異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜   作:トンコツマン

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第40話 引き裂かれた日常

『コロシアム』ここでは主に剣闘士達が毎日 男女問わず死闘を繰り広げている場所である・・・っと言うのは30年前の頃のこと 転生者『サカタ・コテツ』を始めとする前世が格闘家だった 転生者たちにより この世界『クロノス大陸』全土に格闘技が栄えるようになった

 

その甲斐あってコロシアムでは、剣闘試合の他にも、あらゆる格闘技の試合が行われるようになり 世界は賑わうのである

 

ただ、剣闘試合に至っては、武器や魔法を使って競う競技なだけに中には死者も当然出る だが、それは出場する剣闘士や魔術師やグラップラーと言った戦士は覚悟の上で闘っている 

 

当然、ドリスも覚悟の上で出場している それは愛する家族を養うため 自分の名誉のためにドリスは命をかけて闘っているのだ

 

ちなみにドリスは、レガイアのコロシアムで30年剣闘の王者(チャンピオン)を防衛している

 

そして、今日は30年間守り続けてきた王者の看板を下ろすのと引退するための試合が行われ事していた

 

➖控え室➖

 

「頑張ってください!そして30年間、王者防衛お疲れ様でした!」

「ばかだなぁ 試合が終わってないのに お疲れ様はないだろう!?」

「なんだと!別にいいだろ!先生には色々と世話になったんだ 何か激励の言葉が言いたかったんだよ!」

 

ドレスを先生と呼ぶのは、ドリスを慕い弟子入りをしてきた若者たちであった みんなドリスの引退試合を前に激励の言葉をかけにきたが、緊張のあまりに仲間とささいな言い合いになっているがドリスはそんな弟子たちを見て、大声で笑っている

 

「だーはっはっは!いいよいいよ!アンタ達の気持ち、十分に伝わってるよ!ありがとよ!」

 

大いに笑ったドリスはテーブルに置いてある水の入ったボトルを手に取り そばに置いてある大ジョッキに擦り切れまで水を入れて一気に飲み干した

 

「ふうぃ〜 そんじゃあ、行くするかい!」

「頑張ってください!応援しています!」

「ご武運を!」

「おう!アンタ達もアタイの最後の見せ場、しっかりと目に焼き付けな!」

 

ドリスは、そう言うと自分の顔を両手で思いっきり叩いて気合を入れ、進取果敢に試合会場へ向かっていった

 

➖サカタ邸➖

1時間前・・・

買い物を終えたハズキ達は、パーティーを開くための料理を作り始めている

 

「そういえばハズキ姉ちゃんも兄貴もおばさんの引退試合を見に行かなくていいのか?」

「はぁ〜 そうそれな。普通は見に来て欲しいって思うだろ?でも、かーちゃんは「観戦()に来るな!」だとさ」

「ふーん。別に負ける事はなさそうなのになんでだろうな?」

「そうそう、レガイア最強の女剣闘士と呼ばれるおばさんなのに」

 

ギンガ達はドリスに試合を観戦しないように言われていることに不満を漏らしている

 

「アンタ達ねぇ 状況によっては他人の命を奪う事だってある剣闘試合に自分の子供をコロシアムに呼んで そんな姿見せたくないでしょ?ましてや、アタシの母さんだよ?」

「言われてみればそうだ。剣闘試合は死亡率の高い競技だしね そう考えると、おばさんが試合を見せたがらないのもうなずける」

 

(「アタシの母さん」?・・・変な姉ちゃんだな、「俺達のかーちゃん」なのによ・・・)

 

「兄貴、どうしたの?急に黙り込んじゃってさ・・・もしかしてウンコ?だったら早くトイレ行きなよ」

「ば!ばか!ちげーよ!そら、早く料理を作るぞ!」

 

ハズキのセリフに疑問を抱いたギンガ いつもならただの言い間違いと思いスルーしていたが、今日はなぜか妙に心に引っかかっていた

 

パリンッ!

