パグ崎メモ、先生LOVE勢に1番のライバルと思われてる。パグ崎LOVE勢は先生が1番のライバルだと思ってるw
評価、感想、誤字修正。ありがとうございます。
「これでよし」
先生の机に一通の封筒を置く、多分これを見たら先生は怒るんだろうなと思いちょっと苦笑する。でもこれは前から決めていたことだ、後悔は無い。
先生は生徒のために精一杯頑張れる人だ、でも体は1つで限界はある。先生では彼女を救ってあげることは出来ない。これは良い悪いではない、残酷な運命(原作)通りの選択をしなければキヴォトスを守れないのだ。彼女はそんな運命(原作)を定められたスケープゴートなのだ。
でも今は違う、俺は運命(原作)を知っている。彼女がどんな思いで決断し茨の道を進んでいるか分かっている。あの娘を救えなかったちっぽけな俺だが、今度こそ救ってみせる。隣にいて共に背負い、そして褒めてあげ認めてあげる。それだけでいい、それしか出来ない。でもそれで彼女の傷を少しでも癒してあげられる、そう信じて。
俺はシャーレのビルを出る。
残業続きで無駄に長い時間を過ごしたビルを見上げる。先生はミレニアムに泊まりがけなので照明もなく真っ暗なビル。ここに戻って来られるかは分からない。最終編は大規模過ぎて介入することもないだろうし、それ以降は外部から介入するのもありかもしれないな。
一台の車が俺の前に止まる、
「お迎えにあがりました」
運転席に座ったメイド服を着た少女が俺に声をかける。
そう、俺は決断したんだ。俺はシャーレに一礼して羽織っていたシャーレのコートを脱ぐ。
「迎えありがとうトキくん、それじゃ行こうかエリドゥに」
こうして俺はシャーレと、いや先生と袂を分けた。
※※※
アリスがリオと共に去って行った、どうすればアリスを引き止めることが出来たのだろう?どうしたらリオを考え直させることが出来たのだろうか?
その答えは見つからず、それを感じ取ったのか生徒を不安にさせた。だけどそれを取り払ったのも生徒だった。モモイは言った、そんなの関係ないと。そう彼女は信じているのだ、アリスのことを。アリスと共に過ごし泣き笑い、そして成し遂げた日々を。私はまた1つ生徒から学んだ、そうだまずは信じなければ始まらないのだ。だからアリスを救おう、アリスのことを信じているから。リオを止めよう、必ず違う道があると信じて。
リオとアリスが居る場所エリドゥ、その場所を突き止めたまではいいが移動手段を確保するために少し時間がかかるそうだ。その間に太郎くんに相談しようと連絡を取ったが繋がらない、何か嫌な予感がし悪いと思ったがアロナに頼んでスマホの位置を確認して貰ったが場所はシャーレのビル内だった。
何かがおかしい、私は生徒たちに少し時間を貰いシャーレに戻ることにした。そして見つけたのは1つの封筒とそこに置かれたスマホ。私は封筒を見て驚愕する。
辞職願
そう書かれた封筒を開け中身を読む。
「先生へ、これを読んでると言うことはリオ君がアリス君の件で行動を起こしたのでしょう。結論から先に言います、私はリオ君の側に付きます。
今回の件はリオ君が正しいのか、それともアリス君を信じるのか。どちらが正しいかではないと私は思っています。アリス君がキヴォトスに破滅を齎す存在なのは確かだし、アリス君が自分の意思でそれを止める可能性だってある。どちらも正しく、そしてそれが誰も正解が分からないものだと思います。
先生はアリス君を救うでしょう、先生は生徒を思い信じるから。その思いは間違いではないでしょう。
だから私はリオ君を支えようと思います、誰かがやらないといけないことを背負わされた娘を。誰にも理解されずそれでも頑張ってきた彼女を1人ぼっちにすることは出来ない。
これはパグ崎太郎としての決断です、ただシャーレとしては問題なのでご迷惑と思いますがここに退職致したくお願い申し上げます』
「何だよ、それ…」
それを読んで私は呆然とする、太郎君はリオの事を知っていた?それを今まで黙って…いや簡単に言えることではない事は今なら分かる。1つ間違えればキヴォトスが破滅すると考えられている問題だ。
そして何より悔しかった、私はリオの事を分かってあげられなかった。だから太郎君はリオ側に付いたんだろう、彼女を救うために。
なんて私は愚かなんだ、生徒を救いたいと思って行動していたのに。それと同時に生徒を切り捨てていたのだから。
そんな気持ちを拳を握り締め振り下ろそうとした時、持っていた手紙が落ち2つに分かれたのが目に入る。
2枚目?
振り下ろそうとした手が止まり、それを拾う。そして、
『どうせ自分はダメな先生だ、とか思っていそうな先生へ。
貴方がしたい事は何ですか?貴方が描いた理想は何ですか?貴方は今何をするべきですか?
今回の件、1枚目にも書きましたがどちらが正しいかなんて誰も分からないのです。ならやらないといけない事は分かっていますよね?
