首輪が外れるその時に 作:dekunobou
やるべきことがあるって素晴らしい。
おれ、ついにこの屋敷で仕事を得た。
その名もカトラリー類の管理。
あれだね、ノアくんが磨いた食器類をあるべき場所に仕舞ったり、数があってるか確認するお仕事だね。もうやることがなさすぎて気が狂いそうって直談判したら、アレンさんとヘイグさんとの緊急会議を経てようやくお仕事がもらえたのだ。
社畜時代、あれだけ会社爆発しねえかなって思ってたのが嘘みたい。
正直これだけで一日仕事になるか、と言われればならないけど、無為に時間を浪費するより百億倍いい。世の中には、労働は卑しいって価値観の、ほとんど働かない貴族もいるらしいけどおれには無理だ。アレンさんだって、「これも我が家の伝統です」って夜遅くまで書類仕事してるし。やな伝統〜。
任されたからにはおれもじゃんじゃん磨きますよ! と言ったら、それはノアくんの仕事だから手を出すなと言われた。
まあそれはそう。
下手に立場がある人って扱いにくいもんね。だからこうやって管理だけ任されたって寸法だろう。それにおれの見立て通り、これらの食器類はどれも由緒正しいヤツらしく、かなりの価値があるそうな。やってることは単純でも、責任はでかいお仕事というわけだ。なかなかいい落とし所だと思う。
おれは抜け毛防止のための手袋を直す。
そこから一呼吸おいて、ひとまとまりになった深皿を慎重に食器棚の指定された場所へ戻した。単純作業だが、結構上下の運動が多い。どうやらこのお屋敷におれよりたっぱのある人はいないようなので、ある意味適職なのかもしれない。一番上の段もヨユーよ、おれ。
そしたら最後に、扉を閉めて施錠していく。
食器類に鍵をかけることに最初は面食らった。しかし、銀器なんかは資産だし、家の格式とかにも関わるそうで、今ではちゃんと納得している。だから責任者もちゃんといて、このお屋敷ではハウスキーパーのスタンリーさんが取りまとめ役だ。
「はい、これで終わり。お疲れさまでした」
おれは管理表と食器棚の鍵をまとめて、隣に控えていたノアくんへ作業完了の報告をした。
「本日もお疲れさまでした」
おれの報告を受け、彼は恭しく頭を下げる。
これまではタバコ友達みたいな感じだったけど、お仕事となればしっかりこなす。キリッとしてると、ノアくんもなかなか様になる。フットマンって採用基準に身長とか顔があるらしいし。
ただ、シャーロットさんから蹴りを喰らってるのもよく見かける。彼女とはほとんど同期で、職歴も長いから気安い関係なんだそうだ。若い子が和気藹々としてる職場、いいね〜。
「それじゃ、スタンリーさんへの報告の前に、一服つけますか」
「いいですね! キッチンからお茶もらってきます!」
おれが締めの一服を提案すると、ノアくんは喜び勇んでお茶をねだりに行った。いわゆるノーマルな人間だけど、やっぱ犬っぽいよな、彼。
「あ、タバコ最後の二本じゃん」
んー、どうしようか。これからもよろしくってことで、ノアくんに一本あげちゃおうかな。
ついでに今後は、おれの分もタバコ買ってもらおう。この世界、女性が紙巻きタバコ吸ってるの、だいぶ印象よろしくないらしいから。悲しいねえ。
「使い魔さま! コーヒーでも大丈夫ですか?」
「ん、ぜんぜんおっけー。ありがと」
コーヒーの入ったポット片手に帰ってきたノアくんへ礼を言い、個人用のカップへ注いでもらう。
「そうだ、君にいいものをあげよう」
「え、なんでしょうか」
「おれのタバコ、ちょうど残り二本なんだよ。一本プレゼント」
