異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜 作:トンコツマン
葬儀から三日後の朝――
カスミが目を覚ますと、机の上に小包が置かれていた。
「……誰だい、こんなものを」
警戒しながら手に取ると、その下には一通の手紙。
――――――――――
『馬場香澄ことカスミ・ババさんへ
あなたの功績を讃えて、“スマートフォン”を進呈します
神様より
P.S. 正確には娘のルナだったりして(笑)
パパは浮気がバレてママに半殺しにされてるよ☆』
――――――――――
「……馬鹿だね」
カスミは深くため息をついた。
「神様が修羅場ってどういう世界だい……」
小包の中には“スマートフォン”。
「で、どうやって使うんだい……」
少し考え――
「……まあいい。ワタルに聞けばいいか」
すぐに切り替えた。
「それより朝飯だね」
⸻
昼過ぎ――
ギルドへ向かう道中。
「ここ押すと電源で……」
「ほう、便利だね」
ワタルに使い方を教わっていると――
「カスミの姐さん!!」
「押忍!!姉御!!」
現れたのはアニマルとホーク。
「元気そうだね」
「はい!子どもが生まれたんで!」
「俺も三人いて大変っす!」
「いいねぇ。守るもんがある男は強い」
カスミは満足げに笑う。
「姐さん、ギルドマスターが呼んでます」
「……面倒な匂いしかしないね」
⸻
ギルド――
「カスミさん!!」
リアナたちに捕まり、そのまま奥へ。
「ちょっと待ちなってば!」
半ば強引に連れて行かれた先には――
二メートルを超える大男。
「……でかい」
「俺がギルドマスターのアンドレだ」
差し出された手。
カスミは迷わず握る。
「それで?」
アンドレは小瓶を取り出す。
赤黒い液体。
「これは“アビス・ネクター”」
空気が変わる。
「欲望を異常増幅させる媚薬だ。ただし副作用は強烈だ。幻覚、震え、冷や汗……過剰摂取で死ぬ」
「……ろくでもないね」
「これが密売されている。しかも――ロックハート家の長男、クリフが関与している可能性がある」
「……あのチャラ男か」
「証拠がない。だから潜入して掴んでこい」
「断れない理由があるんだろ?」
「……ああ。あいつは、お前の孤児院の土地の権利書を握ってる」
「なるほどね」
カスミはため息をついた。
「それと――殴るなよ」
「なんでだい?」
「見ればわかる」
「わかりますね」
《ゴンッ!!》
「いったぁ!?」
⸻
その夜――
「なんで私も行くのよ!?」
アスナ絶叫。
「君にも興味あるらしいよ」
「最悪!!」
「嫌なら報酬なし」
「行くわよ!!」
即答だった。
⸻
翌朝――ロックハート邸。
「お着替えをどうぞ」
差し出された服を見て――
三人、沈黙。
「……なんだいこれは」
ミニスカメイド服。
「短っ!!布どこいったのよ!?」
「観賞用です」
「いらんわ!!」
ワタル、震える。
「このカツラ……」
「女装です」
「即答!?」
アスナ爆笑。
「似合いそう!」
「やめて!!」
「しかも男もいけるらしいし」
「聞きたくなかった!!」
「ワタル囮ね」
「なんでだよ!!」
⸻
一方――
「ふむ」
すでに着替え済みのカスミ。
「悪くないね」
「なんでノリノリなの!?」
「一度着てみたかったんだよ」
「夢叶ってる!!」
⸻
ワタル、鏡を見る。
「……誰これ」
美少女メイド爆誕。
「ちょっと可愛いのやめて!?」
「ヒロインじゃん!」
「男だよ!!」
⸻
「アンタ達、いい加減にしな」
空気が締まる。
「遊びじゃない」
その一言で空気が変わる。
「……行くよ」
⸻
屋敷内――
廊下を進んでいると、
「……っ!?カ、カスミさん!?」
現領主スレイと遭遇する。
「どうしたんですか、その格好は……!」
「ああ、全部あの坊ちゃんの趣味さ」
