「地球ネコは?」
「いきなり平○進は刺激強いわこの馬の骨ェ!」
「ヨウカさん、スズミちゃんに世界タービンMVで見せて布教してましたよね?彼女、すっかりハマって前にパレード歌いながら不良制圧してましたよ」
「ラリったシンフォギアか?」
「さて、会議を始めようか」
大和学園の会議室(完全防音仕様)にて、ムサシたち転生組がこれからの事についての会議を始めようとしていた。
「最終編についてだが、まず大前提としてカヤによるクーデターは発生しないと見ていいだろう。こちらとも良好な関係を維持してるうえ、偶然とはいえ調印式に参加したことでキヴォトスの実態を理解したと同時に自身では会長の代わり足り得ないと話してたからな」
「となると、カイザーは彼女からのバックアップは受けられないと。それでも強行しそうな以上、油断はできませんね」
「アビドス乗っ取り計画の破綻に加えてホシノさんの誘拐と調印式で来るなと言われたのにも関わらずこっそり潜入させたのバレた件でトリニティから事業の撤退を言い渡されて、だいぶ株価も規模も右肩下がりになってますね。故になりふり構わずやらかす可能性もあり得るかなと」
「ふむ…どのみち大筋は変わらないのはこれまでの事でわかっている以上、カイザーが仕掛けるのはほぼ確定か。決起したのに合わせて我々は反撃し、カイザーを叩き潰す。これは決定事項だ。でなければ我々の卒業後、奴らが報復に出るのは目に見えてるからな」
カイザーとは真っ向から敵対してる以上、ムサシらの卒業後に報復を行うのは火を見るより明らかである。なので最終編でカイザーがなんらかの手段で連邦生徒会に侵攻してくるのを理由にカイザーを仕留める計画を四年前から準備を進めていた。
アマツや彼女の率いる経済学部が他の企業に投資を行い、代わりとなるレベルにまで発展させ、カイザー亡き後のインフラ事業の担い手を用意させていた。
妨害行為も警戒していたが、アビドスの計画が崩壊した影響で損失を埋めるべく事業縮小による大規模リストラや内部の立て直しなどで手が回らなかったため、そこは上手くいったのが幸いであった。むしろクビを切られた社員を投資先の企業に引き入れさせてノウハウを活かして発展させる手助けになったのは皮肉なものであった。
「その社員たちが寝返る可能性は?」
「ないですかね。福利厚生もカイザーより良いし、もし向こうがそれより上の待遇を約束したとて守る保証がないのは彼らも経験上理解してますし」
「なるほど。スキャンダルの方は?」
「バッチリです。コユキちゃんがアタシの口座から金ぶっこ抜こうとして良かったですよ。それ手打ちにする代わりに色々ヤバめな情報カイザーのサーバーから引っこ抜かせました。コユキちゃんには他言無用を約束させました。破ったらアタシと映画オールナイトさせるって言ったらすぐ了承しました」
それを聞き、ムサシたちは引いた顔でアマツを見ていた。
一見お仕置きにならないようであるが、何を隠そうアマツの好きな映画のジャンルはスプラッタ映画なのでこのお仕置きは非常に有効的であった。
一度受けているコユキとしては相当なトラウマだったため、普段ならバレなきゃいいと楽観的に考えていたがこればかりは割に合わないため厳守せざるを得なかった。
「問題は、奴らはバックアップの代わりに何を持って侵攻するかだが…考えられるのはシェマタ強奪か?」
ヨウカの呟きに周りも同調する。当時は無かった情報であるシェマタはカヤのバックアップの代わり足り得るものであり、シェマタの強奪は最も懸念すべきことである。
「マコトの話だと、アレは通常弾でも脅威だが、太陽と同等の温度のプラズマ弾を発射可能らしい。機構自体は不完全との話だが、反雷帝派を欺く欺瞞情報の可能性とのことだ。見つけ次第破壊したいとのことだが…」
「何か考えが?」
「あぁ…ケイだ。彼女の消失を防ぐためにシェマタが必要だ」
現在ケイはアリスの中で大人しくしており、時折アリスが身体を貸して過ごしてるそうであるが、このままでは本船の防衛システムによって消失してしまう。それを防ぐには単純に船に乗らなければいいが、そうでないと本船のデータを利用して彼女、正確にはアリスの力を行使してアトラ・ハシースのバリアを破ることが出来なくなると考えてたムサシだが、あるアイデアが浮かんでいた。
あのときの力は、ほぼ素体無しの状態から作り上げたから膨大なリソースが必要だったのであって、ベースとなるものがあれば必要なリソースを大幅に減らせるのではと。故に絶大な破壊力をもつシェマタとこちらで討伐したビナーの残骸を素体にすれば船に乗らずともバリア攻略の武器は造れるのではと考えていた。
「ま、それは本人に聞かないとわからないがな」
「それだけどさ司令官。どう説明するわけよ?」