 

突然、食器戸棚にしまってあったマグカップがひとりでに割れる

 

「あっ!かーちゃんのマグカップが勝手に割れたぞ」

「つーか、マグカップじゃなくてジョッキじゃね?」

「でも、おばさん体がでかいから、ちょうどいいんじゃないの?」

「はははっ!それは言えてる」

(・・・なんだろう・・・この胸騒ぎは・・・母さんに何かあったんじゃ・・・」

 

バタン

 

それから数分後の事だった、いきなり玄関の扉が勢い良く開いて、1人の女性が悲しい表情で立っていた

 

「アンタは確かかーちゃんの弟子のサロメだよな?どうしたんだよ?そんな深刻な顔して・・・」

 

尋ねて来たドリスの弟子サロメの深刻な表情を見て、何かを察したハズキはサロメに詰め寄り肩をつかんで問いただす

 

「何かあったんだね!母さんに!母さんに何かあったんだね!!?」

「・・・・・せ、先生が・・・先生が・・・」

 

ハズキ達に何か大事な事を伝えたいサロメだったが、サロメ自身の感情が酷くなかなか伝えられずにいた そして、遂に感情を抑えきれず その場で泣き崩れてしまう

 

「おい!サロメの姉ちゃん!何、泣いてんだよ!?」

「そうだよ!コロシアムで何があったんだ!おばさんがどうしたんだ!?」

「ビリー!バリー!やめなさい!・・・ゆっくりでいいからね。一体何があったか教えて、サロメ」

 

優しく眺められると徐々に落ち着きを取り戻しサロメがハズキ達に『訃報』を伝えた

 

「・・・・ドリス先生が『出血性ショック』で死にました・・・」

 

「!!!!!!!!!」(全員)

 

「おい・・・・お前、いきなり何がすんだよ・・・もしかしてシャレのつもりか?・・だとしたら、お笑いねーよ・・・全然・・・)

 

ドリスの訃報を聞いたハズキ達は凍りつき言葉を失う・・・しかし、ギンガだけは動揺しながらもサロメに問いただそうとするが・・・・

 

「・・・・・嘘じゃありません・・・先生は、試合開始直後に大量に血を吐き、その場で倒れて緊急搬送され治療を受けましたが、間に合わず・・・帰らぬ人に・・・」

「おいテメー!いい加減にしろよ!さっきから何、笑えない冗談言ってやがるんだ!あの殺しても死なないかーちゃんが死ぬわけないだろ!」

「・・・・・・」

「!!!このやろう!」

 

これ以上、何も言おうとしないサロメに我慢の限界だったのか、ギンガは胸ぐらを掴んで拳を振り上げサロメを殴ろうとしたその時・・・・・

 

「やめなさい!ギンガ!」

 

ハズキの怒鳴り声で感情的になっていたギンガは殴ろうとしていたこぶしを止める

 

「なんで止めるんだよ!コイツがかーちゃんが死んだなんて嘘を・・・」

「サロメが嘘をついてる様には見えない。とにかくすぐに病院に行くよ!」

 

ギンガとハズキは、ビリー達を残してドリスの搬送された病院へ行き、霊安室へ・・・・

 

そこには息が絶え死んでいるドリスがベッドの上で眠っていて ベッドの上のドリスは肌の色が以前の小麦色ではなく青白かった

 

「かーちゃん・・・?なぁ、かーちゃん・・・返事しろよ・・・つまんねー芝居はやめろよ・・・」

 

既に屍となっているドリスの元へ行き、動揺しながらも声をかけるギンガだったが、屍となったドリスからの返事は帰って来ない

 

「・・・うあぁぁぁぁ!かーちゃん!かーちゃぁぁん!」

 

何度呼びかけても返事が返ってこないことで、ドリスが死んだのを確信したギンガの眼から大粒の涙が溢れだし、ドリスの亡き骸の前で泣き崩れる

 

