まえがき
今回、あとがきにアンケートがあります。今回は今後の内容に影響するアンケートなので、特に協力してもらえると嬉しいです。
35名の生き残りが一堂に会したジョイントルーム。
最後の一人、士道が登場し……次に言葉を発したのは潔だった。
「おい玲王……
呆然とした声だ。事情を知らない宵越でも、想定していた仲間が来なかったのだろうとわかる。
「なんで、國神と一緒じゃないんだ……?」
宵越から見て、潔はそういったショックへの折り合いは付けられるように思えた。潔が思ったより人間らしいのか、それとも國神という選手がよほど強いのか。
「國神はこんなところで、終わるハズないだろ……」
問われた玲王は、無言でいた。
宵越は玲王に耳打ちした。
「國神ってのは?」
「……俺は2ndステージで士道たちに負けた。その時、俺とチームを組んでた奴だ」
「……そうか」
察するに、國神と潔は同じ伍号棟のチームだったのだろう。凪・玲王と潔・蜂楽が二次選考に話し合っていたことからも納得できる。
そして潔と玲王はどこかで対戦していたのだろう。だから玲王のチーム編成を知っていた。
玲王が組む選手というのなら、強さもなんとなく予想できる。
(そしてそいつは……士道に敗れた)
焦る潔。答え合わせをするように、士道は潔の死角からすり寄る。
「終わったよ。俺が綺麗に地獄へ送ってあげました」
暴力をしないだけまだましだった。士道と戦った宵越たち3rdクリアチームの5人にも緊張が走る。
「戦場じゃいい奴かどうかなんてどーだっていい。一瞬の爆発のために生きれない人間はゴミだ」
「……」
「あの無垢で真面目な
ヒーロー。士道が4thステージでその言葉を口にしていたことを思い出す。
潔は仲間の侮蔑に怒りを隠せなかった。
「フザけんな! お前が國神の何を……!」
「だからどーでもいいんだって──お前の物語とかさ!」
士道の脚が上がる。
(まず──)
駆ける宵越。けれど位置が遠い。潔をかばうには間に合わない。
視界の端から赤髪が閃く。2ndクリアチーム、千切が素早く潔に駆け寄り、押しのけて庇った。
千切自身も士道の蹴りを躱しながら悪態をつく。
「千切!?」
「なんだコイツ、ムカつく……」
そして蜂楽も。
「マジそれな。やるなら全然やるけど」
指を鳴らす。この生き残った35人は血の気が多すぎないか。
「俺にとっちゃお前がスライムだぞ、日サロ触覚」
「日サロじゃねぇ太陽光だ」
『はいはいそこまでにしろ、才能の原石共。これ以上の暴力は強制退場にするぞ』
殺気が漂い始めるジョイントルームを、モニターから絵心が一括した。
注目は士道たちから絵心に向かう。
『落ちた人間の心配をするヒマは、今のお前らにはない。お前らのサッカー人生も、この
絵心はここでも、感情をみせない冷徹な声でいる。
次はどんな困難を背負わせ、そしてこの35人を地獄へ突き落すのか。
『あー、その前にとりまおつかれ。世界選抜との戦いはかけがえのない敗北だったろ? その意味はまた今度言うとして……この後三次選考は語学学習を経て、ラスト5人まで絞っていくつもりだったんだが……』
そこで、絵心の饒舌が途切れた。
そして次の言葉は、35人の思考を白紙にさせた。
『予定が変わった』
(……どういうことだ)
ここは
そもそもこのプロジェクトそのものがイカれた発想だというのは、誰もが理解していた。宵越も当初は絵心の誘いを断ろうとした。
外部から圧力でも来たのか。そう勘ぐる宵越の思考は当たっていたようで。
『どうやら日本サッカー界のお偉方は、この
ここぞとばかりに、宵越は絵心に語り掛けた。
「だから泣く泣く
『
「ぐっ……」
何も言えないヨイゴシである。
『──俺はお偉方に挑戦状を叩きつけた。よって、次の選考は
全員の身体に緊張が、しびれが走った。
隣にいる敵としのぎを削り合うのではない。全員が生き残るか、全員が死ぬか。
『それは一ヶ月後に行われる
『U-20日本代表VS.
