添い寝がメインの艦これSS   作:うわぐつ24号

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どうやらあと1話かかりそうです。お許しください。


4話 青葉と添い寝 中編

金剛「えぇえぇー!!?で、デートデスカ!?」ダン

 

 

あれから15分後、ほどなくして金剛達の遠征艦隊が帰投してきた。そこで倉田から事の顛末を聞いた金剛は大変驚き彼に詰問をしていた。

 

金剛「青葉とデートデスって!?」

倉田「あぁ、まぁね…」アハハ…

金剛「テートクひどいヨー!私とはまだデートしたこと無いのニー!」グイッ

倉田「そ、そんなこと言われても…」

金剛「…テートクから誘ったんデスカ?」

倉田「いや、青葉からだよ」

金剛「…ムゥ、なら、し、しょうがないデース」プイ

倉田(こりゃ全然納得してくれーなぁ)ニガワライ

 

倉田「ちゃんと埋め合わせはするからさぁ…頼むよぉ…」

金剛「ま、まぁ青葉も待たせちゃうし…分かりマシタ」フン

 

金剛「そ の か わ り!!!」ビシッ

 

金剛「私がテートクをオシャレにシマース!」

倉田「え?」

 

金剛「せっかくのデートなんですから、青葉を楽しませなきゃデスヨ!」

倉田「ま、まぁそうだけど」

金剛「その相手が私じゃないのはガッカリデスガネ」フンッ

倉田「…」

 

金剛「ほらほら!行きますよテートク!」グイッ

倉田「え?ちょ、どこに!?」

 

 

倉田の手を引いて金剛は倉田の自室へと走る。

   

 

 

ガチャ

 

 

金剛「ワォ!ここがテートクのお部屋デスカー!」キラキラ

 

艦隊司令官といえど、同じ鎮守府の施設を利用しているため内装は艦娘寮と大差ない。強いて言えば内線電話が完備されているくらいだ。

 

1人暮らしの男性の部屋といえば多少なりとも散らかっている印象があるが、彼は一端の海軍将校。部屋は綺麗に整頓されている。

とはいえ、壁や戸棚には彼の好きなアニメキャラのフィギュアやグッズが並んでいる。ここだけは唯一彼の個性が出ていると言えよう。

 

 

 

冴えない顔で倉田は金剛に問う。

 

倉田「金剛、そんなに俺の部屋が気になるのか?」ジ…

金剛「え!?お、オウ、sorry!そ、そんなことナイネー!は、早くお着替えをシマショウ!」

倉田「え?そ、そうか。じゃあ、頼んだ」ペコッ

金剛(あ、危なかった〜!男の人の部屋なんて初めてだから慣れないヨォ〜!///)

 

 

 

そんなこんなで金剛によるコーディネートがスタートした。

 

彼はかなりのアニオタであるが、それでも軍人。世間の男性の中でもそれなりに男前な成りはしている。

幸いにもそれなりにオシャレができそうな私服は揃っていた。まぁ、どれもユニ◯ロのものばかりであるが……

 

 

金剛「テートク、それなりの服はちゃんと揃ってマスネー!てっきりアニメキャラのシャツしかないのかと…」ゴソゴソ

 

金剛がクローゼットを物色しながら言う。今はクソ暑い7月。クローゼットの中まではエアコンを効かせることはできないため、金剛は汗ばみながら彼の服を選ぶ。

 

金剛(ウーン…テートクにはどんな服が似合いますカネー?ダボダボ系?それとも…ジーパン系?)

 

金剛は悩みながら服を見つめる。時より倉田の方に服をかざしながらイメトレも進める。

 

 

倉田(金剛、結構入念に選んでくれてんなぁ)

倉田(…俺とデートするわけでもねぇのに、ここまでしてくれるなんて…)ジーン

 

 

 

 

 

 

 

 

ー10分後ー

 

 

金剛「完成ネー!」

 

金剛は自慢気に着飾った倉田を眺める。

 

ダボっとした黒色のズボンに、白のこれまたダボっとした七分袖のTシャツ。銀色の控えめなネックレスに帽子。落ち着いた感じのあるコーディネートとなっている。

 

倉田「おぉ…な、中々様になってるなぁ…」

金剛「デショデショ!あ、テートク写真撮りマショ!」タタタ…

 

そう言って私服の倉田と腕を絡ませて自撮りをする。倉田は一瞬驚いたが、自分のためにしてくれた金剛のために、笑顔でレンズに映り込む。

 

金剛「うーん、良い写真が撮れたネー」エヘヘ…

倉田「」

 

 

