ダグノロフの呼び出した剣山窟。
その場所で仮面ライダーノルンとウッドライスレビドはダグノロフとぶつかり合う。
ウッドライスレビドはヒゲを取り外し2つを重ね合わせる。
ウッド「安直だが...ヒゲブーメランッ!!」
投げたヒゲは空気を斬り裂き、ダグノロフへと直進する。
ダグ「ここは俺にとって有利な場所だと気付かんか?」
ダグノロフが剣を1本だけ構える。
すると、刃に赤いモヤが...
そのモヤは剣が振り下ろされた瞬間刃から離れ、ヒゲブーメランの直進する高さに留まった。
ヒゲブーメランが赤いモヤに触れた瞬間、モヤは固体化。その軌道を伝いウッドライスレビドの顔面に直撃した。
ウッド「な、なんだぁ??」
固体化した何かはじわじわとウッドライスレビドの顔面に馴染んでいく。
無理やり自身の爪で引き剥がそうとするも斬れるだけで全く剥がせない。
N「遠くから攻撃するヤツにはこの赤いのが対処するというワケかぁ?」
ウッド「真騎さんはこの変なのをとってくださぁい!」
N「この人間、マキと呼ぶのか。なるほ...なんで俺の名前を知ってるんだ...?」
仮面ライダーノルンの意識がノルンから真騎へと移り変わった。
ウッド「アルターから聞きましたよ!」
咄嗟に嘘をついた。
それを聞いた仮面ライダーノルンの意識が再びノルンに戻り、その手でウッドライスレビドの顔面に張り付いた赤い何かを引き抜いた。
赤い何かにはヒゲのような根っこが付いていた。抜かれてから1秒もしないうちに散り散りになり消滅。
ダグ「そんな余裕、見せて大丈夫ですか?」
振り向けばすぐそばに顔が切り替わったダグノロフ。
N「俺様の力がこの『爪』だけだとでも?」
「ガキュッ!!」
缶に穴の開くような音が響く。
ダグノロフが自分の胴体を見ると、仮面ライダーノルンの尖爪が胴を貫いている。
ダグ「あぁ...まさか貴様がもう2本の腕を隠していたとは...!!」
仮面ライダーノルンの肩甲骨辺りからは尖爪の伸びきった手が生えていた。
貫かれた胴からは濃くドロドロとした赤い血が流れ、地面に重油のようにゆっくりと零れ落ちる。
N「んふふふふ...俺様にも考える能はあるんだぜぇ?」
ダグ「...だが、俺にもまだ策はある!!」
ダグノロフのすべての剣の刃に赤いモヤが現れた。
ダグ「あまり俺を舐めるなよ?」
6本の剣が仮面ライダーノルンに襲い掛かる。
ウッド「(また爪が抜けないのか?しかし、今度は6本すべて。私の爪では防ぎきれん。
なら、怪人の肉体を犠牲にするか?いや、まだ捨てるわけには...いや、これなら!)」
ウッドライスレビドは先程弾かれたヒゲを拾い上げ、ダグノロフ向かって投げつけた。
ヒゲは風を斬り、ダグノロフの左面の目にぶつかり落ちた。一瞬怯んだ。
しかし、ダグノロフの腕は止まらない。そのまま剣の刃が仮面ライダーノルンの脳天に触れた瞬間。
仮面ライダーノルンは何事も無かったかのようにウッドライスレビドの側に立っていた。
ダグ「!!!」
ウッド「い、いつの間に??」
N「俺様の爪はサメの歯のようにすぐに抜けて、すぐ生え変わる。
そして、テメェの身体に残った俺様の爪はテメェの肉体を斬り刻む!!」
すると、ダグノロフの胴に刺さっている爪に亀裂が発生。
次の瞬間、爪が砕け散る。その破片がダグノロフの剝き出しの肉体を斬り裂いた。
混沌色だった胴は気付けば深紅に染まっていた。
その時、ダグノロフの首が右に120°回転した。
ダグ「抹殺。」
ダグノロフは6本の剣を同時に擦り合わせる。
研ぐように。
完全に無の表情へと切り替わったダグノロフ。
ゆっくりと歩み寄り、仮面ライダーノルンに向かって液沸涯を放った。
N「なんだそのへなちょこな波動は?俺様にとっちゃあそのくら...」
仮面ライダーノルンの意識に先ほどの真騎の記憶が流れ込む。
アルターが液沸涯を受け、弾ける散る記憶...
