クロスオーバー短編集:コンパスストレイドッグス   作:ぎんすた

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お久しぶりです。暫く更新サボっててすみませんでした!!
サブタイ通り、敦くんが蓮のコープを解放する話。

蓮の立場がいつもと逆の立場になったら…という発想から生まれたお話です。
暖かく見守っていただけると幸いです。

未だにハーメルンの投稿機能慣れないな…。


敦が蓮のコープを解放する話

 

 

「一撃で決める!!」

 

 バトルアリーナ、ステージがsilver feetでのとある一戦で、僕はポータル防衛を放棄してCポータル付近の階段で、アルセーヌを召喚したジョーカーと一戦を交えていた。

 

 僕は彼のダメカが切れた隙を狙い、半分になったHPを回復するため始龍を叩き込む。

 

 

 

「甘いな!」

 

「……!」

 

 しかし、僕の手は読まれていたようで、ジョーカーは始龍を華麗に避けながら、攻撃時に発生する硬直の隙を見て周囲フルークを僕にぶちこもうとした。

 

 

 

「簡単には吹き飛ばないよ!!」

 

 だけど、僕はイェーガーで何とか吹き飛ぶのを防いだ。ダメージが更に半分に減ったけど……もうヤバい……! 

 

「やはりそう来たか!」

 

 やっぱり、こちらのイェーガーのCTが上がってたのを知っていたのか、ジョーカーは対して驚いてなかった。

 

 でも、彼は確かもう周カノのCTが上がってる筈。これ割られたら死ぬぞ……。

 

「割らせるかぁー!!!」

 

「一掃する!!」

 

 そう思った僕が、もう一枚の始龍『理想という病を愛す』を切るのと、ジョーカーが僕の予想通り『狛枝凪斗』を切るのは同時だった。

 

 

 

「え」

 

「なっ……」

 

 僕のガードが割られ、ジョーカーのHPも削られる。その瞬間、互いのHPがゼロになって僕達はナタデココとなり、リスポーン地点に帰される。

 

 そして、その瞬間に試合終了の合図が鳴り響いた。

 

 因みに試合結果は僕達が争っている間に、アダムさんとソーンくんの二人がCを守ってくれていたので、僕達のチームが勝った。

 

 僕は試合中ポータルは守ってはいたけど、ずっとジョーカーと戦っていたので、盤面の管理は二人に任せる結果になった。

 

 

 ────────────────────ー

 

 

切り札と虎

 

 

 

 試合後僕達3人は、控室で反省会を行った。そこで僕は二人にポータル防衛をほったらかして、ジョーカーとの勝負につきっきりになってたことを謝った。

 

 

 

「すみません……アダムさん、ソーンくん……。ずっと二人にポータルを守ってもらう結果になってしまって……」

 

「お陰で勝てたので、大丈夫ですよ! 

 

 ジョーカーさんとの対決、僕も近くで拝見させて頂きましたが、とても見応えありましたよ!」

 

「俺達他4人も終盤、試合放棄してお前達の勝負を見てたからな。おあいこだ。

 

 むしろ、放置してたら後々厄介になるジョーカー殿を止めてくれていただけでも、お前は大きな仕事をしている。挽回は次の機会にやればいい」

 

「ありがとうございます……!」

 

「こちらこそですよ! 僕も敦さんに助けられてること多いですし!」

 

 ユーリエフ兄弟二人のフォローに僕は頭を下げるしかなかった。

 

 

 

「失礼する」

 

「あ、蓮!」

 

 そこに、ジョーカーもとい蓮が挨拶しに僕達の控室にやってきた。

 

 蓮は怪盗服姿から私服姿に戻っていて、雄々しかった雰囲気もいつものほわっとした雰囲気に戻っている。

 

 本当にさっき対峙していた相手とは思えないくらい、ギャップがある。

 

 

 

「……! 3人で話してたのか。急に入ってきてすまない」

 

