一般ヴェノム寄生生徒   作:ウィルキンソンタンサン

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久しぶりにヴェノムを見ようと思ってNetflix見たらカーネイジしか無かったです。エミュが上手くいってないかもしれません。

ここのヴェノムちゃんはエディにもパーカーにも寄生してないマルチバースのヴェノムちゃんです。
オリ主ちゃんと仲良く残虐な庇護者やってます。


1.We are "VENOM"

 

 

 

やぁ諸君!シンビオートって、知ってるーーー!?!!?!?

 

なんかよくわかんねぇアメーバみたいな、寄生生物なんだーーー!!!

 

寄生されるとなー!?めっちゃ腹減ったり、クソデカい化け物に姿を変えられるようになったりするんだ!!!

でもその代わりにめっちゃ凶暴になるよ!!最悪だね!!!

 

『おい、何そんな興奮してんだ』

 

「やかまし。モノローグだっつの。」

 

『ハァ?』

 

はい、皆さん見えますか!?私のこのキュートな肩から生えたタールのような蠢く黒い塊!不揃いな鋭い歯が生え、凄まじい吊り上がり方をしている真っ白な目をしたこの生物!この子がシンビオート、ヴェノムちゃんです!!!

 

この子と出会ったのは今より1年前。ちょこっと肝を試そうと思いミレニアムの禁足地へ足を踏み入れたところ、なんかカプセルに入っていたこの子に寄生されてしまったという訳でございます!

 

そこからはもう大変でした。銃弾が当たっても痛みも衝撃も感じず、四肢が黒くなって勝手に暴れまくり、最終的に真っ黒な巨体の化け物に変身して暴れ回ったり!お腹がバカ空いてレストランの生け簀に突っ込んで魚をもしゃもしゃ食い散らかしたり!!

あ、最後は変身が終わって身体の制御権が戻ってきた後の話です。暴走中はほとんど記憶無いです。

 

最終的にヴァルキューレのお世話になりました。取り調べ怖過ぎますなんですかあの犬耳の人。表情筋だけで人殺せますよ。

あ、でもカツ丼美味しかったです。どこのお店のやつなんでしょうか。

 

まぁその時は財力にものを言わせて損害賠償を支払って矯正局キャンセルしましたが。

いやぁ、あのカツ丼食べる為にもっかいデカいのやるのもアリですね。

 

まぁそんな私はお嬢様学校トリニティ所属な訳ですが。ウケる。慎ましく?お淑やかに?身体は食を求めるからね、しょうがないね。

 

さてさて、本日はそこらじゅうから銃撃音や爆発音が響いております。クロノスの報道によれば、連邦生徒会長が失踪したとかなんとか。

超人と呼ばれる連邦生徒会長がいないということはそれ即ち、キヴォトスの象徴かつこの学園都市の管理を行うサンクトゥムタワーの最終管理者がいないということですので、不良達は暴れたい放題。

 

トリニティの治安維持組織たる正義実現委員会も、非認可組織の自警団もあちこち引っ張りだこです。

 

『──おい、オレたちは腹が減ったぞ。』

 

「うーん、空きましたねぇ。」

 

そうこうしていると、身体が食を求め始めました。しかし優雅に紅茶シバいてご飯及びチョコレートを食べれる場所はございません。

周りを見渡してみましょう。そこにはいつも通り思わずため息が出るほど歴史深く趣のある荘厳な建物が並んだ美しきトリニティ自治区が──

 

あるはずも無く。

 

不良達がバカスカ撃っている銃弾。ポイポイ投げているグレネード。爆風にあおられ宙を舞うレストランの料理。

 

わぁ、地獄絵図。

 

「まぁ取り敢えず、誰のご飯が存じ上げませんが……いただきます!」

 

右腕に黒い触手状のうねうねを纏い、糸のように細くして宙を舞う料理へ射出。

がっちりと掴んで引き寄せると、そのままヴェノムちゃんが顔を出してパクリと丸呑みしてしまいました。

 

『ふーむ、62点。』

 

「あーー!なんで全部食べちゃうんですかー!?」

 

『うっせうっせ』

 

2人で半分こしようと思っていたら全部いかれた。訴訟も辞さない。

食の恨みは恐ろしいぞォ!?ヴェノムちゃんよォ!?!!?

