レビノイド=人類の希望
「オマエに力を与えよう」
暗闇の中から微かに聞こえる男の人の声。
俺は空を見上げ、手を伸ばした。
そして…目の前が真っ白に…
「ジリリリリリリリリ!!」
「…俺は空に…またこの夢か。」
男は敷布団から転がり出ると、勢いよく起き上がり、
私服に着替えた。
「今日は日曜、外は晴れで気温は…ゲッ、31℃かぁ…なんか面白いのしてたっけ。」
男は冷蔵庫からスティックパンを引っ張り出すと、包装紙を破り捨てて、咥えた。
リモコンを拾い上げ、テレビの電源を入れた。
そして、2時間ほどテレビから離れなかった。
「あーあ、俺も変身とかして、正義のヒーローになれればなぁ…」
すると、スマホから着信が…
男はスマホを手に取った。
「…もしもし?おっ!フーくん!突然どうしたんだ?ま、まさか、また俺から金を借りるんじゃ…」
「真騎さぁ…俺はそんなやつじゃ無いんよな…実は話したい事があるんだよな~。
ま、続きはいつものとこでさ。」
「はいはい、…って今から?」
「あったりまえよ〜」
男...真騎は溜息をつき、電話を切ると、スマホをポーチに突っ込み、肩に掛けた。
「よっし!」
勢いよく扉を開け、真騎はいつものところへ向かった。
いつものところ(ファミレス)に到着。
「真騎〜!」
「フーくんみっけ。ところで、話したいことって…?」
フーくんはにっこりとしてテレビの画面を指した。
TV「こんにちは。私はイージスの社長及び代表取締役の秋原と申します。」
「秋原って…フーくんとこの社長じゃ?」
「ふふふ…まぁみててみてて…」
TV「私たちは、近頃の異星人騒動を受け、我が社では対異星人装備の研究を進めてきました。
…完成しました。」
テレビを見ている一部の人たちがざわめき始めた。
TV「対異星人装備レビノイド
この地球を邪悪な異星人から守るために各警察署長に預けています。」
「異星人騒動は確かに問題になってるよな…フーくん?まさかこの事だけじゃ?」
「いやまさか!まぁ、まずは借りてた700万円、、、」
フーくんは分厚い封筒を真騎のポーチに忍ばせた。
「おーん…」
「まぁまぁ、もう少しテレビの画面を見ててよ」
テレビ画面には女性アナウンサーが映っていた。
TV「では、開発者の園風凛さんのインタビュー映像を…」
「なるほど。」
真騎は水を飲み干すと颯爽とファミレスから出ていった。
「さっすが俺〜…真騎?真騎〜?」
フーくん…風凛は注文したオムレツを一口食べ、
「ごちそうさま!」とレジに札を置いて真騎のあとを追った。
「待ったぁぁぁぁ!!」
そういうと真騎の肩を掴み、ポケットからベルトを取り出した。
「どうやってそんなデカイの入れたんだよ…」
「あー、俺の技術力だな!うん!と・り・あ・え・ず!これ…護身用に1個あげる!
本当は一般人にはあげちゃだめだけどさ、いままでのお礼と思って受け取って!じゃ!」
「フーくん!?ちょっと!待っ…」
風凛はすたこらと何処かへ行ってしまった。
「あの野郎…捕まったら絶対道連れだからな…」
グチグチ言いながらも素直にポーチにしまい、銀行へ向かっていった。
そして、銀行の入口。そこには警備員が1人。
(...流石に銀行の警備員までは付けてないのか。)
警備員の腰をチラ見しながら銀行内に入った。
それから、数分後。
お金を預けた真騎は建造物の影を踏むようにして今住むアパートに帰って行った。
夜。
真騎は冷蔵庫の中からちょっと芽の生えたジャガイモやみりん,半分残った人参を取り出し、
芽を取って軽く洗うととりあえずな感じで鍋に放り込んだ。
「あとは牛肉ねぇ...残ってたっけな。」
再び冷蔵庫に向かい、ガサゴソと奥へと堀り進める。
すると、茶色く変色した生か焼か分からない肉が出てきた。
「うわぁ…」
鼻を近づけなくてもするすっぱい臭い。
トレーから牛肉を取り出し、そのままゴミ箱に投下した。
「これは誤算だったな...」
真騎は壁掛け時計を見た。
「まだ7時か。よし...」
そして、颯爽に靴を履くと金を握りしめ、自転車でスーパーマーケットへと向かっていった。
それから...
「492円です。」
「はい、ぴったりちょうど」
「少々お待ちください...」
真騎はスマホを見て、時間を確認。
7時12分
真騎はほっと息を吐き、レシートと牛肉を受け取ると走ってスーパーから出て行った。
自転車に乗って帰っている中、信号が赤になったため止まった。
信号の待ち時間、コンビニ前を見ると10代の若者が5,6人ほどが屯していた。
(早く帰らねぇと襲われるのにな...)
