読んどきゃよかった鬼滅の刃ァ!   作:焼肉パーリィ

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顛末と説教と見舞いの中身

「お前お前お前お前お前ぇぇ!初任務で早速刃毀れさせて来るとはどういう事だクソが!透けてて見え難いから研ぎ難いしよぉぉぉぉ!?しかも俺が頑張って研いでる最中はグースカ寝ていやがったそうじゃ無えかおい!」

 

「いやもうホント申し訳無いですけど全部不可抗力なんですよ。文句は鬼にお願いしますよ蛍さん」

 

「その鬼は死んでるんだからお前しか文句を言う相手が居ねえだろうが!しかも透けてる事に関しちゃ鬼関係無くお前が原因だろうが!あとしれっと下の名前で呼ぶなァ!」

 

「………いやしかし十二鬼月を相手に癸の隊士である俺が生き残れたのはひとえに貴方の用意してくれた日輪刀がよかったからですよ普通刀折られて型を使う間も無く瞬殺されちゃう所を未熟な俺でも刃毀れに留まり応援が来るまで闘えたのは紛れも無く……痛い痛い痛い!腹の傷まだ塞がって無いから!胸ぐら掴んで揺らさないで!」

 

大騒ぎの結果めちゃくちゃ叱られた。いや俺被害者じゃないの?しかもあの人沙代からの見舞いの団子全部食って行ったんですけど。せめて1串くらい残しときませんか普通さあ?

 

 

 

任務から6日。俺は蝶屋敷にて治療を受けていた。

 

全身の様々な箇所に出血を伴う傷も凄かったらしいが、やはり重症なのは腹と次点で太腿だったらしい。

 

腹に関しては「着弾があと指2本程ずれてたら内臓に当たって死んでましたね」とは皆大好き胡蝶しのぶさんの談である。

 

美人の脅しは怖いのでやめてもろて……ね?

 

それから杏寿郎さんの柱昇格だが……杏寿郎さんが今回受けた傷が完治次第正式に柱として認め、すぐに先代炎柱の担当地区にそのまま振り分けられるらしい。

 

つまり明日だそうだ。

 

……あの、柱って皆こうなの?包帯巻かれた箇所の数、俺と大差無かったと思うんだけど?いや腹にはくらってなかったんだろうけども。

 

「…………俺も呼吸の精度が上がったら柱みたいにあんな早く傷治るようになんのかな」

 

「常中の習得が出来なきゃ影すら踏めねェよ!オラ全集中解けてんぞォ!」

 

!?!!!!?

 

「……びっっくりしたぁ!何でいるんですか実弥さん?」

 

見慣れた傷だらけの顔にビビりまくる。いきなり大声はやめて欲しい。またうるせえと怒られかねん。

 

「弟弟子の見舞いに俺が来るのがそんなに意外かァ?オイ」

 

「はい割と……いや、言いたい事は山ほどあるので好都合ですが」

 

あ、ちょっと眉間にしわが……いや言いたい事は言うぞ俺は!主に杏寿郎さんに吹き込んだ事とか任務の推薦の件とか!

 

「言いてェ事……というか質問があんのは俺の方だ」

 

「へ?」

 

「今までの稽古と今回の任務での行動の差、それを聞きに来た…………何考えて戦ってやがんのか言ってみろ」

 

「何考えて戦って……?」

 

「先に言っておくが戦略だとかそういう話とはちげェ。精神面の話だ」

 

精神面?どういう事だ?実弥さんはいったい何の話を……

 

「ビビリの割に随分と勇敢だったそうじゃねェか?オイ」

 

「?隠を俺が殿になって逃した件ですか?そりゃ私情を挟まなかったとは言いませんよ。あの子は選別で一緒だったし手紙でやり取りする程度には仲良いですから。でもあの状況なら情報伝達と時間稼ぎで別れるのは俺の中では正解でしたし、同行してたのが誰だろうと同様の判断を…」

 

「隠を逃した後、撤退の隙が無かったとは思えねェなァ?テメェの烏から聞いたぜェ?最後の一撃は果敢に斬りかかったらしいなァ?」

 

烏から?あの戦闘中いつの間に戻ってきていたんだ……ああいやともかく返事を返さねば。

 