薄っぺらくなったパッケージからおれの分を取り出して、そのままノアくんの方へ差し出す。すると彼は、理解できないものを目撃したとでもいうような顔で硬直した。
「よろしいん、ですか? いただいても」
彼の視線が、おれの顔とハイライトを往復する。
なんだよ、早く取れよ。
「まあ、今後ともよろしくってことで」
そう促すと、ようやく最後の一本を受け取ってくれた。
ノアくんのぎこちない所作に笑いつつ、空になったパッケージを、カーディガンのポケットへ仕舞う。せっかくだから、包装紙だけでも残しておこう。たぶんデザインや、警告文すら懐かしくなる時が来るだろうし。
「……家宝にします!」
「いや吸いなよ」
大袈裟に感動するノアくんへ。条件反射的にツッコミを入れてしまう。いやあ、ここまで喜んでくれるとは思わなかった。タバコなんて吸えば無くなるんだ。後生大事に、みみっちく味わってもつまらないでしょ。
マッチを擦って、タバコに火をつける。さあ。日本産タバコの吸い納めだ。ノアくんも最初で最後、存分に味わいたまえ。
「思ったより軽いですね!」
「こっちの、基本両切りだもんなぁ……」
すこしだけ騒がしい一服の後、業務完了の報告をするべくカトラリールームを出る。といっても目的地はすぐそこ、使用人室だ。ただ、スタンリーさんは普段の業務で不在がちだから、うまく会えれば儲けもの。
薄暗い廊下を歩きながら、窓の外へ視線を向ける。雪はこの前降って以降、そんなに積もっていない。道なんかはすっかり除雪されているし、思ったより雪国って感じでもないらしい。
……なんてことを考えていたら、廊下の向こうから足音がした。
規則正しいけど、急いではいない。ただの使用人のそれとは少し違う、存在感のある足音。
「あら、ごきげんよう使い魔さま」
曲がり角から現れたスタンリーさんが、いつもの通る声でそう言った。
彼女の両手には何かしらの帳簿。腰には重たそうな
「ちょうどよかった、これから伺うところだったんです」
「あらあら、それは手間が省けましたわね」
いつも通り、お茶目にウインクなんてしながらそう言った。
この人は本当にあちこち歩き回ってるから、探してもなかなか見つからなかったりする。それでもなぜか許せてしまうのは、こういう人柄ゆえなのかもしれない。
「カトラリー類の管理、終わりました。こちらが管理表と鍵です」
そう言って書類と鍵を差し出す。それを受け取ったスタンリーさんは、紙面にさっと目を通し、鍵は素早く腰の鍵束へ。
動作に迷いがない。毎日何十回と繰り返している手つきだ。
「問題なさそうね、ご苦労さまでございます」
そのまま帳簿を閉じて、こちらを見る。
「それと、ちょうどよかったわ。大奥さまがあなたをお呼びなの」
一瞬、何のことかわからなかった。
大奥さま。
ああ、そうだ。離れで療養中の、アレンさんのお母さん。
「今からですか?」
「ええ。体調も優れているうちに、是非お会いしたいと」
スタンリーさんがそう言うのなら、段取りはもう済んでいるのだろう。まあ、どうせこの後の予定は真っ白で、断る理由もない。
「了解です」
返事をしてから、ふと思い出す。
そういや、離れって入ったことないなぁ。
「それじゃ、ご案内差し上げますわ」
スタンリーさんはそう言って、踵を返した。使用人室とは逆方向。屋敷の奥へ続く廊下だ。
おれは慌てて彼女の後を追いながら、胸の奥に残った微かな余韻を持て余す。
仕事を終えた直後の、あのちょっとした満足感。それが、いつの間にか別の空気に塗り替えられていく。