 

『お嬢様学校の奴が残飯に手つけんなよ』

 

「それはそう」

 

しかし、お嬢様学校に通ってる人間が全員お嬢様だと思うなよ。私みたいな野生児だっているんだ。

 

だいたい、私がいつも腹ぺこなのはヴェノムちゃんのせいですからね?

寄生される前はそんな百鬼夜行で鯉釣って食べたり、リゾート地でハブ捕まえて串焼きにしたり、ゲヘナの河川敷でザリガニ取って食べたりなんてしませんでしたからね?

──ま、まぁそこら辺の砂泥底の海が大潮の時には潮干狩りとかしてましたが。*1

あ、もちろん全てちゃんと火を通しましたとも。キヴォトス人とはいえ寄生虫などなどは普通に恐ろしいですから。

 

まぁ寄生生物なら宿してますけどね!!!あっはっはっはっ!!!!

てかヴェノムちゃんは脳味噌とチョコでしか栄養摂れないじゃないですか。なんで私ばっかりこんな悪食!?!!?!?

 

『この前食ったリスの脳味噌は美味かった。アレが人間の頭くらいあったら良いんだがな。だってあんなにも……ちっぽけだ。』

 

「うるせぇ!贅沢言うな!!」

 

せっかく極北で原住民と金塊探す漫画で見た脳味噌料理を狩猟免許取ってまでやりに行ったのに……!気に入ってくれたなら良かったけど!!

 

『この前食った、セルヴェル*2だったか?あれも美味かった。だが……やっぱ人間の脳味噌がイチバンだな。』

 

人間の脳味噌だァ!?そんなんしたら矯正局行きどころの騒ぎじゃねぇぞ!?

鹿で満足しろよ!セルヴェル高かったのに!!

 

「お、おい!今の見たか!?あいつ手からなんか出したぞ!」

 

「黒いスライムみたいなのがスパゲティを食べた……!」

 

「ば、バケモンだ!」

 

さてそんな事より、ヴェノムちゃんの別に貴重ではない捕食シーンを見て、市街で暴れていたヘルメット団の子達が一斉に私達へ撃ってきました。何やら錯乱している様子ですね。

 

「いたたっ!ちょっと、乙女にバケモンとか失礼じゃないですか!?」

 

『おい小鳥!お前じゃ駄目だ、変われ!』

 

だーれが小鳥じゃ!何度でも言うけど私の名前は猛禽坂(もうきんざか)トビだっての!「オレにとっては小鳥も同然だ」ってか!?燃やすぞ!!

 

「私じゃ駄目だって!?はァーバッカにしてくれちゃってーー!!!」

 

「撃て撃て──!」

 

「クタバレバケモノメ!」

 

前方には錯乱して乱射しまくっているヘルメット団の軍勢。

私が現在所持している武器は慣れ親しんだ愛銃であるアサルトライフル、「暴食(グラトニー)」ちゃん一丁。

 

「おい!こっちだ!」

 

「あいつが報告にあった……なにやら妙なもんが出たらしいが……」

 

あ、後ろからもヘルメット団が来ました。誰かが別の隊を呼んだようです。報連相がキチンと出来るようで。

 

「ふふふ……ヴェノム先生、お願いします!」

 

『よしきた』

 

その瞬間、私の身体を背中から全体へと黒い触手が包み込み始めます。

頭には強盗で使うようなマスクのようにして、上から下へと被さり無数の歯が生えた顔が形成されました。

 

その触手はどんどんとかさを増していき、真っ黒で大柄な人型へと姿を変えていきます。

自分で言うのもなんですが、顔が禍々しすぎますね。漫画とかだったら間違いなく敵ですよ。無数に生えた鋭い歯、長い舌、つり上がった逆三角の白い目。

こんなの出てきたら怖くて泣きます。なんなら漏らします。

 

「ば、ばばばバケモノ──!!」

 

「ひぃぃぃ──!!!」

 

ほら、ヘルメット団の皆さん割りとシャレにならない怖がり方してますもん。トラウマ必至ですね。

 

投擲されたグレネードを大きな手で掴み、手の中で爆発させます。

ゆっくりと手を開けば、パラパラとグレネードだったモノが零れ落ちていきます。

 

「█████████!!!!」

 

おっと、ここでヴェノムちゃんが名状し難い叫び声を出し相手を怯ませた!続いて伸ばした触手で次々と銃火器を取り上げていく!!