泣き崩れているギンガの横で呆然と立ち尽くすハズキだったが、ギンガの泣いている姿を目の当たりにして、すぐに我に帰りギンガを宥める

 

「ギンガ、もう泣くのはよしなさい・・・泣いたって。母さんはもう戻ってこないんだよ」

「!!!何で姉ちゃんは冷静でいられるんだよぉ!かーちゃんが死んだんだぞ!ううっ、かぁちゃぁぁん・・・」

 

いまだに泣き続けるギンガにハズキは、両手でギンガの顔を掴んで自分の方に向かせて、大声で怒った

 

「ギンガ!男がいつまでも泣いてるんじゃない!!」

 

ハズキの怒鳴り声は霊安室内になり響いて、人の怒鳴り声でギンガも我に帰り泣き止む

 

「姉・・・ちゃん?・・・」

「どお?今の叱り方は、母さんにそっくりだった?小さい頃のギンガは泣き虫で、よく母さんに叱られていたよね。かく言う姉ちゃんも母さんによく叱られてたんだけどね・・・」

「姉ちゃんも・・・そうなのか?」

 

ハズキは悲しみを堪えながらも、必死で苦笑いをしてギンガの眼を見ながら、小さい頃にドリスに叱られた思い出を話す

 

「ねぇ、ギンガ。母さんがいつも言ったよね?男がいつまでもめそめそと泣いてちゃだめだって・・・いつまでも泣いてたら死んだ母さんが浮かばれないよ。だから、もう泣くはやめな」

 

ギンガは、ハズキの慰めの言葉を聞いて、涙でグシャグシャだった顔を拭い無言でうなずく

 

「・・・ギンガ、母さんは死んじゃったけど、これからはアンタはアタシが・・・『姉ちゃん』が守ってあげるからね・・・」

 

するとハズキは、ギンガをそっと抱き締める・・・・

 

(ありがとう、姉ちゃ・・・・!?・・・ねえ・・・ちゃん?)

 

ハズキはギンガを抱き締めながら体を震わせていたのだ・・・・・そう、ギンガに泣いている顔を見せない為に・・・・

そして、それから5年後・・・・

 

母ドリスの死を乗り越えて、2人で力を合わせて生活しているハズキとギンガ、3年と言う月日の中で、お互い肉体的にも精神的にも成長していた

 

以前から冒険者をやっているハズキは、ドリス程ではないがたくましい体格となり、日夜、冒険者として勤しんでいる。そして、ギンガも3年前よりも身長が伸びて声変わりもして、白銀の髪も肩まで伸ばしていた・・・ただ、喧嘩っ早い性格は変わっておらず、今でも喧嘩に明け暮れているのが玉にキズであった・・・・

 

「アンタは、また喧嘩したのかい!?」

「売られた喧嘩を買ったまでたよ。安心しろ、全員ぶちのめしたから」

 

ボカッ!

 

「威張るな!」

 

ハズキの怒鳴り声とともに拳骨音がギンガの頭に鳴り響く

 

「痛ってー!ちょっと手加減しろよ!姉貴!これ以上、頭殴られるとバカになるだろ!」

「アンタみたいなバカな頭を殴ったところで、これ以上バカになんかならないよ!」

「なんだとぅ!姉貴だってかーちゃんみたいな鬼ババアみたいじゃねーか!」

「ギンガ・・・アンタ、言っちゃいけないこと言ったね・・・」

 

ババア発言に気に触ったのかハズキは、ギンガの腕をつかんで、アームロックからの喧嘩スペシャルをかける

 

「ちょぉ!ギブ!ギブ!」

「誰が鬼ババアだって?ねえ、ギンガくん?」

「ぐおおお!ゆ、許して美人のお姉様ぁ!」

 

「ははははっ!相変わらず仲がいいな。2人とも」

 

じゃれ合ってる2人の前にシュリが尋ねて来た

 