「や、やっぱり……」
スレイの肩が震える。
「ダメです……兄さんは危険なんです……」
声は弱く、視線は落ちる。
「僕は……止めないといけないのに……何も言えなくて……」
拳を握るが、力が入らない。
「領主なのに……怖くて……」
完全に俯く。
「……情けないですよね」
だが――
「アンタねぇ」
カスミが前に出る。
「それでよく領主なんてやってられるね」
「……っ」
「守るもんがあるんだろ?」
真っ直ぐな言葉。
「ビビってる暇なんてないよ」
「で、でも僕は――」
「言い訳は聞きたくないね」
ぴしゃりと遮る。
「出来ないなら出来るようになるしかない」
沈黙。
「……そうやって下向いてる限り、一生そのままだよ」
そして背を向ける。
「安心しな」
振り返らずに言う。
「アンタが心配してるようなことにはならない」
「……はい」
スレイは小さく頷く。
⸻
その頃――
ギルドマスター室。
「……行ったか」
アンドレは葉巻に火をつける。
「ふぅ……」
煙を吐き、苦笑。
「相変わらずだな……香澄」
ぼそりと呟く。
「……“変装”解除」
次の瞬間――
巨体が揺らぐ。
筋肉が縮み、骨格が変わる。
現れたのは、一人の女性。
「カスミのヤツ気づいてる上で何も言わなかったな・・・あの野郎」
小さく笑う。
「あの目……昔と同じだ」
煙をくゆらせる。
「リングの上でもそうだったな……獲物を狩る獅子の眼……」
「レオ宍戸こと宍戸香澄……」
懐かしむように呟く。
「あの頃と全然変わっていない。
そして――
鋭い笑み。
「面白い試合になりそうだな」
灰を落とす。
「……手ぇ貸してやるよ。昔のよしみだ」
煙が静かに漂った。
⸻
NEXT
『領主の責務 後編』
⸻やので
✅ストーリーの流れ
✅ギャグとシリアスのバランス
✅伏線(薬・スレイ・キョウコ)
全部まとまっています。
次は「後編」で
クリフとの対峙(クズ全開)
アビス・ネクター絡みの事件
カスミの制裁
ここをしっかり決めれば、一気に“人気回”になります 了解です。
これまでの改変(アビス・ネクター/メイドギャグ強化/スレイの弱さ/キョウコ正体)をすべて統合した完成版を書きます。
⸻
『領主の責務 中編(完全版)』
葬儀から三日後の朝――
カスミが目を覚ますと、机の上に小包が置かれていた。
「……誰だい、こんなものを」
警戒しながら手に取ると、その下には一通の手紙。
――――――――――
『馬場香澄ことカスミ・ババさんへ
あなたの功績を讃えて、“スマートフォン”を進呈します
神様より
P.S. 正確には娘のルナだったりして(笑)
パパは浮気がバレてママに半殺しにされてるよ☆』
――――――――――
「……馬鹿だね」
カスミは深くため息をついた。
「神様が修羅場ってどういう世界だい……」
小包の中には“スマートフォン”。
「で、どうやって使うんだい……」
少し考え――
「……まあいい。ワタルに聞けばいいか」
すぐに切り替えた。
「それより朝飯だね」
⸻
昼過ぎ――
ギルドへ向かう道中。
「ここ押すと電源で……」
「ほう、便利だね」
ワタルに使い方を教わっていると――
「カスミの姐さん!!」
「押忍!!姉御!!」
現れたのはアニマルとホーク。
「元気そうだね」
「はい!子どもが生まれたんで!」
「俺も三人いて大変っす!」
「いいねぇ。守るもんがある男は強い」
カスミは満足げに笑う。
「姐さん、ギルドマスターが呼んでます」
「……面倒な匂いしかしないね」
⸻
ギルド――
「カスミさん!!」
リアナたちに捕まり、そのまま奥へ。
「ちょっと待ちなってば!」
半ば強引に連れて行かれた先には――
二メートルを超える大男。
「……でかい」
「俺がギルドマスターのアンドレだ」
差し出された手。
カスミは迷わず握る。