金剛「テートク?何ボッーとしてるんデスカ?」

倉田「え、あーいや、その…」

金剛「?」

倉田「その…ありがとな」

倉田「俺のために、ここまでしてくれてさ」

 

金剛「まぁ、少しだけ悔しいデスヨ?テートクとの初デートが私じゃないのは…」

金剛は少しだけ虚しさの残る顔で言う。残念な気持ちを不器用にも隠そうとしているのがわかる。

 

倉田「埋め合わせ…だいぶ豪華にするよ」

金剛「豪華…デスカ?」

倉田「やってほしいこととか、おれができることとか、なんでもやるよ」ニコッ

金剛「」ボケェ

倉田「?、どうした?」

 

金剛が一瞬固まった。何か変なことでも考えていたのだろうか。

 

金剛「フフ、お願い思いついちゃったネ!」ビシッ

倉田「やけに早いなぁ…」

金剛「ムゥー、テートクが何でもいいって言ったんデスヨー」ブー

倉田「分かってるよ。それで、何がいいんだ?」

 

金剛「じ、じゃあ…」

 

 

倉田を前に、目線をうろつかせる金剛。いつもは大胆な癖にこういう時は初心な反応を見せる。

 

 

金剛「て、テートクの…」

 

金剛「テートクの部屋の…合鍵をクダサーーイ!!」ワッ

 

 

 

 

刹那、倉田の顔が険しくなる。

 

倉田「…なんだと?」ギロッ

金剛「あ、いえ…その…えと…」

 

睨まれるとは思っていなかったのだろう。思わず金剛はたじろぐ。

 

流石に無理があったか…そう思って覚悟したが…

 

 

 

倉田「そんなもんで良いならいくらでもやるぞ」

金剛「へ?」

 

倉田「ほれ」ポーン

金剛「わわ」キャッチ

 

倉田「お、ナイスキャッチ」ニコッ

金剛「…」( ゚д゚)

 

 

しばし金剛は呆気に取られたように口をあんぐりと開けて倉田を見つめる。何が起こったのかわからないような様子である。

 

倉田「ま、好きな時に出入りしてもらって大丈夫だぜ。最も、こんな部屋でいいのならな」ハハッ

倉田「そんじゃ…行ってきますわ!帰る時は鍵閉めとってくれ〜」タタタ…ガチャ

 

 

金剛「へ?」

 

 

突如として彼の部屋に1人取り残されてしまった。何が起こったのかわからない顔で部屋を眺める。 

 

 

その内、先ほどの出来事が胸に染み渡ってきて、時差でその喜びが込み上げる。

 

金剛「テートクの…合鍵…!?///」ボン

 

金剛「こ、これ…もらっちゃって良いんデスカ!?///」

 

金剛は誰もいない部屋で1人声を上げる。嬉しさ半分、恥ずかしさ半分で彼女はしばらくその場で悶えていたそうな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから15分後、正門前でスマホをいじりながら待つ倉田は4人の艦娘に絡まれていた。

 

 

倉田「」←ゲーム中

 

?「あれ?司令官じゃない?」

?「やぁ司令官。おや、かなり珍しい格好だね」

?「本当じゃない!珍しいわ!」

?「こんにちはなのです。おしゃれですね、司令官さん」

 

倉田「おお、六駆揃ってお出かけか。お前らも元気だな」

 

そう、第六駆逐隊の4人である。4人は仲良くお揃いのワンピースでお出かけに行く所だった。華奢で可愛らしい。

 

暁「レディは暑さなんかに負けないわ!」

響「…私はもう溶けそうだけど。ここはシベリアと比べて暑いな」

雷「今日はみんなでショッピングモールにできたスイーツ店に行くのよ!」

電「楽しみなのです♪」

 

暁「司令官は何か予定があるの?随分とオシャレな格好だけど」クビカシゲ

倉田「あぁ、まぁね」

倉田(青葉とデートとか言えねぇ!)

響「…それにしても、ファッションに無頓着な司令官がここまで男前になるとは…もしかして…」

 

響「デートとか?」

倉田「」ギクッ

雷「え!?そうなの!?」キラキラ

電「はわわ!し、司令官さん、か、彼女さんがいるのですか!?//」ハワワ

倉田「違う違う!そんなんじゃないって!」アセアセ

響「うーん、怪しいなぁ…この前吹雪や島風とそうめんを買いに行ってた時は…防衛大のジャージを着ていたよね?」

暁「決まりね!司令官、誰とデートなの!?」グイッ

電「電も気になるのです!」グイッ

倉田(ここは乗り切るしかねぇ…!今青葉が来たら完全に誤解される!!)

