奈落2  ifストーリー もしも彼の兄が失踪したら   作:アズカバー

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最近、悔しきことにエマが可愛く見えてきている……というか可愛い。エンリちゃんのイラスト描いたし、次はエマ書いてみようかな。何のシーン描くから決めてないけど

それと今回、エーベルがいつも以上に頑張ってます。
お楽しみに


第七話:再会・和解

 

 

 

 

 

 

【エーベル視点】

 

 

 

 

蜘蛛の巣た落ちてからしばらくして、やたらと広い部屋に出た。そこの部屋には壁一面に黒い蜘蛛が群がり、夢中になって何かを絡んだ繭を喰らっている……

 

その繭からは血が滴り、おそらく人体の一部であろうものが散らばっている……中身が何なのかが嫌でも察しがついてしまう。

 

「……どこ行っても死体、蜘蛛、死体、蜘蛛…本当に勘弁して欲しい……ついでに床が全部蜘蛛の糸で覆われてるから、足に絡まって気持ち悪い…蜘蛛の糸全部燃やしてぇ…!」

 

「……(どうどう-…)」

 

エンリに嗜められてしまった…

 

「……この部屋、随分と綺麗な繭が多いな……この部屋以外にも同じ光景があるとして……一つ一つの部屋の繭を開けて探すのは厳しいな……かなり時間が掛かる……エマのやつ、声かけたら返事してくれねぇかな」

 

「(フルフル)」(この中にはいない…もっと奥から生きた人の気配を感じる)

 

「えっ…分かるのか?」

「……(コクン)」(……だいたいだけど)

「だいたいでも助かるよ…そのおかげで途方もない作業を省けるんだからな……頼りっぱなしで、すまない。」

 

「(フルフル)」(ううん…私も助けられてるよ)

「…そうか…そう言ってもらえると…こちらとしてもありがたい。」

 

「……!」(これからも頑張ろう!)

 

と、エンリは片腕を上げて先頭を進む……不思議だな…声に出てない筈なのに彼女の張り切り具合が伝わってくる。

 

 

 

そして、しばらく蜘蛛の巣の迷宮(それっぽい名前を今思いついた)を進んでいくと、エンリが立ち止まった。

 

「……!」(止まって!)

 

「?……何かあったのか……な、何だアレ?…巨大な…蜘蛛?…いや、それにしたってデカすぎるだろ……ひょっとしてあれもDなのか?」

 

入り口から入ってきた獲物を待ち構えているのだろうか…入り口の真横で出待ちしている怪物の姿があった。

 

その怪物は二階建ての住宅ほどの大きさのある蜘蛛?のような見た目をした丸々とした赤目に牙の生えた化け物だ。

 

「(フルフル)」(Dとは違う…けど、他の蜘蛛よりは強い)

 

「マジか…エンリでもキツイか?」

「……」(普通……襲ってきたら対処できるくらい……倒すのには少しだけ時間がかかるかも…)

 

「ほんと…頼もしいな」

 

……守ってもらってばかりだ…自身の不甲斐なさが嫌になる

 

「…リスクを避けて進もう…」

「(コクン)」

 

……悪い癖だな…自己嫌悪も一人反省会もここを出てからすればい….…まずは、エマを助けださないとな。

 

 

そうして…蜘蛛を散らし、死体の持ち物から使えそうな物品を拝借したりとして奥へ奥へと進んで行った。

 

「行き止まり……と大穴か…」

 

「(クイクイ)」

「どうかしたのか、エンリ?」

 

「……」(この先から生きた人間の気配がする)

 

そうエンリが指を刺したのはそこが見えないほどの大穴だ

 

「…おそらく、エマだな……その、本当にここまで守ってくれて感謝してる……うまく言葉に出せないけど、本当に…感謝してるんだ…俺を何度も助けてくれて…ありがとう……君に会えてよかったよ」

 

「……///」(大袈裟…照れる……私も君に会えて良かった)ニコッ

 

「よし、後はどうやって降りるかだが、階段かハシゴでもあればいいんだが……」

 

「…………」(タイミング、合わなかった)

 

流石なこんなそこの見えないところを飛び降りる勇気はない…落とされるならまだしも自分からはそうそう…….