ダグ「俺は...ダグノロフ!!テメェをブチブチに斬り殺してやらぁ!!」
じわじわと迫りくる死の斬波動、液沸涯。
その恐怖は瞬時に視覚を通じて真騎に伝わった。
この波動に触れれば訪れるは死のみ。
しかし、燃え盛る復讐心がノルンと真騎の原動力と成る。
ダグ「鉄屑が...」
液沸涯の速度が急上昇し、仮面ライダーノルンに突撃していく。
ダグノロフが6本の腕を広げた。同時に液沸涯が分裂し、四方八方から襲い掛かる。
仮面ライダーノルンは4本の腕の爪を赤く光らせ、地面に突き刺しその周辺の地面を爆破させた。
舞い上がった塵がダグノロフの視界を奪う。
ダグ「この程度の目くらましなど...」
ダグノロフは回転し竜巻を起こし、塵を上空へと吹き飛ばした。
視界が戻った時、液沸涯は消滅しており、
居たのは地面にしがみつき上空を見つめるウッドライスレビドだけだった。
違和感を覚え上空を見上げると、空から赤い何かが降ってきている事に気付いた。
ダグ「俺の嵐を見越していたとは。だが、甘い。」
ウッドライスレビドがダグノロフを見た時、
その口からは禍々しい霧状の何かが溢れ出していた。
ウッド「(一体何をするんだ...?)」
ダグノロフの6本の腕と剣がアンテナのように広がった。
霧状の何かが地面に触れた時。
6本の腕はプロペラのように回転し、その口からは黒い稲妻の走る光線が放たれた。
その光線は降って来る赤い何かに命中し、大気圏を突き破った。
5秒ほど放たれた後、腕の回転は止まり光線も次第に細くなり止まった。
ウッド「(私には到底理解の出来ない力...まさか、このバケモノは...別次元の存在なのか?)」
ダグノロフの首が右に120°回転した。
そして聞こえる枯れたような笑い声。
ダグ「どうした?恐いか?」
その面には喜びと狂気が満ち溢れていた。
ダグ「この日だけで金属生命体を2匹も殺れるとはな。今頃サルヒムも地獄で復讐をしているだろう。」
ウッド「な、なんだ?私を殺すのか?」
ダグ「当たり前だ。貴様は俺の邪魔をし、鉄屑を助けようとした。この意味が分かるか?」
ウッド「共犯者と言うのか?」
ダグ「答え合わせは地獄でだ。」
ダグノロフが剣を構えた。
しかし、ウッドライスレビドはダグノロフの頭の上をじっと見つめた。
一歩進んでも、剣を素振りしてもウッドライスレビドは見つめ続ける。
ダグ「まさか、まだ生きているのか?」
堪らずダグノロフは上空へと面を向ける。
ダグノロフがこれが罠だと気付いた時にはもう遅かった。
落下する仮面ライダーノルンの4本の尖爪がダグノロフの両眼に突き刺さったのだ。
ダグ「グギャアァァァァァァ!!」
ダグノロフは悲痛な叫び声をあげ、自らの手で2本の尖爪を目から引き抜き、
脈打つごとにバクバクとドロドロした鮮血が目から流れ出す。
突然の出来事に面を下に向け、首を左に120°回転させた。
ダグ「目が...貴様ァ...」
面が変わり、視界が切り替わる。
その時に足元の地面の不自然な亀裂が目に入り、亀裂に向かって剣を突き刺そうと腕を振り上げた。
瞬く間に地面が割れ、そこから仮面ライダーノルンが飛び出す。
N「ウオォォォォラァ!!」
その尖爪はダグノロフの腕を突き破り、両目に突き刺さった。
それでも振り下ろされた剣を残りの尖爪で弾く。
そして仮面ライダーノルンは勢いをつけ、ダグノロフの目から尖爪を引き抜いた。
ダグ「ングゥゥゥ...俺の...俺の目が!!何故だ、何故生きている!!」
N「俺様とひげちょちょとの作戦の結果だぜ?」
ウッド「私の側に来た時、私は彼に話したんです。
『このバケモノの目だけは人間と大して変わらない』と。
そして、彼に塵を使い視界を悪化させました。
