異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜   作:トンコツマン

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第18話 領主の責務 中編

葬儀から三日後の朝――

 

カスミが目を覚ますと、机の上に小包が置かれていた。

 

「……誰だい、こんなものを」

 

警戒しながら手に取ると、その下には一通の手紙。

 

――――――――――

『馬場香澄ことカスミ・ババさんへ

あなたの功績を讃えて、“スマートフォン”を進呈します

 

神様より

 

P.S. 正確には娘のルナだったりして(笑)

パパは浮気がバレてママに半殺しにされてるよ☆』

――――――――――

 

「……馬鹿だね」

 

カスミは深くため息をついた。

 

「神様が修羅場ってどういう世界だい……」

 

小包の中には“スマートフォン”。

 

「で、どうやって使うんだい……」

 

少し考え――

 

「……まあいい。ワタルに聞けばいいか」

 

すぐに切り替えた。

 

「それより朝飯だね」

 

 

昼過ぎ――

 

ギルドへ向かう道中。

 

「ここ押すと電源で……」

 

「ほう、便利だね」

 

ワタルに使い方を教わっていると――

 

「カスミの姐さん!!」

 

「押忍!!姉御!!」

 

現れたのはアニマルとホーク。

 

「元気そうだね」

 

「はい!子どもが生まれたんで!」

「俺も三人いて大変っす!」

 

「いいねぇ。守るもんがある男は強い」

 

カスミは満足げに笑う。

 

「姐さん、ギルドマスターが呼んでます」

 

「……面倒な匂いしかしないね」

 

 

ギルド――

 

「カスミさん!!」

 

リアナたちに捕まり、そのまま奥へ。

 

「ちょっと待ちなってば!」

 

半ば強引に連れて行かれた先には――

 

二メートルを超える大男。

 

「……でかい」

 

「俺がギルドマスターのアンドレだ」

 

差し出された手。

 

カスミは迷わず握る。

 

「それで?」

 

アンドレは小瓶を取り出す。

 

赤黒い液体。

 

「これは“アビス・ネクター”」

 

空気が変わる。

 

「欲望を異常増幅させる媚薬だ。ただし副作用は強烈だ。幻覚、震え、冷や汗……過剰摂取で死ぬ」

 

「……ろくでもないね」

 

「これが密売されている。しかも――ロックハート家の長男、クリフが関与している可能性がある」

 

「……あのチャラ男か」

 

「証拠がない。だから潜入して掴んでこい」

 

「断れない理由があるんだろ?」

 

「……ああ。あいつは、お前の孤児院の土地の権利書を握ってる」

 

「なるほどね」

 

カスミはため息をついた。

 

「それと――殴るなよ」

 

「なんでだい?」

 

「見ればわかる」

 

「わかりますね」

 

《ゴンッ!!》

 

「いったぁ!?」

 

 

その夜――

 

「なんで私も行くのよ!?」

 

アスナ絶叫。

 

「君にも興味あるらしいよ」

 

「最悪!!」

 

「嫌なら報酬なし」

 

「行くわよ!!」

 

即答だった。

 

 

翌朝――ロックハート邸。

 

「お着替えをどうぞ」

 

差し出された服を見て――

 

三人、沈黙。

 

「……なんだいこれは」

 

ミニスカメイド服。

 

「短っ!!布どこいったのよ!?」

 

「観賞用です」

 

「いらんわ!!」

 

ワタル、震える。

 

「このカツラ……」

 

「女装です」

 

「即答!?」

 

アスナ爆笑。

 

「似合いそう!」

 

「やめて!!」

 

「しかも男もいけるらしいし」

 

「聞きたくなかった!!」

 

「ワタル囮ね」

 

「なんでだよ!!」

 

 

一方――

 

「ふむ」

 

すでに着替え済みのカスミ。

 

「悪くないね」

 

「なんでノリノリなの!?」

 

「一度着てみたかったんだよ」

 

「夢叶ってる!!」

 

 

ワタル、鏡を見る。

 

「……誰これ」

 

美少女メイド爆誕。

 

「ちょっと可愛いのやめて!?」

 

「ヒロインじゃん!」

 

「男だよ!!」

 

 

「アンタ達、いい加減にしな」

 

空気が締まる。

 

「遊びじゃない」

 

その一言で空気が変わる。

 

「……行くよ」

 

 

屋敷内――

 

廊下を進んでいると、

 

「……っ!?カ、カスミさん!?」

 

現領主スレイと遭遇する。

 

「どうしたんですか、その格好は……!」

 

「ああ、全部あの坊ちゃんの趣味さ」

 

「や、やっぱり……」

 