 

「……」ガシッ

 

ん?

 

「……エンリさん?何故に俺の腕を掴んでるんです?……あの、冗談っすよね」

「(ニコッ)」

 

わぁ〜なんて素敵な笑顔…こんな場面じゃなきゃ告白して即振られてるわ……じゃなくて

 

「待って待って待って流石にこの高さは無理だ!死んでしまう……!」

 

「……」(エーベルなら大丈夫)

 

「何を根拠に!?ぁぁぁああああ!!!?せめてタイミングを計らせてぇぇぇ〜!!?」

 

ぴょんと、大穴へとエンリに抱きしめられて落ちていった…本日三度目の落下である。

 

 

 

 

 

 

 

 

【エマ視点】

 

 

 

 

「……うっ……うぅ……ここ、どこ?」

 

確か私、エーベル君が赤いあの化け物から助けてくれて……その後、死体だらけの部屋を抜けて…死んだはずのオリバーくんにもあって…落とされて……黒い何かが群がってきて……

 

「…そうだ、私…たくさんの蜘蛛が来て、気絶して……」

 

カサカサカサカサ

 

…………あっ…思い出した…私、蜘蛛に捕まったんだ!は、早く….早く逃げないとッ!

 

ギチギチギチ

 

「…う…動けない…!?嫌、嫌ぁ…!!こんな死に方…嫌ぁ……!誰か、誰か助けて!!お願い!誰か!!死にたくないよぉ…!!」

 

聞こえてなるのは私の声に驚いたのか、それとも腹を立てたのかわからないが、カサカサと私の周りを蜘蛛たちが動き回っている。

 

「あっ……ぁぁぁ……うぅぅ……ヒグッ…グスッ……いやぁ…助けて神様…お願いします…助けて……」

 

…天罰…なのかな…いつも私だけ生き残ってきたから……最後は誰にも知られることなく、化け物の餌になる……

 

オリバー君、エンリちゃん、巻き込んでごめんなさい…私のせいで死なせてしまってごめんなさい……

 

バシュ!…と糸が切られる音がする…私の終わりが来たようだ……嫌だなぁ……死にたくないなぁ

 

「……うっ……うぅぁぁぁあ……!!…いやぁ!いやぁぁぁ!!!パパ!ママ!助けて!!」

 

みっともなく泣き叫んでしまう……

 

バシュ!

 

外の光が見え始めた…あと1、2回で繭に穴が空き、私は食われるだろう……

 

これは罰なんだと自分に言い聞かせても死への恐怖は変わらない

 

怖いなぁ……死にたくないなぁ……彼もそうだったのかな

 

ねぇ……エーベル君…ごめんね……たくさん助けてくれたのに、たくさん酷いこと言って……自分のことばかりで君をたくさん困らせて……私、役立たずだったよね……ごめんなさい…

 

貴方は私を命懸けで助けてくれたのに……こんなところで死んでしまってごめんなさい…

 

 

もし、奇跡が起きてさ…貴方がいるところに私も行けたら……向こうで私とデート…してくれないかな……

 

バシュ!と開かれ光が入ってくる……そして、強い力で繭から引き摺り出された……

 

「いや!いや!食べないでぇ!!許してぇ!!」

 

「……!?」(食べないよ!?暴れないで落ち着いて!)

 

「落ち着けエマ!大丈夫だ…ほら」

 

暖かい手が私の手を取って立ち上がらせる……この手の温もりには覚えがある……

 

「………ぇ?……エーベル……くん??」

 

「おう……まぁなんだ……助けに来た…相変わらず猫被ってるみたいで安心したよ…エマ」

 

あ……ぁぁぁあ

 

うわぁ〜ん!!!」

 

ダキッ!!

