 

……先生とどんなことを話していたのだろうか、少しだけ気になるな。まぁ今は気にしなくていいか。

 

(しかし……これだけ人がいるのに、誰一人として"ロベリア"について話してる者はいない。)

 

 兄貴が失踪してから半年、少ない情報網を頼りに探したが、ロベリアが何を指す言葉なのか分からずじまいだった。

 

 調べてわかったのは、ロベリアという名前の花と、花言葉の悪意ということだけ…何かの組織か、魔物の名前とも思ったが、犯罪組織の組員や半グレを問い詰めたり、騎士団に聞き込みまでしたが、それらしいことは何もわからなかった。

 

(誰でもいいから花以外で知ってるやつはいないのか?何かの隠語とか…もしくはオカルトでもなんでもいい…なんでもいいから証拠が欲しい。)

 

たった半年で見つけれるとも思ってない……だか、どれだけのリスクを犯してでも、どれだけ時間がかかっても、必ず兄貴を見つけてみせる…!

 

「お袋も親父も泣いてんだ…絶対必ず連れ戻して一発殴る」

 

 

 

 

 

 

 

学校の門で男子生徒二人が気になることを話していた。

 

曰く、万引きした知り合いの知り合いが騎士に連れてかれてそこから音沙汰が無いと。

各国の犯罪者が王都の城に集められているとか…別の国に移住した方がいいのだろうか……と話し合っていた。

 

「卒業したらとっとと別の国に移住した方が良さそうだよな」

 

何ともまぁ不穏な話だ。

 

(だか、確かにおかしい……新聞でも犯罪者が釈放されたという話は載っていないし、集められているなんて話もなかった。…だか、この話が本当だとして目的は何だ?……上の奴らなにを考えている?)

 

「…俺にも、他人事じゃないかもな関係ないかもな…」

 

 ……妙な胸騒ぎがするが、この国の騎士は決して弱くない。なにが起きても大体は無難に治るはずだ。

 

 

 

 

 

 

 捜査する時、まず最初に向かったのが兄貴の学校に行った。兄貴のクラスメイトから友人。

 

 そのツテを使って上級生や教師などかける奴らから話を聞いたが、ロクな情報を得られなかった。

 

……というか兄貴ってあんなに友達いたんだな。

 

(もしかしたらアイツらの中に犯人が……と思ったんだけどな……)

 

ロベリアという言葉に食いつくやつやボロを出す奴はいなかった。

 

 おそらくあの学校は無関係……少なからず俺の見た人間で嘘をついたり隠したりするやつはいなかった。

 

 次に向かったのが兄貴の友人であるオスカーだったが……家には誰もいないし、鍵も空いていた……家具などにも埃が溜まっており長い間放置されているのがわかった。

 

……不法侵入という点で言えば俺も犯罪者だな。

 

 だが騎士に聞いても探している最中で大した進展も得られないし……俺一人で探すのも限界があるが……

 

 まぁ待ってるだけよりは幾分かマシなはずだ……

 

「あっ!きみ!この先は危険だ!魔獣が暴れている!申し訳ないがここから先は対処が終わるまで立ち入り禁止だ!」

 

「マジですか……!」

「大マジだ……ほら危ないから下がって下がって」

 

 周りを見渡すとかなりの人混みができていて、パニックになってるものや逆に冷静なもの……というか無関心だな。実際に見たわけでもないし、そんなモンだよな。俺ら市民は騎士に任せきりで精々現場に近づかないことにてっすればいい。

 

「……ちなみにどんな魔獣ですかね?」

「蜘蛛型の魔獣だ。この騒動は騎士団がなにがあっても解決するから安心してくれ!」キラン

 

(眩しいなぁ…歯光ってるし…騎士ってこんな人ばかりなんですかね?さすがモテる職業No.1…)

 

 にしても残念だ。この先の警備の薄い時間が絞れてやっと捜査できると思って来たのに……こういう時は騒ぎが落ち着くまでどこかに身を潜めておくか。

 

「……この店のいいか」

 

 偶然見かけた喫茶店に入り、本を読んで時間を潰した。

 

 

「ロベリアとは…… ミゾカクシ属あるいはロベリア属のキキョウ科の植物群の一部である。非常に多様な種を含む……花言葉は"悪意"」

 

 おそらく、この花言葉に意味がある。もしくは関連されたものなのだろう…つまり、ロクでもない。

 

 この言葉に、どう兄貴に関わっている?なにに巻き込まれた?

