ゴム人間のヒーローアカデミア   作:炭酸ガム

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ヒーロー基礎学!初めての戦闘訓練

 

 雄英高校ヒーロー科の1日は、主に下記のような時間割で行われる。

 午前は必修科目、英語などの普通の授業。

 昼はクックヒーロー【ランチラッシュ】の作る一流料理を安価で頂ける。

 そして午後はヒーロー基礎学、これは戦闘訓練や救助訓練、ヒーローとしての教養など、ヒーローの素地を作るための様々な訓練を行う科目である。

 

 ルフィ達A組の面々は現在、退屈な午前の授業を終えて、昼休みに入っていた。

 ルフィ、上鳴、葉隠、緑谷、麗日の5人は食堂でランチラッシュの料理を堪能し、教室に戻って談笑している。

 

「いや〜!うまかったなぁ!」

 

「食い過ぎだろ…どこに入ってんだ…」

 

「あんなに食べても太らないなんて羨ましいよー!」

 

「はっ、そうかルフィ君は全身がゴムだから内臓もゴムのように伸びるのか、だとしたらこんなのまだまだ序の口で…etc」

 

「デクくんそれは別に分析せんでもいいと思う!」

 

 ルフィの食事量についての話や昨日の個性把握テストの話などを話していると、突然ドアが勢いよく開いた。

 

「わーたーしーがー!普通にドアから来た!」

 

「「「オールマイトだ!」」」

「「「すげー!ほんとに先生やってるんだ!」」」

 

 No.1ヒーロー、オールマイトの登場に教室は大いに沸き立った。

 オールマイトは生徒達の盛り上がりを見て意気揚々と教壇へ上がり、本日の授業内容を説明する。

 

「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!そしてそいつに伴って…こちら!入学前に送ってもらった個性届けと要望に沿ってあつらえた、コスチューム!!」

 

「「「「ヒーロっぽいのきたぁぁぁーーー!!!」」」

 

 オールマイトがコスチュームの話を始めると同時に、教室の壁が動き出し、各生徒達のコスチュームの入ったロッカーが姿を現した。

 それを見た生徒達はテンションを上げ自身のコスチュームを受け取る。

 

「着替えたら、順次グラウンドβに集まるんだ!」

 

「はーい!」

 

 

 男女に別れ更衣室に移動し、各々コスチュームに着替え、生徒達はグラウンドβに集まっていた。

 ルフィのコスチュームはシンプルだが、機能的で動きやすい仕様になっていた。

 上半身は赤いノースリーブのベスト、下半身は膝丈の青いデニムパンツを履き、伸びたり膨らんだりするのに支障がないよう、伸縮性の高い素材で設計されている。

 

 戦闘訓練の内容は屋内での対人戦闘訓練であった。

 訓練は生徒がヒーロー側とヴィラン側に別れ、2対2で行われる。

 状況設定は「ヴィランがアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている。」

 勝利条件は「ヒーローは制限時間内にヴィランを捕まえるか、核兵器を回収する事。ヴィランは制限時間まで、核兵器を守るかヒーローを捕まえる事。」である。

 核兵器の回収はタッチする事、捕まえるには捕縛テープを相手に巻き付ける必要がある。

 コンビと対戦チームをクジで決めることとなり、生徒達はオールマイトが用意したクジに順番に手を入れた。

 クジの結果ルフィの相方は推薦入学組の女子、八百万となった。

 

 第1戦

 ヒーローチーム 緑谷、麗日

 ヴィランチーム 爆豪、飯田

 

 開始早々にヴィラン役の爆豪が緑谷を強襲。

 爆豪は直撃したらあわや殺してしまいかねない、という威力の攻撃を緑谷に放ち、訓練場の一部を吹き飛ばした。

 その後も多彩に爆破を使い緑谷を追い詰めるが、最後は緑谷の捨て身の戦術にハマり、緑谷・麗日のヒーローチームが勝利した。

 モニタールームでは負傷した緑谷が保健室に行っており不在だったが、講評が行われる。

 主に推薦入学の八百万 百がオールマイトのお株を奪う形で適切な評価を述べた。

 