「いや、大丈夫だよ。反省会してただけだし」

 

「反省会か……俺達もさっき反省会を終えたところだ。

 

 お前との勝負に夢中になりすぎたことに関しては、二人に釘刺されたけどそれ以外はお咎めなしだった」

 

「それはよかった……」

 

「もし、またお前とタイマンできる機会があったら、次は決着をつけよう」

 

「わかった。次は負けないからな」

 

「それはこっちのセリフだ。失礼した」

 

 蓮は軽く会釈をして、控室を出ていった。

 

「……蓮さんもお咎めなしでよかったですね!」

 

「敦、タイマンをやるならケルパーズを引いたときに思いっきりやれよ」

 

「わかりました……」

 

 

 

 そういえば、蓮ってどこであんな戦闘力や怪盗としての技術を身に付けたんだろう。

 

 ある意味異能者で、学生やりながら異空間で怪盗をやっていたって聞いているけど……。学生と怪盗を両立しながらどうやって磨いたのか僕は興味があった。

 

 

 ──────────────────────ー

 

 

 反省会を終えた後、解散して僕は蓮の部屋に遊びに行ってみることにした。

 

 カレーとかはよくごちそうになるし、蓮が僕の部屋に来たことはあるけど、逆に僕が蓮の部屋に遊びに行ったことはなかった。

 

 アポを取ってみたところ、いいよって言われたのでお菓子を持って彼の部屋に向かっている。

 

 因みに、僕の部屋と蓮の部屋は近い。

 

 蓮の部屋ってどんな感じなんだろ。

 

 

 

「蓮、僕だよ。入っていい?」

 

『敦か、どうぞ』

 

 扉の前につきノックをして入っていいか確かめた後、僕は扉を開けて中へ入る。

 

「失礼しまーす……」

 

 扉を開けると目の前には木製の階段があり、それを数段上がって部屋へと上がった。

 

 

 

「屋根裏……?」

 

 蓮の部屋は一言で言うと屋根裏部屋みたいな感じで、少し埃っぽく、秘密基地を思わせる雰囲気だった。

 

 かなり使い込まれたような作業机やアナログテレビ、アンティーク調のソファーがより秘密基地ぽさを強調している。

 

 何故かベッドがビールケースにマットレスを敷いただけの作りになっているのは気になるけど……。

 

 こういうのが好きなのかな? 

 

 

 

「こういうのも悪くないだろ。コーヒー入れたから飲むか?」

 

「ありがとう!」

 

 少し進むと、テーブルにコーヒーを二人分用意していた蓮がソファから立ち上がって出迎えてくれた。

 

 僕は隣に座り、テーブルにお菓子を並べた後コーヒーを口にした。

 

 

 

「このコーヒー、飲みやすくて美味しい! カレーだけじゃなくてコーヒー作りも得意なの!?」

 

「ああ。前に教わって、よくみんなに淹れている」

 

「それって、どうやって教わったの?」

 

「俺の面倒を一時期見てくれていた人が喫茶店のマスターをやっているんだ。

 

 その人がコーヒーとカレーを極めていて、教えて貰った」

 

「喫茶店?」

 

「事情があって、喫茶店の屋根裏に住んでたんだ。

 

 ここに来るときに、より良い解析結果が取れるようにという理由で、自分が一番落ち着く部屋を作ってもらえるって聞いて、せっかくだからVoidollに頼んで再現して貰った。

 

 敦が社員寮の部屋を再現して貰った様に」

 

「えっ!? てっきり趣味かと思った!!」

 

 僕はこの部屋の隠れた事情に驚いて、持ってたコーヒーを落としそうになった。

 

 慌ててキャッチしたけど、溢れたら大惨事だ……。

 

 

 

「最初は俺の趣味じゃなかったんだけどな……。

 

 慣れたら愛着が沸いた。住めば都って言うだろ?」

 

「住めば都か……。僕がヨコハマの街を好きになったように、君はその部屋を好きになったんだね」

 