 

(……俺はおそらく底なしの穴に片足分だって入れていない…過去の履歴を見ても該当するものはなかったし……ヤバい事に首を突っ込みやがって馬鹿兄貴!どうしてこの名前を俺に、どこで?……逃げてって…どうすりゃいいんだよ…)

 

 わけわからん……

 

「クソッタレ……そもそも兄貴が消えなきゃ興味も持たなかったっつの」

 

 ため息をつき、広げていた本を片付ける……そろそろ騒ぎも落ち着いた頃だろうし、出るか。

 

「…また…来るといい」

「あっはい」

 

そして、店の外に出た時、見覚えのある3人がいた。

 

「さっきの道人が多くて通れなかったよなぁ」

 

「そ…そうだね…」

「ところでさぁ……この道、本当に合ってるの?」

 

「大丈〜夫♪オレの部下が調べたからさ、間違いないよ!」

 

「…本当に…?」

 

「心配するなってエマちゃん!この道で合ってるから!」 

 

 エマ……と女癖の悪い噂の貴族二人組か……どうやら真実だったらしい……貴族が貴族を襲うなんて世も末だな。

 

 つーかアイツら護衛はどうしたんだ?貴族なら護衛の一人くらいつけるだろうに……この先に行くのか?たしか行き止まりのはずだが……なるほど、そういうことか。

 

 どうする…エーベル・アルフィー……野郎二人は貴族とはいえ位はエマの方が上のはず……だか、ことが起こってからでは遅すぎるし…

 

「仕方ねぇ…ちょっと様子を見に行くか…それにこれは…ひょっとしたらホワイト家に恩を売るチャンスかも……」

 

 3人の後をバレないようにつけることにした。

 

 

裏路地につき、違和感を感じた。どう見ても道が変わっているのである。行き止まりだったはずの道には左側に道が一つ増えていた。

 

(不自然なところに鉄パイプと……赤コーン?工事中だったのか?……ちょうどいい長さだし護身用には丁度いいか。)

 

【エーベルは鉄パイプを装備した】

 

ここならいいな

へへへっ!お前こんなとこよく知ってたよな〜

 

どうやらその先でアイツらはおっ始めるつもりらしい。

 

見えないように壁に体を隠して壁越しに様子を伺い、隙を突く作戦にしよう。

 

「それにしてもあの鉄扉……妙だな」

 

エマからならはっきり見えるだろう巨大な金属の扉……そこからは何故か薄気味悪い悪意を感じ、全身に悪寒が走った。

 

 

 

【エマ視点】

 

 

 

「ねぇ…ちょっと…なに考えてんの?」

「やめてよ…ね?」

裏路地に連れてこられた私は青髪と金髪(貴族1と貴族2)の二人の男に襲われそうになっていた。

 

「なぁ…いいじゃんエマちゃん♪」

「大丈夫♪痛くはしないからさぉ〜…な?」

 

下卑た視線を向けてこちらに少しずつ迫ってくる……気持ち悪い。

 

「いや…そういうことじゃなくて…一応…わたしホワイト家の貴族だけど分かってる?タダじゃ済まないわよ?」

 

「ははっ♪エマちゃん脅しのつもりかい?」

「残念だけどその脅しは通用しないよ」

 

「……」

 

 ダメだコイツら。話通じない……性欲だけで動いてあとのこと考えてないタイプだ…タチが悪い…。

 

「大丈夫大丈夫!心配するなって!オレたち親友だろ?」

「それに、エマちゃん前に言ってたじゃん。彼氏欲しいって」

 

「そうそう!オレたちこそエマちゃんに相応しいじゃん?」

 

「私が言いたいのはそういうことじゃなくて……はぁ〜〜うざっ……

 