 

「はぁ!?…….ちょっとエマさん!?何してるんですかね!?」

「エーベル君……!うぅ……エーベル君……!!」

 

力一杯彼を抱きしめる……暖かい…本物だ…良かった…彼は、生きてた

 

「エマ、頼むから一度離れて「いや!」…駄々っ子になっちゃたよ」

 

「(困り顔)」(気まずい……隅によってよっておこう)

 

「ほら、いい加減にしてくれ!…このままだと俺の理性が危ない!」

「エーベルキモい!変態!」

「なら離れろ!」

「やっ!!

「何でだ!?わけわからん…!」

 

「……」(知ってたけど、エーベルは本当に鈍い)

 

この鈍感ぼっち……もう絶対に離してなんかやらないんだから

 

「ほら…落ち着いたか?」

 

彼は優しく私の背中をさすってくれている

 

「……うん」

「なら、離れてくれ……ここに長居はしたくない」

 

「あっ…そうだね……エーベル君」

 

「どした?」

 

 

「助けに来てくれてありがとう」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

目一杯の感謝を彼にこめて、今出せる最高の笑顔を彼に送る…私の思いが彼に届いてくれたら……嬉しいなぁ

 

「……おう…だが、感謝なら後ろの彼女にしな」

 

「は?彼女?エーベル君彼女いたの?」

 

「何でキレ気味?…いいから早く後ろの彼女に礼してこい……あと、ちゃんと謝れよ」

 

「?…うん」

 

…よくよく考えたら、エーベル君どうやってここまで来たんだろう……?私みたいに蜘蛛に攫われなかったのかな

 

「……えっと…どこのどなたかは知らないけど、助けてくれたんですよね?ありがとう…ごさい……ぇ」

 

「……」(ど…どうも…久しぶり)

 

「………………エンリ…ちゃん?…どうして…ここに…?あと、その姿は?………………生きていたの…?」

 

「……?」(えっと…その……大丈夫?)

 

「………エマ?」

 

……生きてる?……なぜ?どうして?…….おばけ?……でもエーベルくんは助けてくれたって……

 

「……エンリちゃん…本物?」

「(コクン)」(うん)

 

「あ……あぁ……」

 

おもわず後退りしてしまう……きっと私は恨まれている…こ…殺される……自業自得なのに…怖い……怖いよ……!

 

「……???」(あれ?怖がられてる?なぜ?)

 

互いに見つめあったまま固まってしまう……思い出す彼女にした嫌がらせの数々を……あの廃墟でのことを……私は…彼女を……

 

そのおき、この空気を壊す雑音が響いた。

 

「とりあえず、両s…ヘッベックション!!

 

「「!?」」

 

「あっ……悪い……」

 

……………何こいつ…一発殴るか?

 

「(ジト目)」(びっくりしたよ…!)

 

ほら、エンリちゃんも呆れた顔してるし

 

「…いやね…ここ少し肌寒くて…あの…マジですみません…」

 

「…何それ」

 

変な笑いが出てきてしまう……

 

「(プルプル)」(肩が震えている)

 

エンリちゃん…こんなふうに笑うんだ…可愛い

 

「……フフッ……ほんとエーベルって…空気読めないよね♪」

「(コクン)」ニコリ

 

「……悪かったって」

 

「……エンリちゃん…私と彼を助けてくれてありがとう」

「(コクン)」ニコッ

 

今は、ちゃんとお礼を伝えよう……謝るのも、償うのも……きっと今は迷惑になる……だから今はここを離れよう…

 

良かった……悪い流れは断ち切れたか……少し不格好だが…成功!