「やっぱ当初の予定通りに、知らないはずのシッテムのパス詠唱してある程度ぼかして状況説明する?」
「いや、それは問題ない。私が神秘貫通弾を喰らって3日昏睡状態になったあの状況を利用する」
「…んぁ?」
ムサシが言うには、要はあの三日間で予知夢を見たと言い、先生に相談するといった計画である。セイアも予知夢を見ているため信憑性は増すし、なんなら精度ではこちらの方が圧倒的に上なので信用される可能性は大いにある。
なにせ通常弾丸が効かないはずの生徒に有効な銃弾という異常存在に撃たれたのだ。被弾した者が予知夢を見るといった現象が起きても不思議ではないのだ。セイアという前例がある以上、疑う余地はないだろう。
「さらに言えば、元ティーパーティホストのセイアと、今や時の人である私の証言があればリンの方も多少は信じて初動が上手くいく可能性だってあるはずだ。防衛室長もこちらの味方だしね」
「その手があったかぁ…。あとイベントとしては温泉郷だっけ?それが起きたら近いと見ていいかな?」
「まぁそう考えた方がいいだわさ。それとみんな、ケガには注意してね?特にしれぇ」
「わかってるよ。そういや近々レッドウインターで支援要請があったな。そのときイベントが起きるかもな」
その後、いくつか話し合ったあと解散しムサシとコハク、アマツが残り、代わりにメリニを会議室に呼び出した。
呼び出されたメリニは何故呼ばれたのかわからずソワソワしていた。
「あの、ムサシ司令官?何故私を…?」
「そう緊張するな。…以前カタコンベに行ったとき、神秘貫通弾とヘイロー破壊爆弾の作成者と遭遇してな。その時、ヘイロー破壊爆弾について面白いことになりそうだと言ってたのが気になってな。何か知ってるか?」
それを聞いた途端メリニは酷く動揺し、しばらく俯いていたがやがて意を決したように顔を上げて表情を険しくした。
「……そうですか。本来なら私が死ぬまで黙ってようと思ったのですが、それなら話します。あれを解析した時、中の制御部品や火薬の一部にキヴォトスで時々見つかるオーパーツの破片が組み込まれてたんですよね」
「エーテルの粉とか、水晶埴輪とかか?」
「ええ、まさしく。……特別なのはそこだけで、あとはある程度の技術が要るくらいです」
メリニの言葉に、彼女が言わんとしていることを察した3人が顔を強張らせると、メリニは搾り出すような声で続けた。
「はい。皆さんが考えてる通りです……
私、あの爆弾を作れます。それも、今ある材料でもっと強力なものを作れることに、気付いたんです…!」
彼女の告白に、ムサシたちは言葉を失っていた。
つまるところ大和学園はヘイロー破壊爆弾を保有しているも同然であり、これが漏れたらこれまでの信用がひっくり返る可能性すらありえるまさしく爆弾となっていた。
「知られた以上、私はここには居られません…!私を拾ってくれた貴女たちに迷惑をかけないうちに、退学の後に矯正局に…」
辛そうに涙を流し、退学を申し出るメリニだが、ある考えに至ったムサシは彼女の肩を掴んで話を中断させる。
「…いやまてメリニ。寧ろ学園の庇護下に居た方が安全だ。それに、まだやりようはある。ヘイローを持つのは我々生徒だけではない。キミも相対したはずだろ?」
「……っ!デカグラマトンの、預言者…」
「そうだ。奴らがキヴォトスにとって脅威なのはリオ会長から聞いている。だからコレは奴らに対抗しうる手段になれる。だから、まだここに居てくれメリニ」
「……そういう、事でしたら。まだここに居て良いといってくれて、ありがとうございます」
一礼してメリニは退出し、ムサシたちは身体の力を抜いた。
彼女の告白は予想外だが、それはそれとして新たな脅威への対抗手段ができたとみていいし、何より色彩が使わす刺客には預言者たちもいる為、ある意味助けとなったのは良い誤算であった。
(まぁとにかく、今は出来ることを進めなくてはな…)
ケイのリソース云々はわかりやすく言うとティアキンのブループリントみたいに素体があればコスト軽減できると考えて貰えれば大丈夫です。
本文通り、メリニはヘイロー破壊爆弾を作れるどころか、改良もできることに本人が気づいてしまいました。
エデン編の序盤でメリニがシャレにならないと呟いてたのはこの事です。
黙々と最終編及び打倒カイザーの準備を進めています。
怪我に注意ですが、予告にあった通りムサシはやらかします。
温泉郷とその話を書いたらいよいよですかね〜。
……原作でヒヤシンス学園の話来ちゃったわ。ま、そこまで進むのはだいぶ先ですしね。他の廃校学園にすればええか。
それと遅いけど、ナナミ被りどころか、オデュッセイア関係者のイカれギャンブラーが被るってどう言うことやねん…?去年のメリニといい、何故変なとこで事故るんだか…