アレンさんのお母さんと会う。
これまで彼と交わしてきた会話で、ご家族のことが話題にあがることは少なかったと思う。おれ自身、初日に地雷を踏み抜いてしまった負目もあって、あえて触れずにきた。なんともいえない緊張感が背筋を駆け巡る。
スタンリーさんの歩幅は大きくない。なのに、置いていかれそうになる。
歩くのが速いっていうより、迷いがないのだ。この屋敷の廊下を、自分の手のひらみたいに把握してる感じ。そりゃそうか。毎日現場を回してるんだから。
屋敷の奥に向かう廊下は、さっきまでいたカトラリールーム周辺より静かだった。人の気配が薄く、暖炉の匂いも遠い。石の壁が、空気を冷やしている。居住空間から離れれば離れるほど、元の砦としての性格が顔を出してくるようだ。
スタンリーさんは、ときどき振り返りもせずに言う。
「足元、お気をつけくださいまし。段差がありますので」
「はい」
返事をしながら、おれは自分の手を見た。
白い手袋柄の毛並みに覆われた両手。イザベラさんに仕えた歴代使い魔の模様が、ツギハギになった毛並み。大奥さまは、おれを見てどう思うだろうか。少しだけ、不安が胸に広がる。
廊下の突き当たりに、外へ出る小さな扉があった。
そのドアをスタンリーさんが開けた途端、冷気が顔にまとわりついてきた。湿った冬の匂い。屋敷の中の冷え方とは違う、剥き出しの冷たさだ。
アレンさんのお母さんが療養する離れまでは、石畳で舗装されていた。除雪は行き届いていて、足元も悪くない。少し考えればそりゃあそうか。お世話をするメイドさんだったり、お医者さんだったり出入りするならこれくらいするだろう。おれはドレスが汚れないよう、少しだけ裾を持ち上げてスタンリーさんの後を追う。
短い歩道を歩き切り、建物のポーチへたどり着いた。
「今年は雪が多くなりそうねえ」
「普段はそんなに降らないんですか?」
「ええ、こんなに早いうちから降ったのはいつぶりかしら」
スタンリーさんとちょっとした世間話を交わしながら、中へ脚を踏み入れた。木造の玄関ホールは母屋よりも空気が柔らかい……ような気がする。ただ、骨に染み込んでくるような冷気は感じない。
板張りの床が、きい、と鳴いた。
木は鳴くということを、今更ながら思い出す。そういえば、実家の廊下なんかはこんなふうだった。どこか生き物みたいだ。
スタンリーさんの後を追って短い廊下を歩く。そして彼女は一枚の扉の前で立ち止まった。
「こちらが、大奥さま——カトリオナさまのお部屋でございます」
「は、はい」
おれの反射的な返事に彼女は頷くと、シンプルな木製の扉をノックした。
「奥さま、スタンリーにございます。使い魔さまをお連れしました」
返事は、すぐには返ってこない。
廊下に沈黙が訪れた。どこかで鳴いている、鳥の囀りが気に触る。急に、自分の尻尾の置き場が気になった。こういう時、尻尾をどうするべきか分からない。とりあえず、右脚に沿って軽く巻きつけておく。
「……入りなさい」
扉の内側から、細い声がした。
その声を合図に、スタンリーさんが扉を開ける。おれは反射で背筋を伸ばした。礼儀とかじゃなくて、こういう場所はどうしたって居住まいを正したくなる。
通された部屋は、想像していたよりも明るく開放的だった。
窓が大きい。ガラスの向こうは灰色の空で、雪がまだらに残っている庭が見えた。小ぶりな暖炉には、細い火が灯っている。適温より、わずかに寒いくらいだろうか。病人のいる部屋って、こういうふうに温度を保つんだな、と変なところに感心する。
そして。