 

そして飛び上がりッ!拳を地面に叩きつけた──ッ!!!凄まじい威力!地面がめくれ上がっています!!

 

近くにいた子を掴み振り回し、バットの要領で敵を吹っ飛ばしていく!流石は寄生生物、血も涙もない!!

 

「お前その実況みたいなのなんだ!ウザったいぞ!」

 

『酷い!』

 

せっかくバケモンが女子高生を蹂躙するとかいう、誰が見ても卒倒するような光景を希釈させようと頑張ってたのに……

 

『っと、スナイパーがいますよー』

 

「分かってる。」

 

後ろに振り向きながら大ジャンプをかまし、ビルから狙撃していた子を掴んで引きずり落とす。うわ、ドカーンっていった超痛そう。

 

自身も飛び降り、数人をまとめて吹っ飛ばした後1人のヘルメットが割れてしまった生徒を掴んで睨みつけるヴェノムちゃん。こわこわ……

しかしこの子、よく見れば可愛いお顔をしているではありませんか。マスク割れってやつですね、ヒーローモノでよく見たものです。……あれ?私達悪役?

 

「ひ……」

 

べろり、と長い舌で頬を舐める。

 

『ちょっとちょっと、食べちゃダメですよ!』

 

「うるせぇ、分かってる。ちょっと味見しただけだ。」

 

ならいいけど。

てかヴェノムちゃんって唾液多いよね、その子のほっぺたベトベトになってるよ。

 

と、そこで。

ヘルメットが割れ、半分顔が露出したその子は恐怖心を顔に浮かべながらも、絞り出すようにこう我々に問いかけました。

 

 

 

 

「……お、お前……」

 

「あ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前…なんなんだ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──なんなんだ、ねぇ。痛いところ突くじゃないですか。

それは今私たちも模索してる最中なんだよちくしょー。

 

 

 

人間と、シンビオート。それが一体になった存在。

それを定義付ける言葉は、きっとこの世界には存在しない。

 

がぱりと顔半分、変身が解除され私の顔が露出される。顔が半々、こういう特撮ヒーローいたよね。

いねぇか、こんなの。あしゅら男爵だろこれ。

 

それはともかく、私達は唯一無二なのだ。定義する言葉がこの箱庭(キヴォトス)に存在して、たまるかよ。

 

だから、こう定義付けることにしたんだ。

 

それは、個人を指す単語であり、私とこのアホスライム及びアメーバ野郎を指す固有名詞。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──……オレたちは(We)……」

 

『──私達は(Are)……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「ヴェノムだ(VENOM)。」』

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なん、だよ……!…それ──」

 

 

 

「いた!例のバケモノだ!」

 

「今日こそ決着をつけてやる!」

 

 

『あ、やっべ。ヴェノムちゃん、正義実現委員会だよ!』

 

「上等だ」

 

『上等じゃないよほら逃げるよ!』

 

渋々、と言った様に飛び上がりその場から離脱。指名手配…というほどではないけれど、それなりに目を付けられているらしいのですよ。

勿論ヴェノムちゃんが負けるだなんて思ってませんが、流石に母校の治安機関に喧嘩を売る訳にはいかないのです。

 

持っていたヘルメット団を投げ飛ばしほら行くどー!

逃げるんだよー!スモーキー!

 

 

 

 

 

*1
※単独で周りに人がいないポイントに行くのは絶対にやめましょう。

*2
鹿の脳味噌




ちなみにこの子は暴走中に2人くらい捕食してます。相手は悪者なうえ食い残しは奥地で発見されていないし本人含め誰も知らないので犯罪ではありません(暴論)
ヴェノムくんもお腹空きすぎてやったので覚えてません。

なので書き逃げさせて頂きます(脱兎)
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