万歳風味な転生者たち、透き通る世界へ   作:NTK

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 TTTのストーリ見て思ったのが、イチカのキレ方…アレ、漫画のクレしんでスケジュールが滅茶苦茶になった時のキャラのキレ方だって思いましたね。

 …この世界だと銃剣術と示現流覚えてるし、ヒグマが乱入しそうだなぁ。(金カム並感)

 前回シリアスっぽい感じですが、今回少しボケます。
シリアスとギャグ行ったり来たりするのがブルアカだしね。


エリドゥ攻防戦 vsケイ

「クソッ‼︎仕方ない、C&Cと大黒、有澤は隊を率いてケテルの迎撃‼︎私と先生、稲荷はアリスの説得を試みる‼︎ゲーム部も頼む‼︎エンジニア部はスーパーノヴァを強奪されないようカバーして先生の護衛を……」

 

 タワー上層部で指示を出していたムサシだったがその直後、ケテルが広場から5〜600m付近まで接近し、周辺のAMASと交戦を始めていたが、瞬く間にAMASは切り刻まれ、数を減らしていた。

 

「遅かったか…調月さん、至急アバンギャルド君を向かわせてください。それと…そこの窓開けられます?」

 

「えぇ、開けられるけど…何するつもり?」

 

 首を傾げるリオにムサシは決まっているでしょう、と自身の翼を広げていた。

 

「飛ぶんですよ。早く開けてください」

 

「ちょっと待ってちょうだい、貴女飛べるの⁉︎航空力学的にあり得ないわ…」

 

「そうは言っても飛べるのは事実ですので…早くしないとぶち破ってでも飛びますよ?」

 

 若干納得がいかない様子でリオが窓を開けると、ムサシは勢いよく駆け出して窓から飛び降りた。心配したリオが窓の外を見ると、ムサシはしばらくそのまま落ちたあと、羽を羽ばたかせて少し浮いて減速し、滑空しながら地上へ降りて行ったのであった。

 その様子を地上にいたメンバーも見ており、ムサシが飛翔できるという事実に大和生徒以外は唖然としていた。

 

「オイオイ、飛んだよアイツ…」

 

「ちなみにですがネルさん、司令は重りを付けての飛翔訓練もしていまして、体格によりますが人ひとり位なら抱えて飛べますよ。多少速度は落ちますが」

 

 コハクの補足を聞き、アカネは何かに気付いたような様子で問いかけた。

 

「あの、もしかしてですが…ムサシさん、【人以外の物】も空輸できます?」

 

 その言葉にコハクは苦笑いをしながら答えた。

 

「…えぇ、もちろんです。そしてウチにはメリニという【爆発物のスペシャリスト】がいます」

 

「あぁ、やっぱり…」

 

 そこまで聞くと周りの面々は察しがついたようで、マジかよみたいな顔を浮かべると、メリニ本人がドヤ顔で説明を始めた。

 

「察しが良いようだね‼︎そう、ムサシ司令官は私が開発した爆弾を装備しての空爆が可能なのだよ‼︎そしてそのまま混乱した敵陣地に単騎で突っ込んで薙ぎ倒すというトンチキな戦法を行うことがあるのさ‼︎前にレッドウィンターのクーデター鎮圧依頼に同行して実施する様を見たがアレは素晴らしかった‼︎我々の攻撃に釘付けになってるところで空中から一気に降下しての爆撃、あぁ…爆音と共に吹き飛ぶ雪原とクーデター派、そして爆炎をバックに映る翼を広げたムサシ司令官…まさしく芸術だった…!」

 

「幾ら何でも学園のトップがやって良い事じゃねぇだろ…」

 

 うっとりとした顔で話すメリニにネルが突っ込むと周りも内心頷いていた。

 ちなみにだが彼女を皮切りに、トリニティやゲヘナ等にいる羽の生えた生徒も大体は飛翔できるようになっているが、ムサシは舵取りやブレーキの役目である尾羽も生えている為、体格の割には*1小回りが効くのであった。

 

 なお、両校共に空爆隊を考えたことがあったが、軽量で高火力の爆薬を開発できるメリニがいるから出来ることであって、一般の爆薬では沢山装備出来るようにしてもさしたる効果は見込めず、それなら長距離の迫撃砲なり自走砲なりを使った方がいいとなり、空爆は諦め奇襲部隊程度に留めたのであった。

 

 それはともかく、今起きている状況に各メンバーが対応しつつ、先生とゲーム開発部は様子が変わったアリスに話しかけた。

 