「シュリ姉!久しぶり!元気してた?」

 

ハズキはギンガにかけた関節技を解いて、シュリに駆け寄って抱きつく

 

「私は相変わらず元気だよ。ハズキも3年前よりも二回りも逞しくなったね。ギンガの方は・・・・体の方は大きくなったけど、おつむの方は変わらずのおバカだな」

 

「いててて。あっ?シュリ来てたのか?」

 

関節技を解かれたギンガは、ふらふらとしながら立ち上がり、シュリが来ていたのを気づくとシュリに駆け寄って行く

 

「それにしてもエルフってのは、長寿なだけあって全然老けないな」

「まあな、かれこれ500年以上は、生きてるけど未だに外見は人間で言う20代だ」

「流石は、長寿のエルフだ。年齢とは裏腹に若々しい外見が素晴らしい。何処ぞのこじわを気にしているアラフォー間近の鬼ババアとは、えらい違いた・・・・!!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

ギンガの背後から不気味な擬音と共に鬼の形相と言わんばかりの恐ろしい表情のハズキがギンガを睨んでいる

 

「ギンガ・・・・アンタ、まだわかってない様だねぇ・・・」

 

「げげんちょ!!オーガ降臨!撤収!」

 

ハズキの恐ろしい形相に圧倒されたギンガは、一目散に逃げていった

 

「ったく、あのバカは!帰ってきたらお仕置きだ!」

「それにしても、思ったより元気そうで安心したよ。ドリスさんが死んだって聞いた時は、心配したよ」

「確かに母さんが死んだのはショックだったよ。でも、ギンガが居てくれたからすぐに立ち直れたんだ。あの子が居てくれたおかげで毎日やっていけてる・・・アタシのかけがえのない『息子』ギンガが・・・」

 

ギンガが出て行った玄関を見つめながら、涙ぐむハズキを後ろから優しく抱きしめるシュリ

 

➖街中➖

 

自宅から逃げ出してきたギンガは、街中をアテも無くぶらついているとビリー達と遭遇した

 

「兄貴!あーにーきー!こっちこっち!」

「おっす!お前らも家から逃げてきたクチか?」

「そんなとこだよ。家にいると親がうるさいからな」

「やれやれ、何処の家もおんなじだな」

 

仲間の1人が手に持っていた缶ジュースを飲み干すとコミ箱めがけて、空き缶を投げてため息をつく

 

「まだ、ギンガはマシだって。相手が親じゃなくて姉ちゃんだろ?あんな美人な姉ちゃんに叱られるのは羨ましいよ」

「そんなもん関係ねぇよ。今や親代わりとなった姉貴は、かーちゃんとおんなじだって」

「贅沢なヤツ・・・それにしても、ギンガも見た目もさることながら、声の変わり様がすごいよな」

「確かに数年前の可愛らしい少年ボイスからの『重厚感のある低音ボイス』・・・変声期恐るべし」

 

➖サカタ邸➖

 

あれから30分後

 

ハズキとシュリは、ティータイムをしながら「ドリスの死の真相」を話している

 

5年前に死んだ母ドリスは、試合中の吐血による出血性ショック・・・病死と発表され、その死に周りは疑わなかったが、身内のハズキ達は納得していない様子だった

 

「やっぱり、どう考えてもどこか引っかかるんだよ。あの人一倍健康に気を遣っている母さんが出血性ショックで死ぬなんてありえない」

「そのことなんだけど、やっと有力な情報を手に入れたんだ」

「本当なの?シュリ姉!早く教えて!」

 

有力な情報を手に入れたと聞いて、ハズキは思わず身を乗り出す

 

「おいおい、落ち着きなって!・・・ここからは、心を落ち着かせて聞きなよ」

「・・・・わかったよ。それで有力な情報っていうのは?」

 

シュリはコーヒーを飲み懐から数枚の写真をハズキに手渡したのである そこには、見覚えのある人物が写っていた・・・・

 

