ゴム人間のヒーローアカデミア   作:炭酸ガム

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USJ!初めての救助訓練

 オールマイトが雄英で教師になったというニュースは全国を驚かせ、大きく話題になった。

 それによって雄英高校には連日多くのマスコミが押し寄せる騒ぎになっていた。

 そして先日、ついにマスコミ達が一線を越え、雄英高校のセキュリティを突破し中に侵入、警察を呼ぶ事態にまで発展してしまった。

 1-Aでは、その騒ぎの際の冷静かつ的確な対応が評価され、飯田が学級委員長を務めることとなった。

 ちなみに副委員長は八百万である。

 

 そんな騒ぎがありつつ、週を跨ぎ迎えた水曜日の午後、ヒーロー基礎学の時間がやってきた。

 教壇に立つ相澤が授業内容を説明する。

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトともう1人の3人で見ることになった。内容は、人命救助訓練だ。」

 

 生徒達はそれを聞き、「大変そう」と不安気な者、「人命救助こそヒーローの本分だ!」とやる気満々の者など様々な反応をしていた。

 そんな中ルフィは小さい頃に見た災害時の映像を思い出していた。

 たくさんの人々が災害に巻き込まれる悲惨な状況に、1人のヒーローが笑顔でたくさんの人を抱えて助け出してきた姿を。

 そして「そんなヒーローになるための一歩だ。」と自身を鼓舞し、授業の準備に取り掛かった。

 

 訓練場へは少し距離があるためバスで向かうことになる。

 生徒達は委員長の飯田が張り切って先導し、綺麗に整列しバスに乗り込んだ。

 バスの中で訓練場に到着するまでの間、生徒達は座席の近い者同士、それぞれの個性や救助活動における個性の相性などを話し合っていた。

 

「梅雨ちゃんは水難事故なんかでは大活躍できるよね!」

 

「ケロ、そうね、水の中は得意よ。」

 

「いーなー、俺は泳げねーからなぁ」

 

 ルフィ、麗日、蛙吹の3人は水難事故などの水中での救助活動の話になり、麗日がカエルの個性を持つ蛙吹の個性を褒めると、ルフィが泳ぐことができないとカミングアウトする。

 

「えっ!それは個性的にダメなん?普通にカナヅチなん?」

 

「わかんねぇ、水に入るとうまく体が動かねえんだ」

 

「それは大変やねぇ、克服できるならした方がいいと思うけど…」

 

「ケロ、泳ぎ方、教えてあげましょうか?麦原ちゃん」

 

「ほんとかぁー!?ありがとうカエル!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで」

 

 そうこうしているうちにバスは目的地である訓練場に到着した。

 生徒達がバスを降り、訓練場の中に入ると、様々な状況を模した演習場が、まるで某テーマパークのアトラクションのように並んでいた。

 

「ここは水難事故、土砂災害、火事、etc.……あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も、USJ(ウソの、災害や、事故ルーム)!」

 

 プロヒーローである、スペースヒーロー「13号」が施設と訓練内容の説明を行う。

 

「えー、訓練を始める前に、お小言を一つ二つ…三つ…四つ……」

 

 訓練内容の説明を終え、訓練を始める前に13号が生徒達に金言を授ける。

 13号の個性は、ブラックホール。なんでも吸い込みチリにしてしまう個性だが、その個性でどんな災害からでも人を救い上げている。

 しかし、同時に簡単に人を殺せる力でもあると言う。

 生徒の中にも同じように、一歩間違えれば容易に人が殺せるような個性を持っている者がいるだろう。

 これまでの授業で、その個性を人に向ける危うさを学んでもらったが、この授業では心機一転して人命救助の為に、個性を使う方法を学んでいこう。

「君達の力は人を傷つけるためにあるのではなく、人を助けるためにあるのだと心得てほしい。」

 と13号は語り、「ご清聴ありがとうございました!」と恭しくお辞儀をして「お小言」を締めた。

 

「そんじゃあ、まずは……。ん…?」

 13号の説明が終わり、早速訓練を始めようとした相澤は視界の端に「何か」を捉え振り返る。

 

 振り返った先には、黒いモヤのようなものがうごめいていた。

 そのモヤは瞬く間に大きくなっていき、漆黒の渦を巻き始める。

 そしてその渦の中から、顔に人間の手を貼り付けた不気味な人間が、こちら側を覗き込んでいた。

 それを見た瞬間、相澤は生徒達に向かって叫んだ。

 

「一固まりになって動くな!13号、生徒を守れ!ヴィランだ!」

 