 

…また、彼に気を遣わちゃったな……

 

 

 

 

 

 

 

 

【エーベル視点】

 

 

 

エマと合流して蜘蛛の巣のエリアを進む…道中、今の状況をエマに噛み砕いて話しておいた。

 

「……ようやく、出口だな」

 

「……やっと蜘蛛から離れられる……もう見たくない」

 

「(コクン)」

「二人に同意……」

 

当番、足の多い生き物は見れそうにない……正直、トラウマになりそうだ…….だが、ようやく解放される。

 

金属でできた扉を開き、次のエリアあと進んだ。

 

 

扉を開けた先は血の池に覆われた地獄のような光景が広がっていた。

 

 

「……臭っ!またか……クソッタレ……!」

 

嗅ぎ慣れてしまった血の臭いがあたり一面から感じられる…このエリアにいるだけで正気を失いそうな感覚が襲ってくる。

 

 

「エーベル君…私…こんなところもう嫌!…早く…ここから出ようよ…」

「わかっているが…出口がわからん…この先、何処に繋がっているかもな……」

 

「……うぅ」

 

「(さすさす)」

 

具合の悪そうなエマにエンリが寄り添う……エンリとエマって因縁があるんだよな?……エンリが優しいのか…エマが自暴自棄気味なのか……いや、エンリが優しいだけか

 

「……エマ、お前体は何ともないか?あの蜘蛛に何かされたりとか…」

 

「えっ……!?い、いや!そんな…怖いこと言わないでよ…」.

 

「(フルフル)」(大丈夫、何ともない)

 

「そうか…エンリが言うなら問題ないな」

 

「ここにくるまでに話してくれた魔人化の力?」

「(コクン)」(うん…割と便利)

 

「……そっか」

 

エマのやつ….元気ないな…何とか休めそうな安全な場所を探さないと…

 

ザバァ!!

 

 

「「「………!!」」」

 

「もう…いやぁ!嫌ぉ!何なのよもう!」

 

「……蜘蛛の次は何だ?…もう虫は勘弁してくれ……早く下に降りるハシゴが昇降機でも探さないと……」

 

この二人だけは何があっても地上に返そう……

ここに来てから妙に目がはっきりと見える……薄暗い地下が明るく見えるし

 

……この血の池を…何かが泳いでいるような音まで聞こえてくる…

 

…エマ、エンリ…この二人の匂いも…いや、これは考えないようにしよう

…訴えられたら負ける

 

……とにかくだ……俺の体に何か変化が起きている…いつの間にか…鉄パイプが見当たらなくなっているし……アレを無くしたからか?

 

そんなことを道なりに進みながら考えていた……頭の回転も随分と早くなっている……もしかして…蜘蛛に何かされていたのは俺だった?

 

……そして、とある部屋に着いた…珍しく死体も蜘蛛もいない……最初に来た部屋に近いガラス張りの黒い部屋だ。

 

そこに…生きた人間たちがいた。

 

「ひ…人だ!……それも3人!……助けて欲しそうにしてる…」

 

「………」

 

怒りに任せてガラスを叩くもの、壁に寄りかかり絶望しているもの…瞳孔の開いた目でこちらを見つめるもの…….

 

「全然声聞こえないね……」

 

「おそらく高圧ガラス含むこの部屋全体が防音になっているんだろう……どれも音漏れ一切なしの完璧仕様だな…」

 

まぁ俺は表情が見えるから何いってるかはっきり分かるんだけどな……知ってはいたが……やはり

 

「ねぇ…エーベル君…この人たち、助けれる?何とかならない?……どこか部屋を開けるボタンとか……」

 

「いや……コイツらは助ける必要なんてない」

 

「えっ……何言ってるの?」

「………!?」(どういうこと……!?)

