・現在の状況:BL11傑 VS. U-20日本代表
スコア :0-0
得点者 :
試合進行:前半0分経過(開始直後)
残交代枠:BL11傑(3)、U-20日本代表(3)
特別壮行試合、
キックオフ。
最初の攻撃は
凛が蹴ったボールを潔が受け取る。すぐさま
この試合はエゴイストとしての発想はもちろん期待する。だが、絵心の哲学を基に多様な攻撃の
潔はそれを忠実に再現していく。
(こっちの攻撃の形は、
この3人で組み立てる、
潔がダイレクトにパスを出し、
だが。宵越を除く前衛の3人がパス回しを繰り広げる中、唐突に
「しゃーないわ、働けボケ共」
そして
二子・蟻生・烏が
試合開始初っ端からの攻撃の気。
トライアングルの一角、潔が戦場を睥睨した。
(相手が対応するまでの一瞬を逃すな──)
そして見つける。たった今前線に上がり、
潔・蜂楽。この二人は伍号棟時代から良好な関係を築いていた。その連携力は乙夜と烏のそれに迫る。
蜂楽が潔からの
「発射ブーン♪」
LSB、蜂楽廻。VS.──
「おっと、来るかい坊ちゃん?」
DMF、颯波留。
「ようござんすか?」
ダブルタッチフェイント、超速で展開するシザースフェイント。トップスピードのままボールに乗り──そして回転し颯を抜き去る。
独力で颯を抜き去り、左翼前線へ駆けていく。
蜂楽は独特な感性を持っていた。マイペースさや、サッカーに関する稀有な才能。ついてこれる同世代の友達はいなかった。
故に、間違いなく無名。その無名選手が、U-20代表のDMFを確かに制した。それは、観客の誰もが驚くこと。
蜂楽の前進に合わせ、
蜂楽の最高のプレーに、最適に最速に連携できたのは──
「やっぱ潔じゃん♪」
ごちゃつくU-20代表陣地。MF以上それぞれのゴールを待つストライカー、それを防ぐディフェンダー。P・Aライン中央付近、
蜂楽の
ボールは山なりに、正確に潔の下へ。
(マジ完璧だ蜂楽!)
潔もまた、蜂楽のドリブルをこの戦場で最も高く評価し信じている。
だからこそ生まれた連動、そして開始数分の攻撃。
その時。
「抜かせるかよ、コソ泥ちゃん」
U-20日本代表、主将オリヴァ・愛空。
中央付近、
(マジかよ! なんでいる──!?)
愛空が跳ぶ。並みの選手ではまず不可能な1m近い空間を越え、潔が受け取ろうとしていたボールをヘディングクリアした。
愛空の能力、それは
愛空が未だ空中にいる一瞬。潔の頭脳は高速で回転し、そして呻く。
(あいつ、
未だ発展途上の潔にとり、持てる能力の全てが結実し一気に実力を発揮する、言わば既存の
これまで、
初撃、潔は愛空が強敵であることを理解した。それがどれほどの強敵であるかもわからないほどに。
クリアボールは速度を保ち、
「いや、まだだろ」
本来ならアウトオブプレーとなる速度のボール。ただ一人、
「蛇来、カバー!」
「わかっとる!」
蛇来が遅れて宵越へ突貫してくる。これもまたU‐20代表に相応しい動き。宵越とて簡単には抜けない守備。
だが、宵越は蛇来を見ない。視るのはただ一つ。目標のみ。
宵越は笑った。
「なに緊張してんだよ
ゴールまで約25m。宵越なら横面からゴールを狙える。たとえ
どう来る。どう出る。守備陣の一瞬の思考。
「俺たちの始まりがスローインなんざ……締まらねぇだろ!」
宵越がなしたのは、縦パス。U‐20だけではない、
ボールがタッチラインスレスレの低空を駆け抜ける。右サイド後方へ。宵越以上の超速で駆け上がる、千切豹馬の下へ。
(さすがだ、不倒──!)