 

しかし、神は無情である。次の瞬間、彼を呼ぶ例の声が鎮守府から聞こえてきてしまった。

 

 

 

青葉「おーーい!しれいかーん!」タタタ

倉田(ぎゃーーーー!!!)ゼツボウ

青葉「すみませんお待たせしちゃって!少し時間がかかってしまいまして…」

青葉「…青葉どうでしょうか?似合ってますか?」チラッ

 

 

青葉のコーディネート   青色のシャツ、ロゴTシャツ、薄い水色のデニム

 

端正なブルーシャツはオーバーサイズ、その下にはロゴ入りの白のTシャツを着ている。(こちらも少々オーバーサイズ)ラフな淡色のデニムが良い感じに清涼感を出している。何よりアクティブさやラフさが感じられ、青葉の性格を表したようなコーディネートには思わず倉田も目を見張った。

 

倉田「抜群に似合っているな…」ガンプク

青葉「え、えへへ…ありがとうございます…//」テレリ

 

 

 

六駆「えええぇええーー?!?!」

青・倉「」ビクッ

 

暁「しし、司令官の彼女さんって…青葉さんなの!?」

響「ハラショー。実にハラショーだ」

雷「いやいや待って!そんな感じ全然なかったじゃない!?」

電「凄くビックリなのです!!」ハワワワ

 

青葉「い、いやいや!私と司令官はそんな関係じゃないですよ!?///」ボンッ

 

真っ赤になった青葉が全力で否定する。どうやらまだ事の顛末が分かっていないようだ。

 

暁「そんなこと言われたって、2人がそんなにオシャレしてるのを見た事がないわ!これが動かぬ証拠じゃない!」ビシッ

 

…正論である。よりにもよってオシャレに無頓着な組み合わせになってしまった。これでは否定しても説得力がない。

 

倉田「これじゃあ埒があかんなぁ…俺から説明するよ」トホホ…

 

 

 

 

 

倉田説明中ー

 

 

暁「ふーん、なんだか怪しいけれど…」

響「司令官がそこまで否定するなら仕方がない。信じるほかないね。…怪しいけど」

倉田「まぁそういうこった…俺に彼女はいないよ」フゥ

青葉(…カップルと思われて…青葉は少しだけ嬉しかったけどなぁ…)ニヨニヨ

雷「青葉さん、何をニヤニヤしてるの?」

青葉「あ、いや!なんでもないよ!」アセアセ

響(嬉しかったんだね…青葉)フッ

電「響ちゃんも響ちゃんでなんか変な雰囲気なのです」

響「なんでもないさ。みんな、そろそろ行こうか。バスに遅れちゃうよ」

暁「あ、そうだったわ!さぁ行くわよ!司令官と青葉さんも楽しんでねー!」ノシ

電「さよならなのです!」

倉田「じゃあな〜気をつけて〜」ノシ

 

 

バス停に向かって歩いていく4人と手を振り合い、やっと2人だけの空間となった。

 

倉田「ふぅ…嵐のような質問攻めだった…」

青葉「そうでしたね…」アハハ…

倉田「…側から見たら、俺らってそういう感じに見えるんだな」

青葉「で、ですね…///」

 

お互いに黙ってしまい気まずくなってしまった。

 

つよい日差しが2人の頬を照らしている。

 

きっと青葉の頬がほんのりと紅いのもそのせいだろう。

 

倉田「えっと、青葉。今日はどこに行きたいとかあるか?」

青葉「へ?あ、それは…」

 

どうやら考えていなかったらしい。つまり、突拍子もなく誘ったということか…

 

 

倉田「じゃあさ、見たい映画があるからそれに付き合ってくんね?面白そうな映画があるんだよなぁ」ニシシ

青葉「映画ですか!いいですね!青葉行きたいです!」キラキラ

倉田「広島市のでかいシアターでしかやってないやつだからさ、電車で行きたいんだ」

青葉「行きましょう!青葉楽しみです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

 

そんなこんなで大型の複合施設に到着した。広島のみならず、中国・四国地方で最大のショッピングモールである。(なお六駆が行った所とは別)

 

10階建ての大型施設。隣にはラウンド○ンも備えていてデートとしては申し分ないだろう。

 

中国地方最大の広島駅から徒歩で約2分。今日は休日ということで駅周辺はたいそう賑やかである。

 

青葉も青葉で何度か来たことはあるが、デートとして来るのは初めて。心はとても踊っていた。

 

青葉(まさかお手伝いしていたらこんなことになるなんて…今日の青葉はついてるなぁ♪)ルンルン

 