 

「……二人は新聞とか読むか?」

「読むわけないじゃん」

「(ふるふる)」(読まない)

 

「……まず、この目の前の男は…二年前王都で連続殺人を行った殺人犯だ……犠牲者は4人…うち一人は幼い子供だった……学校のホームルームで言われたことあったろ?……コイツがあの事件の犯人だ」

 

「…そうだったんだ」

「……」(あの殺人鬼が犯人だと思ってた…)

 

「………隣のやつは大量の麻薬を密輸をして捕まった……幸い被害が出る前に騎士団が捕まえたからどうにかなったがな…」

 

「………(……この人、すごく後悔してるみたいだし、助けちゃダメかな……?)」

 

「エンリは優しいな…でも、ダメだ……麻薬の密輸のような楽して大金を稼ごうとする奴らは何をしでかすか分からない……こちら側にどんなリスクが被るかわからない以上……危険だ」

 

「…………」(そっか……ごめん…考えが浅かった)

 

「気にすんなよ…エンリが謝ることなんてないしな」

 

 麻薬絡みの犯罪は兄貴の捜索をした時、真っ先に疑ったものだ。

 

 学校での調査が終わった後、次に目をつけたのが麻薬や武器密輸などをする犯罪組織だった。

 

結果は空振りだったが、その代わりに多くの経験を積むことができた

 

……傷を治すだけではなく、心を治療する力があること…他人に寄り添える心を持つこと……庶民では医者になるのは難しいこと……多くの事をしれる……我ながら随分と恵まれた環境だった。

 

「……ジィィ」

 

「なんだ人を睨んで…」

「別っに!!」

「さいですか……最後のやつは…」

「この人も犯罪者?」

 

「大貴族を狙ったクーデターを行おうとして捕まった死刑囚だな……つか、なんで生きてんだよ…」

 

「こ、この人が…!?……ね、ねぇ行こ?…怖いよ…」

「……そうだな…本当に怖いな」

 

こいつらの言葉を読み取ったっていいことはない…

 

「(コクン)」

 

 

そして、部屋を後にした。

 

 

しばらく進み、やけに広い部屋に出た。

 

いくつかのボタンに鍵の締まった鉄の扉…嫌な予感がする。

 

 「もう…いや…!…こんなところから早く脱出したい……このボタンを押せばどこか道が開くのかな…今までそうだったし…変わんないわよね……」

 

「……!」(待って!嫌な予感が…!)

 

エンリが駆け寄りエマを静止しようとしたが、待に合わず……

 

ガシャン!!

 

と…二人を閉じ込めたままシャッターが閉じた…….

 

「…予感的中….」

 

「えっ!?なんで…アレ…開かない!ボタン押しても反応しないし……!扉もびくともしない……え……エーベル君どうしよう!私たち閉じ込められて!!」

 

「落ち着けエマ…今こっちでここの開け方を」

 

ザバッ……!!

 

と、何かが()()から上がるような音がした……ここのエリアは一本道で水場なんてどこにも無かった……液体はこのエリア全体の血のみのはずだ……

 

ポタッ…!…ポタッ!…と背後から液体の滴る音がする……恐る恐る振り返ると……そこには

 

バァ……!

 

と…目の焦点の合ってない目でこちらを見つめるナニカだった……その姿には皮がなく、全身は筋肉と血管がはっきりと見える姿をした瞳を含む全てが赤一色の人型の化け物がいた……赤でないところを探すと、奴の口に着いた巨大な歯くらいだ。

 

「……クソ!…また俺かよ!勘弁してくれ……!!」

 

「エーベルくん!?何かあったの!?大丈夫!?」

「……!!!」(早く、壊れて!!ここを開けて!)

 

ダンッ!…ダンッ!…ダンッ!!…と、おそらくエンリがシャッターを破壊しようとしている音が聞こえてくる……

 

「すぐ開ける!……くっそ!!」

 

「あ゛ぁ゛?」

 

"うまそうだ"

 

奴の表情から唯一わかった感情だ。

 

 

 

 

 

【S-001からの逃走及び撃退】

 

 

 

 

 

 

ウォォォォォ!!!???

 

バシャン!バシャン!と血飛沫が血の池から跳ねている……奴は今、真っ赤な血の中をバタフライでで追いかけ回してくる……それも、アスリート選手以上の速さでだ…

 

血の中を猛スピードで泳ぎ、隙を見つけて飛びかかってくる……まるでパニックホラーの漫画に出てくる怪物だ…

 

奴が飛んできてぶつかった壁は、抉られたような傷口になっていた……

 

(あれを食らったら死ぬ!!)