そのとき、お前は彼が地面に潜ったと気付けておらず、
風を起こし塵を退かしたことで『目だけは人間と大差ない』ということが確信に変わりました。」
N「上空に飛んだ俺様の爪はテメェの光る目目掛けて飛ばしたモンなんだけどな。
風のせいで空高くに飛んだんだぜ?でも、ひげちょちょの誘導のお陰でテメェの両目にズドーン!」
ウッド「さて、これでかなり戦い易くなったはずです。一気に畳みかけましょう。」
ダグ「この俺がサルヒムと同じ道を辿るのか…!有り得ぬ...有り得ん!」
ダグノロフは首を左に120°回転させた。
ダグ「断罪。」
面が変わり、視界が切り替わる。
すると、ダグノロフの口から禍々しいモヤが溢れ始めた。
それと同時に6本の腕を広げ回転を始めた。
ウッド「ヤツは光線を放つつもりだ!気を付けろ!」
N「なんだと!?」
ダグ「創地 。」
黒い稲妻の走る混沌色の光線がダグノロフの足元に向かって放たれた。
地面に触れた瞬間、地面は風船のようにだんだんと膨れ上がる。
ウッド「(何故地面に向かって光線を?)...!」
ウッドライスレビドは察した。
ダグノロフがこの空間ごと自分たちを消し去ろうとしていると。
ウッド「(脱出手段も無ければ助かる方法もない。ここで真騎を消し去っては萩斗を止める希望が...なら...)」
N「ひ、ひげちょちょ?」
ウッドライスレビドは仮面ライダーノルンを担ぎ上げ、遠くへ遠くへと走っていく。
ウッド「(即死だけでも防げれば上等。とにかく、ヤツから遠くへ。遠くへ...!)」
10秒でダグノロフから500mは離れただろうか。
地面は限界を迎え、爆発した。
衝撃波が一瞬でウッドライスレビドと仮面ライダーノルンに襲い掛かる。
凄まじい勢いで吹き飛ばされ、気付けば2人とも地面に打ち付けられていた。
N「ひげちょちょ!生きてるか??」
ウッド「えぇ、私は大丈夫です。あなたは?」
N「俺様はピンピンしてるぜ!しっかし...」
ウッドライスレビドが仮面ライダーノルンの向く方へ振り向く。
そこには浅いが隕石がぶつかったとしか思えないほどの巨大なクレーターが形成されていた。
ウッド「即死はまのがれはしましたが...どのようにして元の空間に戻りましょう?」
N「んふふふふ...俺様の爪は万能でなんでもできるんだぜ?だから、空間程度...」
そう言って仮面ライダーノルンは尖爪で空間をひっかく。
しかし、実際はただ虚に爪を通してるだけ。
N「あれ?流石に空間は斬れないか?」
仮面ライダーノルンが試行錯誤している中。
ウッドライスレビドはクレーターの中心部をじっと見つめていた。
ゆっくりとクレーターの中心部の砂埃が収まってきた。
そして見えたのはこちらに回転しながら迫ってくる何か。
ウッド「何か来るぞ!」
N「マジ?マジで言ってんの??ってうわっ!」
突然地面が揺れ、地表の一部が吹き飛ぶ。その拍子に2人はクレーターの中に落とされた。
N「一体何が起こってんだよぉ...」
今度はクレーターの周りの地面が盛りあがってゆく。
轟音をたてながらまるで1つのステージのような空間が形成された。
ダグ「これが俺のファイナルステージ。」
ダグノロフの声がクレーター内に響き渡る。
仮面ライダーノルンの目の前でダグノロフが高速で回転している。
N「また光線を放つのか!?」
ダグ「答え合わせは地獄でだ。」
ダグノロフの回転速度が上がっていく。
竜巻が発生し、砂埃が2人の視界を奪う。
ウッドライスレビドの目にはダグノロフが上下180°ひっくり返る様子が見えた。
しかし、さらに砂埃が舞いあがり、何も見えなくなってしまった。
地面を掴み、耐える2人...
