・現在の状況:BL11傑 VS. U-20日本代表
スコア :1-2
得点者 :凪、冴、愛空
試合進行:前半33分経過、BL11傑によるカウンター失敗、からのカウンター返し。若月ボールキープ。
残交代枠:BL11傑(3)、U-20日本代表(3)
絵心は
『DMFとしての起用だが──お前たちの役目が防御だけでないということは理解しているな?』
氷織羊、烏旅人。二人は後ろ手に組み、絵心を舐めることなく、かといって盲信することもなく主体的に話し合いを果たしていた。
『宵越くんと凛くん……2人の主砲が火を噴くための発射台ですよね?』
サッカーIQの高い2人だ。絵心が自分たちをDMFとした意図はわかっている。
実際、烏は凛・潔とセットで呼ばれたこともあるし、逆に氷織は右翼側として凪・宵越とセットで呼ばれていた。
『その通り。ゴールを見透かす眼を持つ
烏が口角を上げ、絵心を見下す。それは挑戦状を投げ放った、と言うべき態度だった。
『せやかて、相手ボールの時は純粋に守りもする。場合によっては俺が下がって氷織が前に出て役割を変更させる……違法労働は嫌いですわ。報酬は期待しても構わんよな?』
『当然だ』
絵心は烏を真っすぐ睨んだ。
『このチームは全員がストライカー。ゴールこそが存在意義。それに見合う
────
ブルーロックNo.1のボールキープ力を持つ、烏旅人。そして冷徹な視野と天性の左脚の技術を持つ氷織羊。
二人は、関西ユースで同じチームだった。たったそれだけの関係だが、全国から集められた300名という中では、この間柄には確かな相互理解が存在する。
烏はかつて、氷織の非凡さを見抜いた。持って生まれた身体能力とボールタッチ、そしてサッカーIQ、左利きのキックセンスも。
そして、ゴール前での執念がないことも。
だから、この
そして、面白がった。
──先輩後輩でデカイ顔する気はないけど、ここで決めな俺は凡になっちまうで。
けれど、烏はその本心を見せない。
烏は自分を凡人だと自覚している。だからこそ、逃避行動として他者を観察し分析する。
そして、稀有な才能を持つ非凡な人間を尊敬する。
──失敗すれば悔しいし、誰かから虐められれば傷つくし。
そんな烏も、世界一には憧れる。
そんな場所で、烏は。凛や士道と戦って。氷織や潔に驚いて。凪という天才に凌駕されて。
凍り付いた熱を持つ氷織を溶かしたのが、宵越であると気づいて。
──熱くなる人間がいたら、自分だって感化されて熱くなるんや。
けれど、烏はその本心を見せない。
あくまで心を燃やし、けれど頭脳はどこまでも冷徹に。
その熱を、隠し持つ。
隠し切った熱は、黒羽のように舞い上がるのだ。
「防ぐで、ドS」
「わかっとるわ、烏」
烏と氷織に向かってくる、颯と若月。
右側。氷織と若月。
盾と矛が持つDMFたち。
ボールキープ、若月。状況はU-20代表によるカウンター。
烏・氷織 VS. 颯・若月。
マッチアップ──!
ボールを持った若月は、氷織と対峙する。一度外側へドリブルのフェイントを入れてから横パス。
「颯!」
「了解!」
DMFとして忠実に任務をこなすU-20代表の2人は、攻撃はやや不得手だ。だが、氷織と烏はそうではない。
ボールを受け取った颯の動き。さすがに日本トップ選手のドリブル。烏は攪乱される。
烏の裏を取り、颯は氷織を抜いた若月へスイッチでボールを繋げる。
それを、
「アホかい、見え見えのコースやボケッ!」
若月と颯の思考がストップした。
烏には見えていた。U-20代表の守備戦法は3段構えだ。
①相手ボールになったら、颯が即座にプレスにかかる。
②颯プレスの間に背後で強力DF4枚が
③致命的危機に対し、愛空が
その守備は実際に宵越・凛・潔の波状攻撃を殺していた。そこに冴も加わって、南山不落の守備となっていた。
だからこそ、必要なのは①を刈り取ること。
「
見え透いた攻撃だ。氷織が上手く若月を誘導してくれたこともあり、簡単に若月・颯の連携を刈り取れた。
「防ぐんだな……!」
即座に反応する若月。追随する颯。
若月・颯がカウンター返しを予想する。ただ、その隙を烏は冷徹につき、DMF二人を引き付けたうえで、すぐ後ろの氷織へスイッチ。
烏はわかっている。
「行く先はわかっとんな? ドS」
「もちろんや、心臓。はよ血ィ回せ」
それを、氷織は反射でパスを出す。
血液は、右サイドギリギリへ。再び
乙夜はいない。それでも、氷織と千切という非凡たちがいる。自分の思考を理解しパスを繋げた血管と、その命令を忠実に実行する両脚が。
「頼むで、千切くん」
「いけ、赤いの」
「任せろ──!」
度重なるカウンターの応酬。しかしこれまでと違うのが、U-20代表が攻めきれずに中盤でボールを奪われたこと。そして、守備戦法の第1段階となる颯のプレスが存在しないこと。
鉄壁の
(加速しろ、俺の両脚──!!)
