もっと皆さんにもトビちゃんとヴェノムちゃんを好きになって欲しいので、突貫工事ですが立ち絵を描きましたです。イメージする際の参考になれば……!
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本文書いてる時タマヒュンが止まらなかったです。
では、どうぞ。
「ヴェノム。────喰っていいぞ。」
誰に対しても礼儀正しく、と育てられたトリニティの私からは想像も出来ないほど、腹の底から出た真っ黒な言葉。
私は、そう判断した。
ヴェノム。
────食事の時間だ。
女の子を優しく撫で、ゆっくりと立ち上がる。それと同時に、私の身体は徐々に黒い巨体へ変化していく。
「
「な……なんだ、こいつ!!」
「ば、ばばばバケモノだ!!」
「……バケモノ、ねぇ。オレ達からすれば、お前達の方が──よっぽどバケモノだな!」
そう吐き捨てるように言い、その強靭な拳を、圧倒的な膂力から繰り出される拳を獣の腹へぶち込む。
「グブォッ……う、ウゲェェェ!!」
びちゃびちゃ、と胃の内容物を吐き出す獣。
……汚らわしいこと、この上無い。
『ヴェノム。あまり散らかさないで下さい。』
「…あ、あぁ。分かったよ。」
ヴェノムを窘めると、言った通り蹴り飛ばしたりせずに叩き付ける方向へ戦闘スタイルを変えた。
室内に居た獣は計4匹。全て余すことなく
取り出したる道具はこちら。
さっき蹴破って外れた鉄扉〜(ダミ声)
これを…こう…縦に持って。
「こうか?」
『そうそう。あとは───
「あいよ」
言われた通りに、鉄扉を振り下ろす。
「───████████!?!!?!?」
名状しがたい叫び声を上げる獣。少々耳障りですが、まぁオスとしての、ひいては今際の最期なんです。このくらいは良しとしましょう。
『上出来です。では次を。』
「分かってるよ」
と、次の作業に移ろうと目を向けると、獣が声を出した。
「ままま、待て!お前、知ってるぞ!おおお思い出した!!アレだろ、ヴェノムって奴だろ!」
「……」
ふむ、どうやら私達をご存知の様で。まぁヴェノムは調子付くと直ぐ名乗りますからね。
「こんなバケモノの正体が女子高生とは驚きだったが……も、目的はなんだ!金か!?それならたんまりとある!!」
だから命は助けろ、と。この獣はこの後に及んで命乞いをしているみたいです。
『──どうですか?ヴェノム。』
「興味無ェ。」
『そうですか。では作業を続けて下さい。』
金なんかあったところで、何の足しにもなりはしない。腹にも……もちろん、陵辱された心にも。
「はいよ。んじゃ、おつかれ。ってか誰が化け物だこの毛玉野郎め」
「ほ、本気か…!?や、やめろ!やめ───」
鉄扉を振り下ろし、
さて、もはやこの獣達の言葉に耳を貸す価値は無い。後はひたすらに狩るだけだ。
一人一人、丁寧に余すことなく潰していく。気分は獣医……いや、叫び声の旋律を奏でる
『痛いですか?苦しいですか?訳が分からないですか?恐ろしいですか?……あの子は、お前らが感じているその数千倍の感情だった筈だ。』
気絶する事は許さない。ヴェノムの力で神経を刺激させ、無理矢理にでも覚醒させる。
恐怖故か、脱力故か、獣が排泄物を漏れ出すが……
「……!…………」
「おい、もうコイツは限界だ。これ以上は味が落ちる。」
『そうですか…。仕方がありません、食べてください。』
あぁ、と頷くヴェノム。
「や───っとマトモなメシだ…!最後喰ったのは…思い出せねぇ。もういい、いただきまーす」
大きく口を開き、一口で獣の頭部を噛みちぎる。
支えを無くし、ドッチャリと落ちる肉体。
バキ、メキ、グチャと骨を砕き肉を裂く音を響かせ、飲み込む。
すれば、みるみるうちに身体の
「……おぉ、おお!!───オレ様、復活だ!!!」
『……よかったですね。では他のも手早くお願いします。』
「分かってる!」
乱暴に地べたで転がっている
「犬でも存外美味いな」
『そうですか。』
程なくして全て食べ終わり、これで終了。
ヴェノムの変身を解き、女の子へ近付いて拘束を外す。
……あ、目隠しはそのままですよ?ちょ──っと他者には見せられない状況なので。
「──ぷはっ、はぁ…はぁっ……はぁ…」
「落ち着いて下さい、もう大丈夫ですから。」
「なにが……起きて……!」
「平気です。もう貴女を脅かす者はどこにもいません。」
着ていた上着を掛けつつ優しくそう告げると、落ち着いたのか女の子は震えを収めます。
「あ、ありがとう…どこの誰か知らないけど、ありがとう…!本当に…!」
「えぇ、えぇ。大丈夫です。もう大丈夫ですから…。」
安心からか、ポロポロと目隠し越しに涙を零した。
噎せ返る様な血の匂いの中、それでもこの子は必死に私へ感謝の言葉を紡ぎます。
……いやはや、間に合って良かった。
しかし。まだ終わっていません。
『……トビ。』
「分かってます。」
私が見たのは、複数人が連れ込まれる様子。
なのに、ここにいるのは1人。
「一緒に連れられてきた人がどこにいるか、分かりますか?」
「い、いや……目隠しされてたし、なにより他の子に気を配る余裕も……」
「まぁ、そうですよね。」
1度、深呼吸。煮えた脳を正常化させ、再び空間の流れを拾います。
…………空気が出入りしている箇所がある。換気扇か?