「そういうところだ」

 

 コーヒーを飲んでお菓子を食べながら、僕と蓮は話し込んだ。お互いの思い出話とか沢山話した。

 

 こうして話してみると、僕達結構まともじゃない人生を送っていることがわかり、お互い苦笑いした。

 

 

 

 ──────────────────────ー

 

 

 

 蓮が巻き込まれた事件は、多分ギルドの事件と肩を並べるくらいか、それ以上に規模が大きい事件だった。

 

 精神暴走事件に廃人化……。それに悪神との戦いに、人口知能絡みの改心事件……。

 

 もし僕達の世界で起きてたら探偵社やマフィア、特務科でも手に負えなかったかもしれないくらい規模が大きい。僕はそう感じた。

 

 

 

「冤罪に、世界の運命をかけた戦いとか、蓮も波乱万丈な人生送ってるんだな……。

 

 偽物でも神に挑むとかスケールが段違いすぎるよ!」

 

「お前も大概だぞ、敦。

 

 70億の懸賞金かけられたり、飛行船の上で戦ったり。

 

 俺達も指名手配されたけど、あそこまでの懸賞金はかけられなかった」

 

「逆に指名手配される高校生って、どの世界探しても君達くらいだよ……。

 

 あと、こういうの聞くのってあんまりよくないって気がするけど……冤罪かけられたことって今はどう思ってる?」

 

 すると、蓮の目線が少し泳いだ。地雷だったかな……。

 

「ごめん……触れてほしくない話だったかな……」

 

 そう思っていると、蓮が口を開いた。

 

 

 

「いや、そうでもない」

 

「……!」

 

 そして、そのまま僕に話してくれた。

 

「……正直、助けたのに裏切られたし、警察もまともに捜査してくれなくて、絶望した。

 

 それが原因で警察は今でも一部を除いて、信用していない」

 

「……!」

 

 僕はその言葉に絶句した。

 

 

 

 警察の人達全員が腐ってる訳じゃないってことは、僕と蓮も知っている。

 

でも、その中に腐った人達がいるせいで冤罪を背負わされたとしたら……僕でも警察に対して信用を無くすと思う。

 

 

 

「イグニスさんが来たときに彼と距離を置いていたのはそのせいだったんだな……。今は普通に仲良くやっているぽいけど。

 

正直僕も冤罪を背負わされたってなったら、僕も確実に警察を恨んでるな」

 

「まぁな。でも今は冤罪がちゃんと証明されたし、俺に冤罪着せた奴に引導を渡せたから今は気にしていない。

 

 それに、イグニスは信用できる刑事だ。

 

 まぁ……冤罪着せられた上に、転校を命じられて東京に来てなきゃ怪盗団なんてできなかったし、コンパスにも呼ばれなかったからな。

 

 笑えない話だが」

 

「だけど、その過去があるから自分がある」

 

「皮肉な話だな」

 

「そうだね。

 

僕、君がどうしてあんな戦闘力を身につけられたのか気になってたけど、なんとなくわかった気がするよ」

 

「それはよかった」

 

 

 

 あんなことがあったからこそ、彼は怪盗として、強くなれたのかもしれない。僕ももっと強くならなきゃ。

 

 

怪盗……? 

 

 

「……!」

 

 すると、僕の中にあるアイデアが浮かんだ。

 

 蓮が磨いた怪盗としての技術……。

 

もしかしたら探偵社の仕事にも、戦闘にも役に立つかもしれない。

 

 

 

 怪盗じゃないけど潜入任務だってあるし、奇襲が上手く行けば有利を取れる。

 

しかもその怪盗本人がいるなら、直接教わることはできないだろうか。

 

僕はそう思った。

 

 

 

 僕は一か八か、蓮に今思ったことを伝えてみることにした。

 

 

 

 

「あのさ……蓮」

 

「どうした?」

 