千切自身、虚を突かれた。宵越がボールを持ったことで遅れて動き出した。
そのボールは、千切の手前でバックスピンによって減速、千切が蹴りやすい位置へと至る。
不倒の絶技。意思が聴こえる。「行け」と。
千切は駆け上がった。予想外の宵越の突貫によって、
フィールドは間違いなく混乱していた。千切自身のシュートレンジにはまだ遠い。それでも、この混乱の中で淀みなく動く3つの光があった。
──宵越竜哉。凪誠士郎。糸師凛。
千切は即座に
「出せ、氷織!」
「ナイスパスや、千切くん」
中央前線、氷織羊。チャンスは一瞬。1秒後には糸師冴が来てしまう。
だがその未来は訪れない。潔世一に《反射》の思考をもたらしたのは、他ならぬ氷織だ。
前線に目を向ける。自分の少し前には潔がいる。
そして、中央、凛。左翼、凪。右翼、宵越。
「行くで、エゴイストども」
「いい熱だ、氷織」
「うっさい。見せてみぃや《不倒》」
宵越がP・Aライン右角でボールを持った。
立ちはだかる仁王・愛空。
マッチアップ。
「番犬が許さねえよ」
「いい子だ、仁王」
圧の強い二人のCB。シンプルなパワー型の仁王に、心技体が揃った愛空。前線の致命的な危機を何度も救ってきた重心たる2人だ。
それでも、
「ドーベルマン? 警察? ぬるいぜ」
ぶつかりに来るCBの2人。圧倒的なパワーを持って自分を制しに来る
それが背後からだろうが、正面だろうが、ボールではなく体そのものを潰しに来た者たち。それに比べれば──今の状況のなんたる軽いものか。
──守備の気持ちがわかってないから止められる。守備を良く見て。
思い出す瞬間。大山律心戦、2点ビハインド。
0.999999……を1に変えた、完璧な連携を逆手に取った攻撃。
宵越の身体が、一瞬奥へ。愛空との仁王にぶつかる。それは本当に一瞬で、すぐさまアイソレーションフェイントで離れた。宵越と仁王の最初の攻防。軍配は宵越に上がる。不倒と仁王の間に穿たれた1mの空間。さらに内へ切り込む。
「だから抜かせねぇって言っただろ」
否、愛空は肉薄している。さすがはU-20代表の主将。
それでも。宵越は笑った。
「残念だな、サッカーは11人でやるんだよ」
そして
宵越が横へパス。向かう先は、凪誠士郎。
「え、俺?」
一身に注目を集め、最初のゴールを予感させた
凪の脚に向けてボールが近づく。不倒の意志を乗せて。
「
「うえー、スパルタ上司じゃん」
凪の右脚が閃く。
「させない……!」
「Yes、不倒」
左脚が閃く。
静寂だった。ゴールの瞬間は必ずうるさくなるはずの会場は、けれど凪誠士郎というどこの誰かもわからないストライカーの一撃。U-20代表ではなく
静寂だったから、凪が
一瞬の間があって、凪は呟いた。
「……あ、自己紹介しわすれた」
怒号。一気に会場が沸く。叫びが圧力となってフィールドを震わせる。
スコア、1‐0。
凪が、握り拳を上げる。
潔が、千切が、凪の元へと駆けていく。
舌打ちする凛。人の悪い笑みを浮かべた宵越。
表情の読めないU-20代表たち。
そして──
「
糸師冴。
「いい度胸してんじゃねーか」
天才の瞳に。
灼熱が、灯り始める。
・現在の状況:BL11傑 VS. U-20日本代表
スコア :1-0
得点者 :凪
試合進行:前半6分経過
残交代枠:BL11傑(3)、U-20日本代表(3)
Q17 BL11傑VS.U-20日本代表、実際宵越はどうなるのが妥当だと思っていた?
-
BL11傑に選ばれる
-
BLの控えに選ばれる
-
冴に見初められて単独でU-20日本代表へ
-
士道と共に2人でU-20日本代表へ