異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜   作:トンコツマン

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めぐみんのパチモンを考えてみた


第29話 間抜けな不良グループ 中編

突如、カスミたちの前に現れた一人の少女。

 

黒いとんがり帽子に黒マント。長い黒髪を揺らし、青いローブを身にまとっている――どう見ても“それっぽい”装備である。

 

「おおっ!我が妹『マスミ』!どうしたでござるか!?」

 

「どうした?じゃないよ!!約束の時間に来ないから探しに来たら、こんなところで知らない人とケンカしてるし!……ていうか、この人たち誰なの!?」

 

「アスナちゃんも気づいた?」

 

「うん。あの子、絶対“意識してる側”よね」

 

ダイチの妹・マスミは、完全にブチ切れモードで兄を睨みつけていた。

 

「すまん!すまん!ラルフ隊長から聞いていたカスミ殿と、ここでばったり会ったのでござる!この美人がカスミ殿、そしてこちらが腰巾着1号2号でござる!」

 

「誰が腰巾着1号2号だぁ!!」ワタル&アスナ

 

――次の瞬間。

 

左右からのラリアット。

 

必殺・クロスボンバーが炸裂した。

 

「うぃ……うぃーたー……ぐふっ……」

 

ダイチ、即死(気絶)。

 

「お、お兄ちゃん!?ちょっと!あんたたち何やってるのよ!?……っていうか、何者なのよ!?」

 

マスミは怒りを露わにするが――

 

ワタルたちの怒りも、まだ終わっていなかった。

 

「あぁん?何者だぁ?人の名前聞く前に、自分から名乗るのが礼儀だろうが!」

 

「そうよ!ちゃんと“自己紹介”しなさいよね、“自己紹介”を!!」

 

「ぬっ……!わ、私はマスミ・ミサワと申す……冒険者である!」

 

――ガシッ。

 

次の瞬間、アスナが無言で胸ぐらを掴む。

 

横ではワタルが低音ボイスでプレッシャーをかける。

 

「おい……ナメてんのかコラぁ……?」

 

「私たちを騙せると思った?甘いのよ」

 

「格好は若干違うが……黒いとんがり帽子!謎の肩パッド入り黒マント!そしてその青いミニスカローブと杖!!」

 

二人は同時に指を突きつけ――

 

「それ、どう見ても――『このすば』のめぐみんだろ!!」

 

場の空気が震えた。

 

「しかも何よその中途半端なコスプレ!めぐみんをなんだと思ってるの!?好きなんでしょ!?だったらちゃんとやりなさいよ!!」

 

「そ、それは……」

 

「なんで見た目は中途半端なのに声だけは完全に高橋李依なんだよ!!無駄に再現度高ぇな!!」

 

「あと自己紹介!あの“厨二全開のやつ”やりなさいよ!当然“めぐみん仕様”でね!!」

 

「えっ!?“アレ”やるの!?こんな人前で!?」

 

ざわ……ざわ……

 

周囲の視線が一斉に集まる。

 

マスミは完全に逃げ場を失った。

 

「……わ、わかったわよ!やるから!だからその圧やめて!!あれリアルでやると死ぬほど恥ずかしいのよ!!」

 

観念したマスミは、ポケットから眼帯を取り出し――

 

左目に装着。

 

(いや逆だろ!!)ワタル&アスナ(心のツッコミ)

 

しかも刺繍、よく見ると十字架じゃなくて医療マーク。

 

致命的である。

 

軽く咳払いし、ポーズを決め――

 

高橋李依ボイス(無駄に完成度高い)で叫ぶ。

 

「我が名はますみん!アークメイジを生業とし――最強の攻撃魔法『雷霆(らいてい)魔法』を操る者!!」

 

――沈黙。

 

「……は?」

 

「……なんだ今の」

 

ワタルとアスナ、完全にフリーズ。

 

だがすぐに復帰し、再び詰め寄る。

 

「おかしいだろ今の!!」

 

「そうよ!!なんで“アークウィザード”じゃなくて“アークメイジ”なのよ!!しかも爆裂魔法どこ行った!?」

 

「それに眼帯左目!!完全にミスってんだろ!!」

 

「これじゃあただの“めぐみんのパチモン”じゃねぇか!!」

 

「!!!!!!」

 

マスミの目に涙が浮かぶ。

 

そして――

 

爆発した。

 

「しょうがないじゃない!!私だってめぐみん推しなのよ!!ちゃんとやりたかったの!!アークウィザードになりたかったの!!爆裂魔法撃ちたかったの!!」

 

杖をぶんぶん振り回す。

 

情緒、完全に崩壊。

 

「なのに転生時の設定で、“そのままは著作権アウト”って止められて!!見た目だけ似せて、スキルは“人気だから品切れ”って言われて!!」

 

「ソシャゲかよ」

 

「だから仕方なく雷魔法にしたのよ!!」

 

そして膝から崩れ落ちる。

 

完全なるOTL。

 

「転生して冒険者デビューしたら……言われたのよ……“パチモン”って……!!」

 

ガン!ガン!(地面パンチ)

 

「しかも、お前の“価値は声が高橋李依に似てるだけ”って!!」

 

(それはそう)ワタル&アスナ

 

ガン!ガン!

 

地面にヒビが入る。

 

「この眼帯だって!似てると思って買ったのに!!よく見たら医療マークだったのよ!!」

 

(やっぱりかよ)ワタル&アスナ

 

「誰もパーティー組んでくれないし!!」

 

(だろうね) ワタル&アスナか

 

「大体!!」

 

――ドンッ!!

 

地面にクレーター。

 

「異世界転生者なんて、みんなパチモンみたいなもんじゃない!!」

 

空気が凍る。

 

「……あ、なんかヤバいスイッチ入ったわね」

 

「うん、これ絶対やらかす流れだ」

 

その瞬間。

 

マスミが、にやりと笑った。

 

「ふふふ……そうよ……パチモンって言うやつは……」

 

杖を構える。

 

青い魔力が集束していく。

 

「全員ぶち殺せばいいのよ!!」

 

「「えっ」」ワタル&アスナ

 

完全にロックオン。

 

逃げ場、なし。

 

周囲には人だかり。

 

さらに――

 

「ギンガの兄貴!なんか面白そうっすよ!」

 

「っておい!あれマスミじゃねぇか!!」

 

「なんだと!?あのパチモン女!!」

 

不良グループまで参戦。

 

状況、最悪。

 

その頃マスミは――

 

すでに詠唱開始。

 

「ライトニング・エクス――」

 

――次回へ続く。

 

NEXT:間抜けな不良グループ 後編

 

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