スレイの肩が震える。

 

「ダメです……兄さんは危険なんです……」

 

声は弱く、視線は落ちる。

 

「僕は……止めないといけないのに……何も言えなくて……」

 

拳を握るが、力が入らない。

 

「領主なのに……怖くて……」

 

完全に俯く。

 

「……情けないですよね」

 

だが――

 

「アンタねぇ」

 

カスミが前に出る。

 

「それでよく領主なんてやってられるね」

 

「……っ」

 

「守るもんがあるんだろ?」

 

真っ直ぐな言葉。

 

「ビビってる暇なんてないよ」

 

「で、でも僕は――」

 

「言い訳は聞きたくないね」

 

ぴしゃりと遮る。

 

「出来ないなら出来るようになるしかない」

 

沈黙。

 

「……そうやって下向いてる限り、一生そのままだよ」

 

そして背を向ける。

 

「安心しな」

 

振り返らずに言う。

 

「アンタが心配してるようなことにはならない」

 

「……はい」

 

スレイは小さく頷く。

 

 

その頃――

 

ギルドマスター室。

 

「……行ったか」

 

アンドレは葉巻に火をつける。

 

「ふぅ……」

 

煙を吐き、苦笑。

 

「相変わらずだな……香澄」

 

ぼそりと呟く。

 

「……“変装”解除」

 

次の瞬間――

 

巨体が揺らぐ。

 

筋肉が縮み、骨格が変わる。

 

現れたのは、一人の女性。

 

「カスミのヤツ気づいてる上で何も言わなかったな・・・あの野郎」

 

小さく笑う。

 

「あの目……昔と同じだ」

 

煙をくゆらせる。

 

「リングの上でもそうだったな……獲物を狩る獅子の眼……」

 

「レオ宍戸こと宍戸香澄……」

 

懐かしむように呟く。

 

「あの頃と全然変わっていない。

 

そして――

 

鋭い笑み。

 

「面白い試合になりそうだな」

 

灰を落とす。

 

「……手ぇ貸してやるよ。昔のよしみだ」

 

煙が静かに漂った。

 

 

NEXT

『領主の責務 後編』

 

⸻やので

✅ストーリーの流れ

✅ギャグとシリアスのバランス

✅伏線(薬・スレイ・キョウコ)

 

全部まとまっています。

 

次は「後編」で

 クリフとの対峙(クズ全開)

 アビス・ネクター絡みの事件

 カスミの制裁

 

ここをしっかり決めれば、一気に“人気回”になります 了解です。

これまでの改変(アビス・ネクター/メイドギャグ強化/スレイの弱さ/キョウコ正体)をすべて統合した完成版を書きます。

 

 

『領主の責務 中編(完全版)』

 

葬儀から三日後の朝――

 

カスミが目を覚ますと、机の上に小包が置かれていた。

 

「……誰だい、こんなものを」

 

警戒しながら手に取ると、その下には一通の手紙。

 

――――――――――

『馬場香澄ことカスミ・ババさんへ

あなたの功績を讃えて、“スマートフォン”を進呈します

 

神様より

 

P.S. 正確には娘のルナだったりして(笑)

パパは浮気がバレてママに半殺しにされてるよ☆』

――――――――――

 

「……馬鹿だね」

 

カスミは深くため息をついた。

 

「神様が修羅場ってどういう世界だい……」

 

小包の中には“スマートフォン”。

 

「で、どうやって使うんだい……」

 

少し考え――

 

「……まあいい。ワタルに聞けばいいか」

 

すぐに切り替えた。

 

「それより朝飯だね」

 

 

昼過ぎ――

 

ギルドへ向かう道中。

 

「ここ押すと電源で……」

 

「ほう、便利だね」

 

ワタルに使い方を教わっていると――

 

「カスミの姐さん!!」

 

「押忍!!姉御!!」

 

現れたのはアニマルとホーク。

 

「元気そうだね」

 

「はい!子どもが生まれたんで!」

「俺も三人いて大変っす!」

 

「いいねぇ。守るもんがある男は強い」

 

カスミは満足げに笑う。

 

「姐さん、ギルドマスターが呼んでます」

 

「……面倒な匂いしかしないね」

 

 

ギルド――

 

「カスミさん!!」

 

リアナたちに捕まり、そのまま奥へ。

 

「ちょっと待ちなってば!」

 

半ば強引に連れて行かれた先には――

 

二メートルを超える大男。

 

「……でかい」

 

「俺がギルドマスターのアンドレだ」

 

差し出された手。

 

カスミは迷わず握る。

 

「それで?」

 

アンドレは小瓶を取り出す。

 

赤黒い液体。

 