この部屋の四方は……普通の壁?いや、なんか薄い?
「あ、そう言えば……、連れ込まれた時に
「────ッ!!……なる、ほど。変な匂いというのは?」
「なんか、力が抜けるような……頭が真っ白になる感じの匂い……」
……くそったれ。どうか私が思い付いた代物ではありませんように───
『おいトビ。見付けたぞ。』
と、ヴェノムちゃんが告げました。なにを、と思い見回すとビックリ。
私の足元から部屋中にシンビオートを広げていました。いつの間に。
『ここだ』
そう言って、ペチペチと触手で壁を叩く。何を言わんとしているのか、そんなことはもはや聞かずとも分かります。
確かに言われてみれば──奥に空間を感じる。
「分かりました。」
壁まで歩くと、それに伴ってヴェノムちゃんは私の中へ戻っていきます。
問題の壁。それに向かって私は───迷うこと無く、蹴りを打ち込みました。
思ったよりも軽やかな感触で壊れる壁。発泡スチロール並の強度でしょうか。*1
『……隠し扉があったんだが』
「え?」
……さて、その壁*2の向こう。やはりというか、そこには通路が繋がっていました。
「あ、あの!」
いざゆかんと足を踏み入れた瞬間、後ろから待ったがかけられます。
「はい、なんですか?」
「わ、私も連れてってくれない、かな?」
………………あぁ……。確かに、こんな空間にはいたくないよなぁ……。
至極真っ当な事を言われてしまいました。いけません、やはり視野が狭まっています。落ち着かなければ……。
すう。
はあ。
落ち着いたぜ。
しかし、私の危機感知は未だ警笛を鳴らしています。連れていくのは危ないか……?いや、このまま放置する方が危ないか?
仕方がありません。連れていきましょう。
ですがこの方、肩に先程掛けた上着があるだけで他はあられも無い姿です。
元々着ていたものはどこへ、と見渡すと床に血みどろの制服らしき物。
「…………」
『……ごめん。』
拾い上げると、なんとビリビリに破かれています。まるで、無理やり引き裂かれたように……
「───ハァァァ……」
『ごめんって!』
「ヴェノムちゃんじゃ無いです……」
「……もしかして、服を探してくれてるの……?でも、ヤツらに無理やり剥がされたから、多分破れて使えないんじゃないかな……はは……」
「…………そのようですね……。」
「あと、目隠しを取らないのは理由があったり……?」
「……それは……その、少々、トラウマになりかねない光景というか……」
「……なんとなく分かります…。えっと、その、──貴方がヴェノム……なん、ですよね。」
『こいつオレたちの事知ってるぞ!』
「トリニティの最悪……ヴェノム。噂には聞いてたけど、貴方だったんですね……」
『おい!それは違う!ヴェノムはオレであって、オレたちだ!!』
「はいはい……。ヴェノムちゃん、運んであげて下さい。」
トリニティの最悪ってなんだ、とツッコミたい気持ちは我慢。
『……分かったよ。』
納得いかないと言わんばかりの口調で承諾し、シンビオートを女の子に伸ばして持ち上げる。
「つめたっ……なに……これ……?」
「気にしたら負けです。行きますよ。」
そうして、やっと私達は部屋を後にして先の通路へ歩を進めました。
「この先、かな。」
通路に沿って歩くこと数分。ある扉の前へ着きました。
この先の部屋、どうやら人がいます。しかしそれ以上に……空気が澱んでいる?