「アルシオン王国に当時のコロシアム元スタッフが住んで居て、そいつから聞き出したんだが・・・ドリスさんは病による急死じゃない・・・他殺だ!」

「!!!!」

「しかも、あの時、コロシアム内で髪が長くウェーブのかかった白銀と前髪が赤く染めた男が・・・・『ラムサス』が目撃されていたらしい」

 

「!!!ラムサスが・・・じゃあ、あの時見た男は、ラムサスで間違いなかったの・・・」

 

ラムサスの存在を確信したハズキの顔が一瞬で青ざめる

 

「その写真は、私の友人に頼んで盗撮してもらった写真だ」

 

写真には、ラムサスが身に纏った人物と接触している場面が映されていて しかも、フードの人物の袖から紫色の肌が写っていた

 

「紫色の肌!?・・・これってまさか!」

「ああっ、魔族さ。ラムサスのやつ魔族と繋がりがあったんだ 魔族とは、クロノス大陸全土で争っているが、現在は停戦状態だ そして何より、魔族との接触は重罪となっているし魔族が結界に張られている王国に入ることができないよ」

「だとすると、何らかの方法で王都で潜入しているってことだよね。それにしてもラムサスはなぜ、魔族と接触を・・・」 

 

カッチコッチカッチコッチ・・・・ボーンボーン

 

壁にかけられている時計のチャイムが鳴っている

 

「奴は、金の為に違法薬物を密売密輸や奴隷売買に手を染めているって噂だ。しかも、違法薬物は、魔界じゃないと手に入らない!恐らくラムサスは、違法薬物を手に入れる為に奴隷を魔族に売り渡し、手に入れた違法薬物を貴族連中に高値で売りさばいてるハズだ!」

「・・・・だとしても、今回の母さんの死に何の関係が・・・・・えっ!それってもしかして!!」

 

シュリは、立ち上がり窓際に行き、外を眺めながら煙草を吸い話の続きをする

 

「どうやらハズキも気づいたみたいだね。人間(エルフや獣人などの他種族を含む)と魔族は、今は停戦状態と言えど争っている。魔族の力は脅威だが、こっちも決して劣勢と言う訳じゃない。それと言うのもクロノス大陸には、ドリスさんを始めとする『7人の聖戦士』がいる。そして、魔族達にとってこの7人は厄介な存在・・・奴らは、なんとしてでもドリスさん達を殺そうと画策していたって所だろう」

「だとしたら、ラムサスが母さんの殺害に関与している可能性がある・・・・」

 

「確かあると言えばあるが、目撃情報があると言うだけで確証は持てない。あの時、控え室にいたドリスさんの弟子たちにも聞いてみたが、特に変わった所は無かったらしい。そう言えばドリスさんは、試合前に必ずボトル1杯の水を飲んでいた様だね」

「それならアタシもよく知ってるよ。母さんは大仕事をする時には、気合入れるために、大ジョッキに大量の水を飲んでたからね。でも、このことを知っているのはアタシとギンガと弟子の人たちだけ・・・まさか、控え室に置いてあった水の入ったボトルの中に毒を盛られた!?・・・一体誰がそんなことを控え室にいた弟子達がそんなことするハズは・・・・サロメ!?」

 

ハズキが5年前の件を思い返しているうちにあることに気がついた

 

「あの時、母さんが死んだことを伝えに来たサロメは、来るなり母さんが出血性ショックで死んだと言った・・・急死した人間が病院に搬送された後に司法解剖で死因がわかった時、そのことを最初に知らせるのは、その人間の身内なはずなのに、どうしてサロメが死因のことを知っていたのか・・・」

「どうやらきな臭くなってきたね・・・そのサロメって娘に何かありそうだな」

 

➖ギンガサイド➖

 

その後、ギンガと仲間たちは本屋で立ち読みをして喫茶店でくつろいだ後、娯楽施設で遊びながら騒いでいるとガラの悪い連中に絡まれていた

 