ダグ「見せてやろう、俺の!!」
竜巻が上空へ砂埃を吹き飛ばした。
そして、ダグノロフの真の姿が2人の目に飛び込んだ。
N「回ってる?」
ウッド「まさか...『コマ』なのか?」
ダグ「これこそが剣独魔人ダグノロフの本気だァァ!!」
コマの姿となったダグノロフは頭を軸に剣の刃を回転させ、仮面ライダーノルン目掛け襲い掛かる。
クレーターの斜面を思うがままに回り、盛り上がった大地の壁に弾かれるも勢いは消えず回り続ける。
半径400mにも及ぶ巨大なステージをわずか4秒で往復する姿。
まさにダグノロフにとっての独壇場だった。
N「速いぞコイツ!」
音速を超える速度で動くダグノロフは縦横無尽に暴れ回る。
通り過ぎる度に響く笑い声。
仮面ライダーノルンとウッドライスレビドにはどうすることも出来ない。
N「んふふふふ...なら、俺様とぶつかる瞬間に爪でバラバラにするのみ!」
ウッド「無謀だ!よせ!」
ウッドライスレビドは忠告した。
が、仮面ライダーノルンの考えは変わらなかった。真騎の声も届かなかった。
暴れ回るダグノロフの軌道を見つめる。笑い声が遠くなったり近くなったり...
N「来た!うおおおおらあああ!!」
ダグノロフと衝突した。
仮面ライダーノルンの尖爪が先にダグノロフの胴に触れた。
...しかし
「バギャビガガガガ!!」
回転する刃に尖爪はバリバリに砕かれ、仮面ライダーノルンは100m先の大地の壁に叩きつけられた。
弾け散る石と金属片は宙を舞い、雹のように地面へと落下した。
N「俺様は...まだ...!!」
仮面ライダーノルンの変身が解除された。
ノルンは一言も発さずバタリと倒れ、真騎は血を吐き地面に膝をついた。
そしてノルンはメモリの中へ消えて行った。
ウッド「助けねば...」
致命傷を負った真騎の姿を目撃したウッドライスレビドの心が揺らぐ。
心の中の悪魔と天使が顔を出す。
・・・
(このまま見殺しにしろ。萩斗を信じる人間など生かす価値もない。)
(助ければ彼はきっと私を信じる。それに彼も萩斗に騙されているんだ。)
ダグノロフは180°横転し、阿修羅のような形態に戻る。
(もし私を信じないなら?萩斗を好き勝手させることになる。いいのか?それで。)
(ここまであのバケモノと戦う中、互いに助け合ってきたんだ。これは彼を味方にする最後のチャンスなんだ。)
気付けば私の側を歩き、真騎に近づいてゆくダグノロフの姿。
・・・
騎「...君は?」
ウッド「すまない...真騎。」
・・・
数分前...教会の中。
太陽の光が教会のステンドガラスを通り、アルターの胸のコアを照らす。
コアが翡翠色に輝いた時、アルターの手は力強く拳を作り出した。
鼓動がアルターの肉体に広がった時、その瞳はカッと光った。
A「まだ...俺は...!!」
アルターの脳裏に響き渡る今まで出会ってきた仲間たちの聲。
そして、アルターの意地...またアルターを願うその声が黄泉との境界線を突き破った。
O「アルターならこうなるって分かってましたもの。」
A「オルロス...!?またお前に助けられたな。」