「………自分の力を過信したのは認めます」

 

「俺にはビビって防戦一方、いざ実戦では敵わねェ格上に一太刀…ってか?稽古で出来てねェ事がよりによって十二鬼月に発揮出来ると思ったかァ?なあ?」

 

正論でぐうの音も出ねえっす。詰め方が前世の部活のコーチと同じだ。めっちゃ怖い。傷だらけの顔も相まってさらに怖い。

 

「……選別の放置された異形の事も煉獄から聞いてるハズだよなァ?」

 

「『敵わないであろう相手には撤退の判断をして情報を持ち帰る事が出来る事も鬼殺隊に必要な人材』……その見極め、でしたね」

 

「ハッキリ言うがなァ…俺はテメェがその人材になると予想していたし、期待してた。稽古じゃ守りの技術はかなりの腕、ただし格上に攻めに転じない臆病……だが俺はそれを悪い事だと思っちゃいねェ。寧ろ合っていると思ってた」

 

「合っている……ですか?」

 

「その反応を見るに、死なねェように動くのが最優先事項って自覚がねェらしいなァ?」

 

「それはその、確かに、死を覚悟して斬りかかったのは、そうですが……」

 

「……舞兎クンよォ、自分が稀血って失念してんじゃねェか?俺の酔わせるモノと違ってただ鬼どもを惹きつける、ヤツらにとって喰ったら強くなるのに効率の良いエサだ。………オマエが現状鬼殺隊の中で最も!鬼の前で簡単に死体になっちゃいけねェと自覚しろォ!」

 

言葉だけなのに、どんな攻撃を受けた時よりも頭の中がぐらついた気がした。

 

前提が違う。

 

『別に俺は死んでも良い』

 

『成果をあげて死ね』

 

大間違いだ。

 

そうか、俺って喰われたら鬼をパワーアップさせちゃうんだ。

 

「鬼殺隊を抜けて香り袋でもお守りに生きろとまでは言わねェ……剣の腕を認めちゃいねェという訳じゃねェ。稀血だって鬼を誘き出すだとかの利がある。だがその自分が犠牲になってでも……みてェな思考はナシだ。自分が喰われないと確信を持てる何かを考えろ」

 

 

言いたい事は言いましたとばかりに、見舞いの品であろう重箱を置いた実弥さんはちゃっちゃか帰って行った。

 

喰われないと確信出来る何かかぁ……考えなきゃいけない事が増えてしまった。

 

ガラスみたいに染まった日輪刀に対応する呼吸の開発も考えなければならない。

 

復帰までにせめて叩き台くらいは考えなきゃな……

 

 

 

「本ッ当に此処をなんだと思っているんでしょうね?貴方の刀鍛冶も、不死川さんも、同期の方も!」

 

「その説教って俺に来るんですか!?蛍さんはともかく実弥さんはちょっと大声出した程度でしょうし同期は意識無い俺を見舞いに来ただけでは!?」

 

「不死川さんと同期の方に文句があるのは差し入れの内容です。なんですか重箱いっぱいのおはぎと桜餅って。患者の栄養管理に常日頃苦心しているというのに」

 

「腹持ち良くて俺は好きですよ餅米使った食べ物」

 

「腹持ちが良いというのは裏を返せば消化が悪いという事です。内臓は無事だったとはいえ、今のあなたのように腹に傷がある方に提供して良いものではありません」

 

「正論ですが尚の事俺に対しての説教として適切でしょうかこれって!」

 

「不死川さんの持ってきたおはぎ、食べる気でしたよね?主治医(わたし)の許可を得ずに」

 

「…………いいえ?」

 

「重箱の蓋を開けて舌舐めずりする光景をアオイが見て私に報告してこなければ信じて差し上げたんですが」

 

「すいませんでしたァ!」

 

ps.やっぱ怖いよしのぶさん。




お見舞い一覧

煉獄杏寿郎→芋粥(弟作)

沙代→みたらし団子

甘露寺蜜璃→桜餅(重箱5段)(蝶屋敷の皆で消費)

不死川実弥→おはぎ(重箱2段)(無許可つまみ食い未遂の罰により没収措置)
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