 第2戦

 ヒーローチーム 轟、障子

 ヴィランチーム 尾白、葉隠

 

 先ほどの1戦目とは対照的にあっさりと勝負が決まった。

 ヒーローチームの轟が開始と同時に建物ごとヴィランチームの足を凍らせてしまい、ヴィランチームは何もできずに敗北を喫することとなった。

 

 第3戦、第4戦も滞りなく進行し最終戦、ついにルフィの順番が回ってきた。

 

 第5戦

 ヒーローチーム 青山、芦戸

 ヴィランチーム 麦原、八百万

 

 クジの結果ヴィランチームとなったルフィは「ヒーローが良かった」と露骨に嫌そうな顔をして、不貞腐れながらも演習場へ向かった。

 そして演習場、仮想核爆弾の側でルフィと八百万は作戦会議を行う。

 

「麦原さんですね、八百万と申します。よろしくお願いしますわ」

 

「ああ、よろしく!ヒーローが良かったけど、ヴィランでも負けねえぞ!」

 

「麦原さんの個性は、体が伸びる個性?ですよね?私の個性は創造、大抵のものなら何でも作ることができますわ。」

 

「何でもかー!?肉も作れんのかー!?」

 

「い、いえ、生物を作ることはできませんので……ってそんなことはどうでもいいんです!相手チームへの対策を考えませんと…」

 

 (大体)何でも作ることができるという八百万の個性に、好物の肉を大量に食べることができる状況を想像して「肉が10個、肉が20個…えへえへ」とわけのわからない妄想に耽っているルフィを尻目に、八百万はヒーローチームへの対策を考える。

 

「青山さんと芦戸さんの個性は確か、レーザーと酸…どちらも核兵器の側では使用を制限されるはず…となれば核兵器のあるこの部屋で迎え撃つのが得策…」

 

 相手の個性と状況設定を踏まえ、方針を決めた八百万は、急いで個性:創造を使用しバリケードの作成を始める。

 

「そんなことしなくてもよ〜、ようするにヒーローをぶっ飛ばしゃいいんだろ?」

 

「勝利条件は、制限時間まで核兵器を守ること。相手チームを捕縛テープで捕縛すること。の2つです。

 バリケードで時間を稼ぎ、突破されてからは核兵器を背に戦い、相手が個性を使いにくい状況を作ります。」

 

「ふーん…わかった!これこっちでいいのか?」

 

 バリケードの設置が完了し、ルフィと八百万が戦闘時の打ち合わせをしていると、近くで大きな物音が聞こえた。

 核のある部屋へ続く通路に設置したバリケードが破壊されている音だろう。

 

「来ましたね!では麦原さん!あとは予定通りに!」

 

「おう!任せとけ!」

 

 すぐに部屋の入り口のバリケードが音を立て始め、吹き飛んだ。バリケードの奥から姿を現したのはヒーローチームの青山だ。

 

「ふふっ僕のネビルレーザーの前ではこんな障害物は障害にはなり得ないのさ☆」

 

「ゴムゴムの〜、ピストル!」

 

「ウィ!?」

 

 青山が姿を現した瞬間、ルフィが青山に攻撃を仕掛ける。

 その一撃を間一髪で回避した青山は、攻撃の勢いそのままに迫り来るルフィに焦り、思わずネビルレーザーを発射する。

 

「げぇ!?レーザー撃ってきたぞ!?核に当たっちまうよ!」

 

 八百万との作戦会議でヒーロー側の個性使用を制限するために、核を背にする形で位置取っていたルフィは、避けることができずレーザーに直撃する。

 

「ぐぁー!」

 

「麦原さん!?」

 

 倒れたルフィを確認した青山は、気付いたように「はっ」として、核兵器を確保しようと走る。

 その青山に、ルフィの背後に位置取っていた八百万が、鉄パイプのような武器を持って応戦する。

 

