5大リーグ。選ぶべき、身を置く環境はただ一つ。
・イングランド
・スペイン
・イタリア
・フランス
・ドイツ
五十嵐は快活に答えた。
「俺はドイツだな! 日本人向きな気がするし!」
乙夜は言った。
「俺はスペイン。情熱の国のイメージ」
蟻生は髪をなびかせた。
「俺はイタリア。フィレンツェの大聖堂が俺を呼んでいる」
斬鉄はとぼけ……てはいない。眼鏡のブリッジを押し上げた。
「俺はフランスだ。なんとなく……頭よさそうだろおフランスは」
一連の会話を聞いていた千切は呆れてしまった。
「個人のイメージで決めすぎだろお前ら……もうちょい悩めよ」
とはいえ、判断材料が乏しいのは事実だ。先の絵心の偏見のみでは決めにくいというのも納得がいく。
いつもは即断即決の宵越も、すぐには決められなかった。
(どのリーグを選ぶか……か)
絵心の言葉は独断と偏見だが、環境に身を置くとしてもすぐさま海外に飛ぶわけではないだろう。
すなわち日本代表のような現在のナショナルチームの特徴ではなく、身を置きたい環境、思想、強さや哲学……そういった要素において、どのリーグを選ぶかということになる。
宵越は考える。
イングランド。現状、筋肉の付き方や走り方で《バック》を多用できない宵越にとって、フィジカルを鍛えたいという理由はある。
スペイン。宵越の武器は間違いなくドリブルだ。例えば蜂楽のような独創的なドリブル技術を身につけるという意味では、魅力的な場所だ。
フランス。絵心の談では表層的な説明でしかなかったが、それでも他のリーグと共に選ばれた以上は一定の
ドイツ。求めるのは勝利という合理性。それこそ、宵越が最も求めるモノ。
けれど。
(……ロベルト・バッジョ)
サッカーにおける、宵越の憧れ。ファンタジスタの代名詞。彼は、イタリアで活躍した選手である。
(今、イタリアに行けばバッジョがいるわけでもねぇが……)
彼の残り香を求めて、イタリアに行く。それも選択肢の一つだとは思う。
思索の中で、潔と千切の会話が聞こえてきた。
「潔はどこ選ぶ?」
「正直、迷ってる。最近よく観てんのはイングランドリーグなんだ。でも子供の頃から憧れてたのはドイツ……」
「潔のヒーロー、ノエル・ノアがいるから?」
「うん……」
宵越は反応した。
「へぇ、潔はノエル・ノアが憧れか」
「宵越。お前は決めたのか?」
問われ、正直に答えた。
「正直、悩んでてな。憧れって意味じゃイタリアだが……」
「お前は決めたのか? 千切」
「ああ、俺は──イングランドだ」
迷いのない表情だった。
「スピードが試される環境で、俺のスピードを試してみたい」
「お、一緒じゃん千切」
玲王がやってきた。
「好きなチーム多いし。何よりも金の匂いがプンプンする」
「金の匂いねぇ」
「大事だろ。宵越はまだ悩んでんのか?」
「ああ」
「早く決めろよ。雪宮も、氷織も、二子も決めたっぽいぜ」
「って言われてもよ」
「インドはないもんなぁ」
「カバディは関係ないっての……」
『カバディ?』
潔と千切はそろって疑問符を発した。
そういえば、玲王には世界選抜戦後に、雪宮たちと同じく宵越の経緯を話していた。だが他の面々には聞かれた場合に話したりとまちまちだった。
我が強くて、他人の過去に興味を持たない奴らが多すぎる。とはいえ急に聞かれても困る。
「ああ、もう、鬱陶しい」
宵越は興味を浮かべ始めた二人から逃げた。結果、視界に入った凪に話題を移した。
「めんどくさがり屋、お前は決めたか?」
「んー……ねぇ、千切」