「"えっと…アリス、で良いんだよね?"」

 

「アリス?いいえ、私はアリスではありません。そもそもそれはあなた達が王女を呼ぶ際の呼称であり正式名称ではありません。私の個体名は《Key》。王女を助ける無名の司祭たちが残した修行者であり、彼女が戴冠する玉座を継ぐ『鍵』<Key>です」

 

「彼女は『王女』であり、私は『鍵』。それが私たちの存在であり目的」

 

「Key…?あぁ、あの時のケイってやつ?」

 

「それはお姉ちゃんが読み間違えたやつでしょ…それより!貴女がアリスじゃないならアリスはどこにいるの⁉︎」

 

「王女はいまはこの身体の奥にいます。現在の身体の主導権は私にあります。まず手始めに、王女の剣を…」

 

 Key、もといケイがエンジニア部の方は駆け出そうとした瞬間、彼女の足元に銃弾が当たり歩みを止めさせ、ムサシがケイの前に降り立った。

 

「話は聞かせてもらった。それで?ケイとやら、君は何をするつもりだ?」

 

「私の名はケイでは…まぁいいでしょう。私の目的はプロトコル『ATRAHASIS』を実施、『アトラ・ハシースの箱舟』を製作してサンクトゥムを……」

 

「話が長い、つまりは何だ?」

 

「……世界を滅ぼす。その一点のみが私と王女の存在意義です」

 

 その言葉にモモイたちは動揺していたが、ムサシはさらに問いただした。

 

「それを、王女であるアリスは了承してるのか?」

 

「いいえ。今なお王女は拒絶の意を示していますが、役割を放棄するわけにはいきませんので」

 

「王女の命令を無視するとは、とんだ従者もいたものだな。反逆罪だぞ?」

 

「『王女』というのは形式的なもので、あなた方のいうようなものではありません」

 

 ムサシとケイが舌戦を行なっている間に、コハクとエンジニア部はスーパーノヴァを担いで出来るだけ遠くへ離れていた。

 

 これ以上の会話は不要と判断したのか、ケイは何かを呟くと不可解な軍隊(Divi:Sion)の残骸に手を翳した。するとどうだろう、残骸は瞬く間に形を変え、サブマシンガン─形状からして恐らくMP5K ─となりムサシに向けて発砲した。

 

「っと‼︎実力行使か‼︎」

 

(なるほど…本来はアレをリソースにして武器を作り出すってわけか…手駒であり武器となる存在が幾らでも現れるとは厄介な。既にこっちに向かってるのもあるって報告があった、なら早いところ制圧を…いや、それ以上にケテルに接触されると不味いな。ケテルはいなくなるだろうがそのリソースで何か強力な武器を作られでもしたら…)

 

《すまないムサシ司令官‼︎何体かがそっちに行った‼︎》

 

 そう通信が入ると同時に不可解な軍隊(Divi:Sion)がわらわらとこちらにやって来て紫色の光弾を発射した。

 

「うわっ何か来たよ⁉︎」

 

「先生は危ないから下がってて!」

 

「"わかった、みんなも気をつけて!"」

 

 先生が建物に避難していき、ゲーム開発部たちも戦闘に加わった。敵の装甲は大したものではないが、何せ数が多く、まともに相手すればこちらの弾が尽きるのは明白である。

 しかし、接近戦に長けている大和学生に限ればその心配はほぼ問題なく、銃剣や銃床で不可解な軍隊(Divi:Sion)を破壊しまくっていた。なんなら不良生徒からは『アイツらは弾切れになった方がヤバい』とまで言われているほどである。

 

「オラァ‼︎着☆剣☆剣‼︎」

 

「どうした?もっと来いよォ⁉︎」

 

「これじゃあ訓練にもならねぇよ!」

 

「モモイ、今のうちにアリスに呼びかけるんだ」

 

 スーパーノヴァを隠し終えたエンジニア部たちがモモイの元に集まり、そう提案した。ここに来るまでにヴェリタスから連絡があり、おそらくまだアリスの意識はある可能性が高く、モモイらが呼びかければ再び主導権がアリスに渡るのではという話であった。

 

「説得に使えそうなBGMも用意しましたよ‼︎さぁどうぞ!」

 

「スイッチオン!」

 

 ヒビキがスピーカーのスイッチを入れると音楽が流れ出したが、そのイントロを聞いた大和学生、特に設立組は激しく動揺したのであった。

 

「ちょっと待て…ちょっと待て…⁉︎」

 

「おい、これって…」

 