 はっきり言って詰みだ。つい信じ込んで着いてきたばっかりにこんな不気味なところに連れて来られて……なにも変わってない。

 

「なぁエマちゃん…そろそろこっちに来てくれない?安心して….酷いことしないからさ♪」

 

「ちょっとオレらと一緒にするだけだからさ♪」

 

少し信用してたのに……私が馬鹿だったわ…ほんと…最悪…あぁ…こんな事ならボディーガード連れてくればよかった…どうしよう…これじゃ…1年前と同じじゃん…あ〜もう…何で私、学習しないかな〜…

 

……自分のことが嫌いになりそうだ。

 

「あ…あの!お願いだからこんなことやめよう!ね?…それに…こんなことより私、ショッピングに行きたいなぁ〜♪あっそうだ!今度みんなでピーチなんてどう?私可愛い水着買ったんだ〜♪砂浜で私の水着姿見てみたくない?」

 

「……」

「……」

 

「…だめ…かな?」

 

「……あ〜もう面倒くさいなぁ……押さえといてくんね?」

「オッケー♪」

 

「嫌っ!来ないで!」

「大丈夫♪痛くしないからさ」

 

後ろには"妙な大穴"に正面には発情した猿二匹と絶望的だ。

 

「誰かッ!?」

 

そう声を上げた瞬間、

 

ガシャンッ!!

 

「えっ」

 

とは誰の声だったのだろう。

 

カサカサカサッ!!

 

彼らの背後の壁が開き(よく見たら鉄製のシャッターだった)、中から黒い何かが飛び出て青髪の男に貪りついた。

 

ぎゃぁぁああああ!!!??

 

グチャグチャグチャ!!

 

「お…おい…何だよこれ…?く。喰われた?…嘘だろ!?」

 

「……ぁ……ぁ……」

 

ひ、ひと、が、また……!わたしのめのまえで……!あっあっあっ…また、あのときと…同じ?

 

「く…クソォォォォォォ!」

 

 彼は逃げようとしたのか、それとも先ほどまで話していた友人の仇を取ろうとしたのか……どんな過程であれ、意味はなかった。彼もまた

 

カサカサカサッ!!

 

「ヒッ!?」

嫌だ!嫌だあああああ!

 

そして、彼もまた突如現れた黒い蜘蛛の魔獣によって無惨な肉片となってしまった。

 

 

 

 

【エーベル視点】

 

 

 

 

「なっ!?……うっ……」

 

ひ、人が喰われた!?アレが騎士の人が言ってた魔獣?どうしてここにいる!?なんで建物から出てきた?

 

「嫌ぁ…嫌ぁ…!!」

 

「!……落ち着け…考えるな…何も、考えるな……まずは動け!行動にしろ!

 

 鉄パイプを握りしめて、エマの…悲鳴のする方へと走り、そして

 

ザッ!!

全力で蜘蛛にフルスイングを叩き込んだ。

 

ドカッ!

 

 

おい!今だ!走れ!

 

 

えっ?…あ………足が…動かな──」

「クソッたれ!!」

 

ドッ!

 

「…う…そ?」

 

エマの方に近づき、後ろにあった穴に俺諸共落ちる。

 

予想よりも浅く、5メートルほどの高さから鉄の金網に落下する。

 

「痛ぇ!?…くそ、エマ!立てるか?あいつが追ってくるぞ!」

「うっ…うう…」

 

「…当たりどころが悪かったのか…悪いが背負うぞ」

「…大丈夫……自力で」

「なら、こっちだ……」

 

 落ちた先には部屋があり、そこに避難することにした……あの蜘蛛は追ってくることはなかった。

 

 

 

 

 ここから"奈落"の(真実)を目指す物語が始まった。

 

 

 

 

 

 




ということで第一話です。ぶっちゃけここら辺は改編はほとんどしてないです。エマの腹黒描写が減らしてしまったのが少し無念です。

また、前作の奈落をどう書くかが今一番な悩みです。読んでくださった方がいましたら感想をくれると大変モチベになります。
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