無視された。ヨイゴシのこめかみがヒクついた。
「俺?」
「ベルカンプってどの国にいんの? あのトラップ超上手い奴」
宵越は、なんだか憧れ選手の語り合いになってないかと思った。
凪はサッカー歴半年で、周囲への興味もなかったので憧れなどはない。ただ、二次選考の時に千切からトラップが武器の選手として教えてもらったらしい。
「あの人はもう引退してるけど、あの動画はイングランドリーグにいた時のだよ」
「へー。じゃあ俺もイングランドにしよ」
玲王が反応した。宵越の狙い通りである。
「……なんだよ一緒かよ凪」
「……なに玲王。別にいいじゃん」
千切、玲王、凪。仲良くイングランド希望決定である。
「なに、迷ってんの
「蜂楽」
蜂楽廻がやってきた。
「お前はスペインか? 怪物ドリブラー」
「へっへー、わかる? 宵越もスペイン来れば?」
蜂楽は天性の才覚を持つ。芸術的なドリブルだ。宵越とは異なる一つの極み。スペインに飛び、さらに長所を伸ばす。妥当な選択である。
「ま、でも世界一のストライカーになるんなら、どこでも一緒っしょ♪」
「え、何で?」
潔が尋ねた。
「どんな環境を選んでも、そこで一番になり続けるコトしか意味ないじゃん」
それは、世界一を目指すなら共感できる思考である。
宵越も、常に上を見続けてきた。
「正しい選択をするんじゃなくて、選んだ道を正解にするんだ。そんで最後に信じるのは理屈じゃなくて、
蜂楽が、宵越と潔の間を通り過ぎた。両手で二人の肩に手を置きながら。
「潔も宵越も、難しく考えないで、自分の中の
例えそれぞれの選択で分かれたとしても、その選択は全員の進化へ繋がる。
「怪物、か……」
蜂楽が度々使う言葉。自分の中の本能、と呼ぶべきものだろう。宵越にとっては、それは《熱》や《最高》という。
「宵越、決めた?」
「ああ。潔も決めたみたいだな」
「蜂楽のおかげだ」
今、熱くなれる場所。灼熱の世界に身を置けるのだと、実感できる場所。
脳裏に閃く景色。特別壮行試合、最後のプレー。
潔に最後のゴールを奪われた。悔しさがあった。あの瞬間、俺は
(だったら、俺もとことん狂ってやる)
自分の芯。求めるモノ。勝利という、宵越の全て。
そして、そこに新しくできた
(これ以上、熱くなれる場所はねぇ……!)
ボタンを押す。自分を進化させる業火の世界へ。
・ドイツ
宵越 竜哉
潔 世一
我牙丸 吟
五十嵐 栗夢
音留 徹平
超 健人
黒名 蘭世
清羅 刃
猿堂寺 暁
・イングランド
御影玲王
凪誠士郎
千切豹馬
七星 虹郎
閃堂 秋人
鰐間淳壱
柊零次
若月 樹
志熊 恭平
・イタリア
馬狼 照英
蟻生 十兵衛
オリヴァ・愛空
雷市 陣吾
不角 源
仁王和真
狐里 輝
石狩 幸雄
田中 信玄
・スペイン
蜂楽 廻
乙夜 影汰
氷織 羊
颯 波留
蛇来 弥勒
灰地 静
日不見 愛基
曽倉 哲
皿斑海琉
・フランス
糸師 凛
士道 龍聖
烏 旅人
雪宮 剣優
二子 一輝
西岡 初
時光 青志
剣城 斬鉄
柚 春彦
イングランド、イタリア、フランス、スペイン。それぞれのチームを選択したメンバーが、アナウンスに従ってそれぞれの道へ進んでいく。
争う45人の人間たち。果たして、チームに分かれたことで仲間となるのか、あるいは敵同士となるのかはわからないが。
それでも、いつかまた再会した時、また
『それではドイツを選択した9名、次のルームへ進んでください』
宵越たちの──ドイツの番だ。
宵越 竜哉
潔 世一