 黒い渦は急激に大きくなっていき、あっという間に何人もの人間が通れる大きさにまで広がった。

 そしてその黒い渦から、いかにもヴィラン、という出立をした者達が次々と雪崩れ込んでくる。

 

「どこだよオールマイト…せっかく大勢引き連れてきたのにさ…

 

子供を殺せば、来るのかな?」

 

 先頭に立つ、全身にいくつもの手を貼り付けた男から放たれる本物の殺気によって、生徒たちの体が強張る。

 

「13号!避難開始!学校に連絡を試せ!センサー対策も頭にあるヴィランだ。電波系の個性が妨害している可能性もある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」

 

 相澤が即座に的確に指示を飛ばし、ゴーグルや捕縛布を用意して戦闘準備を始める。

 緑谷が、相澤の個性ではあの人数との正面戦闘は難しいと訴えるが、相澤は「一芸だけじゃヒーローは務まらん。」と言い残し、13号に後のことを任せると、単身でヴィラン達の中へ突っ込んだ。

 

 ヴィラン達は1人で攻め込んできた相澤を馬鹿にするように笑いながら迎え撃つ。

 しかし相澤はゴーグルで視線を隠しながらヴィランの個性を消し、個性を消され、混乱しているヴィランを捕縛布で拘束。

 個性を消すことのできない異形型のヴィランに対しても、高い近接戦闘能力を披露し次々とヴィラン達を行動不能へと追いやっていく。

 

「すごい…!多対一こそ先生の得意分野だったんだ」

 

相澤の強さを目の当たりにし、自分達は避難するべきだと理解した生徒達は13号に先導され避難を始める。

 しかし、避難する13号と生徒達の前に、黒いモヤの塊のような人物が立ち塞がった。

 

「初めまして。我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴、オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして…まぁそれとは関係なく、私の役目はこれ…」

 

 瞬間、黒いモヤが大きく広がり生徒達を飲み込んだ。

 

 

 

 黒いモヤに飲み込まれた後、ルフィはUSJの火災ゾーンの上空に投げ出された。

 そのまま地面に落下し周りを確認すると、クラスメイトの尾白、そして大勢のヴィラン達に周囲を囲まれていた。

 

「キタキタ!2人か、ククク…楽勝だなこりゃ…じゃ、サイナラ!」

 

 ヴィラン達はルフィと尾白を見て、ニヤニヤとしながら襲いかかる。

 

「尻尾!そっち任せていいか!?」

 

「尾白だよ!そっちこそヘマするなよ!」

 

 2人は背中合わせになり背後を守り合いヴィラン達を迎え撃つ。

 

 

 

 

「何だこいつら、よえーな」

 

「オールマイトを倒すようなこと言ってたけど、こんな実力じゃ何人集めてもそんなこと出来っこないよね。」

 

 ルフィと尾白はあっという間に周りのヴィランを全て倒した。

 そして他のクラスメイトが心配だと別のエリアに応援に向かおうと言う尾白の言葉に、ルフィは首を振る。

 

「こんな奴ら大したことねえ、あいつらなら絶対大丈夫だ。それより、あのモヤモヤのせいでみんなバラけて、まだ助けを呼べてないなら、やべーのは相澤先生だ。」

 

 自分達に当てられたような有象無象ではクラスメイト達なら問題ないだろうと考えたルフィは、自分達が分断されたせいで未だ助けを呼べていない状態で、敵の主要人物達と1人で戦っている相澤を助けに行く方が先決だと言う。

 尾白も少し考えるが、それに納得し、2人は相澤のいる中央の広場を目指し走る。

 

 

 中央の広場にたどり着いたルフィと尾白はその光景に愕然とした。

 

 脳みそが露出している化け物のようなヴィランがボロボロの相澤を組み伏せ、体中に手を貼り付けたヴィランがその姿を眺め嘲笑っていた。

 周囲はあちこちに血溜まりができており、相澤の両腕はどちらもあらぬ方向に折れ曲がっており、恐らく脳みそのヴィランにやられたのであろうと推測できた。

 

「個性を消せる、素敵だけどなんてことはないね。圧倒的な力の前ではつまりただの無個性だもの。」

 

 手を貼り付けたヴィランが指示を出すと脳みそのヴィランが相澤の頭を掴み、地面に叩きつける。

 何度も、何度も、叩きつけ、地面に相澤の頭から流れた血で水溜まりができる。

 

 その悲惨な光景にルフィは思わず飛び出した。

 

「何やってんだお前ぇぇぇ!!!!!」

 

「あ?誰だお前…」

 

 悪意がルフィに牙を向く。

 

 

 




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