確かに今回私と先生は道を違えたでしょう、ですがそれは小さい視点です。もっと大きな視点で見れば方向は同じなんだと思います。
全ては生徒のために、子供を支え導くのが大人の役目。先生もそうでしょ?
貴方はまだ何も間違っていない、間違ったと思えばやり直せばいい。そういう事ですよ。
PS生徒の事ばかり自分を蔑ろにするのはダメですよ。まぁそんな先生を私は嫌いじゃありませんけどね。』
それを読み終わり私は椅子に背もたれる。
「全く太郎君は」
頭を掻き苦笑する。
そうだまだ何も終わっていないのだ、あーだこーだ考えて悩んでいても仕方がない。決めていたじゃないか、生徒を信じるって。アリスをリオを信じる、必ず別の道がある。誰も後悔しない涙を流さない道が。それを生徒と掴み取るんだ。
だから、
「太郎君、ここまで好き勝手に言ってくれたんだ。その責任はとって貰うからね」
※※※
ゾクっ!何か寒気を感じたパグ崎です。退職願をだし推定無職…あっまだ名目上は漬物屋のオーナーか、そんな身軽?な身分になった俺が今何をしているかというと。
「これは何かしら?」
「ご飯だけど?」
「あの、アリスは…」
「目的はどうあれ、ご飯を食べない理由はないよね?」
「おかずと味噌汁は私が作りました、なぜあれほど不器用なのでしょうか?」
「パグだからだよ!」
おさんどんをしてました。リオ君側に付いたとは言え専門的な知識はないし、戦闘力は皆無。やる事といったらこれくらいしかないんだよね。
「私はそんな時間はないのだけど」
「先生達が来るまでまだ時間はあるし、それに適度に食事や休憩を取るのは効率的にもいいでしょ?」
「それはそうだけど」
そういってリオ君を席に座らせ。
「アリスにはそんな資格は」
「一緒に食べたいのは私の身勝手だから気にしない、それとも一緒に食べたくない?」
「いや、そうではないのですが」
「ならほらほら」
「あうー」
戸惑うアリスの手を引く。
「ミレニアムプライスを制覇した味、見せて貰いましょう!」
「結構ノリノリだねトキ君…」
大盛りのご飯を掲げそう言うトキ君。まぁ美味しく食べてくれればそれでいいんだけど。
こうして命を狙う者、狙われる者。従者と傍観者の奇妙な食事が始まる。
「これは!?」
「アリスにはこの美味しさを表現する言葉が見つかりません!?」
「これが中毒者すら生み出すキヴォトス最強の一角…これに行き着くにはまだ精進が必要です」
みんな美味しそうに漬物を食べてくれるのはいいのだけど、トキ君ただの漬物だよそれ。
これで何かが変わるとは思わない、美味しそうに食べてはいるけどリオ君とアリス君の間には壁を感じる。憎いわけじゃない、だけど目的を見れば敵同士。
俺がいることで原作通り進むか分からない、でも俺は決断したんだ。もしリオ君が勝ちアリス君を破壊することになっても一緒に背負うと。色彩の事を考えたこともあるけど、未来の話なのだ。来るかもしれないだけで今救いを求めて伸ばす手を払いのけるなんて出来ない。
でも願わくば、
「いつか笑って俺の漬物を食べて貰いたいものだ」
そう願わずにはいられないのである。
※※※
エリドゥの攻略は一筋縄でいかなかった。リオが用意したアバンギャルド君にアビ・エシュフを纏ったトキ、その猛攻に一時は攻略を諦める寸前まで追い込まれた。でもアリスを救うと勇気をだして一歩を踏み出したゲーム開発部とその意気込みを買い、無理に無理を重ね不可能を可能にしたC&Cの活躍もあってついにアリスの待つ部屋まで辿り着くことができた。
「認めましょう…私の負けよ」
リオに諦めさせることができた、そしてリオに言葉をかけようとして…リオの後ろにいる太郎君が目に映る。
太郎君と目が合う…ダメだ言えない。ここでリオを否定は出来ない、だってリオも好きでこんな事やっているわけじゃないんだから。
そんな沈黙の中、ゲーム開発部のメンバーはアリスの居場所が分かり走りだしていく。私もそれを追いかけようとして。
「リオ、それに太郎君。話は後でしょう」
後はアリスを起こせば、そう思っていたのに。
「これは!?」
赤く染まるモニター、そして外から聞こえる爆発音。そしてチヒロの通信が切れる、何が起こっているんだ。
「エリドゥがハッキングを受けている?」
リオの言葉に困惑する私たち、そして。
「私の個体名はKEY、王女を導く修行者」
アリスなのにアリスではない、アリスをキヴォトスを破滅に追いやる魔王にさせようとする者。それが現れリオが危機した物が正しいと証明されてしまった。
そしてリオは決断する。
「先生逃げてください、これは私の失敗。私が責任をとりシステムを止めます」
やはりリオは太郎君の言った通り優しい子だった。誰もやりたがらない事を、やらないといけないからと歯を食いしばって我慢してる子だったのだ。だけど、
「私は先生として願う、みんなの力を合わせてみんなが救われる選択をしたいと」