倉田「青葉、やけに嬉しそうだな?」

青葉「え?あぁ…そうですね…」

青葉「まさか司令官がデートのお願いを聞いてくれるなんて思っていませんでしたから…その、嬉しいんです//」ポッ

倉田(なんか…青葉らしくねぇな…//)メソラシ

 

倉田「ま、まぁせっかくだし、楽しんでもらえるよう尽力するよ」

青葉「はい!今日はお願いしますね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーそんなこんなで映画館に着いたーー

 

 

 

青葉「おお〜これが映画館ですかぁ…」ホエー

倉田「青葉は映画館に来たことなかったのか?」

青葉「はい、だいたいいつも街に来る時はカメラを買うかゲーセンで他の子たちと遊ぶくらいだったので」

青葉「だから、凄く新鮮で楽しみです!」

 

休日、そして猛暑の中ということもあり、涼しい映画館には人がかなり多い。ありとあらゆる場所が何気ない会話で溢れかえっていた。

 

ガヤガヤ

 

青葉「結構人が多いですねぇ…」

倉田「こんだけ暑いと避暑地感覚で映画を観にくる連中もいるんだろうな」

青葉「チケット買えますかね…?」

 

彼女の視線の先にはチケット販売機にできた長蛇の列。子連れ、部活帰りの学生達、カップル、老夫婦まで様々な人たちが列を成している。

おそらく並べば30分以上はかかるだろう。

 

倉田「まぁ安心しな。俺にはこれがある」シュッ

青葉「それは…会員カード?」

倉田「あぁ。コイツが有ればあそこの会員窓口でチケットを買える。まぁ、有人にはなるけどな」

青葉「会員ってことは結構映画見てるんですか?」

倉田「まぁな。結構アニメ映画が面白くてな」ニコッ

青葉「そうだったんですね。じゃあ今日観るのもアニメですか?」

倉田「うん。あ、もしかしてアニメあんま好きじゃなかった?」

青葉「いえいえ!結構見ますよ!最近だと…ア◯のハコとか!」

倉田「まじで?あれ見てるの?」

青葉「もしかして司令官も見てます?」

倉田「見てる見てる!やっぱ純愛は最高だよなぁ…」

青葉「分かります!やっぱあの距離感とか最高ですよね!」

倉田「…フフ」

青葉「ん?どうしたんですか?」

倉田「いや、青葉の新しい一面が知れて嬉しくてな。つい笑っちまった」ニッ

青葉「……そうですか…//」ポッ

 

青葉(不意打ちですよぉ〜!//)メソラシ

 

倉田(こいつさっきからちょくちょく1人百面相してるなぁ)ニガワライ

 

 

ー会員用のチケット売り場へー

 

 

 

店員「お二人様ですね。ご来館ありがとうございます。どの映画になさいますか?」

倉田「このアニメ映画でお願いします」

店員「かしこまりました。こちらの映画はカップル割引きが使えますがどうしますか?」

倉田(俺らやっぱそう見えるのか…)

青葉(かかか、カップル!?///)ボン

店員(かわいい反応するなぁ〜)ホホエマー

 

倉田「じゃあお願いします」

青葉「ふぇ!?///」

倉田「なんだよ、別にいいだろ。デートなんだし」

青葉「あぁ、はい…///」

 

店員「ありがとうございましたー!」

 

 

 

倉田「結構話題になってる映画だからな。楽しみだぜ」フフ

青葉「監督の人もヒット作たくさん出してますしね」

倉田「えーと、スクリーン番号は…」

青葉「司令官、ここですよ!」

倉田「よっしゃ、じゃあ行きますか」

 

 

 

 

 

 

2人が見た映画は純愛モノのアニメ映画だった。ひょんなことから100年前にタイムスリップした女子高生と、とある海軍将校の恋を描いていた。

最終的には現代に戻った女子高生と、現代に生まれ変わっていた将校が恋を成就させて物語は終わった。

 

青葉は上映中、それこそコロコロと表情を変えていた。あるときは驚き、ある時はにやけて、ラストシーンでは涙を流していた。

倉田も倉田で映画に夢中になってその青葉にはほとんど気づいていなかったが。

 

 

 

 

 

 

 

ーーその後、カフェにてーー

 

 

 

倉田「いやぁ…おもしろかったなぁ」ノビー

青葉「はい!青葉泣いちゃいましたぁ」エヘヘ

倉田「確かに最後のシーンは涙腺刺激してきたな」

青葉「ですよねですよね!特に最後の主人公とヒロインが泣きながら抱き合っているのとか、もう感無量でしたよ」オヨヨ

倉田「伏線の回収の仕方もうまかったし、こりゃヒットする訳だわ」ウンウン

 

