解釈違いが怖くて今更中身が美少女とか言えない 作:バトルファイティングガール
この世界にはたくさんの能力者がいる。
一般人に比べればそれこそ少ないかもだけど、それは全体を見ればの話であり能力者自体は決して「いない」訳ではないのだ。
炎や光を生み出す能力から変身系に始まり、中には料理が上手くなる能力なんてものもある。
そう言えばテレビで最近紹介されてた店もあったかな?
何にしても能力者の能力には結構個性があり、そして個性があるからこそ法則性とかは分かっていない。
そもそも生まれた時から備わっている事自体は分かるので、社会的には能力を隠すのはほぼ不可能に近い。
それは私もまた同じである。
「……」
今日は定期検診の日。
隣には霧切トウヤもいて退屈そうにしている。
「そういえば」
と、唐突に話しかけてきたので驚き、とは言えここは病院なので大声は出さずに「な、なんだよ……」と小声で尋ね返した。
「アユミは、あまり能力を使わないよな」
「私的にはむしろ率先して使う方がおかしいと思うよ」
「そうかぁ? まあ、誰彼構わずあちらこちらに乱発するのはただの犯罪者になるし、だから使い方と使う場所によると俺は思うけど」
「でもトウヤはそれでバトルしてるじゃん」
「バトルは熱くなれるからいーの」
よく分からない理屈だった。
女になったからとかではなく、前世男だったころもわからなかったと思う。
格闘技とか、あまり好きじゃなかったし。
「受付番号122番の方ー」
と、そこで私の番がやってきたのでトウヤに「行ってくる」と伝えてから立ち上がり、部屋に入った。
そこには私が赤ちゃんの頃からの付き合いであるおじさん先生、長谷川さんがいた。
「やあ、アユミちゃん。こんにちは」
「こんにちは、先生」
それからいろいろ最近あった事や不自由に感じた事を聞かれるが、私は「特に」と答えた。
そして診断はつつがなく終わりそうだったが、最後に先生が「そういえば」と思い出したかのように尋ねてくる。
「アユミちゃん、『また』やってるんだね」
「……はあ」
「いろいろと危ないから、あまりやらないように。とは言いたいんだけどね僕も」
先生は、私が『悪龍化』を有している事を知っていて、そして隠してくれている。
その理由は、ちょっと分からない。
ただ、いろいろあったらしい事は感じている。
先生は、私の『悪龍化』について思うことがあるらしいのだ。
「能力名、『
私も元々は青白い炎を呼び出すだけの能力で、だから『そのように』なっている。
「先生はどうして私の力をそれなりに詳しく知っているのですか? 能力ってそれこそ個性的だし、そもそも見ただけでは分かりませんよね?」
「能力とはかつて天才の象徴とされていた。持っているだけで特別視され、そしてそれで勘違いをした奴がいた事を僕は知っているだけさ」
彼は肩をすくめる。
「君も、勘違いしてはいけないよ? 君は確かに人より『特別』かもだが、それでも一人の女の子である事には変わりないんだ」
「……はい」
「あと」
と、少し笑いながら彼はいう。
「トウヤ君の事は、どうだい?」
「どう、とは?」
はて、と首を傾げていると彼は「やれやれ」と首を横に振った。
「これではまだ先は長そうだな」
「?」
相変わらず先生の言う事は難しく、私もまだまだだなと思うしかなかった。