いつまでも 絶えることなく 友達でいよう

 

『ああああぁぁぁ⁉︎』

 

「駄目だ‼︎」「駄目だ‼︎」「駄目だ‼︎」「駄目だ‼︎」「駄目だ‼︎」「駄目だ‼︎」「駄目だ‼︎」

 

「えぇ⁉︎なぜですか⁉︎」

 

「縁起が悪いんだよ‼︎」

 

「少なくとも主導権を奪われて敵対した味方に対して流す曲じゃないですよ‼︎」

 

 血相を変えて話すムサシとコハクらに気圧され、曲を止めるがその隙を突いたケイがいつの間にか作り出したトレンチガンを持ってムサシの懐に潜り込み、腹部に連続で撃ち放った。

 複数の衝撃に呻くムサシだったが、すぐに拳を振り翳しケイの後頭部を思い切り殴りつけた。

 

「ガッ…⁉︎」

 

「悪いな、私を止められるショットガン使いは二人しか知らないのでね。これくらいなんて事は無い」

 

 先の一撃がいい具合に入ったのか、ケイはそのまま気を失って倒れ込んだ。

 周りを囲んで警戒していると、むくりと彼女は起き上がるが、その目は青色をしていた。

 

「…アリス?」

 

「…パンパカパーン‼︎アリス、やっと身体が戻りまし「いいえ、まだです‼︎」あ、駄目です‼︎」

 

「……んぁ?」

 

 一瞬だけ目が赤紫になったかと思えば再び青色に戻ったが、そこから交互に瞳の色が変わり、その度にアリスとケイは言い争いをしていた。

 

(推奨BGM:Unwelcome School)

 

「王女、邪魔をしないでください‼︎」「邪魔してるのはそっちです!何でモモイやみんなを傷つけようとしてるんです⁉︎」

 

「それは我々が世界を滅ぼすために作られたからですよ‼︎」「アリス、そんな魔王みたいな事したく無いです!アリスは勇者になるんです‼︎」

 

「我儘を言わないでください、これは無名の司祭らから与えられた使命であり…」「そんな人たちはもういないじゃないですか⁉︎そんな人たちの言う事なんてアリス、無視します‼︎」「な…な…⁉︎」

 

 肉体の主導権が入れ替わる度に不可解な軍隊(Divi:Sion)は起き上がったり倒れたりを繰り返すという奇妙な状況のなか、モモイたちはこの一人二役の口喧嘩ともいうやりとりに唖然としていた。

 

「えっと…なにあの…なに?」

 

「司令がさっき頭殴ったからおかしくなったんじゃないです?」

 

「そんな古いテレビみたいな…いや、古いっちゃ古いのか…?ともかく今がチャンスだ、今のうちに不可解な軍隊(Divi:Sion)を破壊するぞ。モモイたちは説得を頼む。調月さん、ケテルの様子は?」

 

 ムサシの問いかけに対して、リオは深刻そうな様子で話した。

 

《今、C&Cとそちらの部隊、あとAMASとアバンギャルド君が交戦してるけど…AMASが文字通り全滅、アバンギャルド君も大破したわ…生徒の方は未だ離脱者はいないけど、攻めあぐねてるわ。今トキも向かわせようと考えてるところよ》

 

「了解です。こちらは今アリスが頑張って暴走を抑え込んでいます。再暴走の可能性があるので私は動けませんが、今ならエリドゥのハッキングの心配は無さそうなので、システムを起動してアビ・エシュフで向かわせた方が良いかと」

 

 わかったわ、と返事がすると、たちまちエリドゥが稼働する音が聞こえてきた。ムサシらは未だ口喧嘩をしているアリスとケイを尻目に不可解な軍隊(Divi:Sion)の破壊作業を開始したのであった。

*1
172cm。ちなみにコハクは175cm(ケモ耳除く)




アリス「ヒンメルはもういないじゃない」(意訳)
ケイ「なんだァ?…てめェ…」

 ハイ、ムサシは飛べますし他の羽付き生徒も飛べます。

 なのでトリニティでは舞い降りるツルギ、ゲヘナでは空飛ぶシロモップが目撃されてます。

 大和学生との戦闘でムサシがいない時はホントに居ないか伏兵(地上)か伏兵(空)か伏兵(爆撃)のどれかというクソみたいな選択が入ります。
なお爆撃された赤冬クーデター、もといマリナとミノリはムサシが若干トラウマです。

 次回はケテル戦メインです。
年内にはパヴァーヌ編終わらせたいなぁ。
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