 

しかもこいつ、普通に血の上を走ってくるし、保護色で見にくいし……地上も普通に早い……

 

……あのD-033には流石に劣るが、普通にこいつも化け物だ…

 

だが、コイツはどうも食べることに固執していて手についている鉤爪で攻撃はして来ない……知能はさほど高く無いようだ…

 

……だが、本来耳が有るであろう場所に妙な物を着けている……耳当てのような……

 

(アレは……インカムか?……何故そんなものを……!!)

 

オリバーが指示を出しているのか!……厄介だ……

 

……ボタンには押す順番があり、その通りに押していかないと反応しない様になっている……その上にあの怪物とオリバー監修の鬼ごっこ……めちゃくちゃきつい……

 

エンリたちはまだあの部屋に閉じ込められているし…俺が死ねば次のターゲットはあの二人になる……この化け物相手は流石のエンリも部が悪いかもしれない……

 

どうにか助け出して、合流しないと……

 

 

 

 

 

……必死に避けながら、部屋中のボタンを押していき、何とかあと1つのところまで持って行った。

 

その時だ…

 

「はぁ!?」

 

「フフフ………」

 

と、白い葉を見せながら奴はボタンの前に立ち塞いで笑っている……先ほどまではがむしゃらに追いかけてきていたのに…こちらを誘き出そうと待ち構えている……

 

そして

 

「……!?早っ!」

 

壁越しに隠れていた俺を見つけると、その壁ごと食いちぎってきたのだ……少しだけ、腕の肉が抉れた……

 

「グッ!」 

 

いってぇ!!…掠めただかで済んでよかった……いや、最悪なのは変わってないか……くそっ!!……どうする?……どうすれば……!!??

 

「……あっ……」

「ヴ゛ア……゛」

 

目の前に奴の顔がある……鋭い爪で俺の方を押さえつけ、巨大な口と白い歯で俺の頭蓋を噛み砕こうとしている……

 

「あっ…死んだ」

 

そう思った……だが、やけにこの怪物の動きが鈍く見えた…スローモーションのように……

 

(走馬灯って奴か……)

 

そう思った…だが、手の中にいつの間にか握られているものに気づいた……それは細長い金属でできた丁度いい長さの鉄パイプ……いつの間にかなくなったものが、手元に来ていた……

 

「離しやがれ!!」

 

 

バキッ!!

 

不思議と体全体に今までにないくらいの力が入り、S-001の爪をへし折ることができた。

 

「あ゛あ゛!!??゛」

 

怯んだ隙をついて鉄パイプで全力で殴り飛ばした。

 

「グ゛…ア゛……!!!??゛」

 

大きく怯み、後ろに後退する怪物……赤いオーラをまた撮った自身の姿が鉄パイプによってうっすらと反射され、全体の姿を把握できた。

 

その姿はエンリの変身したあの姿……魔人化と同じ姿であった。

 

……理由は……あとで考えよう。

 

 

 

「今は…お前をぶっ飛ばす……!!」

 

鉄パイプを構え、奴を睨み、不敵に笑って挑発する

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さっきまで、テメェから仕掛けてきた癖に…急に大人しくなって…ど……どうした?…来いよ化け物!」

 

怖い…怖い…怖い…すっごく怖い……!

 

……本心を言います……エンリさん助けてください。

 

こんなやつ…鉄パイプでどうにかなるわけないだろぉ!!!??

 

 

 

 

 

 

 

 





というわけで、エマ救出からsa-001との逃走、そしてエーベルの魔人化ビジュの公開までを一気にやらせていただきました。だいぶ端折りましたが、いかがでしたか?自分の絵は決して上手くないので、あくまでイメージとして見てくれると幸いです。

次回はS-001をボコります…コイツには散々世話になったからよ〜本編の5倍ぐらいボコボコにしてやる…!

それでは次回、また次回
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