我牙丸 吟
五十嵐 栗夢
音留 徹平
超 健人
黒名 蘭世
清羅 刃
猿堂寺 暁
長い通路を通った先、通された部屋は、上映直前の映画館のような暗い部屋だった。中央にある円盤状の窪みのみが淡く光を放っている。
『やあやあ、ドイツを選んだ諸君。合理性と秩序のフットボールへようこそ』
『現在ドイツで最も強いクラブチーム、《バスタード・ミュンヘン》。お前らにはこのチームのU-20カテゴリーのメンバーに混ざり、トレーニングに参加してもらう』
五十嵐が叫んだ。
「それじゃあ、行くのか『ドイツ』に!? 俺たちが!?」
『残念、その逆だ。創るんだよ。この
絵心は、世界一のストライカーを創るために、第一段階で日本のストライカーをエゴイストに変えた。
そして第二段階で、エゴイストを世界へとぶつける。
そのために、5大リーグ最強チームからそれぞれ、
各リーグ全体の最強の11人ではない。各リーグ内最強チームの中で、最強の11人。
イングランドからは《マンシャイン・シティ》。
イタリアからは《ユーヴァース》。
スペインからは《FCバルチャ》。
フランスからは《P・X・G》。
そしてドイツからは、《バスタード・ミュンヘン》。
この中で勝ち上がることが、
徐々に明かされる第二段階の全容。あまりのイカレ具合に、宵越も乾いた笑みを浮かべずにはいられなかった。
そして、何よりも。次のただ一つの情報が、宵越を奮い立たせる。
『ここからお前らを指導するのは俺じゃなく、それぞれのチームに君臨するエースストライカーだ……!』
煙があふれ、窪みだった場所から円盤がせり上がる。それは強者のみが立つことのできるステージだ。
現れたのは、11人の超新星。そして、たった1人のエースストライカー。
『紹介しよう』
そこにいるのは。
宵越の隣で、潔の喉を鳴らす音が聞こえた。
そこにいたのは。
『バスタード・ミュンヘンの絶対的エースであり、現在世界最高選手の称号を持つ──』
『
《不倒》宵越竜哉が。
世界一と、邂逅する。
チームセレクト:原作比較
・国名
異端児
原作チームと同様
原作とは異なるチーム選択(原作チーム)
・ドイツ
宵越竜哉
潔 世一
我牙丸 吟
五十嵐 栗夢
音留 徹平
超 健人(フランス)
黒名 蘭世
清羅 刃
猿堂寺 暁(フランス)
・イングランド
御影玲王
凪誠士郎
千切豹馬
七星 虹郎(フランス)
閃堂 秋人(イタリア)
鰐間淳壱
柊零次
若月 樹(スペイン)
志熊 恭平(イタリア)
・イタリア
馬狼 照英
蟻生 十兵衛
オリヴァ・愛空
雷市 陣吾(ドイツ)
不角 源
仁王和真(イングランド)
狐里 輝(スペイン)
石狩 幸雄
田中 信玄
・スペイン
蜂楽 廻
乙夜 影汰
氷織 羊(ドイツ)
颯 波留
蛇来 弥勒
灰地 静
日不見 愛基
曽倉 哲
皿斑海琉(イングランド)
・フランス
糸師 凛
士道 龍聖
烏 旅人
雪宮 剣優(ドイツ)
二子 一輝(イタリア)
西岡 初(イングランド)
時光 青志
剣城 斬鉄
柚 春彦
Q22 印象をお聞きします。宵越はネオエゴ終了時のBLランキングで……
-
・1位になってそう
-
・2~5位のトップ層に食い込んでいそう
-
・6~15位のまずまずで突破しそう
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・15~23位のギリギリ感で生き残りそう
-
・24位以下 絵心「ゴーホーム宵越」
-
・ネオエゴ知らないんですよ私……