O「そうですね。それにしても、アルターは良い人と仲良くなれましたね。」
A「マキの事か?...マキの身が危ない。」
アルターは走り、教会の扉を押しのけて行く。
扉が開けられた時、いつもより西日が輝いて見えた。
そして、メモリからの光を目印に飛び立った。
O「アルターがこんなに明るくなって...1年ぶりかしら...」
?「こんな活き活きとしたアルター久しぶりに見たよ。」
教会前の植木から声が聞こえる。
オルロスは植木に向かってほほえみ、教会の中へ戻って行った。
?「やっぱり入れてはもらえないのネ...」
植木はため息をついた。それでも植木は、アルターの向かう光の先を見届けた。
・・・
光の先へと向かいしばらくして...
アルターは真騎の家の前まで辿り着いた。
そこには真騎たちの姿は無かった。
芝生は焦げたように奇妙な枯れ方をしており、その真上の雲だけ黒く渦を巻いている。
A「一体...マキはどこに行っちまったんだ?」
ガ「私は彼らが空へ一直線に吸い取られていく姿を見ましたよ。」
A「ガトン!良かったお前は無事だったのか!なら、あの中のマキたちを助けに行く!」
アルターは渦目掛け、光の如く飛び立った。
しかし、謎の透明な壁に阻まれ地面に跳ね返された。
体勢を立て直し、ゆっくりと大地に足を踏み込むアルター。
ガ「貴方の力だけではあの渦の中には入れないでしょう。」
A「じゃあどうすんだ!マキもあのひげちょちょも中に居るんだぞ!」
ガトンは小さなその手から豆粒サイズの石ころを生み出し言った。
ガ「私のこの少ない力で、渦をこじ開けます。だから、アルター。貴方はその隙に渦の中へ。いきますよ。」
ガトンの手から放たれた石ころは弾丸のように空気を貫き、上空の渦へと直進していく。
そして、透明な壁はガラスのように砕け散った。
A「行ってくる。俺の魂を賭けてでもアイツを止める。」
大地を踏みしめ、アルターは高く飛び立った。一瞬青い光がアルターを包む。
割れた隙間を越え、アルターは雲の渦の中へと姿を消した。
渦の中はまさに嵐だった。
強風で石や砂が吹き荒れ、アルターの装甲を叩く。
A「(待ってろよ、きっと助けるからよ...!死ぬんじゃねぇぞ!)」
轟音と共に嵐のような場所を越え、荒廃した世界のような場所の上空に辿り着いた。
目の前には巨大な闘技場のようなフィールドが広がっている。
その光景に茫然としていた時、アルターのセンサーが反応した。
A「マキ...それと...金属生命体...?」
アルターは反応のする方へと一気に近づく。
そして見えてきたのは岩陰でぐったりとしている真騎の姿。
A「...!まさか...」
地面を叩きつけるように急降下したアルター。
「ダン!」と降り立ち、真騎の元へと歩み寄る。
A「マキ!大丈夫か!」
騎「ア...アルター...!!」
傷だらけの真騎は左腕を押さえ、アルターの前まで足を引きずりながら向かっていく。
アルターは片膝をついて言った。
A「本当にすまん...俺が倒れちまって...そのせいで…」
騎「大丈夫。アルターは何も悪くないから。大丈夫だから...俺は。」