ベッドの上に、人がいた。
カトリオナさん――大奥さま。
ぱっと見の印象は、全体的に薄い。
存在感が薄い、というより、肉が薄い。骨と皮と布が、人型を象っているような感じ。
その中で一対の眼差しが、こちらを向いていた。
緑色の瞳。
アレンさんと同じ色。
そこだけが妙に生々しくて、おれは一瞬、喉の奥がひゅっと鳴った。動揺とか、拒絶なんかではない。ただ、気持ちが追いつかない。あまりに濃い、血のつながり。
「こちらが、使い魔さまでございます」
スタンリーさんが、いつも通りの声で言う。
おれは彼女の紹介にあわせて一礼した。深くしすぎると尻尾が持ち上がりそうで嫌だったので、ほどほどに。
「初めまして。ケイと申します」
自然と声のトーンが下がっていた。
こういう場面では、どんな声音がいいんだろうか。少なくとも、ハキハキと元気いっぱい、というのは違うかな。そんな、絶妙に場違いなことを思った。
顔を上げてみれば、ベッドの上の大奥さまは、微かに笑った……ように見えた。
唇の端が動いた気がした。でもそれが笑みだったのか、呼吸だったのか、おれには判別がつかない。
「カトリオナと申します」
小さく弱い声。声帯が震える音より、空気が擦れるような音の方が多く聞こえる。
病にふせる人の声って、こういう感じなんだな。細い糸みたいに、今にもプツンと切れてしまいそうだ。
おれは会釈で返す。
何を言えばいいのか、わからない。お見舞いの言葉? いや、今の自分は
カトリオナさんは、しばらくおれを見ていた。
いや、こちらを向いているだけのように思えた。
視線は合っているはずなのに、焦点が少しだけ奥にある。ガラス越しに触れられているだけのような眼差し。
「……あなたは、碧炎の魔女さまの」
碧炎の魔女さま。
理由もなく迷い込んだこの世界で、なにもわからず、死にかけていたおれを拾ってくれた。命の恩人であるイザベラさんの異名。
「はい。碧炎の魔女に、使い魔として仕えております。いまは訳あって、こちらでお世話になっています」
おれの言葉に、カトリオナさんは小さく頷いた。
「そう……そうね」
そこでいちど、咳をしそうになって、飲み込んだように見えた。
スタンリーさんが一歩だけ前に出かけるが、しかし踏み込まない。こういう距離の取り方が、慣れている人のそれだ。
体の前で組んだ両手が湿り気を帯びる。
どうにも落ち着かない。会話になりきらない会話がもどかしい。主題のない対話。いったいなぜ、おれは呼び出されたんだろう。ただの好奇心? それとも義務感か。
「……アレンは」
カトリオナさんが、おもむろに口を開いた。
その一言で、おれは再び背筋を伸ばした。
「……ちゃんと、眠れているでしょうか」
おれは、答えに詰まってしまった。
近頃アレンさんは、あまり眠れていないと聞いていた。夕食の後も、夜遅くまで書類仕事に忙殺されている。
しかし、今それをありのまま伝えるのも、違うように思えた。
「随分と、お忙しくされているようです。ですが、食事はきちんと召し上がっていますし……」
飯が食えてるならまだ大丈夫ってか。
いまだに、現代日本の価値観が抜けきれていないようだ。倒れたらアウトだけど、倒れてないならセーフ、みたいな。感性がブラックすぎる。
カトリオナさんは、おれの言葉に目を伏せた。
「そうですか……」
安心した声でも、仕方ないという声でもない。ただ、事実を確かめるだけのような淡白さだった。
部屋に沈黙が広がった。
おれは、咄嗟に何か言いたくなった。
どうして、アレンさんと直接お話ししないんですか?