「それで?」
アンドレは小瓶を取り出す。
赤黒い液体。
「これは“アビス・ネクター”」
空気が変わる。
「欲望を異常増幅させる媚薬だ。ただし副作用は強烈だ。幻覚、震え、冷や汗……過剰摂取で死ぬ」
「……ろくでもないね」
「これが密売されている。しかも――ロックハート家の長男、クリフが関与している可能性がある」
「……あのチャラ男か」
「証拠がない。だから潜入して掴んでこい」
「断れない理由があるんだろ?」
「……ああ。あいつは、お前の孤児院の土地の権利書を握ってる」
「なるほどね」
カスミはため息をついた。
「それと――殴るなよ」
「なんでだい?」
「見ればわかる」
「わかりますね」
《ゴンッ!!》
「いったぁ!?」
⸻
その夜――
「なんで私も行くのよ!?」
アスナ絶叫。
「君にも興味あるらしいよ」
「最悪!!」
「嫌なら報酬なし」
「行くわよ!!」
即答だった。
⸻
翌朝――ロックハート邸。
「お着替えをどうぞ」
差し出された服を見て――
三人、沈黙。
「……なんだいこれは」
ミニスカメイド服。
「短っ!!布どこいったのよ!?」
「観賞用です」
「いらんわ!!」
ワタル、震える。
「このカツラ……」
「女装です」
「即答!?」
アスナ爆笑。
「似合いそう!」
「やめて!!」
「しかも男もいけるらしいし」
「聞きたくなかった!!」
「ワタル囮ね」
「なんでだよ!!」
⸻
一方――
「ふむ」
すでに着替え済みのカスミ。
「悪くないね」
「なんでノリノリなの!?」
「一度着てみたかったんだよ」
「夢叶ってる!!」
⸻
ワタル、鏡を見る。
「……誰これ」
美少女メイド爆誕。
「ちょっと可愛いのやめて!?」
「ヒロインじゃん!」
「男だよ!!」
⸻
「アンタ達、いい加減にしな」
空気が締まる。
「遊びじゃない」
その一言で空気が変わる。
「……行くよ」
⸻
屋敷内――
廊下を進んでいると、
「……っ!?カ、カスミさん!?」
現領主スレイと遭遇する。
「どうしたんですか、その格好は……!」
「ああ、全部あの坊ちゃんの趣味さ」
「や、やっぱり……」
スレイの肩が震える。
「ダメです……兄さんは危険なんです……」
声は弱く、視線は落ちる。
「僕は……止めないといけないのに……何も言えなくて……」
拳を握るが、力が入らない。
「領主なのに……怖くて……」
完全に俯く。
「……情けないですよね」
だが――
「アンタねぇ」
カスミが前に出る。
「それでよく領主なんてやってられるね」
「……っ」
「守るもんがあるんだろ?」
真っ直ぐな言葉。
「ビビってる暇なんてないよ」
「で、でも僕は――」
「言い訳は聞きたくないね」
ぴしゃりと遮る。
「出来ないなら出来るようになるしかない」
沈黙。
「……そうやって下向いてる限り、一生そのままだよ」
そして背を向ける。
「安心しな」
振り返らずに言う。
「アンタが心配してるようなことにはならない」
「……はい」
スレイは小さく頷く。
⸻
その頃――
ギルドマスター室。
「……行ったか」
アンドレは葉巻に火をつける。
「ふぅ……」
煙を吐き、苦笑。
「相変わらずだな……香澄」
ぼそりと呟く。
「……“変装”解除」
次の瞬間――
巨体が揺らぐ。
筋肉が縮み、骨格が変わる。
現れたのは、一人の女性。
キョウコ・カンドリ。
「やっぱ気づいてねぇか」
小さく笑う。
「あの目……昔と同じだ」
煙をくゆらせる。
「リングの上でもそうだったな……真正面から全部ぶち壊す」
「宍戸香澄……」
懐かしむように呟く。
「久しぶりだな」
そして――
鋭い笑み。
「面白ぇ試合になりそうだな」
灰を落とす。
「こいつは面白いことになってきた」
煙が静かに漂った。
⸻
NEXT
『領主の責務 後編』
性的表現はマイルドにしてます