「この先へは行かせませんわ!」

 

「あたしもいるよー!」

 

 その時、部屋の外から様子を伺っていた芦戸が、チャンス!とばかりに、地面をスケートのように滑りながら核兵器へ迫る。

 

「くっ!2人相手では止めきれない…!」

 

 芦戸の手が核兵器に届く寸前、八百万が「もうダメだ。」と諦め、目を瞑った時、ふいに芦戸の体が勢いを失い急停止した。

 

「ふぇ!?」

 

「おおおおーー!!!」

 

 起き上がったルフィが腕を伸ばし、芦戸の首根っこを掴んで間一髪で芦戸を止めていた。

 そのままルフィは芦戸を自分の元へ引き寄せ、地面に叩き伏せた後に、捕縛テープで捕縛する。

 

「麦原さん!」

 

「八百万!お前な〜、レーザー撃ってきたじゃねーか!」

 

 「そ、それは申し訳ありませんわ…まさか作戦を読まれ、それを逆手に取られるとは…ですが!これで2対1、さて青山さん、どういたしますか?」

 

「ふっ…」ガックシ

 

 前方に八百万、後方にルフィ、と完全に挟み撃ちにされてしまった青山は、悟ったようにニヒルに微笑んだ後に、肩を落とし敗北を宣言した。

 この降伏をもって戦闘訓練最終戦は、ルフィ、八百万ペアのヴィランチームの勝利で幕を閉じた。

 

 

 

 「さぁ、講評だ。」

 モニタールームに戻ったルフィ達を迎え、オールマイトが講評の指揮を取る。

 

「私から、反省がございますわ。

 まず私は青山さんと芦戸さんの個性を考えると、核兵器付近での個性の使用は難しいと考えました。

 ですので他の場所での戦闘で、レーザーや酸にやられる危険を抱えるよりは、核兵器のある部屋で迎え撃つことが得策と考えました。

 そして麦原さんの個性:ゴムは物理的な衝撃への完全耐性が備わっていると伺いましたので、前衛に麦原さんを配置し、後衛の私がもしも麦原さんに当たってしまっても問題のない、投石などの遠距離攻撃で援護しながら戦うという作戦を取りましたわ。

 ですが、そもそも守るべき対象を盾にするような作戦自体が誤りでした。当然、私達も核に対しての攻撃は防がざるを得ないのだということを失念していましたわ。そのせいで麦原さんがレーザーの攻撃をまともに受けざるを得ない状況にしてしまいました。」

 

「うん、そうだね。ヴィランであっても核を危険に晒すことは褒められたことではないね。

 だけど作戦はそこまで悪くなかったよ、実際ヒーロー側の2人は個性を制限される状況を作られていたし、巻き添えを気にしないでいい援護射撃という作戦も強力だ。

 青山少年は麦原少年の勢いに飲まれ、思わずレーザーを放ってしまったんだろうが、ヒーローであるなら最優先は市民の安全!あそこでレーザーを撃ってはならなかった!」

 

「ウィ…」

 

 自覚のあるであろう青山が、オールマイトの評価を受けて肩を落としている。

 

「そして麦原少年は無闇に突っ込みすぎない!せっかく相手が個性を使いにくい状況を作れているんだから、落ち着いて戦えば時間を潰し切ることも、捕縛することもできたはずだよ。

 芦戸少女はチャンスが生まれた瞬間に即座に行動できたのは良かったね!結果的には麦原少年に捕まってしまったが紙一重だった!行動はベストだったぜ!」

 

「そうなのかー?ごめん八百万!」

 

「えへへへ、もう少しスピードがあればなぁ〜」

 

「うん!じゃあお疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我も無し!しかし真摯に取り組んだ!初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば。皆は着替えて教室にお戻り!」

 

 オールマイトは講評をそう締め括ると、急ぐようにその場をさっていった。

 

 




長セリフは難しい…
このキャラはこんな話し方しないよな〜とか考え出すとキリがないですね…
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