だから諦めない、そう決めたのだから。
『今よノア、電力を全部落として!』
『は〜い、その言葉待ってました』
突然響く声、そして消える明かり。
『リソース確保失敗』
KEYの動きが止まる、そしてそれを成したのはこの作戦に不参加だったはずのユウカとノアだった。立場上動けないと分かっていても、アリスをそしてリオの事を思い最後の最後でやってくれた2人。そのおかげで、
「あれは…アバンギャルド君にエンジニア部!」
エンジニア部がアバンギャルド君を直し反撃を始める。
そして、
「入り口はエイミとC&Cのメンバーで塞いでいるので悪しからず」
何故か現れたヒマリ。
そしてヒマリから与えられるアリスを救う手立て。
「私たちの手でデータベース深部に眠るアリスを起こすのです。そうすればこの事態を止めることができます」
そしてそれが危険な行為だと説明されても、私は。ゲーム開発部は迷わなかった、だって私たちはアリスを迎えに来たのだから。
そして私たちはアリスを救うことに成功した、アリスと抱き合うゲーム開発部のメンバー。そしてそれを見つめるリオ。
「私のした事は間違っていたのね」
そう呟く、違う。そう言いたかった、でもそれより先に。
「間違っていない、リオ君。君は間違っていないよ」
太郎君がリオ君に語りかける。
「でも」
「もしリオ君が動かなくてもいつかこの問題は起こったはずだ、先生が間に合うのかアリス君の周りに仲間がいるのか。それすら分からないんだ。君が信じ君が耐えて君が頑張った結果、先生とあの子たちはそれを乗り越え今があるんだ。だからね、リオ君」
太郎君はリオの手を握り目を見つめ。
「よく頑張ったね、お疲れ様」
そうリオを労ったのだ。
そして、
「あっ…う、うぁあああああああああああ」
リオは泣き崩れ太郎君に縋り付く。そして太郎君はリオの頭を撫でながら。
「よく頑張った、大変だったね。でももういいんだ、君の頑張りは報われた。だから我慢しなくていいんだよ」
「私は、私はーーーー」
慟哭としか言いようのない涙混じりの叫びに、私もヒマリもゲーム開発部のメンバーも声も出さずリオを見つめていた。あれほど冷静に物事を進めていたリオが今はただの少女として太郎君に抱きつき泣いているのだから。そして、そこにアリスが近づく。
「リオ…アリスもお礼を言います。リオのおかげでアリスは自分を知ることができました。アリスを仲間だと言ってくれる人たちがいる事を知れました。だから誓います、リオが頑張ってくれたことに報いるためにも。アリスはみんなが認めてくれる勇者になります、だからこれからも見守っていてください」
そう言ってリオを抱きしめるアリス。
太郎君は言っていた、今回の件はどちらも正しいと。どちらも正しいからこそ、勝ち取った側は頑張らなければならない。頑張っていた人たちに報いるためにも、そして今抱き合う2人にもう涙を流させないためにも。
※※※
と綺麗に終われたらいいのだけど、残念ながらコレは現実。現実なのです!
「太郎君」
俺をジト目で見つめる先生。いや分かってますよ、言いたいことは。でも原作を知っていると彼女を支えたいと思うのは前世の先生達の総意でもあるんですよ。
まぁパンチ1発くらいは覚悟してたんだけど。
「ハァ〜もういいよ。今回の件は私も考えさえられたからね、でもこれは処分させて貰うよ」
そう言って懐から出した俺が書いた辞職願を破り捨てる。
つまりお咎めなし、というか働いて返せってことなのね。
まぁ確かにそちらの方が助かると言えば助かるんだけど、社会的にそれはいいんだろうか?
「私が何を言っても自分にも返って来そうだしね、小言はあの子たちに任せることにするよ」
えっあの子たち?
すると何か近づいてくる起動音が聞こえる。そちらを向くとこちらに向かってくる一台のヘリ。そしてそのヘリに書かれているのは連邦生徒会の文字。
「えっと先生…」
「今回の辞職願の件、リンちゃん達がとてもご立腹でね。太郎君を確保したら連絡するように強く言明されていたんだ」
やばい何処か隠れないと、俺が後ずさりしたら。
ガシッ!
「何処に行かれるのですか、パグ崎太郎外部顧問!」
「…七神君、まだヘリは着陸してないよね?」
「無責任に勝手に辞職しようとする大人が逃げようとしましたので、飛び降りましたが何か!」
いやそんなところキヴォトスパワーを見せられても。
そしてそんな事をしてると、ヘリからアオイ君とカヤ君が降りてくる、まさか2人も来たの!?
「それではたっぷりと今回の件お聞かせ願います。先生それでは」
そう言ってリン君は俺を傍に抱え歩き出す。
俺は先生に助けを求めようとするが。
「明日は有給にしとくから、頑張ってね」
いやそうじゃねーよ!
「さて」
「パグ崎外部顧問」
「釈明を」
「「「して貰いましょうか!」」」
「ごめんなさーーーーーーい」