日本の頂上との戦い。
『この試合に勝てば、
度肝を抜く話だ。
高校生のサッカー選手が想像していた、大会に出て戦績を上げ、スカウトをされてプロに入る──そんな物語ではない。
他人から代表の座を奪い取る。それもたった1回の決戦で。それはどこまでも
6thクリアチーム、金髪につり目の雷市が息を呑んだ。
「そんな条件よく通ったな……」
『まあ向こうは負けるわけないと思ってるからね。寄せ集めの35人の
そして続ける。絵心が言うお偉方、つまりはUFJ──日本フットボール連合の会長らの狙いは、当初から様々な方向でリスクの高い
勝てば日本代表の座を奪えると言ったが、逆に負ければ
『とまあここまで聞いて率直にどう感じる? 舐められて悔しいか? 一泡吹かせてやりたいと滾ったか?』
宵越は考える。自分は、そもそも絵心の考えを全肯定しているわけではない。仲間は大事だ。サッカーは一人では成り立たない。絵心の求めるエゴイストが生まれるのか、それを見届けるために
悔しくはない。滾ってはいない。
けれど。
「──わかってねぇな、UFJのバカ共は。それが俺が感じた答えだ」
今、ここには日本サッカーを変えられる奴らがたくさんいる。こいつらが日本中に散った時、きっと世界一になれる日本が生まれる。
単に協調性や選手たちの権利・生命を想ってのことじゃなく、単に金儲けが望みだというのなら──ここを潰すのは、愚かすぎる。
『染まってきたじゃないか、宵越竜哉』
「……せぇよ」
宵越はバツが悪そうに頭をかいた。同じ3rdクリアチームの面子が面白そうに笑っている。
『……俺は至って冷静に、現実的に断言してやる。今のお前らなら、日本サッカーをひっくり返せる』
だから絵心は挑戦状を叩きつけたのだ。
そして、サプライズはそれだけではない。
『とはいえ敵も100%勝つ算段だ。この試合には、現U-20日本代表に加えて──』
『新世代
宵越は凛を見た。顔は見えるが、表情から感情が読み取れない。けれど眼が見開かれている。宵越たちのチームと戦っているときの、冷めた目ながらも熱を感じる表情とは異なっていた。
『さあ、全てを懸ける時は来た』
絵心の高説は続く。糸師冴の話題が出ても全く演出の変化はない。それは絵心が糸師冴の存在を、モノとも思っていないという証拠だった。
『ここまでエゴを学び、武器と化学反応を身につけ、世界トップを体感したお前らにとって……U-20日本代表の座は夢物語なんかじゃない、手を伸ばせば掴める
『いくぞ才能の原石共。時代を変えるのは
そして語られる、絵心によるU-20日本代表と戦うための策。
具体的には、
当然だが、ここにいる35人は全員FWが主ポジションだ。そこから11人を──MFからDFからGKまでを選ぶことになる。
『よって、今から名前を呼ぶ6名を中心に
ざわつきが収まる。今ビブスに表示されているのは、あくまで二次選考の1stステージをクリアした順というだけだ。自分がどこにいるのか、あるいはこの場にいる頂点は誰なのか。当然気にはする。
『呼ばれた者は前に出ろ。まずは総合No.1──』
そして、6名が前に出た。
No.1 糸師凛
No.2 士道龍聖
No.3 宵越竜哉
No.4 烏旅人
No.5 乙夜影汰
No.6 凪誠士郎
宵越は他の5人を見る。いけ好かない知り合いもいれば、そうでない者もいる。
取り残された者も、反応は様々だった。ショックを受けるような者、面白がる者。
『さて、ここからが次の選考だ。まずこの6人を次のように分ける』
チームA:凛、士道
チームB:烏、乙夜
チームC:宵越、凪
さらに絵心は説明を続ける。
残る29人は、この3チームの内どこに所属するかを自分の意志で選ぶ。そして選んだチームで29名をランダムに3人選出し、5人1組のチームを形成する。このチームA・B・Cで5on5の試合を複数実施する。現状トップに存在する6人の攻撃と相性のいい人材を探すのだ。
そしてこの形式上、トップ6は数試合を戦う。ただしその他29名に与えられるチャンスは1試合のみ。
『これが改訂した三次選考
29人の面々は、わずか1試合で己の存在を主張する必要がある。これまでの一次・二次選考同様負ければ、あるいは結果を出せなければ11人には選ばれない。
ただ、トップ6もコンスタントに結果を出さなければ11人から弾かれるだろう。複数試合があるというが、1試合たりとも失敗は許されない。背水の陣であることには変わりない。
