今回は説明回であり、にほんへらは出てきません。
大和総合支援学園。2年前にビナーを撃破したことをきっかけに名が広まった彼女らは当時は存在を知られていない集団だったが、様々な点で《異常》であった。
ミレニアムで回収したビナーの残骸を解析するに、相応の実力を持たないと撃破は難しいとされていた。
しかし、ユメを搬送した12名を除き、撃破に当たった108名の内訳が、迫撃砲や
ついでにカイザーコーポレーションのアビドス自治区乗っ取りを暴くといった情報収集能力を持っていたのであった。
実際は複数の零細学園に資金を提供する代わりに秘匿して滞在させてもらうといった契約をしており、姿こそ見られているが単なる通行人としてであり、表立った戦闘はしなかったため変わった格好の生徒として見られていたという事であった。
ではその資金源はというと、それ自体は連邦生徒会や各学園でも多少は名が知れていた存在の人物によるものであった。
戦闘面、情報面でも実力を持ち、さらには財力を持つそれなりの集団が無所属となると各学園はこぞって自分らのとこに入学しないか誘ったが、彼女らは誘いを断り、自分たちの学園を設立するため連邦生徒会に直接交渉を行った。
キヴォトス治安維持のため、暴動の鎮圧や困窮状態の各学園の支援及び救援活動や廃校・退学となった生徒の受け入れを行う学園。その活動にあたって制限、制約無しの自治区間の移動及び戦闘行為の許可という過大な要求に当然、殆どの連邦生徒会メンバーは反対したが、要求理由の説明を行ったところ、何名かが賛成派になり、何より生徒会長自身が賛成派となったところで彼女らの代表と設立に関しての交渉を始めたのであった。
その説明というのは現在、治安維持という意味ではヴァルキューレが担っているが制限があり自由度が低く、かといってヴァルキューレで対応できない案件を解決するのが目的の連邦生徒会直属のSRTは精鋭であるが故に過剰戦力となり、当該自治区の反発を招くケースもあった。
支援や救援に関しても日々の要請に連邦生徒会は手一杯でありどうしても小規模の学園や当事者としては重要だが、キヴォトス全体としては重要度の低い案件には支援が後回しとなった結果、廃校となり行き場をなくし不良と化した生徒が暴れ回り、被害を受けた学園が支援を要請するが手一杯で…という悪循環が起きているのが現状である。
ならば、これを機に支援を目的とした学園を設立し、重要度の高い案件は連邦生徒会が、そうでないものを自分らに対応させて将来的な脅威を減らしキヴォトスの治安を良くした方が良いとの説明であった。
戦闘に関しても救援内容によっては必要であるし、支援物資を狙う不良グループの対応としては正当なものとのことであった。
ここまで説明を聞いた連邦生徒会の面々は、自分らの業務負担が軽くなるうえ、こういった多目的な支援を行う学園を《連邦生徒会が》設立したという事実は今まで支援が遅れて不満を抱いていた各自治区への緩衝材になりうる事、さらに言えば幾つかの権限を持った組織がいるという事は『どうせ連邦生徒会は手出しできないだろう』と考え、好き勝手行う者への牽制となるといった意見を出すものが現れ始め、交渉を行った次第であった。
数ヶ月に及ぶ交渉のもと、幾つか条件を加えた上での《大和総合支援学園》の設立が決定したのであった。その主なものが二つである。
・連邦生徒会長から支援の中止を命じられた場合、中止した方が危険となる場合を除き即座に応じる事
・支援要請を当学園が行う場合、その順位は最下位である事
その他にはヴァルキューレとの協力して行動できるようにヴァルキューレ側の制限を一部解除したり、SRTとは互いの暴走時の対抗措置となるといった細かい条件であった。
学園の場所は彼女らが潜伏していた複数の学園を統合する形となったが、彼女たちを匿っている間に彼女たちの人と為りを知った各学園側の了承を得ての事であった。
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現在
サンクトゥムタワーの制御を取り戻し、ある程度の事後処理を終えたリンは軽く息を吐いていた。
突然の連邦生徒会長の失踪、それによる業務の支障こそ起きたものの、すぐに立て直せたのは、大和総合支援学園の応援に加え、以前から連邦生徒会長が有していた権限の一部を各行政委員会に再分配させていた為、即座に各自の権限を使って対応したのが要因であった。
初めこそ権限に伴う仕事の増加に苦戦していたが、『超人』とされる連邦生徒会長直々に任されたとなればそれに応えようとするのは当然であり、次第に苦にならなくなってきた。
先生の赴任時には武器の不法流出が200%近くになったが、もしあのまま権力が集中していれば大変な事になっていたのは想像に難くなかった。
…実際『本来の歴史』なら2000%というあり得ない数字になっていたのだから。
(そう言えば、会長がそうし始めたのは大和学園*2が出来てからだった…もしかして、彼女らが入れ知恵でもした?)
もし仮にそうだとしても、その行動に悪意はないだろうとリンは判断していた。
設立当初から
(それにしても…戦闘時のあのノリには参るわね…)
普段はまともな喋り方をする癖に、戦闘となると妙な言葉遣いをして血気盛んに行動する彼女らに驚かされたし、突撃時に何処からか取り出したラッパやら法螺貝やらを使った音には今でも慣れずにいた。
補足
大黒ちゃんは前回の司令官とは別人です。名前の由来は『大黒天』です。
司令官の名前はまだ考えてませんが、見た目は雄雉の翼に尾羽も生えてる感じの子です。
大和総合支援学園の装備は旧日本陸軍や自衛隊のものが主ですが、何故か古い装備持ってるやつの方が強いという謎現象(大和魂ともいう)があります。
権限がある程度分散されたので本編よりだいぶ被害は抑えられてますし、各行政官も会長から任されたのもあり、キラにミレニアム任されたシンの如くモチベが上がってある程度の余裕はあります。
その過程でカヤはSRTの管理権限を持ってはいますが、他のメンバーが本編よりワタワタしてないので「駄目だコイツら…なら私が超人に」とはそこまでなっていませんし、何より権限に伴う仕事をこなすうちにキヴォトスの治安の悪さを早くに認識したことと、会長失踪に伴うキヴォトス内の混乱で防衛室長としての仕事が増えた事、さらにはそんな状態で殆ど銃剣突撃でビナー倒したにほんへ共と敵対したくないという理由でクーデターやる気力がないです。
なお、リンちゃんは一回だけ本編プロローグでやったスゴイ=シツレイな態度を彼女らにやらかしてバチクソに怒られました。
彼女としては彼女らは「初めは気に入らなかったけど、問題は起こさないし、言う事はほぼ正論で悪い人らではないけどやかましい連中」です。