「急にこんなこと頼んで申し訳ないんだけど、蓮が磨いた怪盗としての技術。僕にも教えてくれないかな?」

 

「……!? なぜ?」

 

 僕の突然の頼みに蓮はビックリして、思わず体を反らした。

 

 僕はそんな彼に話を続ける。

 

 

 

「僕、ここに来る前は探偵社で働いてたのは話してたでしょ。

 

 武装探偵社は普通の探偵社と違って荒事を取り扱う仕事が多くて、潜入任務だってある。

 

 もしかしたら怪盗としての技術をそれに応用できたら、潜入捜査の精度も上がるかもしれないって思ったんだ」

 

「そういえば、武装探偵社は異能組織だったな……」

 

「あと、僕自身も強くなりたい。

 

 身に余る力は間に合ってる……。だけど、技術か経験はまだ全然なんだ。

 

 だから、君に教えて欲しい。奇襲のコツとか」

 

 僕は、真剣な目で彼に訴える。

 

 蓮は後ろを向いて暫く考えた後、こちらに向き直り口を開いた。

 

 

 

「……いいよ。俺でよかったら怪盗のノウハウ、色々教えてやる。

 

 但し、条件がある」

 

「条件?」

 

 怪盗のノウハウを教える為の条件。それに僕は首を傾げた。ただで教えてくれる訳じゃなさそうだ……。

 

「俺がお前に教える条件として、対価が欲しい。これは取引だ。一方的に教えるだけじゃ、俺にはメリットがあまりなさすぎる」

 

 

 

「取引?」

 

 取引……。その言葉で僕の中に緊張が走る。

 

 取引なんて初めてだ。どんな条件を要求されるのか僕が身構えている中、蓮は話を続けた。

 

「俺は誰かと取引したときに、何かを受けとる代わりにその人に対して何かをしてきた。それは、今でも変わらない。

 

 お前にできることでいいんだ。俺にも何かしてくれたら教えてやる」

 

 僕にできることか……。僕が蓮にできることって何だろう……。

 

 

 

 ……! そういえば、蓮って料理得意だったよね! でも、あれを作ってる姿見たことないな……。

 

 

 

 そう考えた時、僕の中であるアイデアが浮かんだ。

 

 

 

「あのさ、お菓子って作ったことあるかな?」

 

「お菓子か……。簡単なものならあるけど、クレープとかのスイーツとかはあまりないな……」

 

「……! 丁度よかった! ならさ、その対価としてクレープとか、色んなスイーツの作り方教えてあげるよ! 

 

 道具とかあれば簡単だし、カレー料理とかにも応用できると思う!」

 

「……なるほど、そう来たか。なら言葉通り、俺が怪盗のノウハウを教える代わりに、お前がスイーツの作り方教える。これでいいか?」

 

 僕の出した案に、蓮は笑いながら傾いた。

 

 これで良いのかどうかはわかんないけと、僕にできる範囲の見返りはこんな感じかな。

 

 

「ありがとう! それでいいよ! 取引成立だぁ!」

 

「ああ」

 

 

 僕と蓮の間に取引が成立した。

 

 その時、頭に一枚の赤いカードと、この取引成立を祝おうとする少女の声が響いた気がした。

 

 

 

 ──────────────────────ー

 

 我は汝 汝は我……

 

 汝、ここに新たなる契りを得たり

 

 

 契りは即ち、

 

 迷い足掻き、壁を打ち破らんとする反逆の翼なり

 

 

 我《愚者》のアルカナの生誕に祝福の風を得たり

 

 未来へと至る、更なる力とならん

 

 

 COOPERATION

 

《愚者》雨宮蓮 RANK1

 

 GET ABILITY

 

 潜入道具のレシピ&潜入の心得

 

 潜入道具の作成が可能となり、レシピが開放され、先制攻撃時のダメージがUPする。

 

 

 ペルソナの力を育てる人間関係

 

《愚者》コープが解禁した! 