青葉「……」

 

青葉は倉田の言葉を聞いたっきり、じっとコップの中のカフェラテを見つめていた。

 

倉田「どうした?なんか入ってたのか?」

青葉「あ、いえ…そうではなくて…」

倉田「?」

 

青葉「なんどかあの映画見た後になって、あんな恋愛がしたいなぁ…と思いまして…」ニガワライ

青葉「まぁ、その、青葉はそんな柄じゃないのでどうにも失敗しちゃいそうですけどね」アハハ…

 

倉田「そうか?俺は出来ると思うけどなぁ」

青葉「へ?」

 

倉田「少なくとも青葉は美人だぜ?それだけでもデカいアドバンテージだしな」

青葉「あ、青葉が…美人…///」

 

倉田「そんなに卑下する必要もないと思うぞ?お前なら、あの映画のヒロイン以上の恋だって出来るさ」

 

 

倉田「その時になったらお前の恋、全力で応援するからさ」ニコッ

青葉「…」

 

倉田「だからこそ好きな人できたら教えてくれよ?まぁ、他人との交友関係か薄い俺が出来ることなんて小さなことだけどな」ハハハ

 

倉田は無邪気に笑う。その屈託のない彼の表情に、青葉は少しだけ心がチクッとする感覚を覚えた。

 

 

青葉(私は今も恋していますよ…司令官…)

 

 

青葉「他でもない、あなたに…」ボソッ

 

倉田「え?なんて?」

青葉「あ、いや、その…」

倉田「疲れちゃったんじゃないか?まああれだけ大迫力だったんだし、無理もないな」ハハ

 

倉田「少し…屋上で涼もうか」

 

 

 

 

 

 

彼らがいるこの複合施設は、屋上に休憩室なるものが備えられている。ゆったりとしたソファがずらりと並んでいて、300円の使用料で6時間まで使える、家族連れなどには持ってこいのスペースがあるのだ。

屋上にあるのも相まって眼下には大都市広島市を一望できる。全面ガラス張り、冷暖房も完備なので、酷暑の日でも安心だ。

 

 

 

青葉「うわぁ…フカフカですねぇ」ホワァ

倉田「うーん…何度来ても飽きないなぁ、ここは」ノビー

青葉「涼しいですし、ここならずっと眠れそうです…」

倉田「頑張って手伝いもしてくれたし、映画の迫力もあったからな。仮眠程度に寝るといい」

 

倉田「ちょい待っててな。薄手の毛布借りてくるから」

 

ここの休憩室は毛布(未使用除菌済み)も貸し出しをしているため、仮眠も取れるのである。少し離れたカウンターで手続きをしなければならない。

静かにエアコンの音のみが響き渡り、まるで図書館のような静かだ。そんな中で疲労も溜まっている青葉が秒殺されて寝てしまうのは時間の問題だった。

 

 

 

ー10分後ー

 

倉田「おーい、青葉、毛布借りたぞ」

 

青葉「」←お昼寝

 

倉田「ありゃ…寝ちゃったか…」

 

ソファに寝そべってしまって眠りに落ちている青葉。穏やかな寝顔だ。

 

倉田「まぁ、朝から秘書艦として頑張ってくれたし、映画も楽しんでくれてたみたいだしな…ヨイショ」

 

倉田はゆっくりと青葉の体を起こして自分が座るスペースを確保して座った。そして2人に毛布を掛けて、ソファにもたれる。

 

青葉「」コテン

倉田の肩に落ちてきた青葉の頭をゆっくりと彼は撫でた。心なしか、気持ちよさそうな笑みを青葉は浮かべているようだ。

 

彼女の規則正しい寝息が倉田の耳に吸い込まれていくように響く。

 

 

 

少しだけ冷房が効き過ぎているせいで、室内は冷え気味。だからこそだろうか、2人でくっつきあって毛布を被っていると、自然と温まる。

 

 

この温もりが今の倉田には心地が良かった。日々の執務のストレスが、ゆっくりとその温度で溶かされていく。

 

時刻は1700。お昼からのデートとなれば、映画だけでもこの時間にはなるだろう。

艦隊の司令官として、門限より早く帰らないといけない。残念ではあるがそろそろ帰らないといけないが……

 

 

青葉「」スー…スー…

倉田「こりゃ、しばらくは起きねぇかな…」ニガワライ

 

仕方がない。もう少しだけ寝かせておこうか。

 

 

 

倉田は自分達に向かって差し込む夕日に目を向ける。その光は、休日の騒がしい世界をゆったりと照らしているようだった。

 




呼んでいただいてありがとうございました。次はガチ添い寝です。
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