俺ァ13✝サーティーン✝……長いな、サテだ   作:不審者γ

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堕天

体中の血が沸き立つような感覚があった。

タン、と地面を踏みしめれば空高くに体が浮き上がる。

空が赤く染まり、月が出る幻覚を見る。

 

「…二丁拳銃ってリロードどうすんだ?……ハッ、」

両手には黒を基調にした拳銃が二丁。当然使ったことはないし、そもそも触ったことすらない代物だが、()()()

 

「…な、なんだ、こいつ…!?」

 

──おいおい、怯んでて良いのか?

 

ダン、ともう一度地面を踏みしめると大男が目の前に出てくる。

 

「喰らいやがれェ!」

右手に力を入れて銃口を向け、躊躇いなく引き金を引く。

破裂するような音と同時に、反動で体が若干後ろに飛んだ。

 

「…へェ、こういう感じか」

くるくると手で拳銃を弄ぶ。

相手は…なんか戸惑ってんな。まァ、撃たれて猛烈に痛いのに()()()()()()()()()だからな。

ふと地面を見ると、白い羽が赤く染まって落ちていた。

 

──はッ、気に入らねぇ。

 

羽から目をそらして、左の拳銃で自分の頭をつつきながらおどけて言う。

 

「おいおい、なに呆けてんだ?ちゃんと()()、入ってんのか?」

瓦礫に突っ込んだ時に口の端が切れてたのか若干鉄の味がするが、それより目の前の存在が苛立たしくてしょうがない。

 

「こっ、こいつ…おい竹輪!もう一か…」

「させねえよ」

──時間はもうとっくに過ぎてんだよ。

 

「“桃鍋”」

加速した足でまた妙な手印みたいなのを結ぼうとしている男に肉薄する。

 

「ッ!またこいつ…!」

「ちくわ大みょ…」

「遅ぇ」

銃を持ってるからって撃たなきゃいけないとは誰も言ってねぇ。

そのままグリップで鳩尾を殴り抜く。

 

「う、じっ!?」

「止まったな?ハッ、隙だらけだ」

そのままバックステップで双銃六連射。

 

「ち、く……」

 

「砲王!合わせろ!」

と、今度は前衛の筋肉が迫ってきて、後衛の筋肉が何やら準備しようとしてら。

 

──関係ねえ。

 

「喰らいやがれェ!」

バックショットは貫通弾だ。射程圏内なら何人敵が居ようが関係ねえ。

 

「ぐ、っ!」

 

「そォら踏ん張ってみろォ!」

その場で体を回転させて反動で首筋に踵を落とし込む。

筋肉で覆われてようが関係ない。そのまま振り抜く。

そこから体勢を整える…暇はねえから体が上下反転した体勢から、右手の拳銃で顎を打ち抜く。

 

「カッ…」

 

──トんだな。

 

撃った反動で体をひねって頭を起こし、左足から着地。100点だ。

 

「…で、オマエはまだやんのか?」

 

「ッ…!!」

ぐるりと体を回してロケランをブッパしてた筋肉ダルマに銃を向けるとたじろいだ。

…そういや痛み、消えてるな。ふと背中を見るとちぎれた羽の部分の傷が塞がって血も止まってた。鉄の味もしねぇ。

あー、アビリティとHSの治癒効果か。すっかり忘れてた。殺さずとも気絶すれば()()()判定はもらえる感じか。

 

「ま、どーしてもって言うなら?やってやらなくも無いが…」

 

──ま、そろそろ()()()だしな。

 

パッ、と両手を開くと双銃が地面に落ちて…音も立てずに消えた。

 

「…は?」

と、同時。

 

「私が来たッ!!」

空からなんか降ってきた。

金髪のクワガタみたいな角を生やした、これまた筋骨隆々な男性。

ただ、向こうの範◯勇次郎モドキ達とは違って…こっちは味方、それも最強格のめっちゃ心強い味方。五条さん的な。

 

「…もう大丈夫か」

そう思ったらふっと力が抜けた。

…よくよく考えりゃ傷は治っても血は流れてたんだもんな、多分失血気味だわコレ。あー…くらくらするぅ〜

 

 

 

 

 

 

 

ってなわけで気を失った(多分)俺だ。

まあパッと目ぇ開けたらベッドの上だったけどな!体中何処も痛くないし元気いっぱい状態だぜ。今ならあの三人ともフルボッコに…は無理だな、むしろされる側だわ。

つか…なんていうんだろ、あの時…ゾーンにでも入ってたんかね、あんまりしっかりと戦った記憶がねえっていうかなんというか。

だから事情聴取されたけど「必死過ぎてなんッも覚えてません」で通してる。いやだってまじでほとんど覚えてねえもん。

筋肉ダルマ三人がいたこととか、謎のちくわの神社みたいなのとかは覚えてるんだが…詳細が上手く思い出せねぇ。

何だったんだよちくわの神社って。聞いてきた警察の人に言ったら頭の検査させられそうになったわ。あれがちくわ大明神か?ナメとんのか。

 

まあ色々あってから、院長先生からしっっかりお叱りを頂いたり、ついでに翔飛に飛びかかられて翔飛が怒られたりしたがまあ別に問題なし。

だが…

 

「わっかと羽…なくなっちゃったね…」

抱きつかれながら翔飛がそんな事を言った。

…そ、羽は両方背中にちょっとだけ根元があるくらいでちぎれてて、ヘイローみたいなのはいつの間にか消えてた。羽はちょっと黒ずんでた。

…なるほどな、これが堕天ってことか。

まあそもそも個性因子見つかってねえのに体に天使みたいな特徴があるっていう謎の人間扱いされてたから、それは解消されたな。ハイリスクローリターンにも程があるぞ。

それから、堕天状態になってから、鎌と二丁拳銃が自由に出せるようになった。

それでの攻撃で相手に傷はつかないが、痛みはちゃんと伝わるとかいうびっくり代物。しかもリロードいらんのよ、なんか銃の中で弾が生成されてる?みたいで。

やったね、二丁拳銃のリロードの心配はなくなったぜ!

 

あ、ちなみに再三言うが俺に個性因子はなかった。病院の先生には流石にお手上げだと言われた。草。何わろとんねん。




《カード紹介》
桃鍋
正式名称 【オーバーロード】英雄モモン&美姫ナーベ
発動するためのタメ時間 無
CT 45秒
9秒間攻撃力160%、防御力500%、移動速度140%へ上昇、自身にサイレント(カードとHS…必殺技みたいなのの一時使用不可)効果。
一時期もっと強かった頃、強すぎて使ったら勝ててたからおもんなーべとか言われてた。残(念でもないし)当(然である)。オーバーロードのコラボカードである。

《ヒーロースキル:堕天変貌》
CT 16秒
武器を鎌から双銃へ、またはその逆に切り替える。
使用時16秒間攻撃力135%、防御力140%、移動速度125%へ上昇、更に最大体力の65%回復。
サーティーンのHS(ヒーロースキル)…必殺技みたいなの。
本来ならゲージを溜めて発動するタイプの技で、溜めるのにも条件が必要だが本作では取っ払ってそのままCTへと変換。お陰で変にぶっ壊れになりかけてる。
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