 

 

 ──────────────────────ー

 

 

 

 何か聞こえた気がしたけど、気のせいかな? 

 

「とにかく……これからよろしくね。蓮!」

 

「こちらこそ。早速だけど、試しにキーピックでも作るか?」

 

「いきなり!? 上手くできるかな……?」

 

「大丈夫、作り方ちゃんと説明するから」

 

 

 とりあえず僕はキーピックの作り方を教わって、キーピックを何本か作って蓮の部屋を後にした。

 

 

 キーピックは初めて作ったけど教わった通りにやったら、ちゃんと使えるレベルの物ができた。

 

 器用さが磨かれた気がする……! 

 

 

 ──────────────────────ー

 

 side 蓮

 

 敦との取引が成立した。

 

 いつもと感じる力が違うのは気のせいだろうか……。

 

 このコープは新たな可能性をもたらしそうだ。

 

 ──────────────────────ー

 

 

 

 蒼い監獄の中央の机の前に立つ、監獄の色と同じ群青の服に身を包むプラチナブロンドの降ろした髪をたなびかせる少女『ラヴェンツァ』は、ペルソナ全書に宿った悪神との絆の《愚者》とは違う、敦との取引成立によって出現した新たな《愚者》のアルカナを見て、新たな発見をしたと言わんばかりの表情でこう呟いた。

 

 

 

「中島敦……白紙の文学書への道標となる存在。

 

 そしてトリックスターと同じ、愚者のアルカナを持つ者……。

 

 彼との契りを得たようですね、マイトリックスター。

 

 ただ今回のコープはいつもと違い、貴方の彼に対する好感度がどれだけ上がるかにかかってるようです。

 

 つまり、いつもとは逆の立場に貴方はなったということ。

 

 これも、トリックスターと同じアルカナを持つ故……彼が特別な存在だからなのでしょうか? 

 

 このコープの行方は全て中島敦、彼にかかっています」

 

 ラヴェンツァはペルソナ全書を閉じ、今は誰もいない、目の前の扉のない牢獄を見つめていた。

 

 

「中島敦……貴方はこの取引で何を得ることになるのでしょうか。何れ貴方に訪れるかもしれない破滅の危機……。

 

 それは嘗て、怪盗団が乗り越えた危機と通ずるものがある。

 

 今は本来の時間とは分岐して、未だ破滅の危機からは遠退いています

 

 ですが、何れは本来とは形を少し変えてやってくる……。

 

 このトリックスターとの取引は、貴方の選択次第では破滅の運命を変える分岐点になり得るかもしれません。

 

 本来の時間とは違った運命になるのか……それとも……。

 

 それは貴方次第です。

 

 逆転の鍵は仲間との絆。そして、定められた物語に抗う反逆の意思。

 

 貴方の旅路が最悪の方向へと向かわぬよう……今は祈るしかできません。

 

 

 

 どうか……ご武運を」

 

 

 

 彼女の祈りは誰にも届くことなく、ただこの蒼い監獄の中に響くのみだった。

 

 

 

 ──────────────────────ー

 

 

その後……

 

 

 side蓮

 

「アツシと取引したぁ!?」

 

「ああ」

 

 敦が帰った後、俺はモルガナに彼と取引を交わしたことを話した。

 

 しかも、取引内容は嘗てモルガナが教えてくれたことを今度は俺が敦に教えるということなので、それを聞いてモルガナは遠い目をしていた。

 

 

 

「しかも、内容が前にワガハイがお前に教えたことじゃねーか。

 

 アツシのやつ、なんでワガハイじゃなくてお前に聞くんだよ」

 

「あの時、モルガナいなかっただろ。

 

 それに敦とはここに来る前のこと色々話したし、その中で彼は自分が強くなるために、力を貸して欲しいって俺に頼んできた。

 

 敦は探偵社の人間だけど……それ以前に友達だから、友達の想いは無碍にしたくなかった」

 

 

 

「友達を大切にするのはいいが……それにしても、アツシのやつ、探偵社の人間なんだろ? 