真騎はアルターの手を両手で握りしめた。
そして真騎の見た1時間もの記憶がアルターの頭に伝わる。
A「ノ、ノルン?あの戦闘狂とよく融合できたな...いや、それゆえに制御が出来ず...おや...?」
・・・
ヒゲ「すまない...ここから逃げてくれ...真騎。」
騎「それだとお前が殺され...」
ヒゲ「私の命は軽いんだ。なんなら私は『もみ殻』のような存在...」
ひげちょちょ星人は俺をその帽子に乗せて空へと飛ばしてくれた。
風もないのにふわふわと浮かび、壁の外目掛け飛んでいく帽子。
ダグ「逃がすかァ!!」
ダグノロフは帽子に乗る俺に向かって剣を投げつけてきた。
ウッド「しっかり帽子に掴まれ!」
その時、ひげちょちょ星人がヒゲを投げつけて帽子の軌道をずらした。
剣は帽子の縁を掠め、壁に突き刺さった。
しかし今度のダグノロフは地面を蹴りあげ、自ら俺を叩き落としに来た。
ウッド「真・ヒゲブーメランッ!!」
ひげちょちょ星人のヒゲはダグノロフに巻き付き、動きを封じ込めた。
その一瞬の隙に、俺は巨大なステージの外に逃がされた。
・・・
騎「...ひげちょちょ星人が危ない。」
大地の壁に覆われたステージ内ではウッドライスレビドとダグノロフがぶつかり合っていた。
ウッド「ぐぬっ...」
ウッドライスレビドの腹部からは透明な体液が流れ出していた。
痛みは感じない。しかし、力が弱まってきていることだけには気づいていた。
ダグ「貴様のお陰で...」
ダグノロフの剣がウッドライスレビドの右胸部に突き刺さる。
ダグ「俺の面目は潰れたのだ...」
襲い掛かるもう一本の剣をウッドライスレビドの爪でどうにか受け止める。
ダグ「俺は...ダグノロフなのだ...!」
ダグノロフはウッドライスレビドの腹に剣を突き刺し、その一撃は腹部を貫いた。
腰の布が破れ、レビノイドベルトが露わになった。
ダグ「俺こそが...最強の獄卒!」
そして、腹部に刺した剣を手から離し、その手でウッドライスレビドの首を掴む。
ビキビキと装甲が砕ける耳を削るような音が響き渡る。
ダグ「...抹殺。」
ダグノロフは腕を横に大きく振りかぶったそして、首目掛けて剣の刃を走らせた。
ウッド「(時間は稼げた。それに真騎が生き残れれば彼は私の仲間になってくれるだろう...)」
ウッドライスレビドは何も抵抗はしなかった。
ただ、次の計画を考えていた。
A「アルタノイドグラビティ!!」
アルターと真騎の声が聞こえた。
スッと首からの圧力が消えた。
ウッドライスレビドは死んだのか。
ウッド「...!!」
宙を舞う2本のダグノロフの腕と1本の剣。
ダグ「ノォア゛ァァァァ?!」
ウッド「何故生きて...真騎か...?」
A「そうさ、マキと...アルターの融合した姿。仮面ライダーアルターってヤツさ!」
薄暗い荒廃した世界からでは、
仮面ライダーアルターの光はいつも以上に輝いて見えた。
ダグ「おォォのォれェエエエエ...生きていたかこの鉄屑ガァァァァァァ!!液沸涯 ・オーバー!!」