猛烈に悪寒がします。
しかし万が一、万が一があれば。
逸る気持ちを押さえつけ、慎重に扉を開くと───
「この臭い……!」
───
この鼻を突くような、脳を啄まれるような、それでいて多幸感と全能感が湧くこの匂いは!
『……麻薬、だな。』
「────!!!」
思わず、扉に拳を叩きつける。おそらく並大抵の銃火器を寄せ付けないであろう鉄扉が、凄まじい音を響かせながらくの字に曲がった。
「はぁ……はぁ……すみません、取り乱しました。」
「い、いや……。」
ストレスからか、私の黒い片翼から羽根が1枚落ちます。それを拾い上げ、くしゃりと握り潰し息を吐き、気を取り直して室内へ這入りました。
換気扇が作動していないのか、吐き気を覚える程に濃いドラッグの臭い。その部屋の奥に、3人の生徒が粗雑に転がっていました。慌てて駆け寄り、ヴェノムちゃんの力を借りて室外まで運び出し、バイタルチェック。
「脈は……安定していませんね。息も浅いです。」
『なるほどな、力づくじゃ勝てねぇから麻薬を使ったのか。』
──はぁ。まったく、この箱庭のどこからこんなものを。
「ここは空気の流れが悪過ぎる。外へ出ましょう。」
『分かったよ』
そう言って全員を持ち上げる。結構重そうです。
◇
「───よし、だいぶ安定してきましたね。直に目覚めるでしょう。」
「そ、そうですか……良かった……」
外──というかブラックマーケットから出て、現在トリニティ郊外の屋上。ヴェノムちゃんに身体を渡し、風通しの良い所を求めた結果です。
この子が裸で目隠ししてるという都合上露出プレイみたいになっているのは本当に勘弁して欲しい。服も今は買いに行けないんだ。
それに、いくらなんでもヴェノムの正体がバレるのはちょっと……
結構人前でヴェノムになってる気はしますけど。でもまだ正体はバレてないんで。セーフセーフ。
「しかし、念には念を。私は別にその道のプロな訳では無いので、病院へ送ります。」
救急救命士の資格は持ってるけどね。ですが薬物系はさっぱりです。
あそこまでの濃密な煙にさらされていたので、やはりここは病院へ送るのが吉でしょう。
「この子達とは何か接点が?」
「いや、別に無いかな……私が捕まった時にはもういました。」
なら、マジで無差別拉致だったんですね。本当に止められて良かった。
「それじゃあ病院まで送りますね。学校は?」
「あ、ゲヘナ。ごめん、一瞬だけ目隠し外して見たんだけど、制服的にみんなそうだと思う。」
「…………分かりました。ではゲヘナの病院へ送ります。ヴェノムちゃん?」
『分かった分かった』
ゲヘナと来たか。……あぁいや、別にゲヘナ嫌いな訳では無いですよ?何度か行ってますし。
ただまぁ、あそこ行くとね……周りの目線がね……。ちょっと苦手です。
羽が生えてるってだけで風当たりが強いんですよ。黒い上に片翼なんだから実質悪魔族認定で許して欲しい。
しかし、思えばヴェノムの状態で行くのは初めてか?どういう反応になるだろうか。ゲヘナだとイメージ的に馴染みそうですね。
あと目隠し外してたんかい。視線は感じなかったからこっちは見てないんだろうけど。
と、ヴェノムちゃんに身体を明け渡し、皆さんを抱えて移動する準備をしていると──
『───見付けたぞ!ヴェノム!』
「おっと、こいつらは──」
『……正義実現委員会!』
正実のヘリが数機ビルの周りに現れました。
いや、最悪なタイミングで来てくれましたねぇ!?
『ビルの屋上に化け物がいると通報があったから来てみれば……お前だったとはな!』
『あーちょっとちょっと、そんな刺激しないで下さいっす……』
「誰が化け物だ!」
『噛み付かないで下さい!?』
『しかも…………』
そこで一旦言葉を区切る。
なんだ、何が言いたい!