信号が青になると真騎は自転車のペダルを思いっきり踏んで前進した。
...それから数分後、突然自転車のタイヤがパンクした。
「こんな時に限って...あーもう。」
仕方なく、手で押して帰ることに。
パンクした場所は建造物の光はほとんどなく、月の光と自転車のライトだけが道を照らしていた。
真騎は空を見上げ、金色に輝く満月を眺めた。聞こえるのは虫の声と草木のなびく音だけ。
そんな中、月の前を青白い光が横切った。
「流れ星?」
真騎は足を止めて再び空を見上げると、幾つもの流れ星が夜空を駆け抜けている。
そして真騎はあることを願った。心の中で。
「こんな時間に何をやってるんだね」
「えっ?」
驚いて前を見ると、そこには一人の警官が。
「まったく、けしからんぞ。ちょっとついてこい。」
いきなり腕を掴まれた。
真騎は動揺を隠せず、警官の手を振り払ってしまった。
そして、警官の腰元を見た。
「早く帰るんで...」
真騎は自転車を置いて警官から逃げるように今住むアパートを目指して走った。
(あの警官...もしかすると...)
死に物狂いに走る真騎。
そして…
「おわっ...!」
「大丈夫か?ケガは無いかい?」
ぶつかったのは警官。彼の腰元にはしっかりとレビノイドベルトが付いていた。
「よかったぁ...」
「こんな時間に一人でいるのは危ないからね。僕が家まで守ってあげます。」
警官は真騎の横に並んだ時、正面から先ほどの警官が自転車を持ってやってきた。
「ひどいじゃないか。自転車を置いて逃げるなんて。」
するとその警官は突然、自転車を地面に叩きつけ正体を露わにした。
角の生えた刺々しい姿。頭はドクロの様になっており、右手がやけに大きく、
人間の赤ちゃんを鷲掴みできるほどの大きさだ。
「さっそく異星人か...大丈夫、君は守るから安心してね。」
警官は腰のベルトの持ち手を横に引っ張り、180°回転させた。
するとベルトから放出されるレビノイドは、警官を包み込んだ。
そして銀色の光を放つと、警官は銀色に輝く剣を手に持っていた。
「なんだァ?最近の地球人は変身ができるのか。」
異星人は真騎の目の前まで迫った。
「この青年に手出しはさせません!」
警官は剣で異星人の手首を切断した。
「グォアアアアアアアア!?」
異星人の手首から溢れ出す青色の血。
そして、異星人はあっという間に倒れた。
「死んだ...のか?」
「おそらく死にましたね。回収部隊を呼びますか...っ゛」
警官は背中から刺され、レビノイドは崩れ落ち、警官は動かなくなった。
「俺はなァ…ホカーとはちげぇんダよなァ?俺はバロス星人エルデ!
地球星人ごときがタイマンで勝てるわけねェダろがよォ!にしてもォ...」
右手に生えた棘を滴る警官の血をエルデは舐めまわした。
「やはりウマいなァ...さァて、次は君の番ダァ...」
エルデは棘から警官を抜き取り、真騎の目の前に投げつけると棘にべっとりと付いた血を
コンクリート塀に擦り付けた。
真騎は慌ててポーチから...
(...やばい、今はアパートに...なんでこんな時に限って!!)
真騎は目の前に転がっている警官の亡骸から銃を取り外した。
真騎の手が震える中、エルデはゆっくりと近づいてくる。
「なァ、1つ取引をしようゼェ?...そうだナ。俺の計画を手助けすれバ、君の命だけは保証。」
「へへ...嫌なこった。」
真騎はエルデの頭部目掛けて発砲した。
「そんナもので...俺の頭蓋に穴を...」
しかし、弾の軌道は大きくズレた。そして首のど真ん中に命中した。
エルデは大きくのけぞり、その場にうずくまった。
真騎は銃を投げ捨て、うずくまるエルデの横を通ろうと走った。
すると、エルデは突然動き出し真騎の両脚を斬り落とした。
「...っあぁ!」
痛みに耐えながら咄嗟に受け身を取った。
そのため、服は傷つき、全身かすり傷だらけに。
それでも生きる為に大声で助けを求めた。
しかし、誰も何も来ない。
「あーあ...すナおに俺の取引に同意していればナァ...」
ゆっくりと、真騎の両脚を持って迫りくるエルデ。
真騎は這いずりながら逃げ続ける。
「...もう飽きたナァ。」
エルデは高く飛び跳ね、真騎の背中を踏みつけた。
「があぁっつ!!」
「すぐに楽にしてやるねェ。安心しろ、この星はいずれ...」
「ォォォォォォオオオオオラアアアアアアア!!!」
叫び声が聞こえた瞬間、エルデは突き当りのコンクリート塀を貫くまで蹴り飛ばされてた。
「あぁもう我慢できねぇ!おい地球の!大丈夫か!?」
しかし、返事がない。
「よくもヤってくれたなァ??」
「もう起き上がるのかよ...!しゃーねー...ちょっと体借りるぜ!」
謎の生命体は液体となり、真騎の体に纏わりついていく。
そして、鎧のようになっていく...
両腕のエネルギーブレイドがサファイア色に輝き、夜道を照らす。
「ナんだァ?合体かァ?自ら始末の手間を省いてくれるナんてねェ...」
「本当はこんなヤツ無視しても良かったがな...俺は頼まれたら断れねぇんだよなぁ!」
「はァ?まァいい…血祭りにあげてやるよォ。」
すると、エルデの左手が棘状に変形した。
「俺の真似か?へっ!このアルター様を超えるなんて不可能なんだよ!!」
バロス星人 エルデ
身長 183㎝ 頭部に生えた角,腕を骨剣に変形させることのできる
など変形が得意な異星人。地球人が信頼できる人物に
体重 137㎏ 変身し、立場などを利用しながら多くの人々を
喰らって生きてきた。凄まじい再生能力を持つが、
その分弱点も多いことが彼らにとってはネックだ。