巨大な斬波動が回転し、地面を穿ちながら仮面ライダーアルターに襲いかかる。
A「今の俺なら...見切れる...!」
仮面ライダーアルターは1本の大剣に力を込める。
そして、液沸涯が目の前まで近づいた瞬間に大剣の一撃を叩きこんだ。
赤紫色の火花がはじけ飛び、液沸涯は一刀両断され消滅。
ダグ「バ、バカな...そんな力が何処に...何処にあr△#$✕%&!!」
ダグノロフは高速回転し、独楽状態へと移行した。
音速を超える速度でステージ内を暴れ回るダグノロフ。
A「この姿のダグノロフに対して下手に動くと確実にやられる。ノルンはそうだった。」
ウッド「私がヤツの動きを止めましょう。」
A「ひげちょちょ星人...もう休んでて良いんだ...」
その時、仮面ライダーアルターの目に彼の腰元のレビノイドベルトが飛び込んだ。
A「怪人だったのか。」
ウッド「へへ...そうさ。協力的な怪人は珍しいかな...私を倒すなら今の内だぞ。」
A「いいんだ。休んでいてくれ。」
ウッド「またどうしてだ?私は怪人だぞ?」
A「怪人だからといって全員悪者じゃないことは知ってんだ。異星人だってそう。」
仮面ライダーアルターの記憶にはビルトやガトン...数は少ないが悪者ではない異星人は居た。
ウッド「そうか...これだけ言っておこう。いくら慕われている人でも悪人は必ず存在する。私はそれを知っている。」
ウッドライスレビドはヒゲを持ち、構える。
仮面ライダーアルターは一瞬身構えた。
ウッド「うぉぉぉぉぉぉぉあああ!!」
ウッドライスレビドはヒゲを投げ縄のように回しながら仮面ライダーアルター目掛けて突っ込む。
ボロボロになっているのウッドライスレビドの動きは遅かった。
A「敵だったのか…」
仮面ライダーアルターはウッドライスレビドの攻撃を避けた。
次の瞬間、ウッドライスレビドはコマ形態のダグノロフと衝突したのだ。
A「...!!」
ウッドライスレビドのヒゲブーメランがダグノロフに巻き付き、動きが鈍くなった。
ウッド「私の肉体ごと...ダグノロフを断つんだ!」
A「で、でもそれじゃアンタは死んじまう!」
ウッド「言ったはずだ。私の命は『もみ殻』のようなものだと。」
徐々にスピードを上げるダグノロフ。
ウッドライスレビドの肉体は崩壊しかけていた。
A「ひげちょちょ...アンタのその命。絶対無駄にはしない。」
仮面ライダーアルターの大剣は光り輝く。
アルターの力が大剣に集中した。
そして、セロをアルターメモリに重ねた。
青い光と白い光が交わり、エネルギーが増幅。
A「行くぜ!!アルタクロスメテオブレイク!!」
青白く輝く巨刃がダグノロフとウッドライスレビドを包み込む。
ウッド「私の物語が...ようやく...」
ウッドライスレビドは光に包まれ静かに消滅した。
ダグ「負けるものカァァァァ!!」
ダグノロフは回転速度を上げ、その一撃に抵抗する。
赤黒いイナズマが駆け巡り、互いにぶつかりあう。
A「ウオォォォラアアアアアアアア!!!」
ダグ「グルォォォシャァァァァアアアアアア!!!」
「バキャッ!!」
何かの砕けるような音...