おれみたいに、この部屋へ呼び出せばいいじゃないですか。
率直な言葉が頭の中に溢れ出すが、それを口にすることはできなかった。
噛み締めた奥歯のさらに奥、心臓の音が騒がしい。
「すみません。あまり、慣れておらず……」
何が『慣れておらず』だ。
お見舞い? 目上の人との会話? 家族の話? 全部か? 自分でもわからない。
カトリオナさんは、また少しだけ口元を動かした。
今度は、たぶん微笑みだった。
「お気になさらず」
短い言葉。
でも、それ以上を求めていない、という響きがあった。
「……あなたは」
喋るだけでも体力を使うのだろう。逡巡じみた間を開けて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……なにか、家のことでお困りごとはないですか?」
思わず唾を飲み込んだ。
また、この問いかけだ。
その問いかけは、気遣いの形をしていた。それなのに、素直に受け入れることができなかった。
おれが「使い魔」だから、こうして確認されている。そんな気がした。大丈夫か、と。困っていないか、と。不自由はないのか、と。言葉の裏側に、体裁という二文字が透けて見える。
そしてそれを口にしているのが、ベッドの上で息を繋いでいる人だというのが、また納得いかなかった。
この人にも、役目なんて放り出したくなる日だってあるだろうに。病床にあってもなお、大奥さまのまま、母のまま、家の中の
おれは、にわかに熱くなる喉元を宥めながら——。
「……大丈夫です」
絞り出すようにそう言った。
嘘ではない。けれど、本当でもない。こういう時の「大丈夫」は、便利すぎてよくない。
カトリオナさんは、また頷いた。
「それなら……よかった」
それ以上、会話は続かなかった。続けようと思えば続けられたはずなのに、続けない方が正しい気がした。
おれは乾き切っていた口の中を舌で湿らせた。
スタンリーさんが、そっと言う。
「奥さま、そろそろ……」
「ええ」
カトリオナさんは静かに息を吐いて、そして、おれを見た。
見た、というより、目を向けた。
その違いを、おれはたぶん一生うまく説明できない。
「お会いできて、光栄でしたわ」
丁寧で、きれいで、少しだけ遠い言葉。
おれは反射でまた一礼した。
「……こちらこそ、お会いできて嬉しかったです。失礼いたします」
何がこちらこそなんだろう。
でも、そう言うしかなかった。
扉が閉まる直前、カトリオナさんの緑の目が、もうおれの輪郭を捉えていないのがわかった。
胸の奥に、ざらざらしたものが蟠っていた。
* * * *
暖炉では、燠が赤く脈打っている。
炎とは到底呼べない状態でも、意外に暖かいなんてのは、こっちに来なければ知る由もなかったと思う。
おれは寝巻きの格好のまま椅子へ深く腰掛けて、暖炉の奥をぼんやりと眺めている。
『お会いできて、光栄でしたわ』
カトリオナさんが口にした、別れ際の言葉を反芻する。
こけた頬に、生気のない唇。そしてアレンさんによく似た、あの緑色の瞳。今でこそ真っ白だったが、きっと髪の色も似ていたんだろう。
——疲れ果ててしまった人だ。
不謹慎にも、そう思ってしまった。
「はぁ……」
ため息が出る。
あの人の眼は、過去ばかり見ているようだった。あの眼は、おれを写していたけれど、決して見てはいない。愛情は迂遠で、役割からも逃れられない、かわいそうな人。
ただ、そんな彼女を責める気にもなれなかった。
おれは、置き去りにした側だからだ。
糸川馨という人間が、ある日忽然と姿を消した。
電話も繋がらなければ、チャットに既読もつかない。
もしかしたら、行方不明の届出が出ているかもしれない。おれのために、いろんな人やお金が動いたりするのかもしれない。
そして、母さんと父さんが、空っぽのおれのアパートを訪れたら、どんなことを思うだろう。
いっそのこと、転生モノだったら——。
考えれば考えるほど、胸の奥が嫌な音を立ててひしゃげそうになった。
カトリオナさんは、そういった色々を、受け入れきれなかったのかもしれない。
じゃあ、アレンさんはどうなるんだろう。
残されたもの同士のはずなのに、どうしてこうぎこちなくなってしまうのか。
おれはもう一度深く、ため息をつく。
できれば、強い酒を飲みたかった。
喉の奥につっかえる、絡まり合ったモヤモヤをアルコールに溶かして、腹の底へ流し込んでしまいたかった。
2026.01.08 最終場面、独白部分の表現をより直接的なものへ改稿しました。