『学生を裸に剥いた挙句目隠しして何をするつもりだったんだ!!!』
「……」
『……』
「『誤解だぁぁぁぁあ!!?!?!?』」
『問答無用!死ね!!!』
『あぁ、終わった……すみませんっす委員長……』
こちらの弁明に聞く耳持たず、ヘリのガトリングをガトガトと撃ってきます。
『あーあ、もうめちゃくちゃですよ。ヴェノムちゃん、逃げますよー』
「あぁ!?なんでだ!?オレたちは何も悪い事してないだろ、むしろ感謝状を貰ってもいいくらいだ!」
『ヴェノムちゃん、私達は賞賛される為にあんな事をした訳じゃないですよ。ただ食事する為に行ったんです、後は正実に任せましょ。』
「………………わかった。」
渋々、と言った感じでヴェノムちゃんは頷きました。ほんだば、正実が介入出来ないブラックマーケットにトンボ帰りしましょーね。
『あっ、待てコラ!!!逃げるな卑怯者!逃げるなァァァ!!!』
そうして、正実の皆さんに見送られながらビル伝いにブラックマーケットへ逃亡。
あ、そう言えば私のブレザー、あの子に貸したまんまでしたね。トリニティの指定ブレザーって数少ないんですよねぇ……購買にあるでしょうか。
と、ほとぼりが冷めるまで大人しくするがてら、ゲヘナの
『……ヴェノムちゃん、ちょっと』
「なんだ?」
私のセンサーに気になるものが引っかかりました。
ビルに引っ付いて静止。反応した方へ向くと────カイザーグループ傘下の、銀行。
その近くに、色とりどりの頭をした学生の集団がいました。見ない制服ですが……1人、トリニティの制服です。なぜトリニティのお嬢様がこんな所に……?*3
それともうひとつ。
長身の白いコートを着たスーツの方がいます。それに加え、ヘイローがありません。
────大人、です。
『少し会話を拾ってみましょう。気になるので。』
空気の流れを読む力の応用で、会話を拾います。私ってハイスペですね?
「──先輩、ここは例の方法しか。」
「なるほど、あれかー。あれなのかぁー。」
「……えぇっ?」
「あ……!!そうですね、あの方法なら!」
「何?どういうこと?……まさか、私が思ってるあの方法じゃないよね?」
「……。」
ふむ。あからさまに何か企んでますね。
「……あのピンク頭、強いな……」
と、集団を注視していたヴェノムちゃんが呟きました。
ピンク頭って、あのちっこいのでしょうか?
えぇ?まさかぁ。全然幼女じゃないですか、あんなのほほんとした顔しちゃってまぁ。
「お前、重要な所で鈍いよな。」
『はぁ──?どういう意味ですかねぇ!?』
「う、嘘っ!?本気で!?」
「……あ、あのう。全然話が見えないんですけど……「あの方法」って何ですか?」
トリニティの子が困惑気味に集団に尋ねています。ほう、どうやらあの子は色とりどりの集団とはそこまで関係が無いみたいですね。
「残された方法はたった一つ。」
そう自信満々に言って、銀髪でオオカミのような耳が生えた子が懐から何かを取り出し、頭に被りました。
「銀行を襲う。」
「はいっ!?」
……っ?……!?……っっ!??!?
い、いま、なんて言いました?銀行を襲う?おそう?
困惑する私を他所に、集団は次々と覆面を被りだし遂にはトリニティの子まで何故か紙袋を被りました。
1歩引いた所から見ていた大人は肩を竦め、そして最終的に胸を張り──
「”銀行を襲うよ!”」
……そう、発言した。
『どう、思います……?』
「どうもこうも……銀行ってあれだろ?色んな人が自分の金を預ける場所だろ?そこを襲うって、半分犯罪だろ。」
『半分どころか全分犯罪ですよ!?』
「駄目じゃねぇか!!」
そうこうしているうちに集団は意気揚々と銀行へ乗り込み────
銀行内の電気が消え、真っ暗に!そして窓にシャッターが降りて行きます!!
やっべ、やってますよあれ。銀行強盗の現場見るの初めてです。
「オレたちは残虐な庇護者だ。……行くぞ、小鳥。」
『まぁ、止める理由もありませんね。食べちゃダメですよ?』
「あぁ、今はハラいっぱいだ。」
そうして、私達は銀行へと飛び移りました。
ここすきとか感想とか評価とか……助かるっス!
ちなみにトビちゃんは基本そんな戦闘力が高い訳では無いですが、キレると豹変してめっちゃ強くなります。
でも自分がやると歯止めが効かなくなるのが分かっているので、そういう時はだいたいヴェノムちゃんに任せています。
アンガーマネジメントができるお嬢様の鑑……!
なので逃げさせていただきます。バハハイ