そして
A「!!」
ダグ「俺の...勝ちダァァァァァァ!!」
「ダァァァァァァァアン!!!」
ダグノロフの肉体が砕け散った。
ダグ「ア゛...!!」
首,胴,脚に分かれ、バラバラになった肉体は地面に叩きつけられた。
ダグ「何故だ...何故この俺が負けた?何故だ?何故...鉄屑...ごと...き...に...」
ダグノロフの眼から僅かな光が消え、その場に静寂が訪れた。
アルターと真騎との融合が解除された。
A「3つの面と6本の腕を持ったとしても、互いに協力しなければ真の力は発揮できない。
自分同士協力しなかった。それこそが敗因なんだ。なんて...カッコつけてみたけど、あんまりだな...」
騎「ひげちょちょ、いい怪人だったね。」
A「へへ、そうだな。ん...?マキの傷が治ってない。」
真騎の身体の傷は擦りむき程度の傷さえ治っていなかった。
騎「おそらくだけど、俺の意思で治癒よりあの一撃にエネルギーを使ったのかも。」
A「そうか...それじゃあ脱出するぞ!」
騎「え、どうやって?そういえば、俺もここにどうやって連れて来られたのかよく分からないし...」
A「俺が飛んで脱出から大丈夫。ほら。」
騎「跳ねただけじゃない?」
A「え?ん、まさか?」
アルターはその場で飛ぼうと何度も繰り返した。
しかし、飛べない。
A「あれ、ヤバいな?てかなんでだ?」
騎「...そうか、セロでエネルギーの大半を使い切ったせいで飛べないんだ!」
A「つ、つまりここで1日お泊り?」
S「いや、ぼくがだっしゅつを手伝うよ~」
ひょこっと真騎のポーチから出てきたセクター。
そして、メモリをギラシアベルトに突っ込み、仮面ライダーセクターとなった。
S「あんないして欲しいからアルターはメモリのなかに入って~」
A「オッケー!」
そして、アルターはメモリの中に戻り、仮面ライダーセクターの手の中に潜り込んだ。
仮面ライダーセクターは食虫植物のような翼を広げ、雲の渦に向かって飛び込んでいった。
・・・
ガ「この気配は帰って来ましたかね。」
ガトンは渦に向かって石ころを投げつけた。
透明な壁が再び破壊されると、そこから仮面ライダーセクターが回転しながら落ちてきた。
S「うわぁうあうあうあうあうあぁぁぁ~」
アルターはメモリから飛びだし、地面への激突直前で仮面ライダーセクターの態勢を立て直させた。
そして、なんとか翼を上手く使い安全に着地した。
A「そういや、セクターの飛行は酷かったの忘れてた...」
S「えへへ。」
セクターと真騎の融合が解除された。
ガ「まぁ、無事で何よりです。一応、洋菓子とお茶を準備しておきましたので今日はもうゆっくりしましょう。」
騎「洋菓子?お茶?ガトン、急にどうしたの?」
ガ「少しもの償いと労いです。」
騎「お金は...?」
ガトンは手から少し綺麗な小さい石を作り出した。
ガ「こんな感じのパワーストーンを実際に作って売って稼ぎました。」
A「それじゃあ、お言葉に甘えて甘いモンもらうぜ!」
S「じゃあぼくも~」
騎「待てって俺も食べるから、アルター!ちょっとの間セクターを見張ってて!」
A「オッケー!いいかセクター、勝手に...」
真騎は空を眺めた。
そこには渦は無く、青空があり、足元の芝生も元通りに茂っていた。
ガ「どうかしました?」
騎「ちょっとひげちょちょ...星人について考えた。」
ガ「それじゃあ私もお茶としましょうか。お茶は温かい方が美味しいですからね。」
ガトンは真騎の姿を見つめながらもてくてくと家の中へ入って行った。
騎「『もみ殻』のような命...」
・・・
先生「『無駄にしない...その命』...使い捨ての命も1つの命ですものね。」
俊哉「先生、どうかしましたか?」
先生「いや、少し考え事があってね。まぁ、君の恐怖は取り除きましたので、もう帰っても大丈夫ですよ。」
俊哉「あ、ありがとうございました!!」
俊哉は荷物をまとめ、この場所から去って行った。
先生「北条真騎。君とは萩斗を潰すパートナーとなれそうだ。」
そして、薄暗い診療室のパソコンが開かれ、こまごまと計画が打ち始められた。
一番印象に残ってるバロス星人を教えてー
-
地のバロス星人 エルデ
-
金のバロス星人 ヴェヌス
-
火のバロス星人 マルス
-
木のバロス星人 ユピタ
-
土のバロス星人 ザトルン
-
水のバロス星人 メルクア
-
天のバロス星人 ウラヌス
-
海のバロス星人 ネプトゥン
-
バロス星主 タイタン
-
バロス星主 テティス
-
バロス星主 プロ―メ
-
バロス星主 モント