「ようギンガ。この間は世話になったな。今日は、あの時の礼をしに来たぜ」

「お前は、ヒューゴ?・・・また、面倒臭いやつが・・・」

 

ヒューゴ率いる連中は、7〜8人はいた それに対してギンガ達は5人・・・状況としては不利・・・

 

「やれやれ、お前たちも懲りないな。あれだけボコられて、まだ絡んでくるのかよ」

「正直、兄貴と俺たちも今は喧嘩する気はないんだよ」

「全くだね。・・・??・・・・!!!。ちょ!ギンガ!ギンガ!」

「どうしたんだよブーバ?急に顔色変えて・・・」

 

ブーバが相手の連中を見て、急に顔色を青ざめて震え出すと、隣にいたガスパも思い出したかのように顔を青ざめる

 

「おいガスパ、ブーバ!2人して何を急に怯えてるんだよ?」

「だよな。こいつらは、ただ単に仕返しをしに仲間を連れて来ただけだろ?どうせ大した連中じゃないだろ?」

「何言ってんだ!あいつらはやべえ奴らなんだ!」

 

青ざめたガスパがビリーの肩を噛みながら、相手の方を指を指し必死にギンガ達に説明を始めた

 

「あそこにいる背の高いやついるだろ?アドンって言うんだけど、あいつは、コロシアムの闘技者で『アークメイジ』の使い手なんだ!しかも、かなりスゴ腕って噂だ」

「ふーん。それでそのアドンって奴がなんであんな雑魚どもとつるんでるんだ?」

「わかってないなぁギンガ。奴らはギンガに復讐するためにあのアドンを金で雇ったんだよ!」

「雇ったって・・・たかがガキ同士の喧嘩に、プロの闘技者がしゃしゃり出るのかよ!」

「プロの闘技者だけなら、まだマシさ・・・あのアドンって男は、素行が悪いって有名なやつなんだよ。金さえ貰えれは何だってやるらしい」

 

「お話は済んだかい?シスコンのギンガちゃん♪」

 

「ああん!おいヒューゴ!てめぇ、今なんつった!」

 

ヒューゴの挑発に癇に障ったのか、さっきまで乗り気じゃなかったギンガが青筋立てながら、ヒューゴに殴りかかろうとした時・・・・

 

バリバリバリッ!

 

アドンの放った『ライトニング』がギンガに直撃して、ギンガはその場で倒れた

 

「兄貴!」ビリー達

 

「だっはっはっは!ギンガぁ〜お前って本当にわかりやすい奴だなぁ」

「ヒュ、ヒューゴ・・・か、体が・・・!」

「許さねぇ!よくも兄貴を!」

 

魔法で身動きが取れないギンガを見て、怒りが頂点に達したビリーとバリーがアドンに殴りかかろうとしたが、ライトニングで帰り道にされて、その場で倒れて失神する

 

「ビリー!バリー!」

 

「こいつらは馬鹿なのか?アークメイジのワタシに真正面から向かってくるなんて」

「ギンガは、おつむが悪いのさ。猪突猛進を絵に描いたような連中だからな・・・そんなことより、こいつらには今までの「お礼」をしないとな♪」

 

ヒューゴ(アドンを除く)達が、倒れているギンガ達を取り囲んで手には金属バットや鉄パイプを持っていた

 

「お前ら、こんな汚い事して恥ずかしくねぇのかよ!」

 

「けっ!うるせーよ!喧嘩ってのは何やっても許されるんだよ!そう言う事だから死ね!」

 

ヒューゴが嘲笑いながら仲間に号令を掛けようとした瞬間

 

ズズーン!

 

何者かがヒューゴに雷系の魔法がを放った・・・・

 

遠くから聞こえる足音とともに、白銀の髪で前髪を赤く染めた男が立っている

 

「いけないなぁ。子供の喧嘩に大人が加担するなんて」

 

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