 

 本来、怪盗を捕まえる側として追いかけてる筈の探偵社の人間が、強くなるために怪盗に頼るのはどーなんだ?」

 

「いいんじゃないか? 探偵社もマフィアと共闘しているっていうし、怪盗と取引しても問題はないはずだ。

 

 それに、探偵社と怪盗団に対立する理由はない。

 

 弱者を助けるという志は同じだ。

 

 寧ろ……何れ探偵社と手を組むことができれば、これ以上に心強いことはない」

 

「探偵社を味方につけるって……お前正気か!?」

 

 探偵社との共同戦線……。俺が告げた敦との取引の先にある真の目的に、モルガナは目を丸くする。

 

 

「確かに、探偵社は強力な奴らが揃ってるし、同盟を組むことができれば、お互い強力な戦力を味方につけてwinwinな関係になる。お前の言いたいことはわからなくもないが……。

 

 だが、ワガハイ達以上の曲者揃いだから、実現できるかどうかも怪しいぞ!?」

 

 

 

 モルガナの言う通り福澤社長や乱歩さんはともかく、特に国木田さんは説得が難しそうだ。

 

『怪盗の力を借りるという予定は、手帳に記されていない』と言うのが容易に想像できる。

 

 でも、太宰さんとのやり取りを見ている限り意外とチョロいか? 

 

 社長や乱歩さんも俺達と組むことにメリットを感じれば、承諾してはくれそうだが……。

 

 与謝野先生とは……危険な取引を交わすことになりそうだ。

 

 何故、異能がアレだからな……。

 

 

「だけど、実現できなくはないだろ? そのためにも、まずは敦との取引を成功させる」

 

「怪盗のイロハを教える代価がスイーツの作り方って、ワガハイどうかとは思うけど……。

 

 自分でスイーツを作れるようになれば、女子の好感度は上がりそうだし、悪くない取引か……? 

 

 お前が決めたから、ワガハイはこれ以上なにも言わないぞ」

 

 この取引は、今までと少し違うかもしれない。

 

 

 

 この契りが何れ敦に訪れるかもしれない、破滅の未来を変える為の鍵の一つになるのは……まだ先の話だ。

 

 

 

 ──────────────────────ー

 

 

 敦side

 

 

 〜♪ 

 

「ん? 電話? 蓮から?」

 

 帰って自分の部屋に戻った後、蓮から電話がかかってきて僕は出ることにした。

 

 

「どうしたの? 蓮?」

 

『敦、今日はありがとう。お陰で有意義な時間を過ごせた。

 

 キーピック、初めてにしては上出来だったぞ』

 

「ありがとう。蓮の教え方が上手いおかげだよ。とてもわかり易かった」

 

『それは何よりだ。まずはキーピックからだけど、お前の頑張り次第では教えれることがどんどん増えていくと思う。

 

 容赦なくいくけど、ついて来れるか?』

 

 

 うーん……

 

 

 お手柔らかに……

 

 →自分で決めたことだから、ついていくよ

 

「それに、僕が強くなるためだから」

 

『そのいきだ』……♪♪♪ 

 

「うん、これからよろしくね!」

 

『ああ、また時間のある時に頼む。じゃあ、また』

 

「うん!」

 

 ピッ

 

 

 蓮からの好感度が少し上がった気がした。

 

 

 

 ──────────────────────ー

 

 

 

おまけ できることがどんどん増えてく敦くん

 

 

 

※台本形式、会話のみ。

 

 コープランクがある程度上がった頃の話。

 

 

 

 与謝野「敦のやつ、最近キーピックやら爆弾やら自作できるものが増えてないかい? 妾達にも分けてくれるから、ここぞという場面で助かってるけど」

 

 

 国木田「最近だとスタンガンとかも作ってたな。あと、隠密行動も上手くなっている」

 

 