それでも第2段階をすっ飛ばし、危機察知に愛空が動く。千切の動きを刈り取りに右翼へ。
(さすがだ
千切豹馬 VS. オリヴァ・愛空。
マッチアップ──!
両者の実力には明確な開きがある。フィールド全体を使った総合力では、間違いなく愛空が上回る。
だが、ここは右サイド。縦一本の
ここなら、千切は負けない。負けるはずがない。
(俺の
千切豹馬が夢見た瞬間が、今ここに在る。
愛空という守備を切り裂く、宵越をも超える超速がいななく。
右サイドを切り裂き、千切が
思考する千切。P・Aの横ラインをさらに越え、
正面から
今一番、フリーなのは──
「出せや、赤いの」
雪崩れ込んだ密集の後ろにただ1人、遅れて侵入してきた烏旅人。
千切が右脚を振り切る。ボールは右翼
フリーとなり、烏が辛うじてゴールを狙える
だが、天才はどこにでもいる。
ボールを持った烏が
そして、天才は一人だけではない。
「よう、糸師冴……!」
烏・宵越 VS. 冴。
マッチアップ──!
「目障りだ、不倒。消す」
「消せるかよ!」
烏の代わりに宵越がぶつかる。もちろん、宵越は自分の実力が冴より下だとわかっている。悔しいが、冴に抜かれる可能性だって見える。
だが、宵越は学習していた。自分1人が通用しなくとも──
「一旦、タイマン勝負は預けるぜ。熱い仲間がいるからよ」
宵越が冴とぶつかる。1人のフェイントでは止められない。
けれど、宵越と烏という、2人の
左右から襲い掛かる、卓越した技術を持つ殺し屋と不倒の腕。冴を動かさず、ボールをキープし続ける。
そして、烏は己のボールを見据える。
冴によって崩された、けれど宵越の助けによって再生したゴールへの道筋。
「どいつもこいつも、非凡共が……」
文句を垂れる。全てが自分の実力の賜物ではないから。宵越が助けた。氷織と千切の協力があった。何よりこの攻防のきっかけは、潔と宵越を死に役にしてでもゴールを奪おうとした凛によるもの。
それでもいい。己のゴールを見据える。
灰の中から現れ出でる。不死と、不倒が。
「借り1や。先にもらっとくで、エゴイスト共!!」
烏の脚が動く。ごちゃついた陣形から、宵越と冴を隠れ蓑にした一閃。
「熱いじゃねぇか、殺し屋」
宵越が笑った。
「煽んな、敬語使えや不倒」
烏が中指を立てて宵越に応える。
スコア、2‐2タイ。戦いは、まだこれからだ。
えーっとですね。この4点目のゴール。プロットでは「凛がゴール」ってなってたんです。そのつもりで展開も箇条書きで書いてました。
気が付いたら、烏がゴールしてました。
ほんとなんです、嘘じゃないんです。原作、別に「○○の熱」となったら活躍はしても必ず点を奪うとか、そういうお決まりはないんですけど、なんか気が付いたら烏が熱くなってた。
ゴメン凛ちゃん、許して。殺さないで。
・現在の状況:BL11傑 VS. U-20日本代表
スコア :2-2
得点者 :凪、冴、愛空、烏
試合進行:前半37分経過、烏ゴール。
残交代枠:BL11傑(3)、U-20日本代表(3)
Q20 新英雄大戦《ネオエゴイストリーグ》無限交代制は……(参考程度に)
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原作通り何度でも何人でも交代OK!
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制限緩めて、一度退場した奴は不可にしよう
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交代回数も交代人数も有限にしよう