「これは“アビス・ネクター”」

 

空気が変わる。

 

「欲望を異常増幅させる媚薬だ。ただし副作用は強烈だ。幻覚、震え、冷や汗……過剰摂取で死ぬ」

 

「……ろくでもないね」

 

「これが密売されている。しかも――ロックハート家の長男、クリフが関与している可能性がある」

 

「……あのチャラ男か」

 

「証拠がない。だから潜入して掴んでこい」

 

「断れない理由があるんだろ?」

 

「……ああ。あいつは、お前の孤児院の土地の権利書を握ってる」

 

「なるほどね」

 

カスミはため息をついた。

 

「それと――殴るなよ」

 

「なんでだい?」

 

「見ればわかる」

 

「わかりますね」

 

《ゴンッ!!》

 

「いったぁ!?」

 

 

その夜――

 

「なんで私も行くのよ!?」

 

アスナ絶叫。

 

「君にも興味あるらしいよ」

 

「最悪!!」

 

「嫌なら報酬なし」

 

「行くわよ!!」

 

即答だった。

 

 

翌朝――ロックハート邸。

 

「お着替えをどうぞ」

 

差し出された服を見て――

 

三人、沈黙。

 

「……なんだいこれは」

 

ミニスカメイド服。

 

「短っ!!布どこいったのよ!?」

 

「観賞用です」

 

「いらんわ!!」

 

ワタル、震える。

 

「このカツラ……」

 

「女装です」

 

「即答!?」

 

アスナ爆笑。

 

「似合いそう!」

 

「やめて!!」

 

「しかも男もいけるらしいし」

 

「聞きたくなかった!!」

 

「ワタル囮ね」

 

「なんでだよ!!」

 

 

一方――

 

「ふむ」

 

すでに着替え済みのカスミ。

 

「悪くないね」

 

「なんでノリノリなの!?」

 

「一度着てみたかったんだよ」

 

「夢叶ってる!!」

 

 

ワタル、鏡を見る。

 

「……誰これ」

 

美少女メイド爆誕。

 

「ちょっと可愛いのやめて!?」

 

「ヒロインじゃん!」

 

「男だよ!!」

 

 

「アンタ達、いい加減にしな」

 

空気が締まる。

 

「遊びじゃない」

 

その一言で空気が変わる。

 

「……行くよ」

 

 

屋敷内――

 

廊下を進んでいると、

 

「……っ!?カ、カスミさん!?」

 

現領主スレイと遭遇する。

 

「どうしたんですか、その格好は……!」

 

「ああ、全部あの坊ちゃんの趣味さ」

 

「や、やっぱり……」

 

スレイの肩が震える。

 

「ダメです……兄さんは危険なんです……」

 

声は弱く、視線は落ちる。

 

「僕は……止めないといけないのに……何も言えなくて……」

 

拳を握るが、力が入らない。

 

「領主なのに……怖くて……」

 

完全に俯く。

 

「……情けないですよね」

 

だが――

 

「アンタねぇ」

 

カスミが前に出る。

 

「それでよく領主なんてやってられるね」

 

「……っ」

 

「守るもんがあるんだろ?」

 

真っ直ぐな言葉。

 

「ビビってる暇なんてないよ」

 

「で、でも僕は――」

 

「言い訳は聞きたくないね」

 

ぴしゃりと遮る。

 

「出来ないなら出来るようになるしかない」

 

沈黙。

 

「……そうやって下向いてる限り、一生そのままだよ」

 

そして背を向ける。

 

「安心しな」

 

振り返らずに言う。

 

「アンタが心配してるようなことにはならない」

 

「……はい」

 

スレイは小さく頷く。

 

 

その頃――

 

ギルドマスター室。

 

「……行ったか」

 

アンドレは葉巻に火をつける。

 

「ふぅ……」

 

煙を吐き、苦笑。

 

「相変わらずだな……香澄」

 

ぼそりと呟く。

 

「……“変装”解除」

 

次の瞬間――

 

巨体が揺らぐ。

 

筋肉が縮み、骨格が変わる。

 

現れたのは、一人の女性。

 

キョウコ・カンドリ。

 

「やっぱ気づいてねぇか」

 

小さく笑う。

 

「あの目……昔と同じだ」

 

煙をくゆらせる。

 

「リングの上でもそうだったな……真正面から全部ぶち壊す」

 

「宍戸香澄……」

 

懐かしむように呟く。

 

「久しぶりだな」

 

そして――

 

鋭い笑み。

 

「面白ぇ試合になりそうだな」

 

灰を落とす。

 

「こいつは面白いことになってきた」

 

煙が静かに漂った。

 

 

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