『それと、29名で3人ずつ分けると2人余ることになる。そのため特例として1人だけ、30人目として、2試合分戦ってもらう』
『それは実質トップ6の次点評価であるNo.7──雪宮剣優。お前がその役割を担え』
「──はい」
雪宮は静かに答えた。その眼には驚きがあり、わずかな嬉しさがあり──そして決意がある。
「絵心さん。質問があります」
『……なんだ、No.7』
「この順位の基準はなんですか?」
『……ここに残った35名のうち、世界選抜相手に1ゴールを決めたのは3人。糸師凛、士道龍聖、そして宵越竜哉だ』
その時点で、宵越も、また士道も、凛を含めてそれぞれを見る。
「やっぱ、俺たち気が合うじゃん♪」
「黙れや、クソ悪魔」
付きまとわれていい気分なわけがない。
宵越は思う。やっぱり、凛と士道はこの
そして一次選考からの得点数、世界選抜の個人評価、そして絵心の評価に基づいているという。
「……なるほど、ありがとうございます。おかげで、頂点に立つにはどうすればいいか、わかりました」
雪宮は会釈した。油断なく、慢心もなく、ただこの場の頂点との差を見極めるための発言だった。
『まずはトップ6。お前らは別室へ進め。ここから先は別行動だ』
扉のうち、一つが開かれた。
『とはいえ、あくまでもこれは現時点での評価順位だ。トップ6といえども
なんの感慨もなく凜が進み、次に士道がニヤけながら後ろを歩いた。烏、乙夜、凪も続いていく。
宵越は最後尾だ。
「宵越」
声をかけられた。振り返る。
雪宮、氷織、二子、玲王がいた。
「待ってろ。すぐに追いつく」
雪宮が言った。口は開かずとも、他の三人も同じだった。
宵越は不敵に笑った。
「待ってるぜ」
おまけ
・三次選考の概要:
①世界選抜戦
②語学学習
③適性試験(改訂)
・トップ6
No.1 糸師凛
No.2 士道龍聖
No.3 宵越竜哉
No.4 烏旅人
No.5 乙夜影汰
No.6 凪誠士郎
・適性試験チーム編成
チームA:凛、士道
チームB:烏、乙夜
チームC:宵越、凪
・アンケートについて
拙作をお読みいただきありがとうございます。
宵越が加わったブルーロック、熱と化学反応が織りなすクロスオーバーの物語。早いもので《VS.U-20日本代表編》が視野に入ってきました。
原作でも人気の部分です。作者も借り物であることを自覚しつつ、いい文章が書ければと思います。
そこでアンケートなのですが、端的に言えば「宵越がBL11傑とU-20代表のどちらの陣営に入るのか」ということを決めたいのです。
元々、作者は物語としてU-20戦までの流れを決めていました(その後の新英雄大戦編も流れは決めていますが)。宵越がどの流れを経てどちらの陣営に入りどんな活躍をするのかを考えていました。
でもふと思ったのです。「逆のパターンも見てみたいじゃん!」「せっかくだしアンケートで決めようぜ!」と。
ブルーロック未読の方にとっては小規模なネタバレですが、この後、糸師冴の行動によりブルーロック内でもイレギュラーな自体が起こります。その冴が宵越を気に入るのか、というのには読者それぞれの意見もあると思います。
でも作者は思ってしまいました。「うるせぇそんな理屈なんて関係ねぇ!」と。
これから下のアンケートでは、3つの展開の可能性をお聞きします。
・①宵越にBL11傑として戦ってほしい!
・②宵越と士道でU-20代表で戦ってほしい!
・③士道はBL11傑のまま宵越のみU-20代表入り!
これらの「貴方の読みたい展開」をアンケートで答えていただきたい……!
★あくまで「意見」ではなく「希望」をお聞きします。つまり「宵越は別に冴に好かれんだろ」と思っていても「それはそれとして宵越にU-20で戦ってほしいんじゃ!」という気持ちの方を優先して答えてください(後々意見の方は別アンケートをしようかと思います)。
★アンケート期間は、
★2つ前のアンケートでも100件くらいはいただいているので、「アンケート終了時点で総合50票以上入った場合に多数決で展開を決定」します(50票以下の場合、作者が当初から想定していた展開で決定)。
是非ともアンケート回答、よろしくお願いします!!
Q15 U-20 VS BL11について、貴方の読みたい展開は?
-
宵越にBL11傑として戦ってほしい!
-
宵越と士道でU-20代表で戦ってほしい!
-
士道はBL側で宵越のみU-20代表入り!