 谷崎「隠密行動も上手くなった上に、奇襲もよくやるようになりましたよね。

 

 任務でどうしても敦くんの力が必要になって戻ってきてもらった時に、物陰に隠れてから「正体を見せろ!」と言いながら敵に先制攻撃して、こちらの有利を作りやすくしてくれたり……。

 

 あの技術、どこで覚えたンでしょうか?」

 

 

 乱歩「簡単でしょ。蓮じゃない? 最近一緒にいるとこよく見るし」

 

 与謝野「成る程……心の怪盗団のリーダーからの直伝ってなら納得が行くねぇ。

 

 あの坊や、なんの目的で敦にああいうの教えてるのかは知らないけど、キーピックに爆弾の作り方を教えるなんていい趣味してるねぇ」

 

 

 国木田「しかし、探偵社の人間が怪盗に教えを請うってどうなんだ……。今は友人であるとしても、本来は場合によってはお互い敵対する立場なんだぞ。何故彼に……」

 

 乱歩「大体予想はつくけど、大方蓮の能力に目をつけた敦が教えてくれって頼んだんじゃない? で、その対価として、お菓子の作り方とかを彼に教えるっていう取引とか交わしてるんでしょ。

 

 蓮の方もゆくゆくは、僕達となんらかの取引を交わすことを目指してるんじゃない? 例えば、僕達と同盟を組むとか」

 

 国木田「俺は反対だな。幾ら敦が信用している相手とはいえ、怪盗と手を組むとなると社の信用問題に関わる……」

 

 谷崎「僕は彼等と組ンでみたいですね。探偵社の戦力としてスカウトしたい人材が揃ってますし、特に蓮クンはペルソナを付け替えて能力を変えられるっていう話ですし、敵の手に渡る前に仲間に引き入れるのもアリだと思います。

 

 みんな個性が豊かだから、より賑やかになると思いますよ!」

 

 与謝野「妾も賛成だ。

 

 改心の力は野放しにしたら厄介だし、いっそのこと取引して、対等な条件で同盟組んだらこっちも楽だ。ペルソナの力も気になるしねぇ。

 

 何より、妾達と志は同じみたいだ」

 

 乱歩「心の怪盗団と武装探偵社の同盟……。面白そうだけど、そう簡単には辿りつけないよ。

 

 

 

 

 

さて、君はどんな手段で僕達の心を盗むつもりかな? 雨宮蓮

 

 

 ──────────────────────ー

 

 

 その頃……

 

 台所で夕飯準備中の蓮 。

 

 クシュン! ←蓮のくしゃみ

 

 

 蓮「……! 誰か噂してるのか……?」

 

 敦「蓮、準備手伝うけど何かすることある?」←夕飯まで暇なので手伝いにきた。

 

 蓮「……! 敦か。ああ、手伝って欲しいことがあるんだけどいいか? 今日は餃子にしようと思ってて、少しでも人手が欲しいところなんだ」

 

 敦「餃子!! いいよ! 僕も含めてみんなめちゃくちゃ食べるから、どうせ沢山いるだろうし。

 

 ついでにチャットで他にも手伝える人募ろうか?」

 

 

 蓮「助かる」

 

 

 敦「大丈夫だよ、このくらい。蓮のお陰でできること増えてきたしね!」

 

 

 

 蓮「じゃあ今日は講義のメニュー増やすか?」

 

 

 

 敦「有り難いけど、変なのはやめてよ」

 

 

 

 蓮「善処する」

 

(さっきの噂……まさか乱歩さんか……? 

 

 矢張、こちらの意図も見抜かれてるかもな。だが、承知の上だ。

 

 貴方達の心、何れ頂戴してみせますよ)

 

 




文字数エグいな…

ラストのおまけは乱歩さんには蓮くんの目的も見抜かれてるよって話。
勿論、蓮くんも簡単にいかないのは承知の上